こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
4週間ぶりに担当致します。
【近況】
前回触れた通りではありますが、X CLUB.来日公演、そして翌日のSpace 92とGreg Downeyの来日公演と立て続けに行ってまいりました。
X CLUB.は期待通りの現行ハードグルーヴを軸にした、グルーヴに重きを置いた内容で眼福でした。
ちょいちょいベースラインやブレイクスも差し込んでくれて嬉しかったですが、挙句の果てにダブステップまで経由させる瞬間もあったりして、その大胆さにひっくり返る思いでした。
流石にあれは真似できん。
とはいえ、MIXはかなり丁寧でしたし、イギリスで培ってきた現場力の高さを見せつけられました。
一方Space 92については、ギラついた硬いテクノのオンパレードといった感じでした。
サイケデリックトランスにも踏み込んだあのテイストは見事に歌舞伎町映えしてましたね。
片やGreg Downeyは質実剛健なテックトランスに終始していて、これもこれで見ごたえがありました。
この手の音楽のトップレイヤーを見る機会もなかなか無いもので、貴重な経験になりました。
ちなみに今週末は、SuaraやMutual Rytmといった現行テクノを代表するレーベルから度々リリースしているDJ Dextroがポルトガルから来日します。
THIS SATURDAY
TECHNO, HARD TECHNOスペインの大型レーベルSTEREO PRODUCTIONやSUAAR等よりリリースを重ねるプロデューサーで、SESSIONのレーベルである @SessionWomb からもリリースしているDJ DEXTROがポルトガルより登場。
1FはHARD TECHNOパーティー abduction開催。???https://t.co/94KJw6Fsk4 pic.twitter.com/4AqbJrsgxz
— WOMB official (@WOMB_Tokyo) October 13, 2025
当連載でもしばしば名前が挙がるアーティストですね。
機械的な硬さというより、肉感的なタフさを感じさせるトラックが多く、2000年代の自由なテクノの雰囲気が好きな方にはハマるところがあるように思えます。
これもかなり見たい。
【次回Hardonize】
日程が公開されております。
ぼちぼちゲストについても発表予定なので、もう少しお待ちください。
割と変わり種回になりそうなので、個人的にも実験色を出していきたいと考えています。
日にちは12月06日(土曜日)、15時からとなります。
場所はいつもの早稲田茶箱にて皆様のご来場をお待ちしております。
【Spotifyプレイリスト】
Spotifyプレイリストの2025年09月分が公開されております。
当連載でピックアップしたハードテクノをメインとするトラックをプレイリスト化した全40曲。
自分は新作ゲットーテック (2025年09月版)で取り上げた曲が入っております。
【今回のお題】
さて、来週末26日は本連載で僕が度々勝手に取り上げている同人音楽即売会M3があります。
ここ数回、特集として取り上げていたりいなかったりなのですが、割合マメに取り上げているトピックです。
以前の特集についてはこちら。
2024秋 / 2023秋 / 2023春 / 2022秋 / 2022春 / 2021秋 / 2021春 / 2020秋 / 2020春 / 2019秋 / 2019春 / 2018秋 / 2018春 / 2017秋 / 2017春
我々DJからしてみれば、こうして曲を作り、そしてリリースしてくれる人たちのおかげで成り立っている部分はあるわけですし、ましてや国内、それもこうしたイベントに集結してもらえるというのは非常にありがたい機会です。
中にはHardonizeとしてだったり、個人的にお世話になっている方々もいるので、まぁ彼らに足を向けて寝られないと日々思っております。今日も立ったまま寝ることにします。
カッコいい曲、かわいい曲、使える曲、実験的な曲、変な曲・・・とにかく予想だにしなかった音楽との出会いを実感できるイベントなので、ご興味のある方は是非足を運んでみてください。
出展者一覧についてはM3のサークルリストページから参照することができます。
というワケで、今回は
と題しまして、テクノ的オススメだったり、Hardonize的に関連があったりするものをメインに挙げていきます。
本来なら今回のイベントに合わせた新譜を紹介したかったのですが、思った以上に情報が公開されておらず(みんな最後の追い込み頑張ってる)、試聴埋め込みについては過去の作品をイメージとして添えたものもあります。
一部(?)、テクノにもHardonizeにも掠らないサークルについても取り上げておりますが、個人的趣向(でもオススメ)と受け取ってください。
それではいってみましょう。
【曲紹介】
(表記は『[アドレス] / [サークル名]』となっております。)
(試聴埋め込み作品はイメージなので、当日頒布されているかどうかについては分かりかねます。)
Stream MORPHO PARADIGM 4 by MYORPH | Listen online for free on SoundCloud
神戸のトラックメイカーsanmalさん率いるレーベルMYORPH。
冷たく、歪んだベースミュージック、ドラムンベースに重きを置いています。
Hardonizeも参画させていただいた、テクノパーティとテクノトラックメイカー連動企画TECHNO ALLIANCE。
過去に頒布された楽曲にリマスターを施し、再収録されたコンピレーションのリリースが予定されております。
今回、774muzikさんのトラックも収録されております。
poniyamaさん率いるレーベルLiminal Warp。
無機質で暗いベースミュージックにアニメのエッセンスを加えた作品が特徴的です。
毎回好きで購入してますし、なんならちょいちょい現場でも使っております。
Stream [M3 2025秋]Next Decade (Xfade Demo) by glitch_electro | Listen online for free on SoundCloud
テクノ、トランスをメインに、4つ打ちダンスミュージックを手掛けているglitchさん。
ハードテクノに踏み込んだ作品もちらほら。
「M3 2025 秋」 ANCV-0001 MKI Compilation (XFD) – YouTube
東京科学大学公認インカレDTMサークル、Tech-nation Records。
このサークルには前述のTECHNO ALLIANCEにも参加しているYazavvaさんが所属しています。
Stream DATFILE-090「PARA OUT.8」 by mochiya00 | Listen online for free on SoundCloud
様々なアプローチのドラムンベースを手掛けているmochiya00さんのレーベル。
この『PARA OUT』シリーズはレーベルの看板コンピレーションです。
ちなみに、彼のSoundcloudアカウントにはブートレグがいっぱい公開されているので、そちらも必聴。
Happy #909day jam with XBase 09, TB-303, M8 Tracker, MODEL1.4, RMX-500 – YouTube
ハードウェア機材でテクノを演奏するYebisu303さん率いるレーベルであり、YouTubeチャンネルFreaky Tweaky。
何やってるか分からんが曲はカッコいい、の代表格。
「M3 2025 秋」 ANCV-0001 MKI Compilation (XFD) – YouTube
韓国のクリエイターAnchovさん率いるUKガラージ、ベースラインのレーベル。
かわいさありつつ、しっかりダンスミュージックとして機能する大ボリュームのコンピレーション作品のリリースが予定されております。
Stream 【M3-2025 春】 「ID」 XFD by anabebe | Listen online for free on SoundCloud
かつてHardonizeにもご出演いただいたanabebeさんのレーベル。
ドがつくくらい、ストレートなテクノ~ハードテクノ。
Nakayoshi Island EP | NUS_0x40
栄免建設さん、cor!sさんらを擁する、1990~2000年代のゲームカルチャーに影響を受けた作品をリリースするユニット、NUS_0x40。
レトロなサウンドの中から感じ取れる、こだわりぬいたビートと一筋縄ではいかないメロディーラインは『ゲーム風』という枠に収まりきらないものがあります。
[Album Preview] Memories of your Memories [M3 2025秋][XFD] – YouTube
ミニマル~ヒプノティックなテクノを多く手掛けるArruleさん。
今回、インダストリアルテイストな楽曲も含まれていて個人的に好みです。
エレクトロニカやアンビエントを手掛けるPhasmaさん、及び彼も所属するプロジェクトFunwari-chanなどを擁するレーベル。
穏やかでありつつも精緻な音使いが、いつ聴いても心地良い。
ドラムンベースから、ハードコアまで手掛ける、大阪のクリエイターSupireさん。
煌びやかというより、実験的且つ鋭利な音使いに長けている印象です。
【Acid Live session】TT-303/TR-909/TB-3/TR-8/Volca sample – YouTube
かつてHardonizeにもご出演いただいたDietraxさん率いるアシッドテクノバンド、アシッド田宮三四郎。
ハードウェア機材から直接出力される、強靭なアシッドシンセのグルーヴは唯一無二です。
Stream 【XFD】ABYSSUM EP VOL.4【M3-2025春】 by ABYSSUM | Listen online for free on SoundCloud
暗く、深く、冷たいベースミュージックを特徴とする新進気鋭のレーベル、ABYSSUM。
作品を重ねるごとに、どんどん音が研ぎ澄まされている感じがします。
hack the planet vol. 3 | datafruits
ご存知、国内ハードグルーヴの筆頭格Homma Honganjiさん率いるバンド、Bigfireと、海外のネットレーベル兼オンラインラジオdatafruits、そしてksd6700さん主宰のテクノレーベル、Omantic Records、INAGEによる合体ブース。
Stream 【XFD】SEKIDO EP – DJ Eye by 空読無 白眼 | Listen online for free on SoundCloud
不定形テクノを手掛ける空読無 白眼さんによるレーベル。
呪術的なパーカッションが印象的な、実験要素の強い曲に惹かれます。
Stream DJ_WILDPARTY | Listen to DJ WIILDPARTY – COLLAB playlist online for free on SoundCloud
かつてHardonizeにもご出演いただいたDJ WILDPARTYさんのレーベル。
時期によってリリース作品の傾向が全く違うのですが、その点こそ彼のDJにおける幅の広さにも表れてます。
実は遥か昔(15年くらい前)に何度か共演したことがあるatnrさん。
当時はミニマルテクノを作られていた記憶がありますが、現在はハードウェア機材によるエレクトロニカ~アンビエントを手掛けているようです。
Stream MAD BREAKS | Listen to MBS006: Last Anniversary! playlist online for free on SoundCloud
メキシコのサンプリング集団MAD BREAKS。
サウンドやデザインひっくるめて、古き時代のアンダーグラウンド同人音楽の系譜が感じられます。
Tシャツも良い感じ。
Stream HYVE Vol.5 Crossfade Demo by HYVE | Listen online for free on SoundCloud
Nizikawaさん、s-donさんによるハードダンスレーベル、HYVE。
レーベル名を冠したコンピレーションには現場直通のトラックの山なので、個人的に重宝しております。
国内サンプリングテクノの大ベテラン、BUBBLE-Bさんのレーベル。
面白トラックも多い一方、独自のコネクションを活かしたコンピレーションにも特徴が表れています。
Stream EQUINOX (Album) – Official mix by DJ Shimamura | Listen online for free on SoundCloud
かつてHardonizeにもご出演いただいたDJ Shimamuraさんのレーベル。
現行のハードコアヘッズは勿論のこと、彼の中に根深く残っているオールドスクールレイヴのマインドは、ジャンルの枠を超えて届くものがあるはずです。
ASUKANAMIKIさんのレーベル、奇廻花。
有機的な雰囲気を纏った優しいアンビエントを主に手掛けております。
Stream 【XFD】Good4Tune 4th EP “4mer” by ragia | Listen online for free on SoundCloud
ragiaさん、Gyousyaさんによるレーベル。
テクノ~トランスを主軸とした4つ打ちダンスミュージックのEPが看板作品です。
え-18b / Aural Adrenaline
ブースが隣同士なのでまとめてしまいますが、SHIN SEKAI、Aural Adrenaline、共にイギリスのハードコアレーベル。
前者はDJ SARIA、後者はJAKAZiDによって運営されています。
もちろん、共にイギリス人なので、この日のために来日するんでしょうね。
LC41 EP | isle,Mitinoku,Quarta330 | Goldenberg Records
ベースミュージックやドラムンベースを手掛けるレーベル。
ある意味で同人音楽らしくない、深度のあるタフなサウンドを聴くことができます。
spring spoilla | kuttsurikai | KUTTSURIKAI
高い純度且つ長きに渡り、同人音楽×ヒップホップの形を提示し続けているレーベル、くっつり会。
HARD GU.W-C.Iさん擁するユニットmusashinoclan名義作品はサウンド、リリック双方にアニメのコンテクストが散りばめられており、初めて聴いたときはブチくらいました。
Stream Rose Window (XFD) by terminus | Listen online for free on SoundCloud
無機質でディープなドラムンベースを手掛けているクリエイター、terminusさんのレーベル。
精緻に刻まれた手数の多いリズムは、少なくとも同人音楽シーンにおいてかなり貴重です。
one last look back. (808Tapes by GraphicEdition) | XFD – YouTube
リズムマシン、TR-808と合成音声ソフトを組み合わせたビートミュージックを手掛けるSuperConsoleさんのレーベル。
ダークかつシンプルなサウンドは、モノクロのデザインと非常にマッチしています。
Stream Charterhouse Records | Listen to For Tonight EP – Ueno playlist online for free on SoundCloud
テクノ~ハウスをメインとしたカセットテープ作品を手掛けるレーベル、Charterhouse Records。
何度か当連載に載せておりますが、最近はベースミュージックを含むリリースもちらほらあって個人的には嬉しい限りです。
DJ Tokunagaさんによる、その名の通りハウスのコンピレーションをリリースしているレーベル。
多種多様なハウスのスタイルを1枚で網羅できるので、入門盤としても非常に有効です。
Kouki Izumiさんによるテクノのレーベル。
硬く無機質なテクノという面において、抜きん出た安定性と信頼性を感じております。
何かとお世話になっているTakayuki Kamiyaさん率いるレーベル、秋葉原重工。
2023年にリリースされたHIROSHI WATANABE / Live the Life Remixesの続編となる作品が予定されております。
本作もリミキサー陣の幅に驚かされました。
Aphex Twin – Flim Drum Cover – YouTube
多数の楽曲にドラマーとして参加されている一方、ハードウェア機材でテクノのリズムループを作っているなおkさん。
上記の動画のように、ドラムカバーの題材としてAphex Twin / Flimを演奏しているあたり、興味があります。
Stream new wave [DECADE] by wavforme | Listen online for free on SoundCloud
ハードダンスからベースミュージックまで、アグレッシヴなダンスミュージックのコンピレーションをリリースしているレーベル、wavforme。
コンピレーションごとにテーマが明確になっているのも特徴的です。
柔らかい質感を伴ったテクノを手掛けるUtsuro Asagaiさんのレーベル。
どちらかというとモダンなテイストのものが多い印象です。
テクノのDJ/クリエイターであるkokouさんのレーベル。
Hardonizeの会場である早稲田茶箱を介して知り合った先輩世代の1人であり、長年のキャリアに裏打ちされた趣きのあるトラックが揃ってます。
Stream 【2025-M3秋】Portfolio 10【XFD】 by You10g | Listen online for free on SoundCloud
テクノのクリエイター、You10gさんのレーベル。
コンスタントにリリースされている『Portfolio』シリーズが看板タイトル。
ハードダンス~ハードテクノにスポットを当てている新興レーベル、Rolling Bassline Recordings。
今回のリリースではシュランツをテーマに掲げたコンピレーションがリリースされるようです。
Stream lys by vjorka (crayvxn) | Listen online for free on SoundCloud
*-Teris.さん、crayvxnさん、Renpulさん、MonarXさんの4人によるレーベル。
2000年代を彷彿とさせるレトロな質感を持ったトランス作品のリリースが予定されているようです。
ハードウェア機材でテクノを演奏するvcfoxさん。
最近はDJも始められたとのことで、作品を追うごとに表現の幅が広くなっている印象を受けます。
Stream 【XFD】J-SCHRANZ11 -SAMURAI- by TKG – SCHRANZ | Listen online for free on SoundCloud
海外レーベルからのリリース経験も豊富なシュランツのクリエイター、TKGさんのレーベル。
現地から第一線に立つアーティストを招いて制作された作品が多く、最もフレッシュな形で現行のシュランツを提供している存在と言えるでしょう。
【次回】
そんなワケで今回はここまで。
次週10月21日は774Muzikさんが担当します。
では。