こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。
『Mijk Van Dijk JAPAN TOUR 2017 東京公演』行ってきました。
90年代からジャーマンテクノの第一線で活躍するアーティスト。
ゲームミュージックにも造詣が深く、『攻殻機動隊』や『リッジレーサー』などに楽曲提供したこともご存知の通り。
2002年に出たアルバム、『Everyground』はスペーシーなシンセが硬質なテクノのリズムと絶妙に絡み合って、今聴いても色褪せない名盤だと思ってます。
Hardonizeでも度々かかりますね。
で、実際に聴いた感想ですが、良かった。大変良かった。
レイヴの残滓のようなジャーマンテクノが今風のカッチリした出音にアップデートされて流れていたところにノスタルジックな感情を覚えたり、現行のテクノと云う音楽の底力みたいなものも感じました。
世に出てから30年近く経ち、飽和してしまった感じもあるテクノと云う音楽ですが、まだまだ表現の幅があり、学ぶべきところが多い、そう感じざるを得ない時間でした。
上で挙げたような懐かしトラックがちょいちょい流れたりしたのも嬉しかったですね。
ちなみにアンコール1曲目が虹のリミックスで〆はGamer’s Nightでした。大爆死。
さて、そんな熱が冷めやらぬ状態でありますのでジャーマンテクノ、ないしはレイヴに焦点を当てようかとも思ったんですが、先週の774muzikさんのHardonize的推しアーティスト特集、ご覧頂いたでしょうか。
いやぁよく詳細に集計したなと圧巻でございました。
実際あの記事で挙がっているアーティストを押さえれば『あぁこのパーティーは大体彼らの音で成り立っているんだな』と云うのがお分かり頂けると思います。
ひいてはハードテクノの魅力も伝われば嬉しい。そう思って継続しております。
2年目もよろしくお願いします。
しかしそんなに聴くか分からない、或いはDJならば使うか分からない音楽を提示されて実際買うかと言われれば決断に困るところ。
Google Play MusicやSpotifyなど定額制音楽配信サービスと契約していればひとまず聴けるものの、やはり音源として手元に残したい。
そんなときの頼もしい存在と云えば・・・そうです、
折角774muzikさんにあそこまでHardonizeビギナー向けの記事を作って頂いたので、ワタクシもそんな未来のハードテクノヘッズに向けた内容としたい。
そんなわけで今回は
です。
ここ1年くらいで出たものをメインにずずいっと紹介しますのでクリエイターへの敬意を忘れず、ポチっと下向き矢印を押してください。
ちなみに前回この特集をやったのは忘れもしない去年のクリスマス連休でしたが、予定通りだと今年のクリスマスはワタクシ担当ではございませんので!!!
のっけから大ネタです。スペインのトラックメイカー、Eric Sandによるブートレグ。
現役のクリエイターとあってハードグルーヴマナーに則ったビートにあのメロディーが乗ると云う使いどころに富んだトラックとなっております。
ちなみにいつの間にかフリーダウンロード専用のSoundcloudアカウントを取得しており、過去の作品から20本強の楽曲が上がっております。
いつ聴いてもこのSkrillexネタが酷過ぎると思いますが、たまにこういうフッ切れたことが起こるのもハードグルーヴです。
同アーティストネタで別のクリエイターによる作品。Almir Ljusaはハードグルーヴはおろかテクノでも珍しいボスニア・ヘルツェゴビナ出身。
こちらはもっとメロウな雰囲気に寄せたリズムですね。序盤で流れを作ったり、〆で次の人に渡す時にフラットな状態にしたい時なんかに使えます。
結構前に公開になってたブートレグでしたが、最近アップロードし直したようです。
こういうものはいつ消されるか分からなかったりするので、見つけたら即手に入れるが吉。
歌ものメインストリームハウスがハードグルーヴになった作品。G8も現行のハードグルーヴクリエイターです。
その他にトランスも作ってたりするだけあって、広い空間で映えそうな仕上がりなのがお分かり頂けるかと思います。
ベースとハイハットでグイグイ牽引していくのでネタありきでもなく、普通に使えます。
少し毛色を変えてディスコネタをご紹介します。
日頃からハードグルーヴとディスコの中間点みたいな曲が多いドイツのDigital Knechtによるもの。
バウンシーなトライバルリズムに元ネタのレトロなシンセが乗っかったファンキーなトラック。
前回書いたように自分はディスコが好きなのでHardonizeでも度々ディスコからハードグルーヴに展開するプレイをしますが、そういう時にこういう曲があると大変ありがたいですね。
ストイックなDJ向けにブートレグ以外のフリーダウンロード楽曲を紹介します。
ハードグルーヴシーン若手注目株のスペイン出身クリエイター、Dj Brutecのトラック。
疾走感よりはズッシリくる感じのビートに反復シンセがアグレッシヴな雰囲気を醸してます。
彼のSoundcloudは1つしかないのですが、フリーダウンロードの楽曲、MIXしかアップロードしないと云うポリシーがあるようです。
作品もその型破りっぷりに期待がかかります。
重厚感繋がりでもう1つ重めなトラックを。
テクノ好きには言わずと知れたJoey Beltramが元ネタですが、キックが鈍器で殴られているかのような圧で繰り出されます。
Sergy Casttleもハードグルーヴの拠点スペインのアーティストですが、こういったテクノ然としたストイックな曲を作っている人もおられます。
特にハードミニマル好きの人におススメしたいですね。当Hardonizeのボス、Yudukiさんもお気に入りの1人ですので。
ここからはリフとかメロディーに注力した作品をご紹介します。
まずこちらはハンガリーの若手クリエイター、Norman Andrettiの作品。
何の因果か、去年のクリスマスに『メリークリスマス!』ってアップロードされたようです。ありがとう、ありがとう。
こういった少し哀愁漂うハードグルーヴは彼の得意分野となっている気がします。
ファンキー一辺倒に疲れたときの良い清涼剤として使える筈です。
90年代の渋いアシッドテクノが元ネタですが、派手なシンセが反復するトランシーなハードテクノに様変わりしてます。
アシッドシンセも使ってはいるものの、そこから更に発展してサイケデリックトランスっぽい展開まで見せるのが本当に秀逸。
これを作ったロンドンのJohn Askewは前回特集でも挙げましたが、やはり細かい音の作り込みが一線を画している感じがあります。
それはこういうフリーダウンロードに於いても一切の妥協を見せません。大推薦の1曲。
本連載でも何回か取り上げているAndy BSK。フロム・スロバキアにしてイン・ドイツのクリエイター。(Andy BSK特集はこちら)
ジャケットインパクトの凄まじいHardgroove Gangstaと云うEPを出したことも記憶に新しい彼ですが、ハードテクノと並行してトランスにも傾注しており、ディープトランスをアレンジしたのがコチラになります。
原曲と比べると相当派手になってますが、ハード系4つ打ちの中では綺麗に終わらせるためのトラックみたいな印象ですね。
ピアノが鳴ってる曲は良い曲理論。
以上9曲フリーダウンロード、ブートレグ楽曲の紹介でございました。
冒頭でも書いたように、すっかり世の中に浸透した感はあるのになんとなく敷居が高いみたいなイメージがテクノには付いて回ります。
勿論ストイックな側面があることも事実ですが、それだけじゃなくて単純にアホっぽいのもあり、周辺ジャンルに歩み寄ったものもあり、もっと肩の力を抜いて楽しめる部分も間違いなくあるので、そういう意味では他の数あるダンスミュージックと何ら変わりない存在であると思ってます。
我々はその『楽しめそうな部分』を切り取って今後も皆様に提示していく所存です。
言って良いのか分かりませんが次回、次々回の企画も水面下で徐々に進行しておりますので、どうぞお楽しみに。
一方ワタクシは今『徐々に』ってキーボード打ったら『ジョジョに』って変換されて早くも気持ちが折れそうです。
次週09月26日は774Muzikさんが担当します。今回はこれにて。
それと今週末に次回Hardonizeの発表があります。お見逃しなく!