特別連載:ハードテクノとは何か?
第6回:シュランツ編
第1回:黎明期編
第2回:ハードミニマル編
第3回:ハードアシッド編
第4回:ハードトライバル編
第5回:ハードハウス編
第6回:シュランツ編 (今回)
第7回:ハードグルーヴ編
第8回:インダストリアル編
第9回:テックダンス編
番外
第1回:メロディアス・ハードテクノ編
第2回:ハードダンス編
第3回:ディスコ編
こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。
次回Hardonizeまであと2週間と迫ってまいりました。
開催情報はこちら。
ゲストにお招きしたのはATTさんとni-21さん。
長年に渡るキャリアを持つ御二人による良質ハードテクノを早稲田茶箱の良質な環境でお届け致します。
開催日程は09月07日の土曜日、15時よりスタート。
どうかよろしくお願い致します。
さてさて、ここ数回に渡ってお送りしております、ハードテクノが内包する音楽のスタイルについて解説していくコーナー、今回はその6回目となります。
初回ではハードテクノのサブジャンルについて上のような図を用いて表した上でハードテクノの特徴を
・メインストリームテクノよりは速いテンポ
・4分打ちのハイハットによる疾走感のあるグルーヴ
・キックの強度やベースの厚み
としました。
今回はこの中のシュランツと云う音楽について紹介していきたいと思います。
まずシュランツと云う単語の語源について説明すると、ドイツ語による造語です。
これを最初に提唱したのはハードミニマル編でも名前を出したChris Liebingでした。
Chris Liebing – The Real Schranz part 1 – A side – YouTube
1999年のリリース。
そしてシュランツと云う名前が初めて世に出た作品でもあります。
当時ハードミニマルをはじめとするハードテクノをプレイしていたChris Liebingは、アグレッシヴなハードテクノがかかるとオーディエンスが絶叫しながら踊ると云う現象を度々見たそうで、そういった現象を生むハードテクノを叫ぶ(Schreien)と踊る(Tanz)と云う2つの単語を組み合わせたシュランツ(Schranz)と名付けた、と云うのがそもそもの始まりです。
従って1999年にシュランツと云う言葉が指していた音楽と云うのは、これまで取り上げたようなハードテクノ全般に渡っており、現在と解釈が大いに違います。
上のトラックもシュランツの名前を冠しているものの、一般的に知られているシュランツとは異なる曲調であることがお分かり頂けると思います。
ちょっと音が歪んでいるハードミニマルと言いますか・・・ストイックでカッコいいんですけれどね。
ただ、そんなChris Liebingの出身国でもあるドイツではこのシュランツと云う単語は相当しっくりきたようで、シュランツにスポットを当てた名物コンピレーションがいくつか登場しました。
Various – Schranzwerk 5 2002 CD1 [ZYX 81409-2] – YouTube
SCHRANZ TOTAL 3 0 MIKE DUST – YouTube
Schranzwerkは2001年から2008年の間に展開していたベスト版とファイナルを合わせると23作品までリリースが継続したシリーズ。
一方Schranz Totalは2001年から2010年の間に21作品まで続いたシリーズで、両方とも当時ファンの間では定番と謳われたコンピレーションです。
リリース元はどちらもドイツのZYX Music。
上で埋め込んだリンクは共にシリーズの序盤ナンバリングに当たりますが、収録楽曲が一般的なハードテクノとそう大差ないことがお分かり頂ける筈です。
ではどこでハードテクノと決定的な差が生じたかと言うと、1990年代初頭よりテクノのDJ、クリエイターとして活動していたDJ Rushの影響がありました。
(丁度先月来日していたんですよね・・・自分は見に行けなかったですけどハードテクノかかりまくりで相当良かったと聞いております。)
テクノアンセムとして名高いGet On Upが最適例であるようにバウンシーでいて太いリズムが最大の特徴と言えるDJ Rushのサウンドですが、DJに於いてはハコで定められた最大を超えた音量でプレイするため、過度なコンプレッサー処理によって音が潰れて聴こえると云うことが多々あったそうです。
分かりやすい例を挙げるとこういうことです。
言うまでもないですけど原曲はこれです。
元々の曲と大いにかけ離れた出音になる上に機材にも負荷がかかるため、一般的には良くないこととされている手法ですが、この歪んだテクノに可能性を見出したクリエイターがスタジオでその出音を再現、これがシュランツの特徴へと引き継がれていきます。
尚、上で挙げたSchranzwerk及びSchranz Totalシリーズもナンバリング後期はこれらの特徴を踏まえた現代解釈と同様のシュランツを提示していくようになります。
SCHRANZWERK 18 MIX BY TORSTEN KANZLER CD 1 – YouTube
Schranz Total 15.0 – CD 1 – YouTube
DJ Rushがシュランツサウンドのパイオニアであることは名付け親であるChris Liebing本人からも語られております。
Chris Liebing erklart Schranz – YouTube
また、シュランツ黎明期から活動している夫婦ユニットPETDuoのインタビューでもこの一連の流れについては語られております。
ご丁寧に日本語字幕が付けられているので、かなり参考になる筈です。
TTYMF TV – Interview with PETDuo part.1 – YouTube
ジャンルの誕生に於いてChris LiebingやDJ Rushは大きく影響を与えたものの、以後彼らがシュランツと積極的に関わることは今のところなく、シュランツの定義を強固なものにしたのはドイツを始めとする当時新星のクリエイターたちでした。
黎明期から活動していたアーティストとして挙げられる最先鋒と云えばFrank Kvittaがそうでしょう。
Frank Kvitta – Destroyer [Schranz] – YouTube
2003年のリリース。
構成はハードミニマル同様、使用する音数は絞った上でリフの長回しに重点が置かれておりますが、ハードミニマルに輪をかけて速いテンポに全体的に荒々しいラフなサウンドが目立ちます。
重厚感と疾走感を同時に持ち合わせたエネルギッシュなサウンド、と云うシュランツの肝が黎明期にして提示されていました。
お手本のような曲です。
同時期、2003年にFrank Kvittaによって作られたTourette (Franks Fast Forward Remix)もまたシュランツ初期の作品としては秀逸。
こちらは現在でもbeatportで購入が可能です。
同じく黎明期のアーティストとして挙げられるのはO.B.I.でしょうか。
Psychiatric Ward (Original Mix) by O.B.I. on Beatport
これも2003年のリリース。
無機質なシンセとベルのような音をメインリフにしつつ、それを食う極厚なリズム。
ハードミニマルを踏襲したストイックさはカッコいいですね。
ちなみにO.B.I.は自身のSoundCloudアカウントでSchranzformatorと云うブートレグリリースの展開を行っております。
勿論フリーダウンロード。
中には過去に変名義でヴァイナルリリースした曲もあったりするので初心者、ファン共に見逃し厳禁です。
もう1人いってみましょう。
Robert Natusも同じく初期活動アーティストの1人として挙げられます。
Kickass (Original Mix) by Sven Wittekind, Robert Natus on Beatport
2003年リリース。
こちらはかなり1音1音に対する歪み度が高くなっています。
地を這うようなベースがアンダーグラウンドの音楽を象徴しているかのような好きです。
その他にも黎明期から活動していたアーティストとしてBoris S.、Arkus P.、上記Schranz Totalシリーズでちらっと名前が出たMike Dustなどが挙げられますが、見事に全員ドイツ人です。
PETDuoも出身はブラジルですが、後にドイツへ拠点を移すことになるので、シュランツはドイツで育まれた音楽と言って差し支えないと思われます。
さてそんなドイツの地下で脈々と勢力を拡大していたシュランツが、日本にその存在を知らしめた瞬間がありました。
2006年09月02日。
行かれた方もいらっしゃるでしょう、この当時毎年行われていた大規模テクノフェス、WIRE06です。
当時のテクノ情勢と言えばそれまでのハードテクノブームが一段落し、少しテンポを落としたメロディアスなスタイルか、音数の削ぎ落されたミニマルテクノがじわじわとトレンドに上がってきていました。
割と象徴的だなと思ったのはハードトライバル編でご紹介したFilterheadzがそれまでの作風からガラッとイメージチェンジしたEndless Summerと云う曲を出したのがこの2006年でした。
(ちなみにこの曲メッチャ好きです。)
で、そんな中に於いてWIRE06に出演したFelix Krocherのプレイはそんな流行などお構いなしといった具合に徹頭徹尾シュランツの連打だったそうです。
当時の1シーンを切り取った映像がこちら。
Felix Krocher@WIRE06 – YouTube
実際のところ、Felix Krocherもまたシュランツ黎明期の頃から肩入れしていた存在であり(やっぱり彼もドイツ人)、来日の少し前にはHardtechno Experience Chapter Oneと云う全編シュランツ固め打ちであるアルバムをリリースしていたりもしていたワケなのですが、日本の大規模フェスでこのような音楽がかかったこと自体が異常で、この日のプレイによってシュランツに初めて触れたと云うリスナーも多かったと聞いております。
セカンドフロアでのプレイだったにも関わらず、爆盛り上がりだったそうな。
これ以降、日本で急速にシュランツと云う音楽に注目が当たり始めます。
そしてその需要を満たすだけの供給コンテンツがかなり充実していました。
過去にHardonizeへご出演頂きましたSatoshi HonjoさんがAdrenalineと云うシュランツオンリーのパーティーを発足させたのが2008年で、上で挙げたPETDuoやFrank Kvittaと云った現地のアーティストの来日を実現させるなど大きな存在感を放っていたように感じます。
2013年のPETDuo招聘の際はDOMMUNEへの出演も実現していました。
PETDuo @ Dommune 04.04.2013 – YouTube
加えて渋谷を代表した存在CISCO RECORDSや、名古屋の名門Freestyleと云ったレコードショップが積極的にシュランツのヴァイナルを入荷していたことで、DJもシュランツに触れ易くなっていました。
これによってハードサウンド系のパーティーであればシュランツがかかると云う機会も多かったように思えます。
自分も使った記憶がありますし。
更には別ジャンルからの流入もありました。
特にハードコアテクノ界隈の飛び付きは結構早かった気がします。
後年には渋谷のハードコアテクノ専門ショップGUHROOVYの店主であるDJ CHUCKYさんが参入すると云ったことも起こりますが、当時の印象深かった出来事と言えばやはりコレ。
2007年のリリース。
彼の大好物であるジュリアナレイヴのテイストが過分に含まれた派手なトラック。
Boss On Parade共々この頃のDJ TECHNORCHさんの代表曲として扱われていました。
完全に余談ですが、同じアルバムに収録されている復活富士山頂大回転はCave / Street Carnivalのアレンジだったり、1曲当たりの情報量がなかなかおかしいので今でもこのアルバムはオススメです。
上記で示したように、圧倒的な速度と音圧でもって聴く人にインパクトを与えたと云うのもありますが、シュランツに対して急速に注目が集まった理由としてはもう1つあったと個人的には思っています。
それはブートレグが盛んにリリースされていたことです。
何と言っても代表的なのは2004年から2009年にかけて存在したシュランツのブートレグレーベル、その名もSchranzです。
Schranz Slippy Bootleg – YouTube
2005年のリリース。
Felix KrocherがWIRE06とそれに次ぐWIRE07でもプレイした伝説の1曲。
元ネタは言うまでもなくコレ。
各レコードショップに於いて頻繁に売り切れては再入荷していたので、とにかく爆売れしていたことが窺えます。
Hardonizeクルー全員このヴァイナル持ってるんじゃないの?
なんなら今回のゲスト2名含めても全員持ってそうですけど。
[SCHRANZ] L.A. Style – James Brown Is Dead (Schranz Bootleg Mix) [FULL HQ] – YouTube
もう1つSchranzレーベルで大好きなのがコレ。
2006年のリリース。
元ネタ大好きってのは勿論あるんですけど、1回目のサンプリング部分が最初キックから入っていって徐々にビルドアップしてメインリフに流れ込むところとか、単純にレイヴの派手さとシュランツのエネルギッシュな感じがマッチしているところとか、なんかもう総じて愛おしい1曲。
その他にブートレグを専門としていたレーベルでファンキーなテクノもシュランツも扱っていたP Seriesと云うのもありましたが、公にするにはアブない代物ばかりなので、こういったものは匿名リリースが基本です。
所謂なんのラベリングもクレジットも載っていない、ホワイト盤ってやつですね。
ところが堂々とメインの活動名義でブートレグをリリースする動きもシュランツの中にはありました。
イギリスでもないのに何なんでしょうかこのパンク精神。
Robert Natus And Arkus P. – Hardcore Salsa (Original) – YouTube
2004年リリース。
ラテン歌ものと云う時点で大分珍しいのですが、当然自前ではなく元ネタがあります。
Robert NatusもArkus P.も黎明期から活動していたアーティストとして上で挙げた通りなのですが、そんなシーンへの貢献者同士が組んだ結果なんでこうなっちゃったんだろうと思わずにはいられない曲。
さて、そんなネタモノが大量生産されていた裏では次世代を担うクリエイターが新たに誕生していました。
その筆頭が2005年にデビューしたJason Little。
The Mask (Original Mix) by Jason Little on Beatport
2008年のリリース。
とうとうBPMは160の時代へと足を踏み入れることになります。
使われている音もノイズっぽかったり、ハードコアな印象が強いですね。
個人的にはこれら2つの特徴を真っ先に打ち出したのがJason Littleだったように思えますし、現在に至るまでこのスタイルは多くのフォロワーを獲得しています。
加えて、遂にドイツ以外からも本命と言うべきアーティストが登場したこともトピックとして挙げられます。
2004年にO.B.I.に見出される形で登場したGreg Notillはフランス出身。
彼のリリースに於いてはAudio LSDと云うデビュー当時からナンバリングが続いているシリーズタイトルがあるのですが(2019年現在、Audio LSD 6が最新版。)、以下で取り上げるのは別の曲。
Blower (Original Mix) by Greg Notill, Golpe on Beatport
2012年のリリースと比較的新しいトラックですが、初めて聴いた時の衝撃が大き過ぎました。
まずアーメンが入っている、更にガバキックっぽい音も入っている。
この時点で相当珍しいのに加えて、各小節の節目にこれらがコラージュ的に細かく差し込まれている忙しさ。
これまたBPM160超えの速いスタイルであることが、更に輪をかけてアグレッシヴさを醸し出しているニュータイプのトラック。
光景で例えるなら無茶苦茶派手に装飾されたデコトラが全速力且つ一直線にこっちに向かってきている感じ。
ホント大好きです、これ。
とは言え、ここまでのシュランツはあくまでハードテクノの系譜やマナーを守った上で進化している感がありました。
ところが2000年代も後半に差し掛かる頃にデビューしたアーティストたちはこれらの仕来りをあえてブッ壊そうと切磋琢磨していたように思えます。
具体的にはテクノと云う枠組みすらも越えた別ジャンルの要素の流入が頻繁に起こり始めました。
例えばブラジルのAlex TBがリリースしたこちら。
Despertar De Um Amanhecer (Original Mix) by Alex TB on Beatport
2012年のリリース。
お聴きになれば分かる通り、ブレイクでドラムンベースに変貌し、またシュランツに戻る曲です。
Alex TBはこのようなスイッチタイプの曲がかなりある印象で、他にも途中でブレイクコアになるシュランツや、途中でトラップになるシュランツなどがあります。
ときたらダブステップもあるべきなんじゃないのと言いたげな方、どうぞこちらへ。
Smash (Original Mix) by Buchecha on Beatport
2015年のリリース。
作ったBuchechaはポルトガルのアーティストです。
前出の曲も含みますが、2010年代に差し掛かる頃には音圧はそのままに大分音がクリアになっている印象があり、実はサウンドメイキングも進化していたと云うことが窺えます。
その他、2000年代後半でデビューしたクリエイターの例としてはSveTec (ハンガリー)、Sutura (ドイツ)、Mechanical Brothers (スペイン)、Sepromatiq (スロバキア)などが挙げられるのですが、ご覧の通りドイツ、中央ヨーロッパ以外からも重要なクリエイターが現れ始めました。
実は結構脂の乗ったリリースやトピックが多かった時期ではないかと思っています。
最後に、最近のシュランツについて。
前項の2000年代後期から現在にかけてかなりコンスタントにリリースが継続している印象があり、実際2010年代に入ってからの新規アーティストと云うのも多く見受けられます。
アルバムでのリリースも多く、DIGには困らないと云うのはありがたい点です。
オススメをいくつか挙げるならばWitheckerが2018年に出したOur Worldに収録されているこちら。
Nebulus Is Back (Original Mix) by Jason Little, Withecker on Beatport
なんとなく聞き覚えのあるリフの音がアグレッシヴに刻まれた曲。
前述のJason Littleが絡んでいるせいかやっぱりBPM160オーバーのスタイルですが、このリフにはハードテクノの文脈をもう1度辿り直そうとしている意図があるように思えて何となく印象に残るんですよね。
もう1つ、ごく最近の曲で膝を打ってしまったのがMental Crushによるこちら。
Pacman (Original Mix) by Mental Crush on Beatport
今年2019年のリリース。
タイトル通りのサンプリングは使用しているものの、かなりコラージュ的な使い方に留まっており、むしろ中盤に展開されるワブルベースを軸にしたハードダンスっぽいパートこそ、このトラックの肝ではないでしょうか。
確かにテンポ帯に於いてシュランツとハードダンスで共通している領域があったのに、そこを繋げるトラックは今まで聴いたことがなく、自分としてもそこは絶対に別物と云う固定概念があったので、結構ビックリしたと云うか、『なるほど!』と思ってしまいました。
一方ここ日本ではと云うと、ASINさんの活動が目まぐるしいです。
都内各パーティーへの出演は元より、海外からもギグのオファーが絶えない現行のシュランツシーンの牽引者。
序盤で挙げたPETDuoへのインタビュー動画も彼の手によって公開されたものです。
こういうの本当にありがたい。
タイムリーなことにこの記事の公開から僅か3日前となる08月19日にはニューアルバムExceptionがリリースされました。
上で挙げたWitheckerや、HT4Lと云った現地の第一人者たちとのコラボレーションもあったり大分豪華な一作。
中でも印象的だったのはこの曲。
複数種類のリズムを使い分けながらエコー+ディレイを駆使したウワモノを展開させるサウンドスケープ的シュランツ。
途中差し込まれる日本語のナレーションは何なのか分かりませんが・・・今度お会いした際に聞いてみようと思います。
で、そんなASINさんがクルーとして名を連ねているのが今回のHardonizeでお呼びしたni-21さんが主宰しているパーティーENIGMAなのです。
ハードダンス、シュランツ、ハードスタイル、ハードテクノを内包したパーティーのボスであるni-21さんが今回のHardonizeでどんなプレイを奏でてくれるのか、本当に楽しみです。
しつこいようですが、パーティー詳細はこちらですよ!
以上、シュランツ編をお送り致しました。
この音楽の特徴についてまとめると、反復+過度に圧縮された重厚なグルーヴ+超速いがキーポイントになっていると思います。
基礎としてはハードミニマルを踏襲しているのですが、何せ単曲の時点で音圧が凄まじいので長時間重ねるMIXは一般的ではありません。
但し、複数曲を同時再生させた上でクロスフェーダーによるスイッチを多用すると云った手法は割と多く見られます。
PETDuoを見に行った際も2人で2Mixer+4Deckのスタイルを取ってました。
別ジャンルの音を取り込んだことに加え、テンポの幅も最早テクノと呼べる域を逸脱するまで広がった結果、楽曲のスタイルもかなり多岐に渡っております。
と云うことはシュランツと云う単一ジャンルでの選曲でも相当色々なことができる状況になっています。
前述のWIREを体験したり、その後レコードショップでシュランツを掘っていた世代にとってはひたすら速いテンポでネタモノが繰り出される音楽と云う認識で止まってしまいがちなのですが、それはかなり勿体ない認識だと改めて主張したいところです。
今やVTuberでさえシュランツを回す時代ですから、生身の人間も価値観をアップデートしていかなくてはなりません。
愛でましょう、シュランツを。
スノウエルフちゃんのゴリゴリSchranzなま配信 2019.3.26 / Schranz, Hardtechno DJ mix – YouTube
と云うわけで次回の『特別連載:ハードテクノとは何か?』につきましては09月05日に公開。
パーティー直前のタイミングでお送りする小テーマは、ハードテクノに於けるファンクネスの権化、ハードグルーヴ編とします。
そして次週08月27日は774Muzikさんが担当します。
今回はこれにて。
第1回:黎明期編
第2回:ハードミニマル編
第3回:ハードアシッド編
第4回:ハードトライバル編
第5回:ハードハウス編
第6回:シュランツ編 (今回)
第7回:ハードグルーヴ編
第8回:インダストリアル編
第9回:テックダンス編
番外
第1回:メロディアス・ハードテクノ編
第2回:ハードダンス編
第3回:ディスコ編
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