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【特集】フリーダウンロード2023 (1):今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2024/01/18

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

本年もよろしくお願い申し上げます。

【告知1】

いきなりで恐縮ですが、2024年最初のHardonize開催が今週末に行われます。


2024/1/20(sat) Hardonize #46 at waseda sabaco | Hardonize web

当レジデントDJが1名ずつB2Bゲストを選出し、全ての時間枠がB2Bで進行する特別回。
改めて記載すると

774MuzikさんはREV-TUNEさん
Sangoさんはkokouさん
yudukiボスはBound Roundさん

をそれぞれB2Bパートナーとして選出しております。

で、ワタクシTAK666のB2Bパートナーとしてテクノからハードコア、トランス、ヒップホップ、ドラムンベースに至るまで幅広く音楽を網羅しているオールラウンダー、更にはMCやトラックメイキングもこなす楽天斎さんを北海道からお招きしました。
学生時代に早稲田茶箱を通じて知り合い、東京在住時は度々B2Bを行っていた仲ですので信頼しかありません。
合わせる時は合わせ、カマす時はしっかりカマします。

日にちは01月20日(土曜日)、15時からとなります。
場所はいつもの早稲田茶箱にて皆様のご来場をお待ちしております。

【告知2】

02月23日(金曜日・祝日)に竹芝BANK30で行われる、同店の3周年を記念したパーティーになんとHardonizeレジデント総出で出演することになりました。


エグいレベルでハウス~テクノの大先輩たちが集結しております。
普段のHardonizeの感じをそのまま持ち込むのか、それともTPOを弁え背伸びしたオトナの(?)プレイに徹するのか。
そもそも普段着がTシャツのオシャレとは無縁の我々が、このラグジュアリーなハコに足を踏み入れることができるのかなど、今から非常に楽しみです。

【告知(その他)】

あとは個人の出演として
02月03日(土曜日) / ALTURA with Xavi BCN at 渋谷Circus Tokyo


02月24日(土曜日) / ENTER THE CENTER at 渋谷clubasia


03月30日(土曜日) / 第2回 桜逢祭 at 奥多摩OKUTAMA+


が控えております。

それぞれについてはまた日が迫り次第、詳細な告知を行いますが、海外重要人物の来日であったり、特別なロケーションでの開催だったりとどれもインパクトがあります。
是非ご検討ください。

【今回のお題】

さて、ここ数年の新年1発目の僕の記事では正月のお年玉に因んだフリーダウンロード楽曲を取り上げる特集を行っております。
参考までに過去の記事はこちら。


【特集】フリーダウンロード2022 (前編) - Resident’s Recommend 2023/02/16

【特集】フリーダウンロード2022 (後編) - Resident’s Recommend 2023/03/02

それ以前の掲載はコチラになります。
2021 (後編) / 2021 (前編) / 2020 (後編) / 2020 (前編) / 2019 (後編) / 2019 (前編) / 2018
ちょいちょいリンク切れがあるものの、まだダウンロードできるものもございますのでこの機会に是非合わせてご覧ください。

そんなワケで2023年分をピックアップしていたところ、例年以上に印象的だったトラックが多く、今回は3回ぐらいフリーダウンロード回が続くかもしれません。
まぁこれらを切欠にアイディアの詰まった実験的なトラックや、意外性のあるブートレグと出会う切欠になれれば幸いですし、あわよくば新しくテクノに興味を持つ方、DJが増えれば尚幸い。

というワケで今回のタイトルは例年の前後編ではなく、(1)としております。
以降できる限りこのテーマで執筆したいと思いますので何卒よろしくお願いします。
今回ピックアップする曲の大まかなカテゴリ分類としてはメインストリームテクノやオーソドックスなハードテクノになります。

前置きもそこそこに早速お送りします、

令和5度目のフリーダウンロードハードテクノ特集 (1)

いってみましょう。

【曲紹介】

Gassyoh / Neighbors

Stream Neighbors by Gassyoh | Listen online for free on SoundCloud

日本のプロデューサーGassyohによるテクノ
ドラムセットに於けるリムショットの音を異様なまでにフィーチャーしたトラック。
構成要素としてキックと少しのハイハット、シンプルなリフ、そしてこの大量のリムショットが7~8割を占めているため、少なくともテクノに於いては抜群の応用性を誇ります。
実際僕も去年使わせて頂きました。

尚、Hardonizeクルーが選ぶ2023年のハードテクノ10選 【yuduki編】にてピックアップされていたSemitechno 2と同じEPに収録されております。

Gassyoh / Semitechno 2

Stream Gassyoh – Semitechno 2 by Maltine | Listen online for free on SoundCloud

インパクトという点ではこちらの方が目立ってますね。
ヒグラシの鳴き声を3連符として捉えているのは天才だと思いました。
全体を通してGassyohさんのユーモアが溢れまくっているEPになっているので、未聴の方は是非お手に取ってみてください。

ダウンロードページはこちら。
Maltine Records – [MARU-192] Gassyoh – semi ep.2

Nitzer Ebb / Let Your Body Learn (Peerk Tribute)

Stream Nitzer Ebb – Let Your Body Learn (Peerk Tribute) Free Download by Peerk | Listen online for free on SoundCloud

スペインのプロデューサーPeerkによるテクノ
原曲は1980年代のダークなテクノを象徴する1曲としてめちゃめちゃ有名です。
そのアングラな雰囲気がそのまま現代の出音に引き継がれており、個人的にかなり印象に残ったアレンジでした。
間隔の詰まった規則的なベースフレーズと太いキック、ベシャッとしたスネアに暑苦しいシャウトボーカルが乗った(非常に)汗臭いマシンミュージック。

OD1 vs The Sixth Sense / 777

Stream OD1 vs The Sixth Sense – 777 | Free DL by The Sixth Sense // Akashic Records | Listen online for free on SoundCloud

ドイツのプロデューサー同士、OD1The Sixth Senseによるハードミニマル
ほぼ前のめりで厚みのあるリズム隊とスモーキーなウワモノで構成されている、かなり正統派なハードミニマル
ブレイクと呼べる箇所も最低限しかなく、基本的にビートは鳴りっ放しです。
DJに解釈が委ねられている印象を受けるトラックとも言えますね。

GOVNAH / C4

Stream GOVNAH – C4 [TNT003] by TNT | Listen online for free on SoundCloud

アイルランドのプロデューサーGOVNAHによるテクノ
重心の低いベースを軸とした手数の多いリズムに、コマ切れのリフと早口ラップが乗ったシンプル且つインパクト重視のトラック。
アップリフティングとシリアスの間を良い感じに埋めてくれそうな汎用性の高さもかなり魅力的です。

こういう言い方もアレですが、どことなくFJAAKイズムを感じるトラック。
この曲が好きならFJAAKの曲は絶対にオススメできます。

SAMUEL / One More To Go

Stream One More To Go by SAMUEL | Listen online for free on SoundCloud

オーストラリアのプロデューサーSAMUELによるテクノ
こちらもラップとリフのツープラトンスタイルの曲になりますが、よりリフの方にスポットが当たっている印象を受けます。
残響音強めでオーセンティックな質感のリフなので、昔のトラックと合わせて使うのも面白そうです。

Reformist / GET YA’ FREAK (Extended Mix)

Stream GET YA’ FREAK (Extended Mix) by Reformist | Listen online for free on SoundCloud

イギリスのプロデューサーReformistによるテクノ
原曲は2001年にリリースされたフィメールラップの金字塔、Missy Elliott / Get Ur Freak On
(今、久し振りにこの曲聴きましたけど2001年のヒップホップにしてはめちゃめちゃ変なトラックですね。)

あの印象的なリフが早回しで用いられており、妙なおかしさを覚えます。
それに寄せてなのかリズムもパーカッション多めで、終始オリエンタルな雰囲気が漂っております。
ハードトライバルの流れで使ってみたくもなる。

超余談ですが、このリフの楽器はなんなのか調べたところ、トゥンビというインド古来の弦楽器だそうです。
で、テキトーにYouTubeで演奏動画を検索して再生したこの動画の冒頭でいきなりMissy Elliott / Get Ur Freak Onに触れられており、
やっぱり印象的な曲だったんだなということを再認識した次第です。

Makk / Hiphop Hooray!

Stream Hiphop Hooray! by Makk | Listen online for free on SoundCloud

オーストラリアのプロデューサーMakkによるテクノ
原曲は1992年にリリースされたNaughty by Nature / Hip Hop Hooray
原曲のスムースな雰囲気はどこへやら、むしろレゲエっぽい裏打ちのブラスサウンドが足されており、ラップ以外の面影は皆無と言って良いでしょう。
そのラップもテンポに合わせて大胆に早回しされており、ここまでくるとメインリフがラップと言えます。
逆にそれを活かして2枚使い要員として使うのも大いにアリ。

Jason Cluff / Digits

Stream Jason Cluff – Digits (Original Mix)(FREE DL) by Jason Cluff // undercover | Listen online for free on SoundCloud

イギリスのプロデューサーJason Cluffによるハードテクノ
歪み度と圧の強いリズムにレイヴっぽいリフとアシッドシンセが入り混じったウワモノが繰り出されるアグレッシヴなトラック。
リズムもハードスタイルっぽい箇所があったり、終盤でいきなりサイケデリックトランスのベースが用いられたり、てんやわんやの展開を見せます。
単曲の中でここまでやられたら、このあと何でも繋げるだろうという妙な確信を与えてくれます。

WZX_O / SEXY DANCE

Stream PREMIERE: WZX_O – SEXY DANCE [IRVA008] FREEDL by Influence Records | Listen online for free on SoundCloud

イタリアのプロデューサーWZX_Oによるハードテクノ
間隔が詰まっていながら圧の強さも感じられるベースラインと高音域までカバーしたアタックの強いキックで構成されたリズムがかなり特徴的です。
この手の変てこリズムはずっと聴いていたくなる癖(へき)があるので、リズムパート多めのこういう曲はかなりありがたいですね。

ちなみにこのリズムを大きな特徴としているジャンルというのは既に存在していて、ハードスタイルサイケデリックトランスの要素を融合させたサイスタイルというのがそれに当たります。
オランダのユニットSub Zero Projectなんかはその牽引者として非常に人気ですし、個人的にも好きなアーティストです。

Sub Zero Project ft. MC Stretch / LFG PSYCHO

Sub Zero Project ft. MC Stretch – LFG PSYCHO (Official Hardstyle Video) – YouTube

Oliver Tree & Robin Schulz / Miss You (SveTec Remix)

Stream Oliver Tree & Robin Schulz – Miss You (SveTec Remix) FREE DOWNLOAD by SveTec | Listen online for free on SoundCloud

ハンガリーのプロデューサーSveTecによるハードテクノ
昨年のフリーダウンロード特集でも取り上げたOliver Tree & Robin Schulz / Miss Youネタがまた出てきました。
アレンジしたSveTecは20年近くハードテクノシュランツシーンを引っ張り続けている立役者です。

ネタモノありきのイメージが付きまとうシュランツですが、ビートは相変わらずの破壊力を持ちつつもかなりクリアな出音にアレンジされており、ちゃんと時代に合わせたダンスミュージックとしての進化を辿っています。
時代は20年周期とも言いますし、日本にシュランツが持ち込まれてからもうすぐ20年、ということはそろそろこの音楽がまた日の目を浴びる時が来るのではないか・・・なんて期待をしていたりします。

【次回】

そんなワケで今回はここまで。
皆様01月20日のHardonize #46 Back to Back Onlyでお会いしましょう。
次週01月23日は774Muzikさんが担当します。
では。

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Hardonizeクルーが選ぶ2023年のハードテクノ10選 【TAK666編】

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

【告知1】

昨日情報が公開されましたが、次回Hardonizeの概要は以下の通りとなっております。


2024/1/20(sat) Hardonize #46 at waseda sabaco | Hardonize web

当レジデントDJが1名ずつB2Bゲストを選出し、全ての時間枠がB2Bで進行する予測不可能の回です。
自分のパートナーとして、学生時代に早稲田茶箱を通じて知り合い、東京在住時は度々B2Bを行っていた楽天斎さんを北海道から招聘します。
当時から共に様々なジャンルの音楽に手を広げ、且つそれらを織り交ぜるプレイを好み、そして実践していた者同士、信頼と緊張感を伴ったプレイを披露できる筈です。
我々が1番予測不可能指数が高い自信があります。

日にちは01月20日(土曜日)、15時からとなります。
場所はいつもの早稲田茶箱にて皆様のご来場をお待ちしております。

【告知2】

02月03日(土曜日)に渋谷Circus Tokyoで行われるパーティー、ALTURA with Xavi BCNに出演致します。


パーティーの大枠としてはスペイン産のハードコア、マキナにスポットを当てたパーティーで、今回のメインゲストであるXavi BCNは1990年代初頭からキャリアをスタートさせ、現在に至るまでこのジャンルを牽引し続けている大ベテランに当たります。
そんなパーティーのサブフロアをTobyさん、hidemiさん、そして自分という3人体制で担当します。
大分意外な組み合わせですが、7時間のパーティー時間を3人で回すので、必然的に各々長尺のプレイが想定されます。
現時点では特に何をするか決めておりませんが、こちらも是非。

【今回のお題】

さて、先週よりレジデントが今年のハードテクノというテーマに絞り、それぞれオススメの10曲を選出して紹介するHardonizeクルーが選ぶ2023年のハードテクノ10選を掲載しており、最後にワタクシTAK666が担当致します。
これまでの掲載はコチラ。

Hardonizeクルーが選ぶ2023年のハードテクノ10選 【774muzik編】

Hardonizeクルーが選ぶ2023年のハードテクノ10選 【774muzik編】
Hardonizeクルーが選ぶ2023年のハードテクノ10選 【Sango編】

Hardonizeクルーが選ぶ2023年のハードテクノ10選 【Sango編】
Hardonizeクルーが選ぶ2023年のハードテクノ10選 【yuduki編】

Hardonizeクルーが選ぶ2023年のハードテクノ10選 【yuduki編】

なんせ15年も同じパーティーを一緒に行っているので、それぞれが『あの人らしいな。』という感想です。
(774muzikさんが非4つ打ちトラックをいくつか選出しているのがちょっと意外。)

ってかHomma Honganji / You’re The Bossを3人とも選んでるのかよ。
2022年はHomma Honganji / TV Detectives Clubを3人選んでいたり、HardonizeのHomma Honganjiさんに対する愛が今年も止まらない。しゅき。
アーティスト単体だとFilterheadzの曲が複数ありますが、これはHardonizeに限った話ではなく、結構色々なDJが今年イチのアーティストとして名前を挙げていたので、広く支持を得ていたことは間違いないと思います。

で、僕も悩みに悩んで10曲選んでみたのですが、彼らと全く違う内容になりました。
判断基準としては目新しさや斬新さ、インパクトといった点を重視したので、従来のハードテクノと少し異なるテイストの曲をお探しの方にお楽しみ頂けると幸いです。
自分、そういう情報、いっぱい持ってます。

前置きもそこそこに早速お送りします、

Hardonizeクルーが選ぶ
2023年のハードテクノ10選
【TAK666編】

いってみましょう。

【曲紹介】

FJAAK / Tek Tek Tek

Tek Tek Tek | FJAAK | SPANDAU20

ドイツのプロデューサーユニットFJAAKによるテクノ
ブッといビートにインパクトのあるリフという、FJAAK節のききまくったトラック。
リフの打ち方のヒネた感じや、ブレイクビートのリズムがサブ的に使われていたり、一筋縄ではいかないのも魅力の1つです。

03月の来日公演、ENSITE feturing FJAAKでも実感しましたが、このシンプルさゆえの破壊力に病みつきになった1年でした。

Mark Porter / With The Rhythm

Mark Porter – With The Rhythm (Original Mix) [Respekt Recordings] | Music & Downloads on Beatport

イギリスのプロデューサーMark Porterによるテクノ
今年もレイヴサウンドを用いたテクノは数多くリリースされましたが、観測範囲内で最もアグレッシヴな印象を受けたのがこれでした。
重心の低いベースを軸に硬いリズムでグイグイ引っ張っていき、ブレイク以降はド派手なレイヴオルガン炸裂!
ピークタイムチューンに相応しいトラック。

Alex Di Stefano / Hoover Mass

Alex Di Stefano – Hoover Mass (Extended Mix) [Drum Chapel Records] | Music & Downloads on Beatport

イタリアのプロデューサーAlex Di Stefanoによるハードテクノ
タイトル通り、とにかくフーバーサウンドにスポットを当てた攻め攻めのトラック。
この音がハードテクノの疾走感のある硬いビートに乗っているのが割と珍しく、かなり印象に残りました。

この曲に限らずですが、ハードテクノハードダンスとの垣根がどんどんなくなっていくのも今年顕著だった出来事の1つですね。

Seigg / Replicant Loop

Replicant Loop | Seigg | AKRONYM

フランスのプロデューサーSeiggによるテクノ
グロテスクなベースフレーズを最大の特徴とする、異形のテクノ
2拍4拍の規則的なクラップの打ち方も含めてベースラインに通じるところがあり、どちらともとれるこの感じは堪らなく好きです。

Carlo Lio / Casanova

Casanova (Original Mix) | Carlo Lio | UNCAGE

カナダのプロデューサーCarlo Lioによるテクノ
ローファイなビートの上をひたすらブラスがループする、アングラ感とファンクネスが同居したトラック。
たまにフィルでストリングスが用いられたりする辺りからもディスコの臭気を感じることができますが、それゆえにリズムの異質さが際立つ変ミュージックという塩梅です。

Hertz Collision / Next One

Next One | Hertz Collision | Truncate

イタリアのプロデューサーHertz Collisionによるテクノ
派手さや煌びやかさとは無縁の抽象的な音の反復、でありながらBPM140オーバーのテンポとベースとハイハットによるグルーヴはずっとキープされているミニマルスタイルのトラック。
中盤以降、ほんのりと穏やかなパッドが差し込まれるので、意外と渋さ一辺倒ではないところもミソ。

この手のハードではないけど、そこそこ速いテクノを今年ちょいちょい掘り進めていました。
空気感重視のガラージブレイクスと合わせたりすると以外にハマったりするので、選曲の1つとして取り入れていきたいと思っています。

Ferdinger / Plein Soleil

Plein Soleil | Ferdinger | ARTS

ドイツのプロデューサーFerdingerによるテクノ
アナログベースと、ベらぼうに明るいピアノサウンドの組み合わせは否応なくオールドスクールレイヴを想起させます。
手数の多い金物リズムで推進力を維持しつつも、全体的にレトロなサウンドでまとめられており、色々なジャンルからこの曲に繋げられる汎用性の高さも高得点。

Almir Ljusa / City Nights

Almir Ljusa – City Nights (Original Mix) [Transfiguration Recordings] | Music & Downloads on Beatport

ボスニア・ヘルツェゴビナのプロデューサーAlmir Ljusaによるハードグルーヴ
普段はファンクネス指数の高いハードグルーヴを手掛けているアーティストですが、本作はトランスに踏み込んだ、スペーシーでロングスケールのシンセが特徴的なトラック。
ただ、厚みのあるベースラインの質感とドライブ感のあるハイハットリズムは従来のハードグルーヴ据え置きという、ネクストレベルのハイブリッドスタイルを打ち出してきた印象があります。

KETTAMA / 1997

KETTAMA – 1997 | KETTAMA | STEEL CITY DANCE DISCS

アイルランドのプロデューサーKETTAMAによるメロディアスハードテクノ
手数が多く、推進力抜群のハイハットリズムに広がりのあるパッドシンセと残響音強めの女性ボーカル、そしてメインとなるシンセはトランスを彷彿とさせる多幸感溢れるものになっている、様々なジャンルの良いところを集約したようなトラック。
曲の雰囲気的には〆に使いたくなるトラックではあるものの、この手のリフを強調したタイプのハードテクノのリリース数がかなり増えてきており、今の世相を反映しているという意味でもかなり印象に残った曲でした。

Not A Headliner / Emotional Boyz

Emotional Boyz | Not A Headliner | GLOBAL OFFENSIVE CORPORATION

スペインのプロデューサーNot A Headlinerによる非4つ打ちテクノ
今回1番の『何だこれは!?』枠。
言語は不明ながら、まるで童謡のような穏やかなボーカルに儚げなシンセと、柔らかいイントロで始まっておきながら、ビートは無機質で硬質な非4つ打ちという異質の組み合わせ。

これに馴染む曲というのを僕は知らないので、どこでどうやって使ってもインパクトがあるはずです。

その上でこの凄みのある相撲取りのアートワーク。
全く意味が分かりません。
なんかもう総じて強烈な印象でした。

【まとめ】

以上、Hardonizeクルーが選ぶ2023年のハードテクノ10選 【TAK666編】をお送りしました。
体感ですが、例年以上に選出が大変でした。
それくらい、印象に残った作品が多かった年であると言えるので嬉しい反面、ピックアップできなかったトラックが相当数あることは悔やまれますね。

その要因を考えてみたのですが、確かにyudukiボスの書いた通り、メインストリームテクノの硬質化というトピックもさることながら、
もっというとテクノの多様化、他ジャンルとのクロスオーバー化が顕著だったと思うワケです。
トランスや、レイヴのサウンドを用いたトラックが多いのは直近の本連載を見ても明らかですし、
更にそれをインダストリアルの文脈まで織り交ぜたトラックを輩出しているNot A HeadlinerRiotbotのような存在。
今回挙げたSeigg / Replicant Loopのようなベースラインとの中庸を見出したトラックなど、
今までに聴いたことがないようなスタイルの曲との出会いが多かった、というのが2023年を振り返った感想です。

その表れとして、今回取り上げた曲のサブジャンルは大枠としてテクノとしか捉えられないようなものが多かったワケでして。
やはり自分はこういったアイディア重視のトラックが好きなんだなと再認識した次第です。
今後もより一層、変ミュージックのDIGに邁進、そしてプレイに務めたいと思いますので何卒よろしくお願いします。

【次回】

そんなワケで今回はここまで。

そして2023年のHardonize Blogの更新は本日が最後となります。
次回は年明け01月09日に774Muzikさんが担当。
そして01月20日はHardonize #46 Back to Back Onlyをよろしくお願い致します。

良いお年をお迎えください。
では。

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