今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2020/11/17【Hardonize#37振り返り】

こんばんは。774muzikです。
先週土曜日の11月17日はHardonize #37でした。
コロナの影響によるリモート出演を経て、8か月ぶりの現場プレイ。
めちゃくちゃ楽しかったです。
全体を通してみても、(喫煙所トークも含めて)とても濃くて最高でしたね。

自身のプレイを振り返ると、間違えてCueボタンを押してしまってドタったり、Windowsの通知音がフロアに鳴り響いたり、TraktorのDeck2が使用不能になったりと、事故っぽいアレもありましたが、プレイ自体は総じて楽しく「らしい」内容でプレイ出来たのではないかと思います。
今回、今一つ事前の展開組みがしっくり来なくて、頭の2曲だけを決めて後はその場で、という感じのプレイだったんですが、録画見直してみて、かなり好きなミックスになっていたので良かったです。

ということで、終了直後の更新なので、プレイしたトラックを振り返っていきたいと思います。

01: アルファ feat. DJ TASAKA – ミカサスカサ

Amazon Music
イントロ。大好きな曲なんですが、ベースが入ってくるとポップみがかなり強くなってしまうので、最初の声ネタ部分だけを使い、ループさせながらそのまま次の曲へ。
この曲の頭はイントロとしての機能が素晴らしい。

02: Hertz, Rowdy Sparks – Delicado(Original Mix)

ああ、甘美なる2003年・・・。この頃のテクノが最高に好き。
Hertzド安定だなぁ。ドチャクソかっこいい。

03: Trevor Benz – Fornieuls(Original Mix)

ドスドスしたリズムに変態くさい上物が絡むシカゴっぽいトラック。
キックとスネアが同時にバシバシ鳴らされる曲は常に最高です。
Green Velvetの名曲、War On The Saints辺りとも相性良さそう。

04: A.Paul – Visoko(Part 1)

ブリーピーなベースに無機質なシンセが乗る、渋カッコいいトラック。
序盤ということで、ジワジワとテンションを上げていく感じ。

05: Thomas Schumacher – Tek 29(Wire Version)

これ、めちゃくちゃ好きなんだけど、それだけに、とても残念なトラックなんだよね・・・。
何せ音質が悪い。
音量が小さいせいなのか、他のトラックに合わせて音量を上げた時に残念音質だと思う。わざとなのか・・・?
でもカッコいいから使う。でも残念。

06:Gotshell, Sons Of Hidden – Ópalo(Original Mix)

無機質なシンセ(ベース?)によるグルーヴが気持ちいい。
テクノらしいテクノ。

07: Begard – Hop(Original Mix)

今回のHardonizeにも来ていただいた、So KobayashiさんによるBegard名義でのリリース。
少し変則的なビートと覚醒的なシンセリフがめちゃカッコいい。
聴くほど味が出る。

08: Korros – Hopeless Riot(Original Mix)

このアーティスト名何て読むんでしょうね?コロス?
今年のリリースなんですが、90年代後半~00年代初頭辺りのハードミニマル感があって、とても良いです。
ミックスの流れ的には、まだジワジワ来てるとこ。

09: Israel Toledo – I Never Forget(Klang Raw Isolated Remix)

上物とかキックの動きがやや派手な方向にシフト。
4拍合わせのクラップに少しシカゴっぽい雰囲気もあり、この後の展開への呼び水的なトラック。

10: Female – Angel Plague: No Sense/No Reason(Original Mix)

直近のリリースなんだけど、昔のハードミニマルに近い感じがあって、とても素晴らしい。
やっぱりキックはリバーブのかかってないドライな音色の方が好きだなぁ。

11: Alex Kvitta – 6 Feet(Original Mix)

この荒っぽい感じと、キックとスネアが同時にバシバシ鳴る感じ、シカゴくさくて良い。

12: DJ Rush – Motherfucking Bass(Christopher Just Remix)

マジ最高裁判所。

13: Patrik Skoog – Lysergic(Original Mix)

ピークに向けてちょっとテンション上げていく。
16分刻みのベースとかハットが疾走感ある。

14: Joyhauser – Rabbit(Original Mix)

元々は130BPMなのでメインストリームに近い曲なんだけど、ガッツリとピッチを上げることで高揚感あるハードミニマル的な音に。
煽ってくる感じのシンセループが良い。

15: The Third – C1(Original Mix)

トライバルにシフトチェンジ。
やっぱりThe Thirdのトラックは完成度高い。
誰なんでしょう?

16: Ben Sims – Manipulated(Adam Beyer Remix)

まあ、これは今更語ることも特にないですね・・・。

17: Hertz – Julia (Original Mix)

Hertz流石・・・。
この人は、数少ないアーティスト買いの対象だったなぁ。
基本的に音の作りが好みにストレートに刺さる。

18: Michael Burkat – Latin Techno Session(Original Mix)

ズンドコしたビートとラテンなピアノフレーズが絡む名曲。
アナログ時代から愛用してるんだけど、今でも大好き。

19: Cave – Carima

軽やかなトライバルリズムに歌ネタが絡む。
この雰囲気の曲、他にないんだよなぁ。デジタルでリリースしてくれないかな・・・。

20: Player – Player 012(Marco Bailey Remix 2)

この曲、Infamous Player Raritiesに収録されてBandCampで販売されてたんだけど、今見たらアルバムから消えてたわ・・・。
なにゆえ・・・?

21: Kobaya – Funky Ass

僕の中での最強トライバル。
アナログ時代から何回プレイしたか分からないぐらいプレイしてきたなぁ。
ブレイクからの流れが完璧。

22: Max Walder, Manu Kenton – Bongo Spirit

鳥とか動物の声が聞こえてくるジャングル感満載のブチ上げトライバル。
これもアナログでよく回してた。
ビトポで売ってるんだけど、リリースでの購入オンリーなので迷いどころ。
でも、楽曲自体は素晴らしいので、持ってない方は是非。

23: Killa Productions – Give It Up(Re-Edit)

これも説明不要かな。
この盤は両面とも最高で神懸ってた。

24: Garett White – Summer Ethno(Original Mix)

情熱大陸への橋渡し役として採用。
Tr.23からの流れでいえばReally Funky Nowもアリかな?と思ったんだけど、情熱大陸への流れを考えるとちょっと・・・という感じだったのでこの曲をチョイス。

25: 774muzik – Never(Full of Passion Mix)

情熱大陸とオリジナル曲「Never」のマッシュアップ。
自分でいうのもアレだけど、聴いててすげー上がるんですよこれ。
今回のプレイ、如何にしてこの曲に繋げるか的なところありましたね。

26: 774Muzik – Pumpin’ Murder Started The Bass Up

好きな曲全部乗せ的な自作マッシュアップ。

27: 774muzik – binary structure

秋葉原重工コンピ04に提供した曲。
シンプルな構造、かつ、ある程度の長さの曲ということで採用。
何気に現場で使ったの初めてだったかも・・・?

ということで、好きな曲をたくさんかけられて楽しかったです!(こなみ)
既に次回が楽しみです。
今回の記事はここまで。次回更新は木曜日、DJ Sangoがお送りします!ではー。


新作シュランツ特集 (2020年11月版):今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2020/11/12

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。

明後日11月14日はHardonize #37です。

ゲストに秋葉原重工よりTakayuki Kamiyaさん、
そしてMIX公募予選を見事勝ち抜いたDubYukaさん & tRAIN deLAYさんから成るSILENT TALKERの2組をお招きしてお送りします。

軽く今回のゲストについてご紹介しますと、Takayuki Kamiyaさんについては過去にもHardonizeにお招きしたことのあるまぁテクノ全般に造詣の深い人です。
ミニマルからハードまで、古きも新しきも彼の手の中。
その一方でテクノではお馴染みのキーワードであるストイックなプレイかというと必ずしもそうではなく、過去にご出演頂いた際、延々とJoris Voorn / Incidentネタが投下されるなんて回もありました。
おかげで後にIncidentネタをまとめた記事を書くことになるなど、大変な思いをしました。

とはいえ、これも言ってみれば如何にテクノで面白いことができるかを煮詰めた彼なりのアンサーだったのでしょう。
数か月前に自宅からほぼ無告知で10時間テクノでDJする模様を配信したり、真面目にやってもフザけていても総じて面白い人です。
何気にパーティーでの共演は久し振りということもあってとても楽しみです。

余談ですが、昨年のTOKYO HARD GROOVE SESSION ’19 -Spring-でご一緒した際に出演順が自分⇒Takayuki Kamiyaさんで連続しており、
その時の互いのトラックリストが


このザマという回がありました。
当初彼はこんなプレイをするつもりではなかったらしく、ワタクシのプレイを受けてこうなったとのことで、『君と共演するとロクな事が起きない。』とよく言われております。
今回はそうならないと良いですね。(鼻をほじりながら。)

そしてもう1人、というか1組が今回の目玉でありB2Bユニット、SILENT TALKERです。
なんと今回のHardonizeが初お披露目ということで、新しい旅路に立ち会えることはとても光栄に思います。
かといってキャリア真っ新な新人というワケではなく、DubYukaさんもtRAIN deLAYさんもお互い数々のパーティーを経験している言わば戦友。
自分も何度かその場にいたこともあり、『なかなかやりよる。』という感想を抱いたこともしばしばありました。

そんな2人が手を組んで挑んできた今回の公募用音源は前回述べた通り、かなりやられました。
改めて載せますとこちらです。

SILENT TALKER (DubYuka & tRAIN deLAY) / Harmageddon Heavy Tekno Strikeback Mix

Harmageddon Heavy Tekno Strikeback Mix by SILENT TALKER (DubYuka & tRAIN deLAY) by DubYuka | Mixcloud

変則テクノでスタートし、ブレイクビーツ、レイヴ、ベースライン、アシッドなどテクノ外の要素も積極的に取り入れながらシュランツまでカバーするクロスオーバースタイル。
個人的な趣向として、パーティーでは次に何がかかるか分からなくさせて欲しいという思いと、繋いだ前後の曲に何らかの共通点があって欲しいという思いが同時にあるので、これはそれを両方とも見事に体現していたという点に於いてかなりツボでした。
自分と同じ匂いを感じつつも細かい箇所で自分と異なるアプローチを見せているので、当日はこれを経てどんな音を聴かせてくれるのか、これまた楽しみです。

ちなみにtRAIN deLAYさん、


週末に両方やってもらって構いません。

尚、ご来場頂く場合には以下のサイトから予約が必須となっております。
残り枚数も少なくなってきたようなので、お越しをお考えの方は是非ご登録をお願いします。
尚、オンラインでのお支払いではなく、通常通り入場料はエントランスでお支払い頂く形となりますのでお間違えなきよう。

Hardonize #37 in東京 – パスマーケット


静岡行ってきたのでお土産持って行きます。

さて、今年からワタクシの回はハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていくものとなっております。

ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。

特別連載:ハードテクノとは何か? – 第1回:黎明期編


ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。

今回取り上げるサブジャンルは

シュランツ

です。

特別連載に於いては6回目に取り上げた、ヘヴィーウェイトなリズムと高速テンポが特徴的なハードテクノの狂暴性をフィーチャーした音楽です。
古くはブートレグが大量生産されていたこともあり、日本でも爆発的に注目を集めた経緯がありました。
現行のシュランツはそこまでブートレグ主体のシーンは築いておらず、より高速なテンポや重厚感のあるビートを追求したり、様々なジャンルの要素を取り込んだりとサウンド面に於ける発展が顕著に見られます。

これまでのワタクシの担当回に於いてハードテクノの内外問わずサブジャンルの音源紹介をしてきましたが、ここに至るまでシュランツを取り上げてなかったということに思い至ったのと、上記SILENT TALKERのMIXに於いてシュランツが使われていたことでチャンスだなと思ったので。
やはりインパクトのある音は好きでちょくちょく掘っていることもあり、今もまだ脂の乗ったリリースが多いと感じております。
おかげで今回も紹介曲数は多めです。
よろしくお願いします。

早速ですが新作シュランツ紹介いってみましょう。

Tassid, Eski / Chemistry

Chemistry (Original Mix) by Tassid, Eski on Beatport

イギリスのプロデューサーTassidとアメリカのプロデューサーEskiによるハードテクノ。
キャリア初期からペアで手掛けている曲が多い2人です。
リリース元のSKUXXも彼ら2人が運営を務めるレーベルで、ハードアシッド~ハードミニマルまで硬め速め派手めなトラックが揃っているため、Hardonizeクルー全員が信頼を置いております。

そんな中から直近のリリースがこちら。
圧の強いリズムにアラームのようなシンセが鳴りっ放しのアグレッシヴなハードテクノ。
生粋のシュランツというわけではありませんが、各種ハードテクノ~シュランツとの橋渡しとして機能性抜群なトラック。

KlangKuenstler / Himmelreich

Himmelreich (Original Mix) by KlangKuenstler on Beatport

ドイツのプロデューサーKlangKuenstlerによるハードテクノ。
少し前まではメインストリーム系の渋いテクノ~テックハウスを手掛けていたアーティストでしたが、ここ最近のリリースはかなりハードテクノに寄せており、遂にシュランツに近い領域に踏み込んでしまったと言えるのがこちらになります。
突き刺すようなハイハットリズム、歪んだボトムライン、幾層にも重ねられたシンセ群が三位一体となって迫り来るマッチョなトラック。
これもシュランツとの橋渡しに使えそうですが、逆にシュランツから一般的なハードテクノに戻す際にも役立ちそうな気がします。

Mental Crush / Maximum Overload

Maximum Overload (Original Mix) by Mental Crush on Beatport

ポーランドのプロデューサーMental Crushによるシュランツ。
現行のシュランツシーンに於ける代表格的存在と言っても過言ではないアーティストであり、この曲のリリース元であるRebirth Societyも10年に渡ってシュランツシーンに君臨している名門レーベルです。

Mental Crushの作風の特徴として、変化球的サウンドを組み合わせたトラックをコンスタントに輩出している点が挙げられます。
この曲もそのカテゴリーと捉えており、ハードハウスっぽいシンセリフをメインに据えたファンキーなテイスト。
とはいえ結局リズムがシュランツそのものなので、総じて面白さが上。
先の特別連載で取り上げたPacmanなんかと毛色が近いですね。

ついでにもう1つ、少し前に出たMental Crushと同じポーランドのプロデューサーDouble Drumsとのコラボレーション楽曲もまた変化球ウワモノなのでご紹介。

Mental Crush, Double Drums / Get Rock Baby!!

Get Rock Baby !! (Original Mix) by Mental Crush, Double Drums on Beatport

聴いての通り、ギターリフ全開のガン攻めシュランツ。
Afrika Bambaataa / Just Get Up And Danceのラップをモロ使いしている辺りもオールドスクール感あってニヤリとさせられます。

更に加えてこのDouble DrumsというアーティストもMental Crush直系のサウンドアプローチをしていて面白い曲多いです。
最近のリリースだとこんな感じ。

Double Drums / Serial Killer

Serial Killer (Original Mix) by Double Drums on Beatport

レイヴィーなシンセ乱れ打ち。
上のGet Rock Baby!!もそうですが、尺が4分ちょいというテクノ系の音楽にしてはタイトに纏められているのも特徴の1つ。

Boris S. / Psychedelic Drug

Psychedelic Drug (Original Mix) by Boris S. on Beatport

ドイツのプロデューサーBoris S.によるシュランツ。
これだけ半年ほど前のリリースになるのですが、あまりにも好きなのでご紹介。
Boris S.といえばシュランツ黎明期からシーンを先導していた超ベテランアーティストでして、2016年にはキャリア15年を祝した111曲入りのベストアルバムなんかもリリースされております。
物量が多過ぎて逆にツッコめない。

そんな彼が今年の初頭に出したI Am Differentという反骨精神丸出しのタイトルを冠したアルバムに収録されたのがこちらのトラック。
タイトル通り、中盤でサイケデリックトランスにシフトするシュランツ。
かつて無かったクロスオーバーが現れたと初めて聴いた瞬間はかなり興奮しました。
先のMental CrushやDouble Drumsのトラックといい、トランス、ハードダンスとの融合ものが個人的に結構アツいと感じております。

I Am Differentは他にもアシッドシンセをフィーチャーしたトラックトラップのエッセンスを取り入れたトラックなどベテランの技が光る箇所満載で聴き応えがあります。
2020年のシュランツを代表するアルバムとして是非手に取って頂きたいところ。

Insect / No way out

No way out (Original Mix) by Insect on Beatport

ここから更に速めのBPM160台の曲を取り上げていきます。
こちらはハンガリーのプロデューサーInsectによるシュランツ。
今年設立された新興レーベルBlackworksからのリリースであり、Insectも活動歴1年ちょいの若手アーティスト。
でありながらこの強烈に歪められたリズムにこれまた打撃音のような攻撃的なシンセが跋扈する、ベテラン顔負けの重厚さを持ったトラックがリリースされました。
インダストリアルとシュランツの中間を行くタイプの曲といえます。

ちなみにInsectは自身のSoundcloudアカウントでフリーダウンロード楽曲もしばしば公開しているのですが、押し並べて強烈なインダストリアルリズムを奏でていてビックリします。
参考までに、現在の最新作がこちら。

Insect / Uprising

Uprising [freedl] by INSECT | Free Listening on SoundCloud

非4つ打ちだしバッキバキに歪んでるし、何食ったらこんな音が出せるのか。
ずっと非4つ打ちなのですが、ブレイク後に裏打ちのシンバルが入ると4つ打ちに聴こえるとか、実は相当実用性もあったりします。

あと先程のNo way outと同じEPに収録されている曲も面白いのでついでに。

Neagles / Poppers Bass

Poppers Bass (Original Mix) by Neagles on Beatport

フランスのプロデューサーNeaglesによるシュランツ。
シュランツ的泣きメロ解釈とも言うべき、ちょっと哀愁漂うシンセが印象的なトラック。
全体的に出音が低音寄りなのもアングラ感漂ってて好みです。

Boiling Energy / Back to Schranz

Back to Schranz (Original Mix) by Boiling Energy on Beatport

オランダのプロデューサーBoiling Energyによるシュランツ。
決意表明のようなタイトル通り、今回紹介する曲の中では1番正統派なシュランツ。
高速バリ硬リズムに声ネタとシンセがループするまさにお手本のような曲なので、基礎をしっかり押さえておく意味でも優秀なトラックとなっております。
ブレイクの非4つ打ち部分を上手いこと活かせると異ジャンルからのクロスオーバーとかにも使えそうですね。

ANONIMOSDJS / Da Underground

Da Underground (Original mix) by ANONIMOSDJS on Beatport

アメリカのプロデューサーANONIMOSDJSによるシュランツ。
シュランツにしては使用しているサウンドの手数が多いトラック。
ダブステップのようなパートがあったり、インダストリアルっぽいリズムになったかと思えばサイケデリックなリフが並走し出したりと、かなりしっちゃかめっちゃか。
単曲で面白い展開を演出できるのは強みであり、古くはブートレグを大量生産するなど異ジャンルの要素を取り入れることに抵抗のないシュランツイズムに則った曲とも言えます。

Pawlowski / Demonic Dimensions

Demonic Dimensions (Original Mix) by Pawlowski on Beatport

フランスのプロデューサーPawlowskiによるハードテクノ。
これまで紹介した曲とは少し毛色が違うものの、面白かったのでここに載せます。
レイヴ、アシッド、ハードコアなど1990年代の要素と現代のハードテクノを融合させたような曲を多く手掛けているアーティストで、個人的にはモロ好み。
ユーロポップ丸出しのレトロなリフにヘヴィーウェイトなキックという異種交配っぷりは粗削りなオールドスクールレイヴの空気感そのもの。
そしてめっちゃ速いテンポ。
本当に2020年リリースなのか疑わしくなるレベルですが、とにかく好き。

Srezcat (feat. Persian Groovies)/ Liquid Protocol

Liquid Protocol | Srezcat | HiTNEX TRAX

最後に国産トラックを取り上げます。
覆面プロデューサーSrezcatと、同じくとあるアーティストの変名義Persian Grooviesによるシュランツ。
イントロのエモなピアノフレーズから一気に荒々しいリズムへシフト。
それもハードスタイルの中でも一層歪んだリズムを特徴とするサブジャンル、ロースタイルのパーツを組み合わせつつ展開していくテクニカルな仕上がりです。
ブレイクのハードダンスに寄せたフレーズも意外性があり、総じて遊び心満点なので聴いてて楽しい。
タフで煌びやかな曲。

以上、シュランツにスポットを当ててお送りしました。
ハードミニマルの派生形として誕生したシュランツではありますが、こうして直近の曲を聴くとその枠を超えた独自のフォームを形成しているのが分かります。
新しいアーティストの流入も盛んであり、既存の概念を崩すような曲と出会うこともしばしば。
アグレッシヴなダンスミュージックが好きであれば是非お見知り置き頂きたい音楽の1つです。

といった辺りで今回のサブジャンル特集はここまで。
明後日のHardonize #37でお会いしましょう。

次週11月17日は774Muzikさんが担当します。
今回はこれにて。

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