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【特集】ハードハウスクラシック:今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2023/10/12

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

【告知1】

予てよりご報告の通り、2日後にHardonize #45が開催となります。


2023/10/14(sat) Hardonize #45 at waseda sabaco | Hardonize web

ゲストにDJ KITAさんDJ YO-Cさんの大先輩2名をお招きした15周年イヤーの〆に相応しい45回目。
ハード且つファンキー、そしてハッピーなヴァイブスを詰め込んだ6時間をお送り致します。

日にちは10月14日(土曜日)、スタート時間が若干変わりまして15時からとなります。
場所はいつもの早稲田茶箱にて皆様のご来場をお待ちしております。

尚、予てよりお伝えしておりました参加予約登録フォームは申し込み人数が上限に達したため、締め切りました。
お申込み頂いた方々、本当にありがとうございます。
若干の当日入場枠は設けておりますので、お越しの際はお早目のご来場をお願い致します。

【告知2】

11月25日(土曜日)に渋谷R Loungeで行われるハッピーハードコアの老舗パーティーの年末版、HAPPY JACK 忘年会に出演致します。


Hardonizeにも出演経験のある大先輩MorphonicsさんとB2Bさせて頂けることになりました。
初の組み合わせです。
今年はこういった先輩格とのB2Bの機会が多くてありがたい年です。

尚、当パーティーのレギュラーであるDJ DEPATHさん曰く『君たちは事前打ち合わせ禁止だから。』だそうで、既に戦いが始まっている感があります。
どうなるか分かりませんが、是非お越しください。

【近況】

前回、DJ用ラップトップが2台になった話を書きましたが、新端末のセッティングは終わりませんでした。
というか過去解析した楽曲データを復元するのが本当に手間。
(この辺りでどうしてこうなっているのかお察しください。)
今時カビが生えているくらいよく聞くフレーズをあえて言いますけど、バックアップは大事ですね。

【今回のお題】

さて、当連載に於ける自分の回ではハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていく形式となっております。

ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。

ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。

で、今回のゲストのDJ KITAさんDJ YO-Cさんは共にハードハウスとその周辺音楽を強みとしている方たちなので今回はそこに焦点を当てようと思います。
特別連載に於いては第5回に取り上げたハウストランスの要素を持ち合わせたハイブリッドなハードダンスのスタイルであり、
この音楽にスポットを当てた特集は過去5回(※)行っております。

新作ハードハウス (2023年07月版)
新作ハードハウス (2022年03月版)
新作ハードハウス (2021年05月版)
新作ハードハウス (2020年12月版)
新作ハードハウス (2020年04月版)

しかしこれらは全てその時の新譜にスポットを当てており、直近で07月に新譜紹介を行っているので、同じ内容のテーマ回が続くのは個人的にはあまり面白くない。
ならばと今回は趣向を変えまして、

ハードハウスのクラシック

について取り上げていきたいと思います。

今回のゲスト両名も未だに当時のヴァイナルを駆使するプレイヤーなので、今回取り上げた中から当日使われるものも中にはあったりするのではないかという期待も込めています。
とはいえ、この音楽も歴史が長く、また様々な派生スタイルが入り混じっていることは特別連載内で触れた通りなので、あくまで個人的な趣向で10曲セレクトという形になります。
あと、現在配信で手軽に購入が可能な曲に絞りましたが、これのせいで紹介できなかった曲が大量に・・・まぁ昔の曲を紹介する際の一種のジレンマですね。

早速ですがハードハウスクラシック紹介いってみましょう。

【曲紹介】

参考までに特別連載内で取り上げたトラックも一部改めて貼っておきます。
この辺りもクラシックには違いないので。

Kadoc / The Nighttrain

Kadoc – The Nighttrain (Original) [Altra Moda] | Music & Downloads on Beatport

Camisra / Let Me Show You

Camisra – Let Me Show You (Original Mix) [Altra Moda] | Music & Downloads on Beatport

Perpetual Motion / Keep on Dancin’ (Let’s Go) (Banging Club Mix)

Perpetual Motion – Keep on Dancin’ (Let’s Go) (Banging Club Mix) [Altra Moda] | Music & Downloads on Beatport

JS16 / Stomp to My Beat

Stomp to My Beat (Radio Edit) – Song by JS16 – Apple Music

Cortina / Music Is Moving (Bk & Dbm Amber Mix)

Cortina – Music Is Moving (Bk & Dbm Amber Mix) [Nukleuz] | Music & Downloads on Beatport

以下本題。

Untidy Dubs / Funky Groove

Untidy Dubs – Funky Groove (Original Mix) [Untidy] | Music & Downloads on Beatport

1998年リリース。
ハードハウスの名門Tidy TraxのサブレーベルUntidyの初期作品に当たります。
ホイッスルとコーラスが特徴的なサンプリングはGary Toms Empire / Feel That Funky Grooveが元ネタで、テクノに於いても使用されているので耳に覚えのある方もいるかもしれません。
この軽快な音が乗っている一方でリズムは淡々と繰り返され、ベースラインのうねり方も独特な印象を受ける、派手さや煌びやかさとはまた少し趣きの異なるバリアレックなスタイルの曲。

Rim Shot / Everybody On The Floor (Rachel Auburn Remix)

Rim Shot – Everybody On The Floor (Rachel Auburn Remix) [Hard Drive] | Music & Downloads on Beatport

1998年リリース。
こちらは総本山Tidy Traxからリリースされたもの。
規則的なアナログベースのリフに軽快なハイハットの組み合わせが推進力抜群。
ブレイク以降はInner City / Good Lifeを彷彿とさせるピアノフレーズも鳴り出し、シンプルながら快楽指数の高いハードハウスとなっております。

Exit EEE / Epidemic (Ramon Zenker Remix)

Exit EEE – Epidemic (Ramon Zenker Remix) [No Respect] | Music & Downloads on Beatport

1997年リリース。
Tripoli Traxという、こちらも黎明期のハードハウスを語る上で外せない名門レーベルからリリースされた作品。
ループ感の強いシンセリフとドライブ感のあるハイハットリズム、ブレイク以降になるとよりトランスらしいシンセフレーズが前面に出てきます。
特別連載に於いてハードハウスの特徴として挙げたハウスのグルーヴ、トランスのサウンド、テクノのループ感が共存している曲だと思っております。

めちゃめちゃ余談ですが、このRamon Zenkerというアーティスト、浜崎あゆみのリミックスCDに楽曲を提供していた過去があります。
それも割と頻繁に。

浜崎あゆみ / I am… (Ramon Zenker remix)

I am… – Ramon Zenker Extended mix – 曲・歌詞:浜崎あゆみ | Spotify

浜崎あゆみ / WE WISH (Ramon Zenker remix)

WE WISH – Ramon Zenker remix – 曲・歌詞:浜崎あゆみ | Spotify

浜崎あゆみ / You (Ramon Zenker Remix)

You (Ramon Zenker Remix) [Ayu-Mi-X 7 Presents Ayu Trance 4] – Song by Ayumi Hamasaki – Apple Music

この頃のAvexスゲェってなる1件。

TJ Flayerz / All I Want (SCORCCiO Hot Mix)

All I Want (SCORCCiO Hot Mix) – Song by TJ Flayerz – Apple Music

1999年リリース。
強烈にディスコを想起させるストリングスとコーラスを前面に押し出したトラック。
Scorccioワークスの特徴の1つでもあるピッチ高めの早口ラップもテンションの高さに一役買っており、曲全体に対するフィルターの絡ませ方も相まってとにかくファンクネス指数激高です。
一方ハウスに裏打ちされた厚めのビートはダンスミュージックとしての強度をしっかり確立しており、機能性抜群。

今やサウンドエンジニアとしての活動がメインになっているScorccioことMark Summersですが、この頃の彼の楽曲は悉く自分のツボに刺さります。
よく使っているDan Hartman – Relight My FireネタのSouvlaki / Infernoも彼の作品ですし、電子音楽としてのディスコのテイストが体現されまくっているのがとにかく好み。

S-Connection (feat. Anabelle) / Summerlove (Scorccio Edit)

Summerlove (feat. Anabelle) [Scorccio Edit] – Song by S-Connection – Apple Music

これとかも超好きです。
1997年リリース。
原曲のアーバンな感じをほんのり継承しつつ、大方それとはかけ離れた享楽的でアッパーなテンションの高いアレンジ。
配信で購入できるのは尺の短いエディット版だけなのですが、自分は海外からシングル盤を輸入してエクステンド版を手に入れました。

Handbaggers / U Found Out (Tony De Vit Remix)

Handbaggers – U Found Out (Tony De Vit Remix) [Tidy Trax] | Music & Downloads on Beatport

1995年リリース。
ハードハウスが発展する過程に於いて重要な貢献者の1人とされるTony De Vitの作品です。
ボーカルの元ネタはThe Jets / Crush on You
軽快な跳ね系のリズムにオルガンを始めとする柔らかいトランスのサウンドが楽しさを演出しているトラック。

この曲はこちらのリミックスも同じくらい気に入ってます。

Handbaggers / U Found Out (Strike Me Down Mix)

Handbaggers – U Found Out (Strike Me Down Mix) [Tidy Trax] | Music & Downloads on Beatport

軽快さという面では同じくらいでありながら、ベースやピアノのフレーズがより感情的なアレンジ。
パーティーの〆に持ってくれば丸く収まりがち。

どちらも30年近く前の作品ではありますが、初期Tidy Traxのカラーがバッチリ出ていますね。

Strike / U Sure Do 99 (WC1 Mix)

Strike – U Sure Do 99 (WC1 Mix) [Fresh Records UK] | Music & Downloads on Beatport

1999年リリース。
原曲は1994年にリリースされたハウスのスーパークラシックで、あらゆるジャンルでリミックスやブートレグがリリースされております。
このピアノがハードハウスに合わないわけがないのですが、それをド直球に体現したものがこちらだと思います。
このウワモノでありながら意外とブレイクが少なく、リズムパートが多いというのも特徴の1つですね。

Artemesia / Bits And Pieces (Red Jerry Mix)

Artemesia – Bits And Pieces (Red Jerry Mix) [Hooj Choons] | Music & Downloads on Beatport

1995年リリース。
これまでに取り上げた曲と比べて更に裏拍が強調された印象を受ける跳ね系リズムに、ハードハウスくらいしか聴かんなと思わせるアナログ感を残した愉快なフレーズが乗ったトラック。
一応、ブレイクでふわーっとしたパッドシンセが鳴ってエモさを出そうと試みているものの、明けると何事もなかったかのように元に戻ります。
たまに表拍に入ってくるホーンみたいな音もレイヴの残り香が感じられて良い。
Sangoさんにしか伝わらないと思うけどScott Brown / Now Is The Timeを連想させる音。

尚、この曲がリリースされているHooj Choonsというレーベルもトランスハードハウスを古くから牽引してきた伝説的なレーベルです。
トランスのプレイヤーであるところのDJ NECOさんによって書かれた以下のnoteに詳しく纏められているので、ご興味のある方は是非覗いてみてください。

90年代に数々のクラブヒットを生んだUKの伝説的ダンスレーベルhooj choonの魅力 [Trance Classic Archives 05]|DJ NECO

Bulletproof / Mistakes (Knuckleheadz Remix)

Bulletproof – Mistakes (Knuckleheadz Remix) [Tidy Trax] | Music & Downloads on Beatport

1997年リリース。
ラフで太いキックと妖しくうねるベースラインに手数多めの独特なリフが乗った曲。
バウンシーでありながらループ主体の緊張感も伴っている、楽しさや愉快さとは少し異なったハイブリッド感を醸し出しています。

Base Graffiti, Phlash! / Mind, Body And Soul

Base Graffiti, Phlash! – Mind, Body And Soul (Original Mix) [Tidy] | Music & Downloads on Beatport

2002年リリース。
このブレイクで用いられている演説はしばしば他の曲でも聞かれるのですが、C’hantal / The Realmという曲の冒頭部分だったということを今知りました。
序盤のリズムパートでは地味にブラスの音が用いられており、手数の多いハイハットリズムも相まってハードグルーヴに近いものを感じます。
しかし、ロングブレイクを経てメインとなるのはインパクトの高い攻撃的なフーバーサウンドであるため、曲の前後で雰囲気がガラリと変わります。

そういう使い方をしたことはないのですが、今聴くとそう使ってくれとしか聴こえないのでハードグルーヴと攻め系ハードハウスを1曲でスイッチできる曲と認識を改めた次第です。
そう考えると超貴重ですねこれ。

最後に趣味で1曲紹介させてください。

Brainbashers, Woody (U.K.) / Ease The Pressure (Woody Original Mix)

Brainbashers, Woody (U.K.) – Ease The Pressure (Woody Original Mix) [Shock Records] | Music & Downloads on Beatport

2003年リリース。
ある程度シーンが成熟した後の作品になるため、クラシックとは呼べないのですが昔の作品の中では大好きなので。
メインのリズムの中にかなり多くの音が含まれており、厚みを感じられる一方でその中心にドカンと居座るドンクっぽいベースサウンドという点がちょっと面白い。
ピッチ高めの2拍ループボイスサンプルに加え、ブレイク以降で入るピアノフレーズがレイヴの臭気を漂わせているのも特徴的です。
享楽的なのに緊張感があったり、アップリフティングなサウンドの中にシリアスさが感じられたりというこのバランスが個人的にかなり楽しくなれます。
08月に行われたハードハウス配信プログラム、THE DAY OF HARDHOUSE 2023に参加させて頂いた際、最後にかけたのもこの曲でした。

ちなみに本作がリリースされたShock Recordsもまた、1996年から現在まで活動を継続している傑物レーベル。
これまでの新作ハードハウス紹介の中にもちょいちょい登場していたりするので、今後ともお世話になりますという心持ちです。

【次回】

そんなワケで今回はここまで。

皆様10月14日のHardonize #45でお会いしましょう。

次週10月17日は774Muzikさんが担当します。
では。

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新作テックトランス特集:今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2023/09/28

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

【告知1】

予てよりご報告の通り、次回Hardonizeの情報が公開となっております。


2023/10/14(sat) Hardonize #45 at waseda sabaco | Hardonize web

ゲストにDJ KITAさんDJ YO-Cさんの大先輩2名をお招きした15周年イヤーの〆に相応しい45回目。
我々ハードテクノのパーティーと銘打ってはいるものの、今回ばかりはお堅いことを抜きにしていい感じ楽しいテクノをお届けできればと考えております。
個人的にも前回はかなり渋くて深い感じの内容でプレイしたので、そのリバウンドを狙いたいところですし。

日にちは10月14日(土曜日)、スタート時間が若干変わりまして15時からとなります。
場所はいつもの早稲田茶箱にて皆様のご来場をお待ちしております。
尚、参加予約登録フォームもございますのでこちらから申請を行って頂けると入場が確実です。
Hardonize #45 参加予約登録フォーム

【告知2】

今週末10月01日(日曜日)に予てよりお世話になっている錦糸町の日本酒飲み放題バー、LITTLE SAKE SQUAREにて行われるMUSIC SAKE SQUARE -別誂Ⅱ-というパーティーに出演致します。


TobyさんTAKAMIさんTakayuki Kamiyaさんの3人と並んでの出演。
いやおっかないって本当に。

ちなみに前回更新から2週間経ちましたが、未だにタイムテーブルが来ません。
マジで各々好き勝手にブースに入るスタイルかもしれず、酒の勢いも相まってしっちゃかめっちゃかが想像に難くありません。
終わり時間もこれ本当なのかどうなのか怪しくなってまいりましたが、テクノヘッズにとっては愉快な回になりそうなのでお時間とご都合の合う方は是非。

【近況】

諸事情によりDJ用ラップトップが2台になりました。

ちまちまセッティングを行っているところです。
ちなみに遅まきながらTraktorDJのバージョンもアップデートしたのですが、一部自分の使用スタイルと相反する点があって地味に困惑しました。(なんとか解決しました。)
Hardonize当日にどちらのマシンを持って行くかはまだ未定ですが、なるべくなら新しい方のデビュー戦にしたいところですね。

【今回のお題】

さて、当連載に於ける自分の回ではハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていく形式となっております。

ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。

ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。

今回取り上げるサブジャンルは

テックトランス

です。

特別連載に於いては第9回に取り上げたテックダンスと呼ばれる音楽に近い、テクノの要素を取り入れたトランスのサブジャンルになります。
過去この音楽を取り上げた回としては
新作テックトランス (2022年09月版)
新作テックトランス (2022年03月版)
新作テックトランス (2021年09月版)
新作テックダンス / テックトランス (2021年03月版)
新作テックダンス / テックトランス (2020年04月版)
の5回あり、比較的自分は多く取り上げている音楽です。
その筈が気付いたら前回から1年ほど間が空いてしまっていたので、改めてここ1~2ヵ月の間にリリースされたトラックについてピックアップしていきます。

早速ですが新作テックトランス紹介いってみましょう。
(配信サイトの試聴だとブレイクで終わってしまう曲がいくつかあるので、SoundCloudリンクと併用で埋め込みを行っております。)

【曲紹介】

Sonr / Breathe

Stream Sonr – Breathe (Original Mix) by TECHNO BLACK BORE | Listen online for free on SoundCloud

Sonr – Breathe (Original Mix) [Black Bore Records] | Music & Downloads on Beatport

オーストラリアのプロデューサーSonrによるテクノ
アタックが強めのキックに裏打ち気味のベースという時点でテクノとしては割と風変わりな部類。
とはいえ、リズムの重心がかなり低めなので他のテクノと遜色ない出音を誇っています。
永続的なアシッドシンセのリフとブレイクで差し込まれるアーメンブレイクから漂う妖しいレイヴの臭気も堪らないトラック。

John Askew / Escapism (Balthazar & JackRock Extended Remix)

John Askew – Escapism (Balthazar & JackRock Remix) by VII

John Askew – Escapism (Balthazar & JackRock Extended Remix) [VII] | Music & Downloads on Beatport

ブルガリアのプロデューサーユニットBalthazar & JackRockによるテクノ
ロングブレイクを含む展開にも関わらずリズムパートでは一貫して無機質な音が繰り返し続けており、それも決して派手ではないが地味過ぎず、暗過ぎず、硬過ぎずの絶妙なバランスを保っている曲。
サウンドの質感的にも1990年代中期頃のテクノを彷彿とさせるので、その時代のトラックと現行のテクノの橋渡しとして使うのも面白そうです。

Victor Ruiz, Modea / Contrast

Victor Ruiz & Modea – Contrast – Drumcode – DC290 by Drumcode

Victor Ruiz, Modea – Contrast (Original Mix) [Drumcode] | Music & Downloads on Beatport

ポルトガルのプロデューサーVictor Ruizと、アイルランドのプロデューサーModeaによるテクノ
スウェーデンが世界に誇る名門レーベルDrumcodeの新譜なのですが、こんなにも感情的で開放的なロングブレイクを擁する曲がこのレーベルからリリースされたことにかなり驚きです。
そしてこれだけ印象的なブレイクにもかかわらず、リズムパートはブレイク後も含めて硬い無機質なビートの反復とこれまでのDrumcodeマナーに則っており、かなり極端な要素が曲の中に詰め込まれているように思えます。
個人的にはかなり印象に残ったトラック。

Laura May / Boudica

Laura May – “Boudica” HQ:065 by HQ Recordings

Laura May – Boudica (Original Mix) [HQ Recordings] | Music & Downloads on Beatport

イギリスのプロデューサーLaura Mayによるテックトランス
昨年リリースされたDiosa Del Fuegoでも見せたようなトライバルパーカッションを硬いビートと組み合わせたスタイルのトラック。
音の合間を縫うように細かく配置されたシンセの数々もまたこの曲の持つ推進力の要になっており、シンプルに聴こえる中にもしっかりテクニカルな側面が含まれています。

Robert Curtis, Pulse Code / We Can All Go

We Can All Go (Extended Mix) by Robert Curtis//Primus

Robert Curtis, Pulse Code – We Can All Go (Extended Mix) [Outburst Twilight] | Music & Downloads on Beatport

イギリスのプロデューサー同士Robert Curtisと、Pulse Codeによるテックトランス
叩きつけるようなビートとギラついたシンセのループが特徴的な攻めっ気のある1曲。
金物リズムの打ち方も非常に細かく、前のめりの感じと重たい感じが良い具合に同居してます。

Triforce / Silence

Silence by Triforce

Triforce – Silence (Original Mix) [Zenon Records] | Music & Downloads on Beatport

イギリスのプロデューサーユニットTriforceによるテックトランス
8分近い長尺の中でブレイクは1回のみ、あとはほぼリズムパートというかなり胆力を感じる作品。
裏打ち且つ刻み系のベースを取り入れていたり、複数種類のシンセを用いている点でトランスの要素は内包されているものの、ウワモノのパラメーターを細かく変化させることで展開が作られていく様は良い意味で渋さを感じさせてくれます。

Alex Di Stefano / Hoover Mass

Alex Di Stefano – Hoover Mass (Extended Mix) by Alex Di Stefano

Alex Di Stefano – Hoover Mass (Extended Mix) [Drum Chapel Records] | Music & Downloads on Beatport

イタリアのプロデューサーAlex Di Stefanoによるテックトランス
タイトル通り、アグレッシヴなフーバーサウンドが前面に押し出されたトラック。
それでいてビートはゴツいハードテクノなのでかなりインパクトがあります。
この手のハードテクノのウワモノが何でもアリになってきたことを感じられて非常に愉快ですね。

Blashear / Nocturnal

Blashear – Nocturnal (Original Mix) by IAMT Label

Blashear – Nocturnal (Original Mix) [IAMT Red] | Music & Downloads on Beatport

アルゼンチンのプロデューサーBlashearによるテックトランス
ユーフォリックなロングブレイクを経て硬いリズムが繰り出されるド直球な展開が肝。
展開の頭に置かれたアナスタシアシンセをはじめとした、様々なシンセが組み合わさったリズムパートは聴き応えとフロア映え抜群です。

EFESIAN / Ferry to Circular Quay

EFESIAN – Ferry To Circular Quay by EFESIAN

EFESIAN – Ferry to Circular Quay (Extended Mix) [EFESIAN] | Music & Downloads on Beatport

オーストラリアのプロデューサーEFESIANによるテックトランス
アンニュイなシンセとどこかアーバンな空気感を纏ったボイスサンプルの組み合わせが印象的な曲。
程良い硬さとコード感を擁しており、旧来の細分化されていなかった頃のテクノのエッセンスが感じられます。
手数の多い金物リズムによる疾走感も◎。

Thomas Schumacher / When I Rock (A.D.H.S. Remix)

Thomas Schumacher – When I Rock (A.D.H.S. Remix) by Electric-Ballroom

Thomas Schumacher – When I Rock (A.D.H.S. Remix) [Electric Ballroom] | Music & Downloads on Beatport

ドイツのプロデューサーA.D.H.S.によるテクノ
同じくドイツのレジェンドプロデューサーThomas Schumacherによって1997年にリリースされたダークなボーカルと緊張感のある特徴的なシンセを含んだテクノアンセム、When I Rockのリミックスがまさかのリリース。
あのフレーズはどうなっているのかというと、ブレイク前のパートではトランスを彷彿とさせる刻み系シンセで、ブレイク後はアシッドシンセで弾き直されており、なんだか妙な可笑しさがあります。
現行仕様にアップデートされた硬さより深さを重視したようなボトムはテクノにもトランスにも対応できて機能性抜群。
世代を問わずオススメしたい1曲です。

最後にオマケで1曲サクっと。

Lucas Deyong, 0Gravity / Kamehameha

Lucas Deyong, 0Gravity – Kamehameha by HighVoltageRecordings

Lucas Deyong, 0Gravity – Kamehameha (Extended Mix) [High Voltage Recordings] | Music & Downloads on Beatport

ポーランドのプロデューサーLucas Deyongと、イギリスのプロデューサーユニット0Gravityによるアップリフティングトランス
今回曲を掘っていて発見し、タイトルとジャケットのインパクトにヤラれてカートインした曲。
世界の共通言語とも言うべき某アニメの技名を冠した本作ですが、曲中にサンプリングが使われていることは全くなく、壮大で幻想的なシンセをコアとする実直なアップリフティングトランスとなっております。
『何でこのタイトルとジャケットにした!?』という疑問は拭えないし、普通に曲掘っててこういうサブカルチャー丸出しの作品に行き当たると割とビックリするので趣味も程々にして頂けると助かります。

【次回】

そんなワケで今回はここまで。

次週10月03日は774Muzikさんが担当します。
では。

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