こんばんは。TAK666です。
04月に入り、本来なら新しい学校や職場に通う方もいる季節です。
これによって打撃を被っている業種も多数あり、我々Hardonizeを行っている茶箱 も例外ではないため、先日このようなお知らせが公開されました。コロナウィルス感染症によるお店の運営ご支援のお願い | 音楽喫茶 茶箱 sabaco music&cafe 
この件については以前Hardonizeにご出演頂いたR-9 さんがnoteで詳細に纏めてくださっているので合わせて紹介します。茶箱を支援しよう|R-9|note 
あと茶箱に関連するトピックとして、今週末に北海道、東京、福岡などのクラブが連携してストリーミングを行うという企画が立ち上がり、この中に茶箱も含まれております。4月4日、日本全国に存在するミュージックヴェニューが協力するストリーミングフェスの第一歩が始動 – MOGRA 秋葉原 
さて、今年からワタクシの回はハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていくものとなっております。
ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か? をご参照ください。
特別連載:ハードテクノとは何か? – 第1回:黎明期編 
今回取り上げるサブジャンルは
テックダンス / テックトランス 
です。9回目に取り上げた 、テクノの質感を含んだトランス、ハードダンスのスタイル です。
リリースペースとしてはテックダンス発展期である2010年頃と比べると減少傾向にある、と云う点については前述の特別連載内に於いて触れた通りではありますが、完全に途絶えたわけではなく、テックトランス が再注目を浴びており、それらの中にもテンポの速いスタイルの曲が多々存在する ため、ここでまとめて紹介しようという魂胆です。
一応、Hardonizeがハードテクノのパーティーであることを念頭に置いて(分かっていますボス。本当です。)、ハードテクノとの相性が良さそうなトラックをピックアップしてお送りします。
あと、どうしても配信サイトの試聴ではブレイクの部分しか含まれていないケースも多々あったため、長い尺で音源が公開されているYouTubeリンクを埋め込み音源として貼り付けます。
では、新作テックダンス / テックトランス紹介 いってみましょう。
Everlight, Smith & Brown / Reprobate 
VIDEO 
30/03 – EVERLIGHT VS SMITH & BROWN – REPROBATE – YouTube 
Reprobate (Extended Mix) by Everlight, Smith & Brown on Beatport 
Reece SmithとAndrew BrownによるイギリスのプロデューサーユニットSmith & Brown と、同じくイギリスのプロデューサーEverlight との合作曲。これぞテックダンス と言わんばかりの王道系。
半拍ズラしで重ねられたややクセのあるビート に疾走感のあるハイハット。
Stoneface & Terminal / Rupture 
VIDEO 
Stoneface & Terminal – Rupture (Original Mix) – YouTube 
Rupture (Extended Mix) by Stoneface & Terminal on Beatport 
ドイツのプロデューサーユニットStoneface & Terminal によるテックトランス。ハードグルーヴに近い と言わざるを得ません。
音の1つ1つも非常にソリッドで洗練された印象を受けます。時代はテックトランスです。 
Paul Denton / Mosquito 
VIDEO 
Paul Denton – Mosquito (Original Mix) – YouTube 
Mosquito (Original Mix) by Paul Denton on Beatport 
アイルランドのDJ/クリエイターPaul Denton によるテックトランス。ハードミニマルを彷彿とさせます。 
やや重心を後ろに置いたベースがテクノにしては異色かもしれませんが、全体通して無機質な感じはハードテクノに向いている筈です。色々なジャンルへの橋渡しができそう なトラック。
T78 / Darron (2K20 Rework) 
VIDEO 
Darron (2K20 Rework) – YouTube 
Darron (2K20 Rework) by T78 on Beatport 
イタリアのDJ/クリエイターT78 によるテックトランス。2020年に入ってからテックトランスにスポットを当て始めており、 本作もそんな今年にリリースされたもの。
実は最近知ったのですが、T78は昔Activator という名義で主にハードスタイルを手掛けていたアーティストでした。Activa Records の看板アーティストにまで上り詰めたActivatorですが、その一方でハードスタイル以外の音楽も実験的に制作していた時期がありました。Subground の第1作目としてリリースされたActivator / Darron であり、これがアップデートされたものが本作に当たるわけです。
原曲と比べると音の太さが段違い ですね。
Hagane Shizuka / #D3Nd1 
VIDEO 
#D3Nd1 (Original Mix) – YouTube 
#D3Nd1 (Original Mix) by Hagane Shizuka on Beatport 
ハンガリーのDJ/クリエイターHagane Shizuka によるテックダンス。
国内コンピレーションへの参加経験もあるのでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、このHagane Shizukaというアーティストはテックダンス、ハードハウス、ハードスタイルを含むハードダンスに対する造詣が深く、これまでに様々なサブジャンルのハードダンスを世に放ってきた凄腕利き。1つの答えがこのトラック になります。
特別連載の際はインダストリアル・ミーツ・ハードダンス とご紹介しましたが、端的に少ないワードで説明するにはこれがドンピシャだと思っております。
Lost In Noise / Heeding The Call 
VIDEO 
Heeding The Call (Extended Mix) – YouTube 
Heeding The Call (Extended Mix) by Lost In Noise on Beatport 
ドイツのDJ/クリエイターLostly とポーランドのDJ/クリエイターIndecent Noise のプロデューサーユニットLost In Noise によるアシッドトランス。アシッドトランス1点絞り。 
アシッドトランスとはその名の通り、アシッドテクノ と同様のアシッドシンセを用いたトランスです。アシッド鳴りっ放し。 
ちなみにこの曲がリリースされているWho’s Afraid Of 138?! というレーベルは個人的にオススメです。『誰が138を怖がるんだ!?』 という名前の通り、BPM138前後の曲、すなわちハードテクノに近いテンポの曲が大半を占めております。
Richard Lowe / Razorback 
VIDEO 
Razorback (Original Mix) – YouTube 
Razorback (Original Mix) by Richard Lowe on Beatport 
アイルランドのDJ/クリエイターRichard Lowe によるテックトランス。ハードグルーヴと親和性高め。 
最大の特徴はブレイク以降で差し込まれるカウベルっぽい音のメインリフ。 
Commander Tom / Are Am Eye? (John Askew Remix) 
VIDEO 
Are Am Eye? (John Askew Remix) – YouTube 
Are Am Eye? (John Askew Remix) by Commander Tom on Beatport 
1995年にリリースされたハードハウス、ジャーマントランスの傑作Commander Tom / Are Am Eye? をイギリスのクリエイターJohn Askew が2014年に非公式リミックスしたという経緯がありまして。今でも現存しております。 )Noom Records より正式に販売された という、なかなかのストーリーを持った曲です。
原曲に倣ってアシッドあり、フーバーありという往年のトランスのフレーバーが遺憾なく発揮されている曲。肌理細かいリズムは綺麗というほかなく、 元ネタに頼りきりではない、ちゃんと聴かせるアレンジになっております。
完全に余談ですが、先程久しぶりにJohn AskewのSoundcloudページを見たらDave Clarke / The Storm 、Futureshock / Sparc といったテクノ/ハウスを元ネタとするブートレグがつい数日前に公開されていたことを知って驚き嬉しくなりました。Astrix / FeeL.S.D アレンジにも懐かしさを覚えました。
Felix R / Danger 
VIDEO 
Danger (Original Mix) – YouTube 
Danger (Original Mix) by Felix R on Beatport 
オーストラリアのDJ/クリエイターFelix R によるテックトランス。エコー+ディレイによるエモーショナルなリフ回し を前面に押し出した綺麗系トラック。セットの終盤とかに使いたくなる感じ。 
実はこの人も過去のある人で、以前の名義はDark Electric 。Electric Releases を立ち上げ、テックダンスの発展に一役買ったのでした。ni-21 さんやBee. Bee. さんの名前が所属アーティストとして並んでおり、以前から日本と交流のあったアーティストでもあったわけです。
Nhato / Enigma 
VIDEO 
[OTO-055] Nhato – Enigma – YouTube 
Enigma (Original Mix) by Nhato on Beatport 
最後はこちら。Nhato さんによるテックトランス。とにかくリズム帯が厚い。 神秘的サウンドスケープ と銘打たれた次世代型トランス。
複数種類のベースシンセをスイッチしたり、シンセの重ね方だったりとテクニカルな部分も光るトラック。 
以上、テックダンス / テックトランスにスポットを当ててお送りしました。トランスに触れて育っている 部分もあるため、それがテクノと結びついた産物も同じくらい好みだったりするのです。
と云った辺りで今回のサブジャンル特集はここまで。
次週04月07日は774Muzikさんが担当します。
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