こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、久しぶりに担当いたします。(すみません)
前回担当回に更新ができなかったため、本日ほかに2件記事を公開しております。
よろしければご覧ください。
【Spotifyプレイリスト】
Spotifyプレイリストの2025年11月分が公開されております。
【Hardonize #51 無事終了】
先週はHardonize #51でした。
お越し頂いた方々、お聴き頂いた方々、本当にありがとうございました。
今回ゲストにお招きしたcartaxさん、Gassyohさんもありがとうございました。
欠員が出た関係で、急遽1.5時間のロングセットを快く引き受けてもらい、本当に感謝です。
cartaxさんは、普段のプレイに近いハウスを踏襲しつつ、「テクノに対するハードテクノとは何か?」といった視点で、実験的で、アバンギャルドなトラックを多く盛り込んだプレイでした。
テクノともハウスともつかない、変てこなトラックは、なかなか我々からは出せない味だったと思うので、彼なりのカマしを聴けたことは素直に嬉しかったです。
そしてGassyohさんはもう・・・芸人でした。(昔から思っていることではありますが)
自分でかけたトラックに対して持参した笛や、カウベルを鳴らしたり、口頭で解説を入れたりして、彼にしか作ることのできない世界が繰り広げられていました。
でもかかっている音はガッチガチのテクノ、それも、バッチリ昨今のトレンドを押さえた選曲で、そのギャップなんなのとずっと思わせてくれました。
お二人とも、本当にありがとうございました。
次回Hardonizeは03月頃開催予定となっております。
年明けから順次情報が公開されると思いますので、2026年も当パーティーをよろしくお願いします。
【今回のお題】
さて、今週よりレジデントが今年のハードテクノというテーマに絞り、それぞれオススメの10曲を選出して紹介するHardonizeクルーが選ぶ2025年のハードテクノ10選を掲載しており、先週のyudukiボスに続き、TAK666が担当します。
我々は15年以上パーティーを共にしておりますが、微妙な嗜好の差異が毎年表れており、個人的にも見るのが楽しみです。
また、今年もご出演いただいたゲストの方々からもピックアップを募っておりますので、そちらも是非ご覧ください。
先に個人的な総括を述べますと、今年はあまり目新しいトラックと出会うことが少なかったように思えます。
勿論、全く無いわけではないですし(今回取り上げている中にもいくつか強烈なものはあります。)、単純に自分のDIG不足という点も大いにあるとは思います。
ただ裏を返すと、これは一昨年辺りからテクノが水面下で伸ばしていた根が、かなり広範囲に伸びていった結果なのではと思ったりもします。
下記に取り上げたように、待望のアルバムをリリースしたアーティストもいましたし、来日公演も頻繁に行われてましたから、ヘッズの1人としては嬉しい限りです。
来日公演についてはGary Beck、X CLUB.、Greg Downeyなどなど今年も色々見に行きましたが、テクノ的に1番印象に残ったのは、DJ Dextroのオープン3時間セットでした。
あれは本当に贅沢でしたね。
直近のHardonizeのプレイでハウスに傾倒したのも、少なからず影響を引きずってます。
来年は来年でレジェンドThomas Schumacherや、超新星SWIMの来日なんかも予定されていて、今から楽しみですね。
ただ、その前に来週UMEK来日ですね。
次の日はとんでもないメンツで行われるTAKAMIさんの活動30周年パーティー。
激ヤバ週末。
最後まで2025年を楽しみましょう。
とまあ、前置きもそこそこに早速お送りします、
いってみましょう。
【曲紹介】
ドイツのプロデューサーユニットFJAAKによるテクノ。
ここのところ毎年こいつらの曲を10選に入れていますが、やはり今年もカマしてたなという印象です。
彼らの象徴的サウンドとも言える、叩きつけるような圧の強いリズムは本作でも健在。
地鳴りのような低いベースラインと絶妙にレトロなメインリフ、ループするボイスサンプリングによって構成された、タフなトラック。
Moving Machines (Original Mix) | Mha Iri | Drumcode
イギリスのプロデューサーMha Iriによるテクノ。
メインストリーム方面において、何が印象的だったかなと考えたら、今年早々に出たこの曲がずっと頭に残り続けていました。
スウェーデンの名門テクノレーベルDrumcodeよりリリースされた、テクノ然としたメインリフと、ワブルベースのようなサウンドが、硬いリズムの上で絡み合う、大箱映えするトラック。
Mha Iriはつい先日、キャリア初となるアルバムFour Elementsをリリースしており、大躍進の年だったように感じます。
メインストリームテクノの「今」を感じさせる硬派なトラックから、テンポの速いハードテクノまで収録された即戦力間違いなしの作品です。
こちらも是非。
鼓動 / HSP(鼻そうめんP) feat. 初音ミク – YouTube
購入リンク:鼓動 / HSP | KARENT
日本のプロデューサーHSP(鼻そうめんP)によるトランス。
イラストレーターとして数々のアニメ、ゲームに作品を提供しているかんざきひろ氏のアーティスト名義による作品で、動画としては昨年度から公開されていたものの、今年に入って各配信サイトで購入が可能になりました。
ボーカロイドを起用したトランスはそれなりに存在するものの、現行のトレンドを押さえ、ダンスミュージックとしての強度を保った作品として、この曲は頭1つ抜けていたように感じます。
テクノとの相性もかなり良く、実際に08月のHardonize #50にて使用しました。
No Pulse (Original Mix) | Reece Pritchard | Influenced Records
イギリスのプロデューサーReece Pritchardによるディープテクノ。
重心低めのうねるベースを取り入れたリズムの上に、シンプルなリフがひたすらループする、ミニマル度の高いトラック。
規則的なハイハットの音も相まって、かなり前のめりなグルーヴを擁しています。
たまに差し込まれるヒプノティックなサウンドも印象的。
一般的なテクノとディープテクノの橋渡しとして、抜群の機能性を有しています。
AMANTRA – PARAMIDAS | LOVE IN THE ENDZ
スペインのプロデューサーAMANTRAによるテクノ。
新作トライバルテクノ+ベースミュージック特集という、趣味丸出しの担当回の中で取り上げた1曲で、特に印象的だったのがこちらのトラック。
キックとしては4つ打ちではあるものの、手数の多いサブリズムと合わさってブレイクビーツ気味に聴こえます。
そのビートも全体的にザラついた、不穏な空気感を纏っており、マシンドラム特有のスネアの音と合わさって強いアングラの臭気を感じさせます。
ディープテクノや、非4つ打ちテクノと合わせて使いたくなりますね。
ブルガリアのプロデューサーKiNKによるテクノ。
昨今のテクノとUKガラージの交配点については、しばしば語られるものの、また新しい角度からこの分野に切り込みを入れたトラックが表れました。
ドラムパーツとしてはテクノを踏襲しつつ、本作の大きな特徴である太いベースラインやオルガンライクなリフはUKガラージそのもの。
ほぼリズムとボイスループだけで勝負している感もあり、この潔さもまた、今までありそうで無かったタイプのように感じます。
初めて聴いたとき、普通に声出ました。
Hopper (Original Mix) | Gary Beck | Mutual Rytm
イギリスのプロデューサーGary Beckによるハードグルーヴ。
先に取り上げたyudukiボスの10選にも含まれており、「そりゃそうだよなー。」と思いつつ、でもこの曲を今回の選出から外す方が個人的に違和感ありまくりでした。
07月にVENTで来日公演を行った際にも流れてましたが、裏打ちのピアノを前面に押し出し、密度の高いハイハットリズムと共にグイグイ牽引していくトラック。
フィルに差し込まれるストリングスも高インパクトで、『YO ぶっ飛んだパーティはじめっぞ』感が半端ない。
FJAAKといい、KiNKといい、この手の異質な音が含まれているトラックにとにかく弱いです。
Lesbian Bondage Fiasco (Hyperdisco Remix) | ANiKi | Loudroom Recordings
ノルウェーのプロデューサーANiKiによるディスコ。
跳ね系リズムの上で、フィルターとエディットを織り交ぜたストリングスと軽快なシンセが絡み合う、煌びやかなトラック。
ハウス直系の複雑にうねるベースフレーズも色気があって、ポジティブなダンスミュージックの良さが感じられます。
UKガラージなんかと混ぜて使ってみるのも面白いかもしれません。
Man With a Second Face | KETTAMA | STEEL CITY DANCE DISCS
アイルランドのプロデューサーKETTAMAによるハードグルーヴ。
間違いなく、今このシーンの台風の目になっているアーティストですが、今年、遂にキャリア初のアルバムがリリースされました。(KETTAMA / Archangel)
この曲に限らずですが、これまで彼が培ってきたメロディックなハードテクノのナレッジが全て詰め込まれており、現代のダンスミュージックの形や空気感がパッケージングされた傑作だと、個人的には思っています。
テクノのループ感、ハウスのグルーヴのうねり、トランスのメロディーの美しさベースミュージックのタフなサウンド、そしてレイヴの高揚感と儚さ。
過去から現代まで脈々と受け継がれた、それら全てを糧に、これからも進化を続けるという意思の表れた作品です。
大推薦。
Got U Groovin’ | Entasia & Shuffa | ec2a
イギリスのプロデューサー同士、EntasiaとShuffaによるハードハウス。
軽快な跳ね系リズムの上に乗る、若干の哀愁を纏ったフレーズのピアノ。
リリース時期も08月末で、夏の終わりにピッタリなリリースだったのを覚えています。
ハイハットリズムの推進力もあり、ハードグルーヴとも相性抜群。
【次回】
そんなワケで今回はここまで。
次週12月16日は774Muzikさんが担当します。
そして再来週からは今年のHardonizeにご出演頂いたゲストDJたちによる2025年のハードテクノ10選を、23日と25日の2回に分けてお送りします。
Hardonizeレジデント面々とは異なる視点からのセレクト、見逃し厳禁です!
尚、通常回としては年明け01月13日にyudukiさんが担当します。
良いお年をお迎えください。
では。
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