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新作仄かに旋律を感じるテクノ特集:今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2023/05/11

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

【近況1】

前回のM3直前特集、そこそこ評判を伺い知ることができて良かったです。
今度から事前に特集しましょうかね。


そしてやっぱり当日寝坊したので気持ち少な目。
しかも2週間経とうとしているのにどれもまだちゃんと聴けていない。
申し訳ねー。

【近況2】

これも前回書いた通りなのですが、先日ウチに人を招いた際に簡易B2Bが始まった際、ウチにCDJが1台しかないことに不評を言うヤツがいたもんで、なんとなく今後買い足す機材チェックをし始めました。
そのCDJもCDJ-900と大分古いモデルのものなので、

いっそCDJを2台増やすか。
 ↓
正直CDドライブ必要ないかも?
 ↓
もう少し金額上乗せしてミキサーと一体型のやつにした方がコスパ良いのでは?

といった塩梅に段々考えが膨らんでいった結果、XDJ-XZが最適解という結論に至りました。

Pioneer DJ XDJ-XZ professional all-in-one DJ system: Official Introduction – YouTube

USBメモリーが2本挿せてLINE/PHONO入力があり、何ならヘッドホンも2つ挿せてラップトップ用コントローラーとしても使える4chミキサーという激高スペック。
ちなみにお値段も激高30万円コースなのですが・・・割と迷ってる自分がいます。

【告知】

予てよりお伝えしておりますように、Hardonize#44がいよいよ2日後に開催されます。

ゲストにATTさんTAKAMIさんの大先輩2名をお招きしたBUZZ×3とのコラボレーション回。
長年に渡って東京のテクノシーンのフロントラインに立ち続けている両名であり、今尚作品やDJプレイから影響を受け続けている身なので自然と背筋が伸びる思いです。
絶対に先日ような粗相はしないと心に刻みつつ、しっかりみっちりハードテクノをお届けしたいと考えておりますので是非お越しください。

尚、今回より予約フォームを導入し、こちらでご申請頂いた方々を優先的に入場させる方式となっております。
これまでの入場予約より簡単な申請となっておりますので、ご来場をお考えの方は是非こちらからエントリーをお願いします。
Hardonize #44 参加予約登録フォーム
当フォームから予約を行わない場合でも当日入場は可能ですが、フロアのキャパシティが定員に達し次第、当日分の入場がストップとなりますのでご了承ください。

日付は2023年の05月13日(土曜日)。
会場はいつもの早稲田茶箱でお待ちしております。

【今回のお題】

さて、当連載に於ける自分の回ではハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていく形式となっております。

ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。

ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。

今回取り上げるサブジャンルはシンプルにテクノとしますが、更に1つテーマを加えて

仄かに旋律を感じるテクノ

とします。

現行のクラブミュージックとしてのテクノに於いて重要視されているのはリズムの強度で、各配信サイトでトップセールスのチャートを覗いて見れば分かるように、硬く、芯のあるビートというのが1つの共通言語になっております。
ひいてはハードテクノを象徴する要素でもあるため、当連載でも取り上げる楽曲のリズムについては度々言及されています。
一方、Hardonize的趣向としてインパクトのあるサウンドを好みがちということもあり、ディスコレイヴを彷彿とさせるウワモノを用いた曲もそれはそれで取り上げられがちです。

しかしテクノの魅力はリズムやサウンドだけではなく、旋律=メロディーという部分にもスポットを当てることができます。
これらはクラブミュージックというよりはモダンテクノやバンド形態で演奏されるテクノに多いイメージがありますが、それこそ上記のリズム強度、サウンドのインパクトという要素も合わせ持ったものは現在でも存在します。
以前特別連載に於いて取り上げたメロディアスハードテクノはこういったスタイルの楽曲を取り上げた内容となっており、
昨年に行った泣ける/哀愁漂うメロディーのテクノ特集という中で紹介したものもここに含まれます。

直近にリリースされたこういったスタイルの曲で非常に話題になったのはTomaz, Filterheadz / Sunshine Remixesだと思います。

Tomaz, Filterheadz / Sunshine (Coyu Remix v2)

Sunshine (Coyu Remix v2) by Tomaz, Filterheadz on Beatport

リリース直後の連載でyudukiボスが取り上げてましたね。
2002年にリリースされたテクノアンセムTomaz, Filterheadz / Sunshine20年越しにリミックスされるという、かなりのインパクトを持った事件が起こったわけですけれど、
これはそもそも原曲からしてフレーズを聴かせるような作りになっており、リミックスもそれがしっかり引き継がれた仕上がりになっていました。
無機質なテクノとかけ離れた夕焼けのビーチを連想させるようなアーバンなサウンドは今聴いてもグッとくるものがあります。
往年のテクノヘッズなら即行でカートイン⇒チェックアウトすることをオススメします。

とはいえ、リリースの全体数から比べるとこういった楽曲は少なく、当連載の傾向的にもリズムやサウンドの強い曲にどうしても埋もれがちになってしまいます。
効率的なDIG手法も特に確立されていないように思えるため、微力ながら今回ここでこういった音楽の新作についてまとめて紹介しようというのが今回の趣旨になります。

早速ですがここ1~2ヶ月でリリースされた仄かに旋律を感じるテクノ紹介いってみましょう。

【曲紹介】

SHDW & Obscure Shape / The Last Seduction

The Last Seduction (Original Mix) by SHDW & Obscure Shape on Beatport

ドイツのプロデューサーユニットSHDW & Obscure Shapeによるテクノ
先のTomaz, Filterheadz / Sunshine Remixesにも参加しており、トランシーなシンセリフを伴ったドライブ感のあるリミックスを提供しております。
シャキシャキのハイハットに穏やかなパッドシンセが合わさった疾走感と浮遊感の同居するトラック。
メインのフレーズを変えることで生み出されている展開がとてもドラマティックで終盤に向けたパーツとして使いたくなります。

昔の曲で例えるとTechnasia / Evergreen IVに近い感じ。

Antic Soul / Mangrove

Mangrove (Original Mix) by Antic Soul on Beatport

ドイツのプロデューサーユニットAntic Soulによるテクノ
こちらもパッドシンセによる浮遊感と細かい打ち方の金物リズムによる疾走感が特徴的な曲。
一方でシンセを重ねるというよりはメインとなるシンセのパラメーターをコントロールすることで展開を生み出しているスタイルとなっております。
やや深めのベースによるグルーヴも気持ち良い。

MVRPH / Don’t Stop

Don’t Stop (Original Mix) by MVRPH on Beatport

アルゼンチンのプロデューサーMVRPHによるテクノ
レトロなテクノのリフを現行の強度のリズムにアップデートして乗せた感のあるトラック。
シンプルな構成ゆえにテクノに於ける反復の妙が強く現れています。

Brick / Elevate

Elevate (Original Mix) by Brick on Beatport

アメリカのプロデューサーBrickによるテクノ
ローファイな反復リフを特徴とするスタイルですが、よりラフなビートが強調されたヘヴィーウェイトカスタム。
高音域をカバーする金物リズムが浮きまくっているちょっとした面白さも込みで現場で聴きたい1曲。

Mystics / The Unexplored Pt.2

The Unexplored Pt.2 (Original Mix) by Mystics on Beatport

イタリアのプロデューサーMysticsによる非4つ打ちテクノ
今回1番の変わり種枠。
インダストリアル精神が強く感じられる歪んだ硬いビートと相反する幾層にも重ねられたパッドシンセが美しい攻めっ気のあるトラック。
クセが強すぎて〆に使うくらいしか思いつかないので、変ミュージックスキー諸氏には是非聴いて頂きたいシロモノです。

余談ですが、この曲が収録されている47035は他にもブレイクビーツ成分強めのShrouded In Mysteryとか、
BPM160のテクノBut Ifが収録されていて全体的に変ミュージックスキー垂涎のリリースに仕上がっております。
たまらん。

23.4 / Legacy

Legacy (Original Mix) by 23.4 on Beatport

フランスのプロデューサー23.4によるテクノ
こちらもリフからオーセンティックなテクノの臭気が漂ってきます。
メインのリズムに薄っすらレイヤーされたリムやベースからは往年のリズムマシンの質感を感じ取ることができますし、タイトル通りレガシーを体現したトラックになっております。

Flug, Marco Faraone / Gino Is Alive

Gino Is Alive (Original Mix) by Flug, Marco Faraone on Beatport

スペインのプロデューサーFlugとイタリアのプロデューサーMarco Faraoneによるテクノ
シンプルながらインパクトのあるシンセをメインに手数の多い金物シンセと、構造的にはかなりハードグルーヴに接近している曲。
長尺のブレイクによるタメもあり、バッチリピークタイムに機能する派手目な仕上がりです。
レイヴサウンド系トラックと合わせて使うと良い感じの流れを構築できそうですね。

Fireground / Driving Stars

Driving Stars (Original Mix) by Fireground on Beatport

イタリアのプロデューサーユニットFiregroundによるテクノ
ドイツの名門レーベルTresor Recordsより。
スケールの長いアナログライクなシンセによるアーバンな雰囲気を纏ったトラック。
手数の多いリズムも相まって冒頭で取り上げたTomaz, Filterheadz / Sunshineを彷彿とさせます。

7th Gate / Gravitation (Remastered 2023)

Gravitation (Remastered 2023) by 7th Gate on Beatport

札幌のプロデューサーユニット7th Gateによるテクノ
メインで鳴らされている反復シンセとバックを支えているスケールの長いシンセの絡みによるスペーシーなトラック。
こういった和音の作り方は日本人独特だなと思いますし、敬愛するYousuke Kaga / Setsunaや、最近の曲だとSeimei / Yozora辺りと通じるところがあります。
リズムも硬すぎず、かといって落ち着き過ぎずの丁度良い塩梅でかなり好みです。

Ferdinger / Plein Soleil

Plein Soleil (Original Mix) by Ferdinger on Beatport

ドイツのプロデューサーFerdingerによるテクノ
個人的今年ベスト10候補が来たかもしれないと思った曲です。
ピアノ+アナログベースのツープラトンは否応なく連想させるオールドスクールレイヴのイメージ。
それもちょっと哀愁漂うフレーズなのがまた堪らなく良い。
でもビートは前のめりなシンプル4つ打ちというかなりスキマを突いた作品だと思うのですが、見事にブッ刺さりました。

途中でキックとベースだけになるパートがあって、これ自体は最近の曲でもよく聴く手法ではあるものの、この質感のうねりのあるベースで聴くとオールドスクールみが一段と光りますね。

オマケでプラスもう1曲。

Members Of Mayday / Mayday Anthem (Thomas Schumacher Remix)

Mayday Anthem (Thomas Schumacher Remix) by Members Of Mayday on Beatport

ドイツのプロデューサーThomas Schumacherによるテクノ
1991年からドイツで毎年開催されている由緒正しき大規模テクノフェスMayday
そのオフィシャルアンセムが1992年にリリースされたMembers Of Mayday / Mayday Anthemでして、今年の開催に合わせて30年越しにリミックスされたものが本作となります。

そのリミキサーも本国ドイツで長年に渡りテクノシーンを支え続けているレジェンドThomas Schumacherなので、このリリース自体に凄まじいインパクトがあります。
曲の内容も原曲のフレーズをふんだんに使いながらレトロなデケデケベース、アシッドシンセも併用している一方、リズムは現行の強度に合わせて大幅なアップデートが施されています。
Maydayが歩んできた30年の歴史に対するリスペクトが感じられるとても意義のあるリリース。

【まとめ】

以上、仄かに旋律を感じるテクノにスポットを当ててお送りしました。
どんな音楽であれメロディーがあった方が聴きやすいと個人的には思うのですが、2023年のテクノに於いてはあまり主流の考え方ではなく、それゆえに聴く人のハードルを上げてしまっているという点はあると思っています。
実際には今回取り上げたように最新リリースの中にもメロディーを含む楽曲というのはちゃんと存在するので、これからテクノを聴き始める人の足掛かりになれば良いなと願いながら執筆しました。
冒頭でも述べたようにこれらのスタイルに効率的にリーチできる方法があんまりない気がするので、今後もこういったテーマの紹介は行っていきたいと考えております。

逆に言えばリズム主体のスタイルとフレーズ主体のスタイル、双方がバランスを取って共存できるのもテクノの醍醐味の1つだと思います。
Hardonizeはそのどちらに寄るでもなく、時にバカ丸出しブートレグを流す人オタクネタをかけて1人でニチャニチャする人全然違うジャンルを混ぜてグチャグチャにする人などで構成されておりますのでご興味があればパーティーにもお越し頂けますと嬉しいです。

そんなワケで今回はここまで。

皆様05月13日のHardonize #44でお会いしましょう。

次週05月16日は774Muzikさんが担当します。
では。

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【特集】『M3-2023春』同人テクノ - Resident’s Recommend 2023/04/27

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

【近況】


一昨日のyudukiボスのエントリーにて触れられていた通り、先週モニタースピーカーを新調しました。
Genelecの8020Dという機種になります。
寸法としては20cm×10cmくらいのコンパクトなボディでありながら非常にクリアな出音を誇り、特に低音はボリュームを絞っても埋もれずに出てくれるのでかなり驚きです。
何ならサブウーファーも新調することを考えていたのですが、ひとまずこれで満足してしまいました。
良い買い物だった。

ちなみになぜそれをyudukiボスが知っているかというと、まさしくそのスピーカーを開封して設置する場に居合わせているからなんですよね。
ここ数年、不定期に自宅で大量の日本酒を空けつつただただダベる会を開催しており、先週行った際にyudukiさんや774Muzikさんにも来てもらってました。
他にもCarpainterさんや12_1さん、あとはしょっちゅう来ているTakayuki Kamiya夫妻などなどかなりの豪華面子でした。

ちなみにその際、スピーカーケーブルのオスメスを間違えて調達してしまい、途中で客人放置でヨドバシカメラに買いに走るというハプニングもあったりしましたが、最終的にはユルいB2Bなんかも始まったりしてまぁ楽しかったですねぇ。
楽し過ぎてロクに写真残ってない。
またやりましょうね。それまでにCDJ買っておきますんで。(家主は一切使わないのに。)

【告知】

Hardonize#44が2週間後に開催されます。

ゲストにATTさんTAKAMIさんの大先輩2名をお招きし、彼らがレジデントを務める名物テクノパーティー、BUZZ×3との実質コラボレーション回です。

今回より予約フォームを導入し、こちらでご申請頂いた方々を優先的に入場させる方式となっております。
これまでの入場予約より簡単な申請となっておりますので、ご来場をお考えの方は是非こちらからエントリーをお願いします。
Hardonize #44 参加予約登録フォーム

日付は2023年の05月13日(土曜日)。
会場はいつもの早稲田茶箱でお待ちしております。

【今回のお題】

さて、今週末30日は本連載で僕が毎回勝手に取り上げている同人音楽即売会M3があります。

前回M3-2022秋の特集はこちら。

【特集】『M3-2022秋』同人テクノ:今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2022/11/25

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

それより以前の特集はこちらになります。
2022春 / 2021秋 / 2021春 / 2020秋 / 2020春 / 2019秋 / 2019春 / 2018秋 / 2018春 / 2017秋 / 2017春

通常であれば開催後に戦利品紹介と共に行うことが多いM3特集ですが、早いもので2週間後はもうHardonize#44直前ですので、そこはそっちに注力した内容にしたい。
というワケで、13回目のM3特集にして初の予習回です。
今回の特集を見つつサークル巡回する人がいるのかどうなのか、そもそもこの特集に需要があるのかないのか、分からないままいつも書いてますが、こういうのは後々見返すアーカイブ的な価値もあったりしますからとかなんとか。

ちなみに僕はこういう即売会に行くに当たっては全くカタログの中身を精査せず、行き当たりばったり(挙句寝坊したり)で当日赴くことが多いもので、今回この特集を組むに当たり、めちゃくちゃ久しぶりにじっくりカタログや公式サイトを拝見しました。
大方の参加者はこういう予習を入念に行ってから気合充分で当日を迎えていると思うと頭が下がります。
思い返せばこういうものに行き始めて最初の頃はしっかりチェックしていた筈なんですけれどね・・・と思いながらそういえばいつだったっけと書棚を漁ってみたところ、


2004年でした。
もうすぐ20年。こっわ!

表記順は『[スペース番号] 【アーティスト名】 / 【リリース名】 [【サークル(レーベル)名】]』でテクノ的オススメだったり、Hardonize的に関連があったりするものを挙げていきます。

それでは

『M3-2023春』でリリースされる同人テクノ特集

いってみましょう。

【曲紹介】

[コ-29b] HIROSHI WATANABE / Live the Life Remixes [秋葉原重工]

Stream AHIAL04 – HIROSHI WATANABE – Live the Life Remixes by Akihabara Heavy Industry Inc. | Listen online for free on SoundCloud

先日は桜逢祭TAKAMIさんと僕とB2Bを行ったTakayuki Kamiyaさん率いる秋葉原重工のニューリリース。
2019年に同レーベルからリリースされたHIROSHI WATANABE / Live the Life総勢21名の国内テクノクリエイターたちによってリミックスされた一大企画盤。
収録曲数の多さもさながら、参加面子もめちゃくちゃ豪華でTakkyu IshinoKen IshiiDJ SHUFFLEMASTERといったレジェンドクラスの方々からDJ SODEYAMASEKITOVAといった現行シーンの最前線に要る方々、
またテクノシーンに限らずHiroshi OkuboREMO-CONNhatoといった名前が一堂に介しているのも秋葉原重工ならではという感じ。
原曲が同じといってもアレンジのスタイルは人それぞれなので、普段のコンピレーションと同じ感覚で楽しめる1枚になっております。
とにかく同人音楽の括りには収まりきらない作品。

[コ-29a] Kouki Izumi, MAGPOST / Indigenous Dogma [technoA]

Stream [Album Preview] Kouki Izumi, MAGPOST – Indigenous Dogma by Kouki Izumi (Aramitama / technoA) | Listen online for free on SoundCloud

Kouki Izumiさんの個人サークル、technoAからのニューリリース。
同人音楽に於いては貴重な冷たくて硬いテクノ筆頭格。
いつもはEPサイズのリリースを展開していましたが、今回は9曲入りとボリューム満点の作品をご用意。
その全てがフロアユースのサウンドに仕上がっているので、DJであれば特に手に取って欲しい一作となっております。

[え-29ab] V.A. / UNCOUNTABLE POSSIBILITIES [#中年デトロイトテクノ隊]

Stream UNCOUNTABLE POSSIBILITIES Trailer by KOTORI MAJESTY | Listen online for free on SoundCloud

KOTORI MAJESTYさんのサークル、#中年デトロイトテクノ隊からのニューリリース。
珍妙なサークル名に目がいきがちですが、それを自ら冠するくらいには参加面子、及び収録曲に気合が感じられる内容となっております。
具体的にはProfessional Hamburger a.k.a 高野政所MEEBEE a.k.a KAZUHIRO ABOブレイクビーツジャムバンドDUB SQUADのメンバーCOZY-Dなど、1990年代から活動されている大御所の方々がずらり。
収録曲はデトロイトテクノオンリーというわけではなくハウスブレイクビーツも含んでおり、そしてそのどれもがどこか人間の息遣いを感じさせるマシンミュージックという印象を受けました。
クラブの空間のみならず、日常にも寄り添ってくれるタイプのテクノが詰まってます。

尚、リリースに先んじてセルフライナーノーツが公開されており、こちらも読み応え抜群の内容です。

[G-06b] Ueno, Motoki Hada / Song for Architecture [Charterhouse Records]

Stream Charterhouse Records | Listen to Song for Architecture playlist online for free on SoundCloud

テクノハウスをメインに取り扱ったカセットテープをリリースしているCharterhouse Recordsからのニューリリース。
1年前の『M3-2022春』同人テクノ特集に於いて、この時リリースされたMotoki Hada / Bold Action EPに本レーベルにしては珍しくブレイクビーツベースラインが収録されていて驚いたという点を取り上げましたが、本作は遂にレイヴにまで踏み込んだ内容になっております。
それが本作2曲目のMotoki Hada / Impact of The Rave
オーセンティックなブレイクビーツにドミネーターシンセとアシッドシンセ、そしてThe Prodigy / One Loveと同じボイスサンプルなど土臭さ満点のレイヴサウンドになっていて垂涎です。

[コ-04a] Yazavva / \499 EP [497yen]

Stream [M3-2023春] Yazavva – \499 EP [XFD] by Yazavva | Listen online for free on SoundCloud

Yazavvaさんの個人サークル、497yenからのニューリリース。
ストレートなテクノハードテクノが収録されたEP。
私事ですが、先日のFJAAK公演の影響がまだ残っているらしく、1曲目のシンプルながらインパクトのあるシンセリフはかなり刺さります。

[ケ-38a] エレクトロマサルニクス / Taxi not found [エレクトロマサルニクス]

Stream エレクトロマサルニクス – Taxi not found – xfd by NGRT | Listen online for free on SoundCloud

3人編成でハードウェア機材によるセッションを重ねながらトラックを練り上げていくテクノバンド、エレクトロマサルニクスのニューリリース。
反復するリフの中にもコード感が仄かに漂っており、ライブの息遣いが感じられます。
トラックによってはリズムが非4つ打ちだったり、初音ミクっぽい細切れの合成音声が聴こえてきたりと細かい遊び心が見えるので、かなり手に取りやすい部類なのではないでしょうか。

こちらもセルフライナーノーツが公開されていました。

[E-18b] Drumsuko, You10g / Portfolio 5 [Full Metal Blanket]

Stream 2023春M3 新譜XFD by You10g | Listen online for free on SoundCloud

You10gさん率いるサークル、Full Metal Blanketからのニューリリース。
テクノをメインとするEPシリーズの5作目なのですが、芯の太いベースとアーメンブレイクスが共存した3曲目のDrumsuko / Rotationがとにかく好み。
Joy Orbison / Off Seasonとか、Raito / Serum辺りを彷彿とさせます。
どうもテクノのEPの中に収録されている硬いブレイクビーツにヤラれがちなフシがありますねワタシ。

[Q-27ab] s-don vs. 翡乃イスカ / Trrricksters!! [Defiant Groovings, ああ…翡翠茶漬け…]

【M3-2023春】Trrricksters!!【XFD Demo】 – YouTube

過去Hardonize#33にご出演頂いたs-donさんと、カラフルでダイナミックなサウンド作りを得意とする翡乃イスカさん両名によるスプリットアルバム。
ちなみにデザインは前回のHardonize #43 15th Anniversary Specialにご出演頂いたcodaさんが担当しています。
とにかくテンションの高いハードダンスハードコア総決起。
どの曲のビートも一辺倒ではなく複数種類織り交ぜた展開を矢継ぎ早に繰り出す上、その展開の区切りに差し込まれるフィルの手数も細かいのなんの。
ハードダンスゲームミュージック、双方の解像度の高さが伺い知れる作品。

[Q-21b] DJ Shimamura / THE 20 YEARS DYNASTY [DYNASTY RECORDS]

Stream DJ Shimamura – THE 20 YEARS DYNASTY (DNCD-016 / XFADE DEMO) by DJShimamura | Listen online for free on SoundCloud

前回のHardonize #43 15th Anniversary Specialにご出演頂いたDJ Shimamuraさん率いるレーベル、DYNASTY RECORDSからのニューリリース。
アニバーサリーが続きますね。
自身のレーベルの20周年を記念し、これまでにリリースされた代表曲のアップデートバージョンが数多く収録された記念盤。
DJ Shimamuraさんの本領が遺憾なく発揮されたハードコアドラムンベースの現在を体感できる一方、
20年前のバイブスを残したオールドスクールスタイルのハードコアも聴ける1枚。

・・・ということは僕がDYNASTY RECORDSの0番、DJ Shimamura / Tokyo No. 1 Hard & High-Speed EPを買ったのも20年前になるということになるワケで・・・時の流れっておっかねー。

[ケ-27ab] V.A. / J-SCHRANZ7 [ダシマキレコード]

Stream 【M3春2023】J-SCHRANZ7 (Japanese Schranz Compilation vol.07)XFD by TKG – SCHRANZ | Listen online for free on SoundCloud

本場海外のシュランツレーベルへの楽曲提供、またアーティストとの共作も盛んに行っているTKGさん率いるレーベル、ダシマキレコードからのニューリリース。
そのコネクションを活かし、国内外のシュランツクリエイターを一堂に介した名物コンピレーションシリーズの7作目であり、現行シーンに於けるチェコの代表格Witheckerが参加しているのが目を引きます。
こうして並べて聴くとシュランツの中にもリズムのグルーヴに重きを置くもの、リフのインパクトを重視するもの、より過剰な速度を追求するものと様々なスタイルがあることが分かります。
配信楽曲を辿るとなるとレーベルごとにカラーが分かれていたり、何よりリリース数が膨大だったりするので初心者でも気軽に網羅できる作品はいつの時代も大事だと個人的には思っています。

[F-10b] V.A. / Nocturnal Edge 3 [Liminal Warp]

Stream 【2023春M3】[LNWP-003] Nocturnal Edge 3 (Preview) by Liminal Warp | Listen online for free on SoundCloud

実験的且つソリッドなビートを手掛けるponiyamaさん主宰によるLiminal Warpからのリリース。
アニメ×ベースミュージックをコンセプトにしたコンピレーションシリーズの3作目。
相変わらずアニメ殆ど分からないのですが、陰鬱で偏屈なビートとサンプリングが合わさったトラックの多いこのシリーズは毎回好きで試聴を再生した限りでは今回も期待できると判断しました。
特にドラムンベースらしきトラックが収録されているように感じたため、それならば現場でしれっと使うことも可能なのではないかと踏んでいたり。

[コ-19b] V.A. / みそれこ!! [miso-nicomi records]

Stream VA – みそれこ!! – XFD Demo by miso-nicomi records | Listen online for free on SoundCloud

若きブレイクコアクリエイターであるsabiさん率いるレーベル、miso-nicomi recordsからのニューリリース。
穏やかでかわいらしいジャケットとは裏腹に、超高速テンポに高密度で切り刻まれたアーメンブレイクスの応酬。
そこに相反するアニメ感のあるピアノだったりシンセフレーズが聴こえるトラックも多く、リズムのアグレッシヴさとのかけ離れ具合が面白い。
試聴段階でジュークっぽい曲があったのも気になりましたし、ジャングルの文脈として使える何かもあったりしないかなと期待しているところです。

【おまけ】

2023年04月27日現在、新譜の試聴は上がっていないものの、出展が予定されているサークルです。

F-16a / アシッド田宮三四郎

過去Hardonize#28にご出演頂いたDietraxさん率いるハードウェアアシッドテクノバンド、アシッド田宮三四郎
複雑な編成のハードウェア機材の同時コントロールによる緊張感を伴って繰り出されるファンキーで快楽的なサウンドは唯一無二です。

Q-14b / Shot Bass Records

過去Hardonize#15にご出演頂いた、同い年で一方的に尊敬しているDJ、DJ WILDPARTYさんの個人レーベル。
複数アーティストとのコラボレーションEP、COLLABのリリースが予定されております。

Q-25ab / Funwari-fusz

エレクトロニカアーティストであるPhasmaさん、及び彼がコンポーザーを務めるプロジェクト、Funwari-chan
結構前から知っていて、毎回良質なエレクトロニカを提供しており、グラフィックのテイストも含めてとても良い感じ。

ケ-25a / LBT

惜しくも今年急逝してしまったDJイオさんが率いていたテクノレーベル、LBT
何が置いてあるのか分かりませんが(前は河原で拾った石とかあった気がする)、今回出展するということはレーベルとしては活動を継続するという意思なのでしょうか。
もちろん、そうであってほしい。

ケ-25b / ビッグファイア

ご存知日本が世界に誇るハードグルーヴマイスター、本間本願寺さんのバンドであり、サークル。
MCあんにゅさんとのスプリットEPの告知がされておりました。
その一方でM3は各サークルがジャンルを登録することができるのですが、ビッグファイアの登録ジャンルにヒップ・ハウスというものがあり、シカゴ直輸入の真っ黒い音の予感が漂っております。

ケ-28b / BBBox

若きハードミニマルヘッズ、BBBoxさんの個人サークル。
今回のリリースから外された曲が202303220946(没)が公開されておりますが、めっちゃ渋い。

コ-19a / callasoiled

エレクトロニカを主軸とするcallasoiledさんの個人サークル。
アルバムEpulのリリースが予定されております。

【まとめ】

以上、『M3-2023春』でリリースされる同人テクノにスポットを当ててお送りしました。
こうして下調べをすると確かに即売会に対する楽しみの方向性が変わってきますねという至極当たり前の感想を抱いております。
行き当たりばったりに身を任せるのもそれはそれで大事にしたいところなのですが、丁度良い塩梅が難しいところです。
あとは当日ちゃんと起きれることを願うばかりです。

そんなワケで今週末30日のM3に行かれる方のグッドDIGをお祈りしております。

今回はここまで。

次週05月02日は774Muzikさんが担当します。
では。

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