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今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2022/3/8 【恥ずかしながら帰って参りました。】

こんばんは。774muzikでございます。
はい、帰って参りました。

2月23日から例のコロナの野郎を発症いたしまして発熱・頭痛・喉痛に苦しんでおりましたが、無事症状も治まり、無事復活することができました。
まだ喉の調子が悪くて声が超出にくい状況なので、完全復調ではありませんが・・・。
その間、体調悪すぎて本ブログの更新を落としたり、免許の更新に行けなくて免許失効したりと色々ございましたが、体調戻ればこっちのもんですね。
諸々頑張っていきます。

ということで、諸々のうち最重要事項。こちらですね。

2022/4/9(sat) Hardonize#40 at waseda sabaco


2月開催の予定でしたがHardonize初の延期となり、4月9日となっております。
およそ1か月前ということで、皆様と現場でお会いできるといいなぁ・・・と願っております。
是非、スケジュールにインの程、お願いいたします。

さて本題。
コロナで寝込んでいる時、まあ出来ることがほぼなくて、ベッドの中で色々とトラックメイク用のプラグインを漁ってまして、体調が戻ってきてからちょこちょこと触ってみているところです。
ということで、今回は普段と趣向を変えて、トラックメイカー向けといいますか、ゲットしたプラグインの中から「これは推せる!」というやつをいくつかご紹介していきたいと思います。

今週のオススメプラグイン

※画像からオフィシャルサイトに飛べます。

1. iZotope BreakTweaker Expanded


まずは、何を措いてもこれですね。
稀代のチートツール「Ozone」で有名なiZotopeと、偏執的なビートの作り込みで有名なBTが手を組んで生み出したビートマシンです。
FL Studioユーザー的には馴染みやすい、リズムマシーンぽい打ち込み画面なんですが、配置した一つ一つのノートに対して、ピッチ変化であったりStutterであったりというギミックをとても感覚的かつ簡単に仕込めるというものになっています。
ノートの打ち込み自体は16分音符刻みジャスト位置で行い、発声をずらしたり(例えば16分裏を遅らせてシャッフルさせるとか)、16分以外での打ち込み(3連符とか)だとかはノートの編集で行う、という仕組みが最初は若干飲み込みにくいところかもしれませんが、慣れれば色々できそうです。
言葉で説明しても分かりづらいと思うので、オフィシャルのチュートリアルビデオを。

どうでしょう?見てるだけで結構ワクワクしません?
これは相当面白いツールですね。
もちろん各トラックに配置する音は自身のライブラリから設定することも可能ですが、プリセットも大量についてくるので、まずはプリセットを色々見てみるだけでもかなり参考になります。
で、更にヤバいことに、これ定価3万円ぐらいするプラグインなんですが、プラグイン販売サイトのPlugin Boutiqueの10周年記念セールで95%オフになってまして、1,200円とかいう頭おかしい価格で投げ売りされてました(笑)
まだ持ってない方は、またセール入るタイミングで是非ゲットしてほしい逸品です。オススメ!

2. Sonnox Oxford Inflator


お次はこちらです。
我らがドン、ゆづきさんから教えてもらったプラグインですね。
ガツッと聴感上の圧を出してくれるコンプレッサー/リミッター系のエフェクトプラグインになります。
スライダーが4つにボタンが3つ、合計7個のコントロールしかありません。
何か古のフリープラグイン的な感すらあるシンプルな趣きに不安になりますよね?お前、やれんのか?と。
しかもこれ、定価2万円ぐらいするんですよ。不安になりますよね?僕はなりました。
でも、実際使ってみると分かります。これは、このコントロールの少なさでいいし、むしろ、だからこその神チートツールなのです。
普通のコンプレッサーとかリミッター、良い感じの音圧で鳴らすためには結構シビアな設定を要求されるじゃないですか。
Inflatorなら、スライダーをスッ・・・スッ・・・以上!ですよ。完全にふざけてます。素晴らしい。
こちらもチュートリアルビデオをどうぞ。

はい、すごい。
で、これもPlugin Boutiqueの10周年記念セールで5,000円ぐらいになってました。お得!
ただ、1点だけ難点があるので、最後に記しておきます。
これ、アクティベーションの方法がiLokの物理ドングルか、iLokクラウドかの2択です。
したがいまして、何千円(下手すると万超え)を払ってドングルを購入するか、常時オンライン接続しながら使うかしかありません。
これはマジでクソだと思います。それが許容できるなら、とても優秀なツールです。

3. Plugin Boutique BigKick


縦に長い・・・!
プラグイン屋さんのPlugin Boutique謹製の、いわゆるキックシンセですね。
最近、ミニマルを習作的にちょこちょこ作っていたりするんですが、この類のテクノって、音自体の質と「間」が重要な音楽だと思うんですね。
キックはサンプルパックのものから合いそうなものを探して使う、というパターンが多かったんですが、音自体の質だったり音の「間」を計算して作るとなると、かなり細かい作り込みが必要で、出来合いの音を当てはめるだけというのではちょっと厳しいところが出てくるわけです。
ということで、ミリ秒単位で鳴りを調節出来たり、音程でのピッチ設定ができるものとしてこれをチョイスしました。
この分野では、Sonic AcademyのKick2というプラグインも有名で、こちらはこちらでボリュームのカーブを無制限にポイント打って編集出来たり、より変態的な作り込みが出来る点がめちゃくちゃ魅力的で、正直迷いました。
しかし、最終的にBigKickを選択した決め手は、エキスパンションでした。
BigKickはプロのトラックメイカーが作成したパッチを追加できるエキスパンションというのがあるんですが、それのテクノ向け第一弾を手掛けたのがAxel Karakasisなんです。
ヴァイナル時代にめっちゃ買ってたアーティストが手掛けてるとか、もう買う義務しかない。
ということで、チュートリアルビデオです。どうぞ。

さあ、変態的キック作りするぞおおおおお

4. OZ-Soft Xpander


最後にご紹介するのはこちら。フリープラグインとなります。
音を広げたりユニゾンして厚みを出したり、という音のリッチ化の加工を簡単にできるものになります。
使い方のイメージ的にはFLユーザーにはお馴染み(?)、SoundGoodizer的な簡単さですかね(あちらは音圧稼ぎ系ですが)。
デモンストレーションを見ていただいた方がイメージつかみやすいと思うので、こちらをどうぞ。

シンセの音がリッチな感じになっているのが分かるかと思います。
使いすぎるとくどくなってしまいますが、もう一歩メインのシンセを派手にしたい、というような時に噛ませてみるのも一興かと思います。
フリーなので、とりあえず入れておく、でもいいかもしれないですね。

ということで、役に立つんだか立たないんだかよく分からない感じですが、最近導入してみて面白かったものをご紹介しました。
本日の記事はここまで!
次回更新は木曜日、DJ Sangoがお送りします!ではー。


新作テックトランス特集 (2022年03月版):今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2022/03/03

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

【告知】


先日から延期となったHardonize#40まで大体あと1か月となりました。
ゲストは変わらずMorphonicsさんとREV-TUNEさんの2名。
両者とも数々の現場を共にし、Hardonize一同信頼を寄せているプレイヤーなのでどんなハードサウンドが飛び出すのか、楽しみです。

【近況】


来週の日曜日に錦糸町LITTLE SAKE SQUAREで行われるパーティーにお招き頂きました。
TAKAMIさん、Yebisu303さん、Takayuki KamiyaさんとHardonizeと縁近い方々とご一緒します。
飲食店で行うパーティーの面子じゃない。

ちなみにもう1人の12_1さんとも実は15年くらいの付き合いになるんですけど、テクノ界隈の中にいるのは大分斬新。
どんな感じのプレイになるのか、楽しみです。

【今回のお題】

さて、前回前々回は昨年のフリーダウンロード楽曲を振り返る特集を執り行いましたが、今回から通常の形式に戻り、
ハードテクノの1つのサブジャンルからオススメ楽曲について取り上げていきます。

ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。

ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。

今回取り上げるサブジャンルは

テックトランス

です。

特別連載に於いては9回目に取り上げたテックダンスに近い、テクノの要素を取り入れたトランスです。
この音楽にスポットを当てた特集は過去2回(※)行っており、改めてここ1~2ヵ月の間にリリースされたトラックについてピックアップしていきます。


新作テックトランス特集 (2021年09月版)
新作テックトランス特集 (2021年03月版)

早速ですが新作テックトランス紹介いってみましょう。
(例によって配信サイトの試聴だとブレイクで終わってしまう曲がいくつかあるので、YouTubeリンクと併用で埋め込みを行っております。)

【曲紹介】

Roland Clark, Armin van Buuren, Reinier Zonneveld / We Can Dance Again

We Can Dance Again (Extended Mix) – YouTube

We Can Dance Again (Extended Mix) by Roland Clark, Armin van Buuren, Reinier Zonneveld on Beatport

イギリスのハウスマスターRoland Clark、オランダのトランスレジェンドArmin van Buuren、そして現行テクノシーンをリードするオランダの若きReinier Zonneveldによる国もシーンも越えたテックトランス
直近のモンターリリースその1です。
Reinier Zonneveldの作る重厚なリズム、Armin van Buurenが培ってきた美しくも儚いシンセ、そしてタイトル通りメッセージ性の強いRoland Clarkのボイスと三者三様の持ち味が一堂に会している贅沢な1曲。
ジャンルの垣根を越えた意義のある作品。

Tempo Giusto / The Unicorn Master

The Unicorn Master (Extended Mix) – YouTube

The Unicorn Master (Extended Mix) by Tempo Giusto on Beatport

フィンランドのプロデューサーTempo Giustoによるテックトランス
リズムとリフはかなりシンプルに作られている一方、ベースの圧が強く出ているのが聴きどころ。
テクノトランス、どちらにも使えるお手本のような作品であり、ビートで躍らせるという目的にピッタリ合致した曲。

Tasso / Penance (Renegade System Remix)

Penance (Renegade System Remix) – YouTube

Penance (Renegade System Remix) by Tasso on Beatport

イギリスのプロデューサーRenegade Systemによるテックトランス
リズムを一定にキープしつつ、ウワモノの足し引きによって展開が作られていく曲。
アシッドシンセを含む様々なサウンドを絶妙なバランスで重ねており、技巧的な一面も垣間見えます。
比較的どの盤面でも使えそうなトラック。

同アーティストの曲でもう1つ直近リリースのオススメがコチラ。

Renegade System / Dropkick

Dropkick (Extended Version) – YouTube

Dropkick (Extended Mix) by Renegade System on Beatport

先の曲よりは気持ち派手目にウワモノが組まれておりますが、何といっても最大の特徴はブレイクで惜しげもなく鳴らされるドミネーターシンセ。
以降ドミネーターシンセの刻みをメインフレーズとしてリズムと並走するレイヴ色強めの曲です。
いつ聴いてもこういうのは気持ち高まります。

Everlight / Within

Within – YouTube

Within (Original Mix) by Everlight on Beatport

イギリスのプロデューサーEverlightによるテックトランス
キックの圧が強いリズムとややレトロなシンセが絡み合うテクノ寄りのトラック。
細かくうねるベースや残響のきいたボイスサンプルから妖しさも漂ってくるのが尚良し。
T78とかRaitoのテイストが好きな人は是非。

こちらも同アーティストの曲で直近リリースのオススメをもう1つ。

Everlight / Disco Death Machine

EverLight – Disco Death Machine – YouTube

Disco Death Machine (Extended Mix) by Everlight on Beatport

本当に同じアーティストかと思うくらい別路線の曲。
前曲の地下テイストはどこへやら、金物リズムによる前のめりなグルーヴにファンキーなベースラインとアシッドシンセが炸裂するアップリフティングな仕上がり。
Hardonize的需要がありそうなのはこっちかもしれません。
ハードハウスハードグルーヴと合わせて是非。

Mario Piu, Sygma / Serendipity 2.0 (David Nimmo Extended Remix)

Mario Piu & Sygma – Serendipity 2.0 (David Nimmo Remix) – YouTube

Serendipity 2.0 (David Nimmo Extended Remix) by Mario Piu, Sygma on Beatport

イギリスのプロデューサーDavid Nimmoによるテックトランス
元を辿ると1999年にイタリアの大御所プロデューサーMario PiuによってリリースされたSerendipityという黎明期のトランスがあり、なんと23年越しにセルフリミックスが爆誕。

Mario Piu, Sygma / Serendipity 2.0 (Extended Mix)

Serendipity 2.0 (Extended Mix) by Mario Piu, Sygma on Beatport

現代テクノと相性の良いボトム重視のアレンジとなっておりこちらもオススメではあるものの、ハードテクノ的視点で見ると上で挙げたリミックスの方が使いやすそうです。
煌びやかでド派手なブレイクから一気に原曲のリフを取り込んだループ主体のパートにスイッチする展開が爆発力高め。
源流を知らなくてもテンションが上がるような構成は見事。

NX-Trance / Cutting Edge

Cutting Edge (Extended Mix) – YouTube

Cutting Edge (Extended Mix) by NX-Trance on Beatport

ロシアのプロデューサーNX-Tranceによるテックトランス
変幻自在のリフと細かいFXの差し込みがテクい印象を受ける、正にタイトル通り『最先端』な曲。
サイケデリックトランスを彷彿とさせるグルーヴも個人的には堪らなかったりします。
トランスの流れの中で使うとより変化が出て良いような気がします。

Marcel Woods / Advanced (Maddix Extended Remix)

Cutting Edge (Extended Mix) – YouTube

Advanced (Maddix Extended Remix) by Marcel Woods on Beatport

オランダのプロデューサーMaddixによるテックトランス
直近のモンターリリースその2。
Marcel Woods / Advancedといえば2000年代を代表するトランスの1つとして挙げられるほど大ヒットを記録し、
数々のリミックスも手掛けられているビッグアンセム(先に紹介したRenegade Systemによるブートレグもあります。)なのですが、リリースから17年が経った2022年も勢い衰えず、本作の登場です。

原曲のインパクト満点のフレーズをそのままブレイクに取り込み、スネア連打で最高潮に煽った後、リフ消失。
リズム重視のパートから徐々にメインフレーズが重ねられていくいやらしい展開。
そのリズムもテクノに近い深度を持っており、クラシカルなフレーズと相まって破壊力抜群です。
直近のリリースに於いて欠かせない1曲。

まとめ

以上、新作テックトランスにスポットを当ててお送りしました。
ハイブリッドミュージックとして面白い曲が出ているなと思う一方で立て続けに重要リリースがあったのには驚かされました。
古参のクリエイターやトラックに日の目が当たるというのは、どのジャンルに於いても意味を持つなと思いますし、自分としても『そういえばこんな曲あったな。』と振り返る良い切欠を与えてくれます。
メインストリームのテクノに派手さが戻ってきた最近ということもあり、引き続きこのジャンルには注視していきたいと思います。

そんなわけで今回はここまで。

次週03月08日は774Muzikさんが担当します。
では。

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