こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
久しぶりにワタクシが担当致します。
前回のYudukiさんのエントリーと書き出しが同じになってしまいますが、新年を迎えたと云うことで今年も当Hardonizeをよろしくお願い致します。
昨日告知が出た通り、パーティーとしての開催は02月25日、ゲストにMorphonics a.k.a. 紙袋氏、marix氏の2名を迎えてお送りします。
告知ページ⇒http://hardonize.info/event/2017-02-25-sat-hardonize26.html
個人的な所感として両者共ストイックでヘヴィーな音を持ち味としている印象があるので、テクノが持つ緻密な音の抜き差しみたいなところを味わえる回であることを期待してますし、我々もそれに応えるような選曲で皆様のご来場をお待ちしております。
話は変わり私事で大変恐縮ではございますが、Hardonizeと親交のあるテクノパーティー『秋葉原重工』より昨年末にリリースされた『秋葉原重工コンピレーション06』の購入者特典MIXをSangoさんと共に担当致しました。
リリース詳細&ダウンロードページはこちら。
秋葉原重工 : http://www.ahiweb.info/
『秋葉原重工』はその名の通り秋葉原のMOGRAでコンスタントに開催しているパーティーで、アートワークからウェブデザイン、告知に至るまで架空の機械設計企業をモチーフとしたブランディングを行っております。
機械の持つ無機質な感じをそのまま自ら発信する音に落とし込んでいるため、内包するものとしてはミニマルやインダストリアル、テックハウスなど、中音域よりは低音域で反復するリズムがじわりじわりと空間を支配する、そんなサウンド。
パーティーと同様にレーベルとしても機能しており、本作にはHIROSHI WATANABE、A.Mochi、TAKAMI、REBUSTAPEなど日本のテクノシーンを現在進行形で担っている第一線の方々もいる傍ら、Nhato、CRZKNYと云った本来主戦場がテクノではないアーティストもテクノで参加しており、同じ作品内でも方向性は様々。
ハードテクノの側面としてもご存知Homma Honganjiが名を連ねていることから非常に尖ったコンピレーションであることがお分かり頂けるかと思います。
まだ購入されていない方は是非お求めください。でもって特典MIXも聴いて頂けると私とSangoさんが喜びます。
さてここまでが前置き。
上記のCDがどこで初っ端リリースされたかと言うと冬のコミックマーケット、つまりは同人即売会であります。
幾多の流行廃りを繰り返しながらも同人音楽は自身の解釈を拡大させ、アレンジ系は元よりオリジナル系でもバンドサウンド、オーケストラ、民族音楽に朗読、果てはサンプリングCDまで多用なジャンルを内包するようになっているのは周知の通りです。
無論電子音楽、クラブミュージックもその1つであり、大手配信サイトで売られているものと何ら遜色ないクオリティーのものが大量にあります。
それどころか、インディーズらしい突飛なアイディアで勝負している作品はメジャー流通とは別の魅力を秘めており、普段のDJプレイにアクセントを加えたいと云った際には強力な飛び道具にもなります。
そんなワケで今回のテーマは
初出がコミックマーケットやM3と云った同人即売会であるテクノの作品の一例を以下に挙げていきます。
Anne Maddox vs Bee.Bee. / ERGOSPHERE EP (exbit trax)
Hardonizeにもゲスト出演頂いたことのあるni-21氏擁する『exbit trax』の昨年末リリースがこちらのAnne Maddox氏とBee.Bee.氏のスプリットEP。
両名は同じく昨年末に行われたパーティー『TOKYO HARD GROOVE SESSION ’16 -Xmas-』に於いてもB2Bで出演しており、一直線に派手煌びやか路線を進むAnne Maddox氏に対して淡々とBee.Bee.氏がボトム寄りのトラックで追随すると云う構図が面白かったと記憶しております。
そんな様相がそのままこのCDにパッケージングされているのがまた面白く、ハードダンスをテーマとしながらもメロディー主体であったりリフに重きを置いたり、かと思えばサイケデリックトランスやドラムンベースまで取り込んでいく大胆さが光る1枚です。
制作者の言葉を借りるなら『チャカポコ』したリズムはハードテクノとの相性も良く、中盤~終盤にかけて段々シンセを派手に持っていくと云うようなDJの際には大いに機能することでしょう。
exbit trax : https://exbittrax.jimdo.com/
V.A. / GREenRMX003 (GREen)
『GREen』も先述の『秋葉原重工』同様に親交のあるパーティーの1つ。
こちらは往年のテクノにスポットを当てており、耳に馴染みやすい温かみのあるリフを使いつつも踊らせるところはしっかり踊らせる、そんな印象があります。
こちらもまたTOBY、NEWDEALと云った日本テクノ界のビッグネームが参加していて驚くのですが、REV-TUNE氏がえらく無機質なジュークを提供しているのも個人的には聴きどころ。
あと最後に収録されているdai氏のリミックスが金管楽器をメインに据えた土着トライバルグルーヴ全開で大変良かったりとEPサイズながら『使える』1枚。
The Third Man / We are The Third Man (R135 Tracks)
ハードダンスからトランス、EDM、ダブステップまで幅広くリリースを続ける『R135 Tracks』の新譜がThe Third Manと云う覆面プロジェクトアルバム。
今回取り上げる中に於いては1番アグレッシヴな作品であり、音色こそハードダンスでありながら反復リフものが多いため、派手なハードテクノとしての解釈も可能ではなかろうかと思い、ここに挙げました。
こう云う何の前触れもなしに謎のアーティストが出てくるところもまた同人音楽の魅力の1つだと感じており、現にこの作品も某有名ゲームのアレンジあり、高速ハードコアあり、笑いを誘うレベルで唐突な展開を多く含みます。
変な曲好きとしては3曲目、PAND3MICのちょっと綺麗目なピアノのブレイクで揺さぶってからワブルベース推しの4つ打ちになる展開とか大好物。
R135 Tracks : http://r135.net/
TUSA / night flapper (circumstance)
エレクトロニカを始めとする電子音楽をメインとしているパーティー、レーベル『circumstance』よりリリースされたディープ且つデトロイトなテクノ。
5曲入りEPとしてリリースされた中の1曲で、他のものもアシッドやトライバルと云った塩梅でまぁとても渋いわけなんですが、ベースは深く、リズムはカッチリしている辺りリスニングとしてもダンスミュージックとしても聴けるテクノらしさが溢れた作品でした。
同Soundcloudアカウントから過去のリリースも試聴することができますが、何と言っても味のあるアートワークがずらり。語彙が乏しいので的確な表現かどうか分かりかねますが、あえて言うならジェットセットラジオっぽい感じ。
テクノのクリエイターでこういうイラスト沿えている人は見たことがなかったのもあって紹介します。
circumstance : http://www.circumstanceinc.com/
次週01月17日は774Muzikさんが担当します。今回はこれにて。
即売会リリースではないので上では書けませんでしたが、去年結成20周年を迎えたテクノユニット、ホンダレディの新作コンピが某超有名レイヴレーベルを模倣したジャケットと云う時点で大変面白いし、収録曲もアシッドあり、レイヴあり、テクノあり、歌ものありのゴッタ煮感満載でとてもオススメです。
HONDALADY : http://www.hondalady.net/
余談2.
直近のコミックマーケットやM3で買ったのはどちらかと云うとエレクトロニカとかアンビエントの方が多くてしかもなかなかにナイスな作品もいっぱいあったので、ボスさえ許せばそっちも書きたいなと思っております。どうかな?ダメカナ?カナ?