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今週のオススメハードテクノ – Resident’s Recommend 2017/04/20

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。

先週は前回のSangoさんの記事に書いてあったパーティー、北の国から 2017 春TOKYO HARD GROOVE SESSION ’17 -Spring-にワタクシも出演でした。
前者はパーティー名に因んでさだまさしの北の国からネタで始まってhideのピンクスパイダーで終わると云う大分散らかったプレイをしたのでテクノとはあんまり関係ありませんでしたが、後者はタイムテーブルの順番が
隼雄 & 五条狐萩~DJ RINN vs Sango~TAK666 vs Takayuki Kamiya~Homma Honganji
と云う感じで都合4時間程ハードテクノ祭りになってました。
面子も面子ながら、他2つのフロアがメインストリーム且つド派手な音楽のDJをメインに配置されていたことでフロアごとに特色がガッツリ出ていたのが大型フェス感あって良かったです。
ちなみに終わった後本当にカレー食べに行きました。

さて、前回のワタクシの記事で書いた通りもう春なわけで、こうなるとポカポカ陽気なトラックが聴きたくなります。
そう、つまりはチャカポコしたハードグルーヴが聴きたくなる季節。
と云うワケでワタクシ担当回に於いて久しぶりにハードグルーヴを取り上げようと思います。
スポットを当てるのはこの人。

【Andy BSK】

andy bsk

https://www.facebook.com/djandybsk
https://soundcloud.com/andy-bsk

スロバキア生まれドイツ在住のDJ/クリエイター。
16歳の頃に16ビットコンピューター、コモドールアミガを使って作曲を開始したと云うのが堂々とプロフィールに掲げられております。
(90年代初頭に16歳だったとすると現在40歳ちょいとかそこら辺?)
本格的にダンスミュージックのリリースに取り組むようになったのは2007年からとやや遅咲き。
尚、その処女作はなんとガッチガチのハードコアテクノでした。


これ。今の彼の楽曲を知っている人なら驚きを禁じ得ないでしょう。
ちなみに当時の名義は『Andy B』で、これに彼の母国スロバキア(“S”lova”K”ia)を加えて現在の名義『Andy BSK』となったそうです。

デビューから1年経った2008年には当時新たなハードテクノのスタイルとしてシーンが形成されつつあったハードグルーヴに合流、Goncalo Mのレーベル、Intuition Recordingsへの楽曲提供を機にファンキーなハードテクノを主軸とした活動へと舵を切り、現在に至るまでシーンの牽引役を担っている一柱です。

彼の曲は『テクノ特有の反復リフによって空間を牽引する力』と云うものをメインに置いて作られている気がします。
派手過ぎず、かと言って渋過ぎず、小気味良いパーカッションとシンセループのアンサンブルがハマっている印象。
見方を変えればDJに於いてどんなシーンでも『使える』曲が多いとも言えます。
現場に1曲2曲持って行けばかなり安心感が得られること請け合いなのでDJ諸氏に於かれましては強くオススメしたいアーティストです。

そんなAndy BSKのトラックはこんな感じです・・・といきたいところですが、何と言っても1番に紹介したいトピックがこれ。
andy bsk - the others
来る05月04日に『The Others ’17』と云うアルバムがリリースされます。
フルサイズの試聴が既に全曲Soundcloudにアップロードされておりまして、このような並びとなっております。
https://soundcloud.com/andy-bsk/sets/the-others-17
アシッドあり、ラテンあり、メロディアスな曲もありとカラーに富んでいる一方、上で書いたようにじわじわ引っ張る感じは全曲共通。
収録曲の1つであるこの曲だけフリーダウンロード公開となっているので駆けつけ一杯感覚で落とすと良いと思います。

Andy BSK / Funky and Classy

ちなみにこのアルバム、レーベルの紹介ページを見ると各STEMの配信準備もされているのでクリエイターの方は是非そちらのリリースもチェックすると今後のハードテクノメイキングの糧になると思われます。
余談ですが、Goncalo MAlmir Ljusaと云った現行ハードグルーヴシーンのクリエイター達が最近こぞって自身のSTEMの公開に踏み切ってます。
この手の動きと云うのは今までのハードテクノシーンにはなかったものなので、最近のトピックとしては割と大きな出来事に含めることができそうです。

一方で如何にもハードグルーヴらしいファンキーさを売りにしたトラックとなるとこの辺りです。
Digital Knecht / Jump On (Andy BSK Remix)

Lorenz B / Towards Victory (Andy BSK Remix)

影響を受けたジャンルの中にハードダンスやレイヴも含まれているのでこのようにシンセを前面に押し出したトラックも作ってます。
後者は特に個人的お気に入りで、去年から多用しております。

またAndy BSKについて特筆したいこととしてSoundcloudでフリートラックを結構頻繁に公開していることが挙げられます。
中でもこの曲のインパクトは目を見張るものがあります。
Andy BSK / Balkan Groove

強烈なジプシー音楽のリフをメインに太いビートが走る異色のハードグルーヴ。
イントロ終わりからこのリフがいきなり差し込まれるので空気をガラッと変えたい時とかに凄く便利。
もっと言うとハードテクノ以外にも単純に変な音楽として聴こえるので、思った以上に使いどころのあるトラックでもあります。
これがフリーなのは本当にありがたい。

また、2017年04月現在、実写版『Ghost in the Shell』が劇場公開されておりますが、時期的にジャストタイミングなネタとしてこんなブートレグもあります。

Origa feat. Yoko Kanno / Inner Universe (Andy BSK Club Mix)

2002年のアニメ、『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』のオープニングテーマが元ネタ。
音色的にはトランス、リズムはハードグルーヴ、テンポはハードダンス、挙句アニメネタと云うこの曲のゴッタ煮感はAndy BSKのバックグラウンドがこれでもかと反映された結果の産物のような気がしてなりません。
あ、ちなみに映画は見ました。大変良かったですよ。

次週04月25日は774Muzikさんが担当します。今回はこれにて。


今週のオススメハードテクノ – Resident’s Recommend 2017/04/06

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。

sakura
暖かくなり、このように桜も咲き始めてようやく春らしくなってまいりました。
先週末なんかは絶好のお花見日和だったようですが、まぁ独身なので相手もいないし?無縁だし?
従いましてワタクシ、気候以外におきましては新譜を掘っていて綺麗目なメロディのリリースが目立つなぁと思う以外に春らしさを感じることができないワケでございます。
なんだその目は。父さんオマエをそんな子に育てた覚えはないぞ。

ちなみに春+テクノと言ったら何を思い浮かべるでしょうか?
自分の周りではテクノ的に親和性の高かったアニメ『交響詩篇エウレカセブン』(もう10年以上前の作品になるんですね。)のオープニングで使われたこちらを思い浮かべる方が多そうです。

NIRGILIS / sakura

ストリングスやコーラスが綺麗でありつつ、後ろでうっすら鳴り続けているシンセやギターが楽曲に爽快感を添えています。
一方で歌詞の内容も相まって哀愁も感じさせるものとなっている辺り、NIRGILISと云うバンドの底の深さを見せつけられている気がします。
テンポ的にも大変使いやすく、自分も幾度となくデッキに突っ込んだ覚えがあるくらい好きですね。

ただ当Hardonizeのレジデントとしてハードテクノ的、或いはその周辺音楽的に取り上げたい曲がこれ1曲に留まらないのも事実でございます。
ユエに今回のテーマは、

曲名に『春』とか『桜』とか入ったトラック

とします。
当パーティー的に定番となっているものからブートレグ、果てはHardonize関係者が作った曲まで。
今回を逃すと次回は1年後になるので、いつもより多めに紹介します。

ryoh mitomi / haru-kaze


まずはHardonize定番トラック。横浜在住の日本人クリエイター、ryoh mitomiによる2005年のデビュー作。
Minimaximaと云うTechnasiaが運営しているレーベルからリリースされており、まさしくTechnasiaやJoris Voornを彷彿とさせるようなメロディのハードミニマル。
我々Hardonizeのレジデントはとあるパーティーが切欠となって出会った縁なのですが、当時からこの曲はこぞってプレイされていたくらい思い出の詰まった曲。

Gaetano Verdi, Thomas Tribal / Arabic Spring


続いてHardonize的に『使える』トラック。クリエイター両者共にオーストラリアの出身で、これ以外にも多数ペアを組んだリリースがあります。
チャルメラのような吹奏楽器の音をメインにトライバルパーカッションが疾走し、ところどころで差し込まれるボイスサンプルも土着感満載のハードグルーヴ。
春の陽気さ(≒能天気さ)が感じられる曲となっております。

Stephanie Sykes / Sakura


お次は渋い方面でセレクト。Stephanie Sykesはイギリス在住の女性若手アーティストで、テクノ以外にもエレクトロニカやアンビエントも手掛けてます。
延々と鳴り響く深いグルーヴを軸にパッド系のシンセが広がっていく構成は、まるで深夜に見る桜のように荘厳な雰囲気を感じさせます。
セットの終盤に差し掛かる辺りで使いたくなるトラック。

Commercial Club Crew, Clubhunter / Sakura Girl (DJ Gollum Remix)


ハードテクノではありませんが、個人的に『桜』と言ったら真っ先に思い浮かべる曲と云うことで。これもリリースは2008年のリリースとやや古め。
ド派手なシンセにボコーダー処理された歌がチャラさ満点のハンズアップ。オリジナルも相当なんですが、このリミックスの3連符になるアホっぽさがとても好みでしたので。
余談ですがこの曲と『ネットアイドルありすのうた』をマッシュアップさせたその名も『みSakura Girl』と云う曲が存在します。犯人についてはお察しください

ここからはブートレグ部門です。

pandaboy / If spring will come tomorrow

PandaBoY氏による『明日、春が来たら』ネタ。
元ネタのエディットが大変心地良く、トラックもエレクトロテイストのアッパーテクノって感じで非常に使いやすい仕上がりとなっております。
今やアイドルやアニメに楽曲提供する程メインストリームに進出した氏の音楽ですが、ネットレーベル現役時代から変わらない遊び心溢れるトラックは最早圧巻。

松任谷由実 / 春よ、来い (Plutian’s Uplifting Remix)


タイトルそのままのこちらも大ネタ。元ネタに引っ張られて日本人かと思いきや、なんと韓国のアーティスト。
現在Astrionと云う名義に変更しており、トランスの名門Abora Recordingsとも契約。つい今週頭にも新譜が出たばっかりです。
将来有望株の超若手、要チェックですよ。

初音ミク / 千本桜 (Frontliner Remix)


知る人が見たら元ネタとリミキサーがありえない組み合わせだと感じたでしょう。僕もその1人です。
ハードスタイルの超名門Scantraxxに所属し、フェスにもバンバン出演しているこのFrontlinerが初来日すると云うことで僕も見に行ったんですが、あろうことか1曲目に流したのがコレだったんです。
『嘘だろ!?』と驚愕した人と最早それすら通り越してブチ上がっていた人の比率は丁度1:1くらいになってたあの瞬間は、間違いなく日本のハードスタイルシーンに刻まれた大事件でした。

さて、あと1曲で今回を締め括りたいのですが、今回のテーマに匹敵する曲を昔、Hardonizeの関係者が作っております。

毎度Hardonizeに於いてVJを行って頂いているKNOCKHEADZはみさきちさん、おつさん、そしてoni-muhさんの3人組チームなのでして、このoni-muhさんはPING Music Labelと云うレーベルに楽曲提供をしていた過去があります。
そこからリリースされた1枚、『ビート栽培』と云う2001年のCDに彼の『夜桜』と云う曲が収録されておりますのでこれを最後の紹介とさせて頂きます。

STCn (a.k.a. oni-muh) / 夜桜

特徴のある動きをするベースにピアノとシンセが絡む美メロテクノ。
茶箱10周年記念パーティーにPING Music Labelの主宰、Nacky氏が出演した際も最後はこの曲で〆るなど、茶箱に縁のあるDJにとってはかなり印象深いトラックです。
CDはまだ手に入るのでしょうか。一応秋葉原eARSでは在庫アリになっているので、ひょっとしたらひょっとするかもしれません。

次週04月11日は774Muzikさんが担当します。今回はこれにて。