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今週のオススメハードテクノ – Resident’s Recommend 2019/04/04

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。

一昨日のyudukiボスの記事にもありましたように、先日はTechno Alliance Meeting vol.2に出演致しました。
お越し頂いた方々、ありがとうございました。
テックハウスからハードミニマルまでテクノづくし。
なかなかご一緒できない方々のプレイも拝見できて貴重な機会となりました。

尚、我々4人のB2Bはやってる本人たちもよく分からない状態でプレイしてました
そもそもフロアの真ん中にブースがあって、それぞれ四方に陣取ると云う配置も異質さに拍車をかけていた気がします。


しかし困ったことに変なこと大好き人間なのでとても楽しかった。
次はミキサー2台体勢でフルチャンネル使ってもっとワケ分からなくしたいです。

一方、先週は過去のHardonizeにもご出演頂いたBEPPUさんが主宰しているハードテクノパーティーUに遊びに行っておりました。
古くからハードテクノのDJとして活動している方々が一堂に会すると云うことで、こちらもまたレアな回だったように思います。
疾走感のある骨太なハードミニマルをシームレスに繋ぐeckozさん、シカゴハウスのようなバウンシーなトラックを織り交ぜつつ、4台のデッキを完璧に使いこなして世界観を構築したHomma Honganjiさん、マッシュアップ仕込みまくりのハードグルーヴで攻め攻めだったDJ ATTさんの並びで3者3様にハードテクノを体現しており、大変参考になりました。

Hardonize以外でハードテクノを聴ける機会としてこのR-LOUNGEと云うハコで行われているUやFIXと云ったパーティーは貴重な存在ですので、是非足を運んでみてください。

そんなワケで割とアップリフティングなハードテクノの余韻に浸っております。
従って今回は久しぶりにファンキーなハードグルーヴのアーティストにスポットを当てることにしましょう。
取り上げたい人は多くいるのですが、特に最近の筆頭株と云うことであれば避けて通れない存在がいると思っているので、今回ご紹介するのはコチラ。

Almir Ljusa

https://www.facebook.com/almir.ljusa
https://soundcloud.com/ljusa-almir
https://almirljusa.bandcamp.com/

ボスニア・ヘルツェゴビナのDJ、アーティスト。
当連載に於いても度々読み方が分からないことをネタにしておりますが、無理やりカタカナで書くとアウミール・ユーサが近い発音になるようです。
とはいえ、ボスニア・ヘルツェゴビナと云う国は公用語にボスニア語、クロアチア語、セルビア語の3種類が使われている多民族国家なので、言語によっては異なるものになるかもしれません。
一応Almir Ljusaは首都サラエヴォの出身なので大きな違いがあるとは思えませんが・・・。

尚、生まれ年は1983年。
19歳の時にDJを始め、24歳からトラックの制作に打ち込むようになったそうです。
その際に影響を受けたのはBen SimsD.A.V.E. The DrummerJoey Beltramなどファンキーでハードなテクノの先駆者たち。
実際、この辺りの要素は現在の彼のトラックの中にも過分に含まれている感じがします。

ちなみにボスニア・ヘルツェゴビナにハードテクノのシーンがあったのかと云う話ですが、小規模ながら存在していたようです。
Almir Ljusa登場以前に活動していたボスニア・ヘルツェゴビナ出身のアーティストを挙げると、2006年以降にHertzBoriqua Tribezと活動を共にしていたNihad Tuleや、CVM Recordsを主宰し、後にベルリンに拠点を構えて多くのレーベルから作品を輩出したTex-Rec、ハードミニマル~インダストリアルのような重たく冷たいトラックを得意とし、AsagaoaudioAndy Bskのリミキサーとして抜擢された経験のあるTony Silverなど、活動実績のあるアーティストがいたことが分かりました。
こうした人たちが間近にいたこともまた、Almir Ljusaの活動指針に少なからず影響を与えていたと考えられます。

彼が実際にリリースデビューを果たすのは少し間が空いた2010年のこと。
こちらがそのトラックになります。

Almir Ljusa / Flesh Point

Various: T Series Vol 1 at Juno Download

初期作品にして既にファンキーなハードテクノを己のスタイルとして取り込んでいるフシが聴いてとれます。
派手さは控えめですが、それユエにどの時間帯にも使えそうなタイプのトラック。
ちなみに本EPがリリースされた2010年と云うのはハードグルーヴ黎明期に当たり、他の収録曲もそちらに寄せた楽曲が目立ちます。
これ以降ハードグルーヴのアーティストとして頭角を現していくことになるMark ReyThomas Willの名前があるのも見逃せない作品。

さて、Almir Ljusaはデビューの翌年からトラックメイキングを積極的に行うようになります。
レーベルはSteel Grooves率いるCapital Technoや、先述のMark Reyが上に立つGroove Soldiers Recordsなど当時のハードテクノシーンを支えていたレーベルの数々とサインし、月に1作~2作、多い時は週に1作のペースでリリースを行うようになりました。
いくら曲の中の展開が少ないテクノと云えど、異常な速度です。

そしてそれら大量の発表曲から段々浮き彫りになっていくのがAlmir Ljusaの嗜好性でした。
極稀に渋めのテックハウスが存在するのですが、大方は激パーカッシブか激ディスコリフ
要するに滅茶苦茶派手な曲が多かったのです。

Almir Ljusa / Disco nights

Disco nights (Original Mix) by Almir Ljusa on Beatport

これが2012年の作品。
言わずと知れたディスコクラシックが元ネタ。
ファンキー且つハードと云うハードグルーヴのお手本とも言える1曲。
本連載の担当1回目で紹介したRaul Mezcolanzaの後継者が出たような印象さえ受けました。

2014年、Almir Ljusaは自身のレーベルVertex Recordsを立ち上げました。
稀に外部ゲストやリミックスが収録された作品がありますが、それ以外は全て自ら手掛けたトラックの発表拠点として機能しており、2019年現在に至っても尚、月1作~2作のペースで新作が出ています。
いつ寝ていらっしゃるのかしら・・・。

非常にタイムリーなことに、来週04月10日にリリースを控えた作品のタイトルがDefinition Of Hardgrooveと云う強いメッセージ性のあるタイトルのものでした。

Almir Ljusa / Definition Of Hardgroove

Definition Of Hardgroove (Original Mix) by Almir Ljusa on Beatport

原点回帰したようなグルーヴキープ系のトラック。
使いやすそう。

また、リリース時期はまだ未発表ですが、Soundcloudで公開されたプレビュートラックのタイトルがなんとJapanでした。

Almir Ljusa / Japan

Almir Ljusa – Japan (Original Mix) by Vertex Records | Free Listening on SoundCloud

これは一体・・・?
特に曲中に日本を連想させる音ネタがあるわけでもなく、上記同様ストレートなハードグルーヴ。
Almir Ljusaとリミックスを作り作られの仲にあるHomma Honganjiさんに聞いたら何かご存知かしら。

Soundcloud繋がりの話題としてAlmir Ljusaは自身のアカウントでサンプルパックを公開しております。

Almir Ljusa / Sampe Pack Hardgroove Vol.1

Almir Ljusa – Sampe Pack Hardgroove Vol.1 Test Sound FREE DOWNLOAD by Almir Ljusa | Free Listening on SoundCloud

ハードグルーヴ界隈だとDavid MoleonGoncalo Mが自身の曲のパーツを公開していますが、Almir Ljusaもまた行ってました。
何故かベースループのみ20個と云う不思議な感じですが、プロの素材なので頂けるだけでありがたい。
しかもフリーダウンロードです。
そのまま使うだけでなく、作り方の参考にもなるかと思いますので、是非。

Almir Ljusaは表立ってメディアに出てくるタイプのアーティストではなく、また彼自身SNSの類も今はノータッチのようなので、作品やレーベルの話が多くなってしまいました。
ボスニア・ヘルツェゴビナのクラブミュージックポータルみたいなものはあったのですが、Almir Ljusaの出演パーティーなどに繋がる情報は得られず、異様なペースで粛々と曲を作ってリリースしている人と云う印象を変えることはできませんでした。
しかし、現行のハードグルーヴに触れる上で避けて通れない存在になっていることは間違いありません。
上記のようにリリースの数も多いこともさながら、Paul OakenfoldのMIXに彼の曲が使われている辺り、異質です。
勿論同業であるハードテクノクリエイターからの信頼も厚く、MicheRob J.なども彼のトラックを頻繁にプレイしています。

また、遡って昔の曲を知る上でも彼の参加しているレーベル伝いに得られるものは多いため、ハードグルーヴの入り口として紹介したいアーティストでもあります。
この音楽に於ける黎明期と現代を結ぶ架け橋、それがAlmir Ljusaです。

そんなAlmir Ljusaのオススメはこちらです。

Almir Ljusa / Hydraulic Failure

Hydraulic Failure (Original Mix) by Almir Ljusa on Beatport

地味過ぎず派手過ぎずのハードグルーヴ。
やや重たいボトムと反復リフがハードミニマルとも相性良さそう。

Almir Ljusa / Cubana

Cubana (Original Mix) by Almir Ljusa on Beatport

トライバル寄りハードグルーヴ。
チャカポコしてファンキーなウワモノとは対極的に地鳴りのようなベースがなかなかエグい1曲です。

The Chemical Brothers / Hey Boy Hey Girl (Almir Ljusa Remix)

The Chemical Brothers – Hey Boy Hey Girl (Almir Ljusa Remix)[Free Download WAV] by Almir Ljusa | Free Listening on SoundCloud

つい半年ほど前に公開された大ネタハードグルーヴ。
市販のトラックと比べても遜色ない仕上がりでありながら、彼自身こういったブートレグはそこまで作る方ではないので、大変貴重です。
勿論フリーダウンロード。

Almir Ljusa / Enter

Enter (Original Mix) by Almir Ljusa on Beatport

ベースライン系のベースを中心に構成された変わり種トラック。
ハードテクノに於いてこう云った音使いのものは今まで聴いたことがないです。
クロスオーバー向き。

Almir Ljusa / Fiesta (Vocal Mix)

Fiesta (Vocal Mix) by Almir Ljusa on Beatport

アーバンな歌ものハードグルーヴ。
ベース運びもハウスっぽいグルーヴィーな感じでつい使いたくなるタイプの曲。

Almir Ljusa / Tribal

Tribal (Original Mix) by Almir Ljusa on Beatport

稀にテックハウスを作ることがある、と云うことについては上でも触れましたが、こちらはハードグルーヴとテックハウスの中間に当たるトラック。
リフのレトロな質感はAlmir Ljusaプロデュース作の中でも結構レアです。
ジャンル間の橋渡しか、〆に使っても良い感じ。

次週04月09日は774Muzikさんが担当します。
今回はこれにて。

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今週のオススメハードテクノ – Resident’s Recommend 2019/03/21

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。

今週末の日曜日にTechno Alliance Meeting vol.2と云うパーティーに出演致します。

今月初旬に行われたAAA – Global Hard Dance All Nighterのサブフロアをジャックしたテクノ集団TECHNO ALLIANCEによる単一パーティーの2回目です。
AAAで(熾烈な)B2Bを繰り広げた面々が今度はソロで各々のテクノ観を披露する他、ハードウェアを駆使してライブセットを行うYebisu303氏や、沖縄のハードテクノクリエイターpolygon prompt氏のプレイもあったりとミーティングの名に相応しい催し。

出演者面々の楽曲についてコンパイルされたTECHNO ALLIANCE vol.5については現在公開中であり、且つDLコードが配布されるラストチャンスがこのパーティーです。
既にDLコードをお持ちの方は予習をしてから現場へ、お持ちでない方は入手のために現場へお越し頂けますと嬉しいです。
テクノ各種20曲以上取り揃え。

で、上で『今度はソロで各々~』と書いておきながらワタクシは例によってB2B枠です。楽しいんですもの仕方ない。
そのお相手はTakayuki KamiyaorinetoneAtomicの3人と云う、例によってよく分からない組み合わせです。
Takayuki Kamiyaさん、orinetoneさんとは何度かB2Bを行っているので、『なるようになるでしょ。』の気持ちでいたところ、Atomicさんはそう思っていなかったらしく、『放っておくと壊滅的展開になる。』と云う懸念(そして多分それは正しい)の元、先日打ち合わせと称するものを行ってきました。


おかげで始まる前から無事、壊滅的展開を迎えることに成功しました。
その結果、どうなるか分からないと云うことが分かりました。
そんな感じで当日に臨むことになります。とても楽しかったです。

さて、本来であればそんな今週末に流れそうな曲をピックアップするのが本筋だと云うことは認識しておりますが、分からないんじゃ仕方がないと云うもの。
ワタクシを除いたとしても、3人の主な音楽的趣向についてそこまで共通しているものがあるようには思えず、言わばタダの変なこと好き集団なのです。
ならばせめて当日流れるかどうかはさておき、この3人の趣向を配合させたような音楽を探ってみましょう。

Takayuki Kamiyaさんと云えばご存知のように軸足は専らテクノ。

orinetoneさんは複数ジャンルを横断的にカバーしている印象があります。

Atomicさんとは無機質でエッジのきいたダウンビートについて話すことが多々あります。

・・・成程。見事にバラバラです。
しかし無理を選曲で押し通すのがDJの本懐。
1つの解を思いついたので今回はコチラのアーティストをご紹介します。

Audeka

http://audeka.net/
https://www.facebook.com/AudekaOfficial
https://soundcloud.com/audeka

Marty Cepeda、Max Cepeda、Skyler Gerdemanの3人によって結成されたアメリカのグループ。
ドラムンベース、ダブステップをコアに置きつつ、テクノやインダストリアルの要素を絡めた無機質且つ重い音が特徴となる曲を多く手掛けております。
ドラムンベース×テクノと云えば以前ご紹介したASCもそこに含まれますが、Audekaはより緻密で攻撃的な音作りを目指している感があります。

彼らの最初の作品となったのは2012年にSoundcloudでリリースされたこちらのトラック。

Audeka / Armistice

Audeka – Armistice by Audeka | Free Listening on SoundCloud

まだベースミュージックのスタイルを確立する前のものですが、既に低音の鳴りが深いサウンドスケープ。
ダンスミュージックの枠に留まらない前衛的なアプローチは、聴いた人に強く存在を印象付けるものとなりましたが、本人は『その時カッコいいと思った音を作っただけ。』と語っています。
実際、結成の切欠となったのはアーティストとして活動すると云うよりは、面白いサウンドの作り方を学びたいと思った理由の方が大きいそうです。

ともあれ、デビュー後は数々のレーベルと契約しながらリリースを重ねることになります。
この頃派手なスタイルのダブステップが世界的に流行していたこともあり、彼らもその波に乗じてアグレッシヴなダブステップを手掛けていたのですが、音を作ってから楽曲に落とし込むと云う従来の手法から楽曲のテーマやストーリーを与え、そこに音や展開を当て嵌めると云うアプローチに変更しました。
それこそが今のAudekaを特徴付けるテクニカルなリズムやリフを生み出している原動力となっています。

その頃の転換点とも云うべき作品がこちらではないかと思っています。

Audeka / Peat Bog

Peat Bog (Original Mix) by Audeka on Beatport

2014年の作品。
ダブステップと並行して取り組んでいたドラムンベースのスタイルを踏襲したハーフテンポもの。
激重のベースやホラー系の効果音が何とも不気味に聴こえる作品ですが、何と言ってもこの時折ミュートになったり不等間隔で配置されているリズムが当時は革新的でした。
これ以降、こう云った緻密なプログラミングを多用する曲が大半を占めるようになり、それユエ制作にもより多くの時間をかけるようになっていきました。

そして彼らの名前を満天下に知らしめたのが2016年にベテランアーティストが数多く所属するドラムンベースの大手プロダクション、MethLab Recordingsよりリリースされたアルバム、Lost Souls LPです。

Audeka – Lost Souls LP

Audeka – Lost Souls LP (MethLab)

15トラックの冒頭から終わりまで絶え間なく変化する美しさと暗さ、そして深さを伴った壮大なヘヴィーウェイト・サウンドスケープと言えるこの作品は、この時点でのAudekaの到達点と呼ぶに相応しい内容です。
前述のストーリー性と云う点に於いて、本作は収録曲全てに対してコンセプトが割り振られており、それを視覚的に楽しめるのがそれぞれのトラックに与えられた15枚のアートワークです。
幻想的でありつつも迫力があるモノトーンのイラストはAudekaのサウンドとマッチしており、視覚と聴覚両面に於いて完成された作品に仕上がっています。

余談になりますが、本作のアートワークを手掛けたSHVLFCEはDJもこなしており、MIX作品の1つがIDMからメインストリームテクノを経てハードテクノに運ぶと云うHardonize向けの内容だったのでここに紹介しておきます。

SHVLFCE / Techra Vol.3

Techra Vol.3 by SHVLFCE | Free Listening on SoundCloud

このような音楽を視覚も通して体験させると云うアイディアは大いに成功したようで、なんとMethlabのオーナーから再オファーを受けます。
そして昨年、アートワークを飛び越え、全方位映像となるミュージックビデオが制作されました。

Audeka / Compression Ratio (Official 360 Video)

Audeka – Compression Ratio (Official 360 Video) – YouTube

(マウス操作でぐりんぐりん動きます。)
本作のテーマとなったのは内燃機関と云うエンジンの仕組みで、楽曲にもサウンドデザインはもとより、物理数学的アプローチがふんだんに使用されているそうです。
なんとなくAphex Twinがやったスペクトル解析すると顔が浮かび上がる曲を彷彿とさせますね。
機械をモチーフとしただけあって音楽も映像も無機質で重厚な仕上がりですが、それらがテクロノジーを駆使したメディアで繋がったと云うのもまたAudekaを象徴するような出来事ではないかと考えます。

彼らの楽曲はシーンの幅を超え、ドラムンベース界の重鎮Noisiaや、音楽×映像と云う面で先を行くビートメイカーAmon Tobinらによってプレイされており、今尚収束する気配がありません。
それどころかDAWの定番と言うべきCubaseを作っているメーカーSteinbergから直々にオファーを受け、ドラムキットGroove Agent 5に素材提供するなど、活動そのものの幅を拡張しています。
クリエイターにとって作曲の手助けになる出来事だと思いますが、更に最近、Youtubeアカウントでサウンドデザインのチュートリアルを公開すると云った試みも始めたようです。
(これを見ると使用DAWはCubaseではなくFL Studioなんですね。)

Audeka Stream 01 – Blank Canvas

Audeka Stream 01 – Blank Canvas – YouTube

それこそテクノにも応用可能な音だと思うので、如何にしてあの無機質な質感を作り込んでいるのか、参考にしてみては如何でしょう。

そんなAudekaのオススメはこちらです。

Audeka / Drizzt’s Nightclub

Drizzt’s Nightclub (Original Mix) by Audeka on Beatport

上記で触れたAudekaの転換期前後の作品。
ギラギラしたベースミュージックをやっていた頃にしてはテクノのエッセンスが強く前に出ている作品。
但し音はエグい。

Audeka / Into the Deep

Into the Deep (Original Mix) by Audeka on Beatport

上記で触れたLost Souls LP収録曲。
上よりはメインストリームテクノに寄った作風。
秋葉原重工の作品とか好きな方にオススメしたいタイプの無機質っぷり。
こういうのも含めて収録されているのがLost Souls LPをAudekaの集大成的作品と認識している理由の1つです。

Protostar / Scorpion Pit (Audeka Remix)

Scorpion Pit (Audeka Remix) by Protostar on Beatport

現行のEDMが好きなら避けて通れない超大手レーベル、Monstercatから唯一Audekaがリリースしたのがこちら。
原曲を完全に食ったような密度の濃いドラムパターンがメタル的なダブステップ。
オリジナルのキャッチーさを知っていると何故こうなったと云う感は拭えませんが、後々の作品を聴いた今となると納得できるものがあります。

全然関係ないですけど、上でNoisiaに触れたり、前回の連載でThe Prodigyに触れたので思い出してしまうのがこれですね。

Rawtekk, Audeka / Extinction

Extinction (Original Mix) by Rawtekk, Audeka on Beatport

Audekaと近いところに、同じく無機質且つ凶暴なドラムンベースを多く手掛けているRawtekkと云うアーティストがおりまして、彼らが出したアルバムHere’s To Themの中で唯一フィーチャリングされていたのがAudekaで、それがこの曲。
両者を知っていると組み合わせだけでタダごとじゃないことが察せられるのですが、実際聴いてみるとやはりタダごとじゃなかったタイプの作品。
最早ドラムンベースかどうか怪しいくらいに複雑化されたリズムパターン、そして耳を劈くスネアと厚み増し増しのベース。
凶悪の一言。

これも余談ですが、このHere’s To Themと云うアルバムがリリースされたのもLost Souls LPと同じ2016年。
両者何かと縁があるアーティスト同士です。
セットで是非。

Audeka / Direct Injection

Direct Injection (Original Mix) by Audeka on Beatport

最近の彼らのスタイルを説明するに際して適していると思わしきトラック。
上とは違う手法ですが、やはりドラムンベースらしからぬリズムを擁した変ミュージック。
スネアも最早ワケの分からない音に変質してますし、何をどうしたらこんな曲が生まれるのかと云う感じです。

次週03月26日は774Muzikさんが担当します。
今回はこれにて。

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