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Hardonizeクルーが選ぶ2008-2023オールタイム・ベスト10選 【TAK666編】

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
4週間ぶりに担当致します。

遅ればせながら明けましておめでとうございます。
本年もよしなに。

【告知】

予てよりお伝えしておりますように、15周年超豪華回となるHardonize開催がいよいよ2日後に迫っております。


2023/1/21(sat) Hardonize #43 15th Anniversary Special | Hardonize web

DJ、VJに強力なゲスト陣を迎え、時間も1時間拡大した7時間、みっちりハードテクノでお送り致します。
15年変わらず信頼を置いている早稲田茶箱の良質な音響環境で存分にお楽しみください。

尚、PASSMARKETの優先入場予約については定員に達したため、受付を終了しております。
当日入場については先着で若干数のみ受付という形になり、そちらも定員に達した場合は退場者が出た場合に交代入場という形になりますので何卒ご了承ください。
ちなみに、早稲田茶箱の近所にはサイゼリアがあります。

【訃報】

大事なパーティーの前に触れることではないかもしれませんが、以前Hardonize#13にご出演頂き、個人的にも別のパーティーでご一緒した経験のあるDJイオさんがお亡くなりになりました。

以前書いたM3-2022秋特集では彼の(言いたくないけど)遺作となってしまったSampling Roadについてレビューさせて頂いたし、
もっと言えば特別連載:ハードテクノとは何か? – 第7回:ハードグルーヴ編に於いてハードグルーヴの原型となったサウンドに日本でいち早く取り組んでいた存在としてLBTの存在を挙げたりと、予てよりその存在を一方的に追いかけておりました。
LBTのヴァイナルとかちょいちょい持ってるんですよ。

と思っていたらDJイオさんがWebメディアピコピコカルチャージャパン内にて連載していたDJイオの「ワープハウスバカ一代」に僕の名前が挙がっていたり、先の特別連載:ハードテクノとは何か? – 第7回:ハードグルーヴ編に対する感想を寄せて頂いたりと先輩格であるDJイオさんからちゃんと認識されていて嬉しかったです。
好みの近いジャンル、下世話なサンプリングセンスから広がっていく活動をもっと拝見していたかったので、此度の出来事については残念でなりません。

Hardonize一同、ご冥福をお祈り致します。
僕はしばらくぶりにサッポロビールでも買ってこようと思います。

【今回のお題】

さて、先週よりレジデントが過去Hardonizeが行われてきた15年の中からそれぞれオススメの10曲を選出して紹介するHardonizeクルーが選ぶ2008-2023オールタイム・ベスト10選を掲載しており、最後にワタクシTAK666が担当致します。
これまでの掲載はコチラ。

Hardonizeクルーが選ぶ2008-2023オールタイム・ベスト10選 【774muzik編】

Hardonizeクルーが選ぶ2008-2023オールタイム・ベスト10選 【774muzik編】
Hardonizeクルーが選ぶ2008-2023オールタイム・ベスト10選 【Sango編】

Hardonizeクルーが選ぶ2008-2023オールタイム・ベスト10選 【Sango編】
Hardonizeクルーが選ぶ2008-2023オールタイム・ベスト10選 【yuduki編】

Hardonizeクルーが選ぶ2008-2023オールタイム・ベスト10選 【yuduki編】

同じハードテクノといえど、やはり各々の趣向がしっかり出ていますね。
・・・はい、年末の特集の時と全く同じことを今書きました。

でもそれぞれ着目点が違うんだなということが分かる内容で並べてみると面白いなと思います。
というか774muzikさんZedd / Shave It選んでいるのがメチャメチャ意外過ぎる。
そういう人でしたっけ?

ちなみに一昨日のyudukiボスの回で15年振り返りをやっておりましたが、
関連して15年前、つまり2008年の近しい音楽シーンがどういった状況だったのかについては5年前、つまり10周年記念回を行う際に自分が3回に渡って書いたものがございます。
これも今読み返すと懐かしい。
ご興味のある方は是非ご参考までに。

2018/01/11 – 【Hardonize10周年特集】10年前のハードテクノ
2018/01/25 – 【Hardonize10周年特集】10年前の日本のハードテクノ
2018/02/08 – 【Hardonize10周年特集】10年前の同人テクノ

前置きもそこそこに早速お送りします、

Hardonizeクルーが選ぶ
2008-2023オールタイム・ベスト10選
【TAK666編】

いってみましょう。

【Hardonizeクルーが選ぶ2008-2023オールタイム・ベスト10選 – TAK666編】

Yousuke Kaga / Setsuna [2008/02/01]

Spotify – Setsuna – song and lyrics by Yousuke Kaga

日本のプロデューサーYousuke Kagaによるテクノ
小気味良いハイハットとグルーヴィーなベースライン、そして儚げなフレーズのシンセと三役揃ってます。
テンポはそこまで速くないものの、疾走感とエモ感が絶妙な塩梅で同居しているトラック。

Yousuke Kagaさんとは早稲田茶箱を通して知り合った仲で、2008年当時のテクノシーンといえばハードさやエモさとは距離を置いたミニマルなスタイルが主流だった中、
こんなに身近なところにハイクオリティ且つ好みにブッ刺さる曲を作る、しかも歳もそう離れていない人がいたのかというのも衝撃でした。

当連載に於いて僕は度々この曲について取り上げているのですが、一生好きな曲だと断言できます。
Hardonizeの立ち上げと1ヶ月も変わらない時期にリリースされたという点もあって今回真っ先に紹介したいと思ったトラック。

ちなみにこれと同一カテゴリーにあって同じくらい好きな曲の中にryoh mitomi / haru-kazeがあります。
あっちは2005年のリリースなので残念ながら今回のテーマからは外れてしまいますけども。

Aitor Ronda / Chicas de la Vida [2014/04/28]

Chicas de la Vida (Original Mix) by Aitor Ronda on Beatport

スペインのプロデューサーAitor Rondaによるハードグルーヴ
ブラスやアナログな質感のピアノのサウンドがふんだんに散りばめられたスウィングジャズ・ミーツ・ハードグルーヴといった塩梅の曲。
ハードグルーヴに於いてソウルディスコといった要素の流入は決して珍しいものではないのですが、ここまで生っぽく、そしてエネルギッシュなサウンドに仕上がっているトラックはリリースから9年経った今も比肩するものが見当たらないレベルです。

これだけSangoさんのオールタイム・ベストと被ってしまいましたね。
けど個人的に受けたインパクトの大きさから考えたらやっぱり外せなかった。
実際今でもSangoさんと取り合いになることが多い曲の1つです。

Andy BSK / Balkan Groove [2014/09/14]

Stream Balkan Groove FREE DOWNLOAD!!! by Andy BSK | Listen online for free on SoundCloud

ドイツのプロデューサーAndy BSKによるハードグルーヴ
タイトル通り、バルカン音楽+ハードグルーヴの交配を試みた異色作。
脱力感すら漂ってくるメインフレーズのホーン、曲全体を通して延々と裏打ちで鳴らされるベースホーン、サイドを添えるブラスと西洋音楽に慣れ親しんだ耳で聴くとそのどれもがカッコ良くない。
しかし裏を返すとそれだけ破壊的なインパクトがあります。
当ジャンルに於いては旗手となっているアーティストが手掛けただけにリズムはガッチリと作り込んでおり、そのギャップがまた面白さを誘うトラック。

自分の中では先のAitor Ronda / Chicas de la Vidaと合わせて二大奇作ハードグルーヴという位置付けをしています。
この2曲の影響は今でも自分の中に色濃く残ってますね。
っていうかどっちも2014年リリースだったのかこいつら。

Special Request / Make It Real [2017/10/13]

Make It Real | Special Request

イギリスのプロデューサーSpecial Requestによるテクノ
現行のテクノマナーに沿った重厚なボトムを擁する傍ら、アーメンブレイク、ボイスサンプル、ピアノなど、いなたい雰囲気を纏ったオールドスクールレイヴのパーツとの共存を図っている曲。
とりわけベースの深度が凄まじく、中盤では完全な非4つ打ちにシフトするクロスオーバー好きには堪らない仕掛けがあります。
煌びやかさはないものの、魂の籠った1音1音を感じることができるトラック。

同時期にエレクトロシーンから彗星の如く現れたRaitoや、ハードスタイルシーンから転生したT78、そしてジャングルディープベースと並行して活動していたこのSpecial Requestたちによって、
それぞれがそれぞれの手法でレイヴサウンドを取り入れたテクノの開拓に精を出しており、
実際この少し後から現在に至るまでにそういったスタイルの曲が増えたことを考えると、1つの道標を示したアーティストと言えるのではないかと思います。
古めかしいサウンドと新しいテクノロジーを交配した前衛的なトラックは当時かなりワクワクしながら追いかけていた記憶があります。

Yves Deruyter / Calling Earth (UMEK Remix) [2020/10/09]

Calling Earth (UMEK Remix) by Yves Deruyter on Beatport

スロベニアの大御所プロデューサーUMEKによるテクノ
原曲トランスの大クラシックとあってそれだけでも充分過ぎるのですが、この強度のリズムはちょっと類を見ないレベルで凄いと思いました。
勿論これよりアグレッシヴで派手なリズムの曲というのはいくらでも見つかるのですが、あくまでメインストリームテクノのスタンスを保ちつつ、それでいて硬いと感じさせてくるバランスがとにかく絶妙。
この延々聴いていたくなる感覚こそテクノの最大のポテンシャルであり、改めてテクノの良さを認識させてくれた1曲です。

これに関しては好き過ぎてヴァイナルまで持ってます。
コレクターズアイテム的に購入したので1度しか針を落としてません。
盤面がマーブルカラーで綺麗ですよ。

Junichi Watanabe / ベッセマー型転換炉 (Screaming Fist IIV 2009 Remaster) [2010/01/15]

コンビナートデ鳴ラスベキ音楽 by Junichi Watanabe on Apple Music

日本のプロデューサーJunichi Watanabeによるインダストリアル
収録されているアルバムタイトルがコンビナートデ鳴ラスベキ音楽というのも強烈で、そのタイトル通り強烈に歪み、無機質で硬く、冷たいインダストリアルばかり収録されているというのも特筆すべき点の1つです。
また、一般的とされるテクノの枠から大きくはみ出た非4つ打ちのリズムやダウンビートのテンポを取り入れた曲が多く収録されており、作風のバリエーションが豊富だったというのもあって個人的には何度も聴き返したくなるアルバムとなってます。

中でもこの曲は一貫してインダストリアルマナーを維持したサウンドで構成されている傍ら、ブレイクの前後でリズムやウワモノに変化を加えて曲としての展開をしっかり作っているという点で、同じ音が延々と反復する当ジャンルに於いてかなり目立つ特色があると言えます。
こんなに聴きやすいインダストリアルは他に例が思いつきません。

一聴してマニアックなサウンドであることは分かるのですが、日本にもこうした音に心血を注いでいるアーティスト、作品があったことに当時かなり刺激を受けました。
ちなみにJunichi Watanabeさんがよく楽曲提供していたAsianDynastyというレーベルは当時ハードテクノのリリースがあった貴重な国産レーベルの1つで、そちらも相当にお世話になりました。
今でも大好きなKei Kohara / Bloom After Broken Life (Midsummer Mix)がリリースされたのもこのAsianDynastyです。

Greg Notill, Golpe / Blower [2012/07/24]

Blower (Original Mix) by Greg Notill, Golpe on Beatport

フランスのプロデューサーGreg NotillとチェコのプロデューサーGolpeによるシュランツ
元よりテクノの枠から大きく外れた速いテンポを特徴の1つとしていたシュランツですが、この頃になると数値で言ったら160オーバー、いよいよハードコアめいてきた領域に足を踏み入れていた時代です。
またそれと並行して他ジャンルの要素を取り入れるという試みが行われていた時代でもあり、ドラムンベースにシフトするAlex TB / Despertar De Um Amanhecerや、ダブステップにシフトするBuchecha / Smashなどがリリースされました。

そのような状況下で世に出てきた曲の中でハチャメチャ度でいったら一等賞だったなと思うのがこちら。
まずアーメンブレイクが入っている、更にガバキックっぽい音も入っている。
これらは各小節の節目にコラージュ的に細かく差し込まれており、メインのリズムと相まってとにかく情報量が多いのなんの。
現代のMIX手法の1つとして細かく曲を差し込んでいくのが広く確立されていることを考えると、より今の方が映えそうな気さえしてきます。

— / Grey Area 01 #3 [2015/12/04]

Grey Area 01 #3 (Original Mix) by Grey Area 01 on Beatport

ドイツのレーベルHoroとアメリカのレーベルAuxiliaryの共同プロジェクトとしてリリースされた新興音楽グレイエリア
この音楽については以前特集記事を組んでいるので簡単に説明すると、4拍子のドラムンベースのパーツを鳴らしながらその速度を3/4倍した3拍子のテクノのパーツを重ね、どちらのリズムとも取れる(=白黒つかない灰色の領域)音楽の総称になります。

自分はこれまで色々なジャンル同士を交配させたプレイを披露してきましたが、ご存知のようにダンスミュージックというのは大抵4拍子と決まっているのでこの考え方自体目から鱗でした。
実際当時ディープダブステップにハマっていたこともあり、この辺りのジャンル遷移のやり方の幅が広がったように思えます。
何より変ミュージック好きなので、こういった作り手のアイディアが光るシーンには大きな魅力を感じるのです。

で、この曲はグレイエリアに於いてはインパクト強めのリフが鳴っており、3拍子ビートと4拍子ビートのバランスも絶妙で本当にどちらにも聴こえるのが素敵ポイント。
この音楽を認識した最初期に聴いたこともあって余計に印象に残っているフシもあります。

ところで先のグレイエリア特集記事、未だに色んな人からちょいちょい見られているようでつい先日もとあるパーティーに遊びに行った際、『あの音楽最近知ったんですけどヤバいっすね!』と話しかけられました。
こういうレスポンスが直接貰えると連載を続けていた甲斐があったなと嬉しくなりますね。

Ling Ling / t5080s [2021/01/29]

Ling Ling – t5080s by freetaxler | Free Listening on SoundCloud

オーストラリアのプロデューサーLing Lingによるハードアシッド
リリースは2021年と大分新しめになります。
その上でHardonizeクルーが選ぶ2021年のハードテクノ10選にも選出しています。

ピアノとギターをメインに、ブレイクパートに差し掛かるとホーンの音まで入ってくるアーバン全開の音使い。
普通に考えたらこの爽やかな組み合わせにアシッドシンセなんて入るわけないんですけど、普通じゃないんですよこの曲。
実際聴いてみると意外と悪くない組み合わせ・・・どころか個人的にはメチャクチャ良いと思ってしまいました。
良くも悪くもアングラ感があり、ひたすらアシッドシンセの細かな変化に耳を傾けるのがこういった音楽の醍醐味だと思っていたので、
こんなに夕暮れの海沿いを車で流しながら聴きたくなるようなハードアシッドが出てきたのは青天の霹靂という他ないです。
ホント、初めて聴きましたこんな曲。

Rawtek, Psycho Boys Club / Come Closer [2022/06/24]

Come Closer (Original Mix) by Rawtek, Psycho Boys Club on Beatport

アメリカのプロデューサーRawtekと、デンマーク出身のStoltenhoffとアメリカ出身のJuyen SebulbaによるプロデューサーユニットPsycho Boys Clubによるディスコ
こちらのリリースは2022年、去年です。
はい、Hardonizeクルーが選ぶ2022年のハードテクノ10選にも入ってます。
本来直近の曲がここに入るべきではないと思うのですが、この曲に関しては一生好きになれるかもしれないと思っていますので、最後に紹介します。

フィルターのかかったカッティングギターによるメインフレーズ、アンニュイな男性ボーカルと細かくエディットされたボイスサンプルやシンセなど、とにかくウワモノが豪勢。
その重なりを感じながら流れ込む1番ブレイクからの1番リズムパートはガラージっぽいハイハットの打ち方とハウスのグルーヴを合わせ持ったテンション高めのディスコといった感じでここだけでもまぁ素敵な仕上がり。
で、2番ブレイクを挟んで繰り出される2番リズムパートは何の脈絡もなくハードミニマルビートが鳴り響くという、強烈な二面性を見せてきます。
ウワモノはそのままディスコをキープし続けているため、このハードミニマルビートとは水と油なみに混ざり合ってないのがまた面白く、やっぱりこんな曲未だに聴いたことないと思わせてくれたトラックでした。

本作がリリースされているBarong FamilyというレーベルはEDMベースライン辺りに強い印象がありますが、
決してそれらだけに留まらず、常にジャンルの垣根を越えて新しい音楽を生み出そうとするマインドが強いレーベルだと認識しているので、新しい音楽と出会いたい方は是非チェックをお願いします。
2021年のリリースだとRawtek, Sihk / Gabber! At The Discoもまずタイトルでやられましたし、曲を聴いて笑った以上にバッチリくらいました。

【まとめ】

以上、Hardonizeクルーが選ぶ2008-2023オールタイム・ベスト10選 【TAK666編】をお送りしました。
選出基準としてはまぁやっぱり変なウワモノの曲選びがちではあるものの、それまで聴いたことのなかったもの、その後の選曲やDIGに大きく影響したものが主なポイントとなっています。
yudukiボスも書いてましたが、やっぱり15曲くらいあっても良かったですね。
テックトランスとかブレイクス方面でも取り上げたい曲があったのですが、その辺をゴソッと除外してしまいました。

と、ここまで書いて勝手におかわり回があっても良いのでは?と思い始めました。
こういうのは後々見返すと面白かったりしますし、次回までにどうするか考えておきます。
勿論、通常のサブジャンルピックアップ回もこれまで通り行っていきますので15年目のHardonizeを引き続きよろしくお願い申し上げます。

そんなわけで今回はここまで。

皆様01月21日のHardonize #43 15th Anniversary Specialでお会いしましょう。

次週01月24日は774Muzikさんが担当します。
では。

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Hardonizeクルーが選ぶ2022年のハードテクノ10選 【TAK666編】

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

【告知1】

予てよりお伝えしておりますように、年明けに開催を予定しております次回のHardonizeは15周年超豪華回となります。


2023/1/21(sat) Hardonize #43 15th Anniversary Special | Hardonize web

ビッグフェスにも引っ張りだこのBUDDHAHOUSEさん、Seimeiさん、DJ Shimamuraさんというハイパー腕利きゲスト3組を迎え、フライヤーデザインも担当して頂いたアニバーサリーにはお馴染みのcodaさんもVJに加え、
サウンド、ビジュアル共に死角なしのラインナップ、且つ15年変わらず信頼を置いている良質な音響環境でハードテクノの魅力を存分にお伝えします。

日付は来年2023年の01月21日。
会場はいつもの早稲田茶箱でお待ちしております。

尚、入場規制時はPASSMARKETで予約を行って頂いた方を優先とします。
まだ予約がお済みでない方は以下のフォームよりご申請頂けますと安心してご入場頂けます。
是非ご利用ください。

Hardonize #43 15th Anniversary Special in東京 – パスマーケット

【告知2】

Hardonizeの開催地として日頃お世話になっている早稲田茶箱が、今年もカウントダウンパーティーを行います。
ありがたいことに例年に引き続き出演です。
yudukiボスも一緒です。


茶箱2023New Year Countdown Party – TwiPla

リンク先を見ると分かりますが1人だけフザけたアー写を送ってしまい、非常に肩身が狭いです。
古くからこのハコに縁のある先輩方から中堅、若手までバラエティに富んだ出演陣がどうやって年を越すのか、新年を迎えるのか、はたまたそれらは叶わないのか、とても楽しみです。
ちなみに何かメシ作って持って行くかもしれません。

皆さんで茶箱の20周年をお祝いしましょう。
そして年が明けた瞬間に東京麺珍亭本舗に行くのです。

【今回のお題】

さて、先週よりレジデントが今年のハードテクノというテーマに絞り、それぞれオススメの10曲を選出して紹介するHardonizeクルーが選ぶ2022年のハードテクノ10選を掲載しており、最後にワタクシTAK666が担当致します。
これまでの掲載はコチラ。

Hardonizeクルーが選ぶ2022年のハードテクノ10選 【774muzik編】

Hardonizeクルーが選ぶ2022年のハードテクノ10選 【774muzik編】
Hardonizeクルーが選ぶ2022年のハードテクノ10選 【Sango編】

Hardonizeクルーが選ぶ2022年のハードテクノ10選 【Sango編】
Hardonizeクルーが選ぶ2022年のハードテクノ10選 【yuduki編】

Hardonizeクルーが選ぶ2022年のハードテクノ10選 【yuduki編】

同じハードテクノといえど、やはり各々の趣向がしっかり出ていますね。
ちなみに今のところ曲被りは2曲だけ。
去年はもうちょいあったような気がしたのですが、今年はリリースも多かったので結果的にバラけたということでしょうか。
だとしたらとても喜ばしいことです。
尚、そのうち1曲は僕も選出しております。勿論、アレです。

前置きもそこそこに早速お送りします、

Hardonizeクルーが選ぶ
2022年のハードテクノ10選
【TAK666編】

いってみましょう。

【曲紹介】

Miami House Party / Midnight Pizza

Midnight Pizza (Extended Mix) by Miami House Party on Beatport

イギリスのプロデューサーMiami House Partyによるディスコ
今年09月に公開したディスコ特集でも取り上げました。
強烈なディスコフレーズと厚みのあるベースラインによるド派手且つファンキーなトラック。
リリース元がハードハウスの総本山として名高いTidy Traxのサブレーベル、Untidyであることも相まってかなり個人的にインパクトがありました。

Homma Honganji / TV Detectives Club

TV Detectives Club (Original Mix) by Homma Honganji on Beatport

我らが日本のプロデューサーHomma Honganjiによるハードグルーヴ
端的に言うと、ありえないトラック。
昭和末期のバラエティ番組テレビ探偵団のオープニングをまるっとサンプリングしたトラック。
なにその発想!?
リリース元はOmega DriveMr. Rogといったハードグルーヴシーンのベテランアーティストが中心となって今年設立されたレーベル、Not Answer For This
何でそんなシーンの最前線に立つ海外レーベルに提供しようと思ったの!?
何よりネタ元のファンク感を活かすようなパーカッションリズム、ボトムの作り込みは間違いなくハードグルーヴを牽引するトップクリエイターのそれ。
スキルの無駄遣い過ぎない!?

総じてツッコミどころが多過ぎるリリースでした。
文句なしの選出です。

尚、この曲は今回の2022年のハードテクノ10選に於いて774muzikさん、及びSangoさんも取り上げており、Hardonizeレジデントの4人中3人が選出したことになります。
こんなに満場一致の評価を得た曲は相当稀で、15年前の初回のHardonizeにてJoey Beltram / The Start It Upが3回かかったエピソードに比肩するのではないでしょうか。
言い換えると、レジデントがこぞって支持した15年越しのトラックがこれという・・・これでいいのかHardonize!そしてHomma Honganji!!いや、彼はこのままでいい!!!

Alt8 / Cairo At Night

Cairo At Night (Original Mix) by Alt8 on Beatport

アイルランドのプロデューサーAlt8によるハードミニマル
異様に疾走感のあるリズムの上にアラブ感のある笛の音が乗ったスーパー変ミュージック。
メインフレーズといい、変な刻みのリフといい、笑わせにきてるとしか思えない。
今年リリースされたハードミニマルの中でブッちぎりにフザけた曲だと思う。
大好き。

Mr. Flick / Digital Funk

Digital Funk (Original Mix) by Mr. Flick on Beatport

アメリカのプロデューサーMr. Flickによるハードミニマル
ローファイな裏打ちベースと随所に差し込まれたフーバーがハードハウスを彷彿とさせる一方、リズムの強度は紛れもなくハードミニマルというハイブリッドさが特徴。
ストイックかと言われたらそうでもなく、フザけている印象もない、地味とも派手とも言えない絶妙なバランス、かといってこれがメインストリームかと問われたら絶対違うと言えるトラック。
ベースラインと相性良さそうな感じもしますね。

Laura May / Diosa Del Fuego

Diosa Del Fuego (Extended Mix) by Laura May on Beatport

イギリスのプロデューサーLaura Mayによるテックトランス
今年09月に公開したテックトランス特集でも取り上げました。
重厚感漂うリズムに残響を伴った隙間のあるシンセが妖しさを醸しているハードなスタイル。
しかし何といっても1番の特徴は生っぽいトライバルリズムが時折差し込まれること。
特にそれが前面に現れたブレイクのパートはかなり呪術的な雰囲気が漂っており、サイバネティックなサウンドとオリエンタルなドラムが同居しているのが個人的にツボでした。
今年結構使った気がします。

Riotbot / Industrial Sunrise

Industrial Sunrise (Original Mix) by Riotbot on Beatport

フィンランドのプロデューサーRiotbotによるインダストリアル
前回公開したインダストリアル特集でも取り上げました。
もっと言うとRiotbotの曲は昨年のハードテクノ10選でも取り上げておりますが、いやはや今年も凄かったなという印象です。

・速いテンポ
・歪んだ硬いキック
・高密度のリズム
・非4つ打ち
・エモーショナルなシンセ群
これが1曲に詰まった濃密なインダストリアル

Andy Naylor / Live Together (Andy Naylor Rework)

Live Together (Andy Naylor Rework) by Andy Naylor on Beatport

イギリスのプロデューサーAndy Naylorによるファンキーハードハウス
今年03月に公開したハードハウス特集でも取り上げました。
リフ、リズム共に跳ね系のサウンドが用いられたストレートなハードハウスですが、ブレイク以降に展開されるレトロなディスコ風味のリフが聴いてて楽しい。
ファンキーでアップリフティングなのに、ほんの少しだけ物憂げという辺りも好みのポイントです。

Rawtek, Psycho Boys Club / Come Closer

Come Closer (Original Mix) by Rawtek, Psycho Boys Club on Beatport

アメリカのプロデューサーRawtekと、デンマーク出身のStoltenhoffとアメリカ出身のJuyen SebulbaによるプロデューサーユニットPsycho Boys Clubによるディスコ
今年09月に公開したディスコ特集でも取り上げました。
フィルターのかかったカッティングギターによるメインフレーズ、アンニュイな男性ボーカルと細かくエディットされたボイスサンプルやシンセなど、とにかくウワモノが豪勢。
ただ、前半のリズムがハウスらしいグルーヴ重視のものである一方、後半のリズムがハードミニマルばりの強度を誇っており、この対比がとにかく強烈です。
ジャンルの垣根を越えて新しい音楽を生み出そうとするBarong Familyスピリットここにありという感じでめちゃくちゃ好きなトラック。

Beat Jugglers Feat. Mc Evenson Allen / Vibezin (Sterling Moss Pure Vibes Extended Vinyl Remix)

Vibezin (Sterling Moss Pure Vibes Extended Vinyl Remix) | Beat Jugglers Feat. Mc Evenson Allen | Flatlife Records

イギリスのプロデューサーSterling Mossによるハードアシッド
レイヴマインドむき出しのM1ピアノ、オーセンティックなブレイクビーツ、ラガMC、ダブサイレンなど様々なサウンドを内包した上でアグレッシヴなアシッドシンセが跳梁跋扈するバリアレックなスタイル。
当連載でちょいちょいレゲエハードアシッドが融合したスタイルを取り上げておりましたが、この曲は更にその1歩先を行った印象です。
一般的なハードテクノと同じテンポ帯なのも個人的にはありがたいですね。

ちなみに原曲もめちゃくちゃ良い。
Beat Jugglersはイギリスの5人組バンドで、その内訳は1DJ、2ピアノ、1サックス、1ヴォーカルという異色の構成。
このVibezinも収録されている昨年リリースされたアルバム、Beat Jugglers Are Out Outテクノトランスハードコアドラムンベースレゲエなどが混然一体となったトラックが多く、レイヴのポジティブなバイブスに満ち溢れています。
大推薦。

Modea / Shine

Shine (Original Mix) by Modea on Beatport

アイルランドのプロデューサーModeaによるテクノ
今年08月に公開した泣ける/哀愁漂うメロディーのテクノ特集でも取り上げました。
芯のあるテクノのボトムにうっすらと重ねられたブレイクビーツのリズム、トランスを彷彿とさせるサウンドのリフが拍を強調したEDMの打ち方で鳴らされているなど、これもあらゆるジャンルの面影が見える曲です。
このように複雑なコンテクストを持ちながらも曲の雰囲気がエモーショナル寄りであるあたり、最近の曲だなぁと感じましたね。

【まとめ】

以上、Hardonizeクルーが選ぶ2022年のハードテクノ10選 【TAK666編】をお送りしました。
やっぱり変なウワモノの曲選びがち、というのはそれとして、今年は去年以上に様々なジャンルとクロスオーバーする曲が出てきたなという印象を受けました。
それこそ最後に取り上げたModea / ShineなんかはテクノからEDMに対してアプローチをかけているようにも聴こえましたし、
少なからず対立構造のように扱われていた両ジャンルが接近していることを示しているかのようでした。
長らく大きな動きのなかったテクノに於ける新しいスタイル、ひいてはサブジャンル誕生の芽吹きになるかもしれないと思うと個人的にはとてもワクワクしますし、来年以降もこうした変ミュージックを愛で、プレイしていこうと思います。

そんなわけで今回はここまで。

そして2022年のHardonize Blogの更新は本日が最後となります。
次回は年明け01月10日に774Muzikさんが担当。
そして01月21日はHardonize #43 15th Anniversary Specialをよろしくお願い致します。

良いお年をお迎えください。
では。

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