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新作インダストリアル特集:今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2022/12/08

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

【告知】

予てよりお伝えしておりますように、次回Hardonizeの日程が決まっております。


2023/1/21(sat) Hardonize #43 15th Anniversary Special | Hardonize web

開催15周年を祝した超豪華回です。
サウンド、ビジュアル共に死角なしのラインナップ、且つ15年変わらず信頼を置いている良質な音響環境でハードテクノの魅力を存分にお伝えします。

日付は来年2023年の01月21日。
会場はいつもの早稲田茶箱でお待ちしております。

【近況】

突然で恐縮ですが、皆様は八潮のミクさんというのを聞いたことがあるでしょうか?

これです。
埼玉県八潮市のとある建設現場の壁に描かれたグラフィティでして、めちゃくちゃ見事な反面『なぜ八潮に?』という謎っぷりが絶妙で個人的に好きなスポットだったわけです。
ちなみにこの初音ミク以外にも人物画からロゴまで様々なスタイルのグラフィティがずらっと並んでいてそれも壮観でした。

で、上の写真は2019年に撮影したものだったのですが、2021年にもなると経年劣化でこうなっていくわけです。

これはこれで味があるのですが、まぁこのまま朽ちて消えてしまうのかと思いきや、今年の秋頃になんと描き直されたらしいんです。

これは直接見たいと思って先日再度八潮に訪問してみたのですが、

壁ごと撤去されてました。
後々調べたら撤去された直後だったっぽくて余計に悔しかったですという雑記でした。

際に残ったスプレー跡。

【今回のお題】

さて、当連載に於ける自分の回ではハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていく形式となっております。

ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。

ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。

今回取り上げるサブジャンルは

インダストリアル

です。

特別連載に於いては第8回に取り上げた歪んだリズムを最大の特徴とするダークでシリアスなテクノのスタイルです。

過去この音楽を取り上げた回としては
新作インダストリアルテクノ (2020年05月版)
の1回のみでした。
近い内容としては
新作ハードミニマル (2021年09月版)
新作非4つ打ちテクノ (2022年09月版)
この辺りも挙げられます。
メインテーマとして取り上げた回こそ少ないものの、近年のメインストリームテクノの先鋭化、硬質化に伴い、それらと一括りにして当連載で取り上げることはしばしばあるといった感じです。

気候がまあまあ寒くなってきたこともあり、冷徹なテクノが合う季節かなと思ったのでこのテーマです。
結構アップリフティングなテーマも続いてしまいましたし、ここらでハードテクノの陰の部分にもスポットを当てていきたいと思います。

早速ですがここ1~2ヶ月でリリースされた新作インダストリアル紹介いってみましょう。

【曲紹介】

MarAxe / Grounded

Grounded (Original Mix) by MarAxe on Beatport

スウェーデンのプロデューサーMarAxeによるインダストリアル
圧迫感のあるボトムが印象的である一方、ドライなクラップによる推進力も兼ね備わった曲。
ひたすらリズムとショートブレイクを繰り返す、飾り気の一切ないスタイルが昔堅気っぽいですね。

ちなみにこの曲、Naked Lunchというポルトガルを代表するテクノレーベルからのリリースなのですが、ここまで硬いトラックの輩出は結構珍しい気がします。

FORBIDDEN / In Your Face

In Your Face (Original Mix) by FORBIDDEN on Beatport

セルビアのプロデューサーFORBIDDENによるインダストリアル
圧のあるローファイなリズムが印象的なトラック。
金物リズムによる前のめり感はありつつも、最小限の音数で構成されているあたり、ミニマルに通じる精神性があります。

Strasse Killer / Necromancy

Necromancy (Original Mix) by Strasse Killer on Beatport

ハンガリーのプロデューサーStrasse Killerによるインダストリアル
叩きつけるような強烈なキックに重心を置いた曲。
後ろの方で仄かに聴こえる効果音も相まって不穏な雰囲気が延々と漂っています。

Radome / Shadows

Shadows (Original Mix) by Radome on Beatport

イタリアのプロデューサーRadomeによるインダストリアル
歪み度の高いリズムが非4つ打ちでループしているスタイルのもの。
どのサウンドを取っても無機質で冷たい印象があり、こういうのを聴きたくてインダストリアルを掘っているところはあります。
4つ打ちと織り交ぜて使うことで緩急つけた流れを構築できると理想的ですね。

Gene Karz, Lesia Karz / Zodiac

Zodiac (Original Mix) by Gene Karz, Lesia Karz on Beatport

ベラルーシのプロデューサー同士Gene KarzLesia Karzによるインダストリアル
更に歪み度が上がり、ハードコアのようなリズムを擁したトラック。
緊張感を煽るアラームのようなリフも相まって工場で聴いているかのような気分にさせてくれます。

Mark Rey / Kenia

Kenia (Original Mix) by Mark Rey on Beatport

スペインのプロデューサーMark Reyによるインダストリアル
旧来ファンキーなハードグルーヴを手掛けていたアーティストでしたが、ここ最近はストイックなテクノと絡め、互いの中間点をいく少し変わったスタイルを確立しているような印象があります。
この曲もトライバル風味なパーカッションやボイスサンプルは使われているものの、ビートがめちゃくちゃ重厚でビックリします。
全体の構成もハードグルーヴ色が強いように感じますが、ハードグルーヴとして使ったら間違いなく浮いてしまいそうな不思議な曲。
かなり好きですねこれ。

ちなみにMark Reyは今月半ばに直近でリリースした楽曲をメインに収録したアルバム87のリリースを控えています。

Mark Rey / 87

87 by Mark Rey on MP3, WAV, FLAC, AIFF & ALAC at Juno Download

中道を進むがゆえにどの型にも当て嵌まらない、そんなヒトクセあるトラックが揃っていますので是非。
余談ですが、タイトルになっている数字は彼の生まれ年でもあります。

Reiken / Erica Is to Blame

Erica Is to Blame (Original Mix) by Reiken on Beatport

アルゼンチンのプロデューサーReikenによるインダストリアル
ディストーションアシッド+ストンプリズム。
硬派なインダストリアルのマインドが存分に表現されている攻めっ気満点の曲。

Strange Arrival / Draw Distance

Draw Distance (Original Mix) by Strange Arrival on Beatport

オランダのプロデューサーStrange Arrivalによるインダストリアル
幾層にも重ねられた金切り声のようなシンセがホラー指数高め。
過度に圧縮されたキックにも破壊力があります。
地下の薄暗いクラブが似合うタイプのトラック。

D0T1 / Fallen Angel

Fallen Angel (Original Mix) by D0T1 on Beatport

スロバキアのプロデューサーD0T1によるインダストリアル
一聴して分かるパワフル且つ歪んだキックはまさしくハードコアのそれでありながら、中盤から差し込まれる浮遊感のあるパッドはある種それと相反する要素でもあります。
アンダーグラウンドの臭気が漂う逸品。

Riotbot / Industrial Sunrise

Industrial Sunrise (Original Mix) by Riotbot on Beatport

フィンランドのプロデューサーRiotbotによるインダストリアル
ドイツ在住の日本人プロデューサーAyako Moriさん主宰のレーベルPhysical Techno Recordingからのリリース。
Riotbotのトラックは当連載でも度々取り上げているくらい好きなのですが、本作はこれまで彼が培ってきた要素が全部乗せになっているかのような仕上がりになっており、初見で『凄ぇ。』ってなりました。

・速いテンポ
・歪んだ硬いキック
・高密度のリズム
・非4つ打ち
・エモーショナルなシンセ群
これが1曲に詰まってます。
割と信じられないと思いますので、是非聴いてみてください。
特徴的なインダストリアルを手掛けるアーティストは他にも数多く存在しますが、オリジナリティという点に於いてRiotbotは頭1つ抜きん出ている感がします。

【まとめ】

以上、インダストリアル特集をお送りしました。
今回はとりわけウワモノの少ない冷徹スタイルのものをメインに選出しましたが、これらの他にもレイヴスタブやアシッドシンセといった快楽的なサウンドを含むスタイルの楽曲も結構頻繁にリリースされています。
数あるハードテクノのサブジャンルの中でもサウンドのハードさやインパクト、そして実験的なアプローチを含むアングラ指数に於いてはトップクラスではないかと思うので、
変ミュージックスキーとして引き続き追っていきたい音楽です。

あとたまたまかもしれませんが、アーティストの国籍が見事にバラバラでしたね。
近い音でもシュランツとかになるとドイツがかなり多くなるんですけどね。

そんなわけで今回はここまで。

そして次回から毎年恒例の特集

Hardonizeクルーが選ぶ
2022年のハードテクノ10選

がスタートします。

その名の通り、2022年ももう終わりということで今年リリースされた中から印象的だった10曲を当レジデントメンバーがそれぞれ選びます。
1年を通して各種ハードテクノを取り上げ、プレイしてきた我々なので、これを読めば今年のハードテクノが分かるといいですね
そして15周年のHardonizeの予習もバッチリといった企画となっております。

トップバッターは774Muzikさん!
12月13日公開予定です。
お見逃しなく。

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今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2022/12/1

 

はいこんにちは、こんばんは。さんごです。

 

近況

12月ですって。師走ですよ師走。今年から来年にかけての年末年始は土日との組み合わせがちょっとイマイチ感ありまして大連休という感じではないんですが、まあそこはそれでしっかり遊んでいきたい。年が明けたらあっという間に次回のHardonizeがやって来ますからね。

あと今週末はちょっと遠出で再び北九州方面をガーっと舐めて行きます。福岡と佐賀ですので博多・天神のパワー、唐津の城下町パワーを吸収してこようかと。たまたま全国旅行支援の枠で取れたのでお安かったのですが、まあそれが無くても行っていただろうしなあ…

で、福岡で思い出したのですが行動制限が無くなってきている昨今、インバウンド含め景気と人流が著しく回復している感じが体感的にありまして、前回、下関に行った時の帰りが福岡空港だったのですが保安検査の列が200mくらいできており、まあまあ焦りました。

1時間以上余裕を持って行ったと言うのに割とギリギリでの通過となりまして、今回も同じく福岡空港を使うので気をつけたい所です。年末年始はあちこちが混雑しますので、何事も余裕を持って行動していきたいですね。

 

【次回のお知らせ!】

もう毎回毎回お知らせしておりますが、あと1か月半続くからな!というのとPassmarketの入場優先予約がいよいよ、本日から始まりましたドドーーーン!!

こちらが予約ページです。
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/0100rnje4er21.html

もうマジのマジで茶箱のキャパギリッギリを攻めていくラインナップですので個人的にも非常に楽しみな回となっております。

当日入場はあるかどうか結構微妙なラインなので早めの予約をオススメします。

 

 

今週の新譜紹介

Vincit Qui Se Vincit (Original Mix) by Callum Plant

楽しい楽しいBPM145のブレイクビーツ枠。割とグログロ系シンセで攻めていきますがブレイクの所ではこの手のジャンルのお約束的にいきなりフワーっとキレイ目になります。で、ブレイク後はそれが一緒くたにやって来るという。清濁併せ呑むとはこのことか。ちがいます。

Back Again (Original Mix) by Repthiloid

謎のピアノバッキング乱れ打ちがレイヴィー感を醸しだす重めのテクノトラック。このRepthiloidって人、素性があんまりよくわからないのですがドイツはベルリンのトラックメーカーのようです。リリースも探してみた限りでこれ1曲っぽい。謎。

I Want You (Original Mix) by dBL (UK)

出た~~~同じサンプリングボイスでひたすらグイグイに押していく系のハードグルーヴトラック!!でもこういうの好きなんだよな…聞いたら分かる、そういうことです。

Do It For Yourself (Original Mix) by Raar

ゴリッゴリのハードグルーヴ・ハードミニマルで色々な曲との食い合わせが良さそうです。インダストリアル方面に持っていく切っ掛けにもできるし、あるいは戻ってくるときの切っ掛けにも出来る、展開の真ん中に置きたい、そんな楽曲。

Caeruleum (Original Mix) by Callum Plant

Callum Plantはイギリスのマンチェスターを拠点に活動するプロデューサーで、ディスコグラフィー的には2015年くらいからの活動ということでいいのかな、いやーいいですよこれ。おキレイ系で疾走感があってちょっとオールドスクールテクノ感もありで、どの世代にもサクっと刺さるナイストラックです。今回のイチオシ。

Ode To Joy (Handsup Symphony No. 9) by Marq Aurel, Mr. Di

最後はネタ枠。なんだこれ。
曲名でピンと来る方は多いでしょうが、師走ということで第九ネタのハンズアップチューン。EDMばりに短いレングスとなっておりますので「なんか忘年会のDJ任されちゃった」という諸兄の飛び道具としてオススメしておきたいと思います。

 

 

というわけで本日はここまで。
次回更新は12月6日です!