今週のオススメハードテクノ – Resident’s Recommend 2018/08/28

アロハ!こんばんは774muzikです。

この投稿は遥かワイキキの地からお届けしております。

こちらは現在深夜2時ぐらいなので、日本では21時頃でしょうか。

何故か403エラーが出てしまいブラウザからログインできない感じなんですが、何とか頑張ります。ピース。

ということで本題です。

前々回のゆづきさんの記事でキーワード検索ネタをやっていたので、僕も積極的に倣っていく方向でいきたいと思います。

皆さん、ボンゴって楽器知ってらっしゃいますかね?

そう。これです。

まぁ、トライバル系ではコンガと並んでポコポコ鳴っているやつでございます。

かなり前になりますが、「Tribal」で検索するというネタはやった記憶があるので、今回は「Bongo」でいってみたいと思います!

Miche & Mirzinho – Bongo Madness (Original Mix)

良い感じにトライバルってますね…!
打ち鳴らし系のパーカスにファンキーな声ネタがループする直情型ファンキートライバルという感じ。グッド。

Unknown – Duelo De Bongo (Original Mix)

Patternsからのブートレグくさいトラック。
ファンキー&ファンキーなネタ使いでとてもグッド。

Chris Chambers – Relate To Bongos (Original Mix)

クリチャンによるストイックなトライバルトラック。
浮かれてる感全くなしで、淡々と刻まれるビートがカッコいい。
すごく使い勝手良さそうな一曲。

The Phrenetic Project – Bongo (Original Mix)

The Phrenetic Projectな時点で大ネタなんだろうなぁ…と思いながら試聴したら案の定な大ネタで、これは鉄板ですわ…
かつて一世を風靡した、Switch – A Bit Patchyネタのハードグルーヴです。
(あの声ネタがないので、Incredible Bongo Band – Apacheネタというべきかもしれないですが…)

というわけで、今回はここまで!
次回はDJ Sangoがお送りします!マハロ!


今週のオススメハードテクノ – Resident’s Recommend 2018/08/23

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。

直近のパーティー情報を追っていてビックリしたのですが、ASCが来日するんですね。
以前、グレイエリアと云う音楽を特集した際に度々名前を挙げていたアーティストで、当該スタイル、と云うかミニマルテクノ~ベースミュージックの最先端に君臨するアーティスト。
この手のアンダーグラウンドな音を第一人者の手によって聴ける機会もそうそうないと思われるため、期待が高まります。高まっております。
ASCのみならず、出演するDJもテクノとベースミュージック混ぜこぜになっているのも良いなぁと思ったりする、そんなパーティーですね。

折角なので今回はこのままASCにスポットを当てて紹介しましょう。
以下プロフィールドン。

ASC

ASC
https://theasc.blogspot.com/
https://www.facebook.com/ASC77
https://soundcloud.com/asc

アメリカ西海岸、デル・マー出身のアーティスト。
1997年よりトラック制作を開始し、その中の1つがドラムンベース界の大御所LTJ Bukemの目に留まったことで彼のレーベル、Looking Good Recordsのコンピレーションに収録されます。
これを足がかりにして数々のレーベルとコネクションを持ち、これまでに100を超えるEPと18のアルバムをリリースしてきました。
自身のレーベル、Covert Operations Recordingsを設立した2009年以降、ほぼ1年に2枚のペースでアルバムをリリースしているので、驚異的な制作スピードです。

出発点こそドラムンベースであるものの、2010年以降映画音楽プロデューサーであるJeff Ronaと協力体制を組んだことで映画やゲーム音楽などにも関わる様になりました。
例えばコチラ、2016年に出たNEAR DEATHと云うサバイバルアドベンチャーゲームなのですが、音楽をASCが全面監修しております。

サウンドトラックはBandcampSteamで発売中。

活動当初より持ち味としていた緻密で繊細な音使いはより洗練され、現在も活動拠点としている自身のレーベルAuxiliaryや、DJ Presha率いるSamurai Musicからのリリースへと引き継がれます。
特にDJ Preshaとの出会いは後のグレイエリアの確立に大きく寄与しました。

2011年になるとASCはこれまで培ってきたドラムンベース、エレクトロニカの技術を駆使してテクノに手を広げ始めます。
この頃はまだドラムンベース、ハーフステップ(ドラムンベースを半分のリズムで構築したスタイル)のリリースが多く、ミニマルドラムンベース界の雄、D-Bridgeが代表を務めるExit Recordsからリリースを敢行していたりするのですが、テクノに関するリリース元がLuke Slater率いるMote-Evolverや、現行のメインストリームシーンを牽引するPerc Traxなど、並々ならぬ大御所揃いであったことから、ASCはテクノに於いてもその存在感を知らしめることに成功します。

このようにドラムンベースとテクノ、両者に肩入れしていたASCにとって、その間を跨ぐような音楽に着手したのは必然と言って良いかもしれません。
自身のレーベル、Auxiliaryで行ってきたBPM170(or 85)を軸に現代音楽のようなアプローチの音を加えることで複雑なリズムを形成すると云った試みは、より明確にテクノとの統合について模索するようになります。
ASCとDJ Presha、そしてASCに近い活動を繰り広げてきたSam KDCと云うアーティストの3者間の連携により、2015年に『3拍子のBPM127.5と4拍子のBPM170のリズムを同期させ、どちらのテンポともとれるスタイル』に代表される音楽、グレイエリアと、それをリリースするGrey Areaと云うレーベルが誕生しました。

グレイエリア特集記事に於いては
> リリース名、トラックタイトル、アーティスト全て匿名と云うある種の哲学を感じさせる
と記しましたが、この背景には記述的なトラックタイトルやアーティスト名によって生じる偏見を与えず、本当の意味で音楽そのものによって価値観を問いかけると云った意図があったことが分かりました。

このように極めてストイックな活動を展開するに当たり、自分の時間は積極的に確保していることがResident Advisorのインタビューで語られていました。
そもそも彼が住んでいるデル・マー(サンディエゴ)に独特のクラブミュージック文化があるわけではありません。
にも関わらず在住を続けている意味について、何物にも邪魔されず、影響を受けずに自分のプロダクションに集中できるからであると書かれています。
また、近年の作品では他アーティストとのコラボレーションが殆ど無い点についても自分がイメージしたものを即座に形にしないと気が済まず、相手が作業しているその間連絡を待ち続けることにイラついてしまうからとも語っており、これは以前ワタクシがCurrent Valueにインタビューを行った時、
『1曲当たりどのくらいの時間をかけているのか?』
と云う質問に対して
『2~3時間。それを超えると最初に思い描いていたイメージがどんどん分散していってしまい、作りたかったものと違うものが出来上がってしまうから。』
と回答していたのを思い起こさせます。

表題に掲げられた『Out of sync』はグレイエリアの文脈から読み解けば『同期の外』と捉えられ、曲のテンポの話のように思えますが、彼の活動理念からは『(他人との)同調を止める』と云う解釈にもとることができます。
その真意は徹底した自分だけのオリジナルに対する追求でしょう。
まるで禅問答のような制作活動によって生み出されるトラックは妥協を許さず、冷たく深いリズムを従えながらしかしどこか感情的です。
今日も今日とて実験の手を緩めず、誰も聴いたことがない、自分ですら聴いたことがない音に迫る職人トラックメイカー、それがASCです。

そんなASCのオススメはこちら。

ASC / Auxiliary

キャリア初期とまではいかないものの、まだドラムンベース単一のアーティストだった頃の作品。
後に設立することになるレーベルと同じ名前を冠したリキッドハーフステップ。

ASC / The Glow

新しい音楽のスタイルとしてダブステップの波が来ていた2010年、ASCもドラムンベース以外に取り組む足がかりとしてこんなトラックを出していました。
穏やかなシンセの音に対してベースが深い4つ打ちもの。

ASC / Carrier

2011年以降、積極的に手掛けるようになったテクノのうちの1つがこちら。
前出の楽曲に通ずるエモーショナルなリフ回しはそのままに、他の現行のメインストリームテクノと比べて全く遜色ないクオリティを出しています。

テクノリスナーからしてみたら突如彗星のように現れたようなもので、アーティスト伝いに昔の曲を掘ってみたら全然違うジャンルの作り手だったと面食らったことでしょう。
今でも同一のアーティストとは思えない程、兎に角幅が広いです。

ASC / Collider

そして最近のスタイルの1つがこんな感じです。
凄まじい深度を誇るヒプノティックなサウンド。
4つ打ちなのかどうなのかも最早よく分からないのですが、これが何かと言われるとテクノとしか答えようのないタイプの音楽。

ASC / Solar Reaction

確たる定義がグレイエリアにあるわけではないので、これがグレイエリアですと言えるものはないのですが、4拍子にも3拍子にも取れる曲と云う中の1つがこちら。
この頃には映画音楽を通過しているとあって、流れるような美しいパッドにその妙が表れています。
こういう曲をキーにしてテクノとドラムンベースを繋ぐのは、やってて面白いですね。

ASC / Torn from the Seams

ドラムンベースもテクノも、そしてそれらの混合生成物も全て現在まで手掛けているのがASCの凄いところです。
最後に紹介するのはキャリア初期に通ずるところもあるドラムンベーストラック。
ふわーっとしたウワモノや細切れになって聴こえる補助リズムはエレクトロニカを彷彿とさせる一方、コアとなるリズムは極太なテクノのそれ。

テクノとドラムンベースだったり、綺麗さとエグさだったり、かけ離れたように見える要素を融合させてしまうASCの手法こそ、彼が異端の存在感を放っている所以でしょう。
冒頭で紹介した来日公演で音楽の深部をどのように聴かせてくれるのか、とても楽しみです。

次週08月28日は774Muzikさんが担当します。
今回はこれにて。

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