こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。
打ち合わせ兼打ち上げを執行して参りました。
既に次回Hardonize開催に向けて粛々と動き出しております。
概要につきましてはいずれこちらでアナウンスさせて頂きますので、その際は何卒よろしくお願いします。
あと私事になりますが、
先日カレー振る舞ってきました。
好評で何より。
オファーがあれば喜んで作りますのでご興味の方は是非。
さて、今年からワタクシの回はハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていくものとなっております。
ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。
特別連載:ハードテクノとは何か? – 第1回:黎明期編
ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。
今回取り上げるサブジャンルは
ハードハウス
です。
特別連載に於いては5回目に取り上げた、ハウス、トランスの要素を持ち合わせたハイブリッドなハードダンスのスタイルです。
それユエ、アップリフティングで快楽的なスタイルもあればシリアスで攻撃的なトラックも量産されている幅広さが魅力といえる音楽です。
前回この音楽を取り上げたのは04月であり、しばらく間が空いたこともあって紹介したい曲も溜まってきたので。
この音楽の発展期としては1990年代中期~後期になるのですが、前回に増してオールドスクールっぽいトラックが出てきており、1周回った目新しさがあるのではないでしょうか。
早速ですが新作ハードハウス紹介いってみましょう。
DEKOVA / Chicago To Detroit
Chicago To Detroit (Original Mix) by DEKOVA on Beatport
中国のプロデューサーDEKOVAによるハードハウス。
普段はもう少し渋くてストイックなハウスを手掛けておりますが、此度の新譜はやや古めかしいサウンドでまとめられた推進力のあるテンポ速めのハウス。
しかも聴いて分かる通りInner City / Good Lifeネタということで飛ぶ道具度数もかなり高め。
ハードハウスとしての実用性は勿論のこと、テクノやベースの出音を活かしたガラージなんかとも合わせられそうな応用力も持ち合わせた激優秀作。
General Bounce, Rick James / You Can’t Run
You Can’t Run (Original Mix) by General Bounce, Rick James on Beatport
イギリスのプロデューサーGeneral BounceとRick Jamesによるハードハウス。
個人的にハードハウスを取り上げる度に触れているレーベル、Cheeky Tracksからのリリースです。
オルガンライクなリフ、ギラギラしたシンセ、バウンス感のあるビートそれぞれを意のままに操ったアグレッシヴでファンキーな音はモロ好み。
同レーベルから出た比較的最近の作品としてこちらも大好きなので合わせてご紹介。
Digital Mafia, Ryan Walker / Through The Night
Through The Night (Original Mix) by Digital Mafia, Ryan Walker (DJ) on Beatport
イギリスのプロデューサーDigital MafiaとRyan Walkerによるハードハウス。
近年のハードハウスにしてはスローなテンポを採用しているものの、音の構成は紛れもなくハードハウス。
こちらも跳ね系のリズムにストリングスの表打ちが高揚感たっぷりで思わずニンマリしてしまうタイプのトラック。
Kid Dynamo / Into The Groove
Into The Groove (Original Mix) by Kid Dynamo on Beatport
イギリスのプロデューサーKid Dynamoによるハードハウス。
何の因果かこちらもInner City / Good Lifeライクなピアノフレーズが延々繰り返されるリフとなっており、かなり攻めの姿勢が感じられます。
ループ主体の構成なのでテクノ感を持ち合わせたトランス、ハードダンスとは相性が良さげ。
ちなみにこれがリリースされたHi-Five Digitalというレーベルは今年から活動開始となった新進気鋭のレーベル。
上で紹介したCheeky Tracksに所属しているアーティストの出入りも起こっており、今後も期待できそうなハードハウス拠点となりそうです。
もう1つ紹介するとしたらこちら。
Hayz, Rick James / Dope AF
Dope AF (Original Mix) by Hayz, Rick James on Beatport
イギリスのプロデューサーHayzとRick Jamesによるハードハウス。
バウンスビート大盤振る舞いという潔さも好きポイントですが、ブレイクパートで起用されたアーメンサンプリングといい、メインリフを構成するレイヴシンセといい、随所に散りばめられたレイヴの臭気が堪らないです。
Rick James / What I Need
What I Need (Original Mix) by Rick James on Beatport
イギリスのプロデューサーRick Jamesによるハードハウス。
上でも名前が挙がっておりますが、ここ半年くらいの彼の曲が悉く個人的ヒットをかっ飛ばしていてかなり信頼度高いです。
派手なシンセに加え、細かく刻まれたアラームっぽいサウンドがピークタイムド真ん中という塩梅。
ちなみにこのSHED TRAXというレーベルもまた今年から始まったばかり。
上と合わせて要注目です。
Scott Attrill / Beats N Bass Part 2
Beats N Bass Part 2 (Original Mix) by Scott Attrill on Beatport
イギリスのプロデューサーScott Attrillによるハードダンス。
ハードダンスシーンに於いてその名を知らぬ者はいない程の名手といえる存在ですが、以前よりテクノとの懸け橋を担うトラックを多く輩出していることもまた重要なファクターの1つと数えられます。
そんな彼の現時点での最新作が3日前に発売となったこちら。
音の質感こそハードハウスに寄せているものの、存在感のあるハイハットリズムや全体的にループ寄りの構成など、ハードテクノとの共通点を多く見出せるトラック。
あと全ての出音が綺麗なのが流石の御業。
4分半とタイトに締まった尺も個人的に有難かったり。
DarkbyDesign / Disco Slut
Disco Slut (Original Mix) by DarkbyDesign on Beatport
イギリスのプロデューサーDarkbyDesignによるハードダンス。
こちらも長きに渡ってハードダンスを牽引し続けているベテランアーティストです。
上で取り上げた曲とは別角度でテクニカルな面が光るトラック。
何種類の音を使ってんだと言いたくなる程、様々なサウンドパーツが出たり引っ込んだり刻まれたり。
その落ち着きのなさに思わず笑ってしまう仕上がりですが、ここまで遊び心を具現化できるのはキャリアに裏打ちされた手腕あってのこと。
変ミュージック好きには全力で推していきたい逸品。
Gupi, Fraxiom, food house / mos thoser
mos thoser (Original Mix) by Gupi, Fraxiom, food house on Beatport
メキシコのプロデューサーGupi、アメリカのプロデューサーFraxiom、food houseによる不定形ダンスミュージック。
今回のナニコレ1等賞。
ベースライン、ガラージ、ハードダンスなど様々な要素が次々に展開されるわちゃわちゃした感じのバックトラックにFraxiomのラップが乗る・・・とまぁここまでなら他にもありそうな内容ですが、何故か最後のパートでBPM200に到達。
緩急ついた展開といえば大抵の場合は誉め言葉として用いられるフレーズですが、いやこうはならんやろというのが率直な感想です。
B2Bで使おうものならまず間違いなく相手をヤっちまえるタイプの曲。
血気盛んなDJに於かれましてはお見逃しの無いよう。
オマケ。
以下2曲はリリースが今年だったので新譜として観測したものの、よくよく調べたらオリジナルは20年以上前に発売されていたいわばリイシュー。
Caba Kroll feat. C.J. Stone / Rockin’ to the Rhythm
Rockin’ to the Rhythm feat. C.J. Stone (Original Mix) by Caba Kroll on Beatport
ドイツのプロデューサーCaba KrollとC.J. Stoneによるハードハウス。
グルーヴィーなベースと高揚感を煽るトランスに寄ったシンセが絡む昔ながらのハードハウス。
ジャーマンレイヴ直系の快楽主義サウンド。
余談ですが、原盤のジャケットがド直球でエロなのでお子様は見ないように。
Dsigual / Technobox
Technobox (Original Mix) by Dsigual on Beatport
スペインのプロデューサーDsigualによるハードハウス。
ファットなベースとシンプルなシンセがインパクト満点。
ブレイク開けで差し込まれる鐘のサウンドなんかも昔の曲にありがちなパーツって感じがします。
メイン以外のパートで使われているサブドラムの打ち方が地味に凝っていたりして面白さもあり。
以上、ハードハウスにスポットを当ててお送りしました。
このジャンルの持つ大きな魅力としては多種多様なスタイルの曲があるという点だと個人的には思っております。
自分としては各種クロスオーバーがしやすいというところが大きいですが、単一ジャンル内でもかなり幅広い流れを演出できるので、是非手を出して頂きたい音楽の1つですね。
といった辺りで今回のサブジャンル特集はここまで。
次週は774Muzikさんが担当しますが、年内に於ける当連載は2週間後(24日)のワタクシの回で最後となります。
各々あと1回ずつ担当する計算ですね。
というわけで、色々あったんだか無かったんだかイマイチ判断の難しい2020年をハードテクノ視点から総括する意味で
Hardonizeレジデントが選ぶ
今年のハードテクノ10曲
をテーマに各自執筆致します。
メッセージ性の強い曲、思い入れのある曲、強く印象に残った曲、斬新なアイディアやサウンドの曲・・・選ぶ理由はレジデントによってバラバラではありますが、ハードテクノのパーティーを10年以上継続している者として『これだ!』というトラックを紹介しますので、今年最後までお付き合い頂けますと幸いです。
ではその1発目、当代きってのハードトライバリスト774Muzikさんの選ぶ今年の10選をお楽しみに。
掲載日は12月15日です。
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