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【特集】Hardonize#39 プレイリストピックアップ:今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2021/10/14

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

【今日のビックリ楽曲】

きゃりーぱみゅぱみゅ / どどんぱ

きゃりーぱみゅぱみゅ – どどんぱ , KYARY PAMYU PAMYU – DODONPA(LYRIC VIDEO) – YouTube

きゃりーぱみゅぱみゅの新曲がまさかのテクノ、それもハード寄り。
めっちゃビックリしたのでリリースされたら多分即買う。
(2021年10月27日発売だそうです。)

【Hardonize #39 無事終了】

先週はHardonize #39でした。
お越し頂いた方々、お聴き頂いた方々、本当にありがとうございました。

世間的な状況は相変わらず芳しくなかったものの、何とか有観客で開催できて本当に良かったです。
ご来場頂いた方々の中には久し振りに見る顔も多くてお互い元気で良かったといった気持ちにもなりました。

内容はまぁゲスト2名のスキルの高さが目立った回でした。
haraさんはハードテクノに重心を置きつつもベースミュージックブレイクスまで手を広げたプレイで、選曲のセンスが爆発していました。
曲を繋ぐ際のテクニックが無数にあり、それユエ全く性質の異なる曲同士でも違和感なく展開していく辺りにDJの醍醐味を見た感じです。
色々参考になりました。

12月に1人6アワーズをやるそうで大変楽しみです。
多分行きます。

一方、凄過ぎて全く参考にならないなと思ったのが本間本願寺さんのプレイでした。
CDとヴァイナルによる4deckプレイ。
常に複数曲が同時再生されているにも関わらずテンポ、展開、音圧のズレがほぼ無くてワケが分からなかったです。
縦フェーダーが4本とも上がった瞬間は会場が騒然としてました。

現行のハードグルーヴをDJとトラック、両面で支えている貴重なプレイヤーです。
今月末に行われる同人音楽即売会、M3に於いても何らかの新譜がリリースされるそうなので徒党を組んで足を運びましょう。

そんなこの日の模様は期間限定ではありますが、茶箱のTwitchアカウントから再視聴することができます。
未見の方は是非。

音楽喫茶茶箱 – Twitch

【Hardonize #39 トラックリスト】

さて、自分は久し振りのトップバッターを仰せつかりました。
ド頭なので変化球無しのメインストリームテクノ~ハードテクノ~ハードミニマルという硬い感じ。
尺も結構長めに使うことでパーティーの胎動を演出したかったとかそんな感じです。

全容はこちら。

No Artist Trackname Link
01 Audio State Ghost In The Shell beatport
02 Reinier Zonneveld Eye Is Key beatport
03 Jurgen Degener Why beatport
04 Wehbba Basic Pleasure beatport
05 EDGE AREA One Night In Germany Spotify
06 Nimatekk I’m Gonna Diss You (Dennis Bauer Remix) beatport
07 DreiToenig Pressure beatport
08 Ezekiel Beyond Morality beatport
09 Ad Nauseam & Jack Wax Dissonant Realms beatport
10 Rangel Coelho Surprise beatport
11 Carl Shorts Let’s R@ve beatport
12 Are:gone Koi No Yokan beatport
13 DSTM Another Control beatport
14 Illiya Korniyenko Exit Strategy beatport
15 Recycle Bot Russian Storm beatport
16 Mr. Dello 4th Dimension beatport
17 Schizoofr3nik Tribal beatport

例によって数曲かいつまんでご紹介します。

【曲紹介】

03 / Jurgen Degener / Why

Why (Original Mix) by Jurgen Degener on Beatport

イタリアのプロデューサーJurgen Degenerによるテクノ
新世代テクノシーンを担う重要パーソンでありながらこのいぶし銀なトラックはかなり痺れます。
肉厚なキックとズモーキーなエフェクトや怪しげなボイスサンプルの絡みがめちゃめちゃ不穏。
雰囲気を変えたい時に持っておくとかなり重宝するタイプです。

06 / Nimatekk / I’m Gonna Diss You (Dennis Bauer Remix)

I’m Gonna Diss You (Dennis Bauer Remix) by Nimatekk on Beatport

ドイツのプロデューサーDennis Bauerによるテクノ
こちらも新世代筆頭格であり、キックの質感もバリカタ重め。
その上で盛大に鳴り響くアナスタシアシンセが否応なくオールドスクールレイヴを想起させる構成となっております。
いくつになってもこういうのから離れられない。

08 / Ezekiel / Beyond Morality

Beyond Morality (Original Mix) by Ezekiel (DE) on Beatport

ドイツのプロデューサーEzekielによるハードテクノ
歪み度高めのキックにアシッドシンセを沿えて。
丁度テクノハードテクノの中間くらいのテンションなので、
ここからハードテクノに足を踏み入れるというタイミングで使いました。

12 / Are:gone / Koi No Yokan

Koi No Yokan (Original Mix) by Are:gone on Beatport

キューバのプロデューサーAre:goneによるハードテクノ
先月の新作ハードミニマル紹介でも取り上げた曲名とサンプリングが謎なトラック。
不穏民謡インダストリアル
唯一無二のインパクト。

15 / Recycle Bot / Russian Storm

Russian Storm (Original Mix) by Recycle Bot on Beatport

ロシアのプロデューサーRecycle Botによるハードミニマル
サブキックを含めると4つ打ちに聴こえないリズムが良い感じのアクセントになっています。
深いボトムや無機質な2拍ループリフが特徴的な攻め攻め鋼鉄トラック。

17 / Schizoofr3nik / Tribal

Tribal (Original Mix) by Schizoofr3nik on Beatport

スペインのプロデューサーSchizoofr3nikによるハードトライバル
ここ最近のハードトライバル1等賞。
以前Sangoさんも取り上げていた曲ですが、ブレイク以降の金物連打がアグレッシヴ過ぎ。
推進力のあるベースの感じも相まって今年外せない曲がまた1つ出てきたなという印象を受けたので、ラスに持ってきました。

他にもこれをリリースしているレーベル、Energy Hard Espanaはどちらかというとハードダンスをメインとして活動しており、
これを手掛けたSchizoofr3nikも取り立ててハードテクノのアーティストではないという点もまた衝撃的でした。
現行のトレンドとか諸々含めて突然変異という言葉がしっくり来る作品。

まとめ

以上、Hardonize #39プレイリストをお送りしました。
最近テクノに於いて注視していたのがこういったシンプル硬い系の楽曲多めだったので、丁度良いタイミングでプレイとして放出することができて楽しかったです。
変テコネタモノも当然好きなのですが、真面目に現行のテクノと向き合うのもそれはそれで大事だと思っているので、また機会があれば披露させてください。

そんなわけで今回はここまで。

次週10月19日は今回のパーティーにかつてないレベルで酷いオチを付けた男こと774Muzikさんが担当します。
では。

【過去掲載記事一覧】
【2021年】

09月 / 新作ハードミニマル (2020年09月版) / 新作テックトランス (2020年09月版) / 新作シンセの特徴的なテクノ (2020年09月版)
08月 / 新作レイヴ系テクノ (2020年08月版) / 新作サイケデリックトランス (2021年08月版)
07月 / 新作4つ打ちドラムンベース (2020年07月版) / 新作速いハウス (2020年07月版)
06月 / 新作ハードグルーヴ (2020年06月版) / 【特集】Hardonize#38 プレイリストピックアップ
05月 / 新作ハードハウス (2020年05月版) / 新作シュランツ (2020年05月版)
04月 / 新作ベースライン (2020年04月版) / 新作ハードアシッド (2020年04月版) / 【特集】『M3-2021春』同人テクノ
03月 / 【特集】Hardonize#37.5 プレイリストピックアップ / 新作テックダンス / テックトランス (2021年03月版)
02月 / 【特集】フリーダウンロード2020 (後編) / 【特集】曲名に『チョコレート』が入ったトラック
01月 / 【特集】フリーダウンロード2020 (前編)

【2020年】

12月 / 新作ハードハウス (2020年12月版) / 【特集】Hardonizeクルーが選ぶ2020年のハードテクノ10選 【TAK666編】
11月 / 新作シュランツ (2020年11月版) / 【特集】Hardonize#37 プレイリストピックアップ
10月 / 新作ハードグルーヴ (2020年10月版) / 【特集】前回の早稲田音泉で紹介した曲 / 【特集】『M3-2020秋』同人テクノ
09月 / 新作速いテクノ (2020年09月版) / 【特集】公募用DJMIXの組み方
08月 / 新作ハードアシッド (2020年08月版) / 新作サイケデリックトランス (2020年08月版)
07月 / 【特集】DIG自慢:RECOfan渋谷BEAM店閉店セール / 新作ディスコ (2020年07月版)
06月 / 【特集】ゲームミュージックに於けるテクノ / 【特集】Hardonize#36 プレイリストピックアップ
05月 / 新作インダストリアルテクノ (2020年05月版) / 新作ディープ系ベースミュージック (2020年05月版)
04月 / 新作テックダンス / テックトランス (2020年04月版) / 新作レイヴスタイルテクノ (2020年04月版) / 新作ハードハウス (2020年04月版)
03月 / 【特集】Hardonize#35 プレイリストピックアップ / 【特集】『M3-2020春』同人テクノ
02月 / 新作ハードアシッド (2020年02月版) / 新作ハードグルーヴ (2020年02月版)
01月 / 【特集】フリーダウンロード2019 (前編) / 【特集】フリーダウンロード2019 (後編)

【2019年】

12月 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】番外第3回:ディスコ編
11月 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】番外第2回:ハードダンス編 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第9回:テックダンス編
10月 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】番外第1回:メロディアスハードテクノ編 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第8回:インダストリアル編 / 【特集】『M3-2019秋』同人テクノ
09月 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第7回:ハードグルーヴ編 / 【特集】Hardonize#34 プレイリストピックアップ
08月 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第5回:ハードハウス編 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第6回:シュランツ編
07月 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第3回:ハードアシッド編 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第4回:ハードトライバル編
06月 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第1回:黎明期編 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第2回:ハードミニマル編
05月 / 【特集】『M3-2019春』同人テクノ / 【特集】直近のパーティーピックアップ / 【特集】Hardonize#33 プレイリストピックアップ
04月 / Almir Ljusa / PHNTM
03月 / Keith Flint (The Prodigy) / Audeka
02月 / Benji303 / 【特集】Hardonize#32 プレイリストピックアップ
01月 / 【特集】フリーダウンロード / Knuckleheadz

【2018年】

12月 / 【特集】DIG自慢:ジャニス閉店セール
11月 / 【特集】Hardonize#31 プレイリストピックアップ / 【特集】『M3-2018秋』同人テクノ / Special Request
10月 / Atix / Eric Sneo
09月 / Len Faki / 【特集】新譜紹介
08月 / Paul Cronin / ASC
07月 / Goncalo M / Alan Fitzpatrick
06月 / 【特集】ブートレグ、フリーダウンロード / 【特集】Incident
05月 / Riotbot / 【特集】『M3-2018春』同人テクノ / 【特集】四文屋難民メンバー紹介
04月 / Rebeld Records / Rob J.
03月 / Filterheadz / 【特集】Bandcamp限定リリース
02月 / 【Hardonize10周年特集】10年前の同人テクノ / 【特集】Hardonize#29 プレイリストピックアップ
01月 / 【Hardonize10周年特集】10年前のハードテクノ / 【Hardonize10周年特集】10年前の日本のハードテクノ

【2017年】

12月 / 【特集】Hardonize#26、Hardonize#27、Hardonize#28 プレイリストピックアップ
11月 / 【特集】『M3-2017秋』同人テクノ / 【特集】Hardonize#28 ゲストDJプレイバック / Sterling Moss
10月 / Norman Andretti a.k.a. Quarill / 【特集】グレイエリア
09月 / Bad Boy Bill / 【特集】ブートレグ、フリーダウンロード
08月 / CAVE / OmanticRecords
07月 / Digital Mafia / Steel Grooves
06月 / X-Dream / Dismantle / Christian Fischer
05月 / 【特集】『M3-2017春』同人テクノ / Chester Beatty
04月 / 【特集】曲名に『春』とか『桜』とか入ったトラック / Andy BSK
03月 / Myler / D.A.V.E. The Drummer
02月 / Jamie Taylor aka Tik Tok / Pasquale Maassen
01月 / 【特集】同人音楽+テクノ / Butch

【2016年】

12月 / Kwadratt / 【クリスマス2016特集】ブートレグ、フリーダウンロード
11月 / Reset! / Dark By Design
10月 / 【特集】Hardonize#25 プレイリストピックアップ / Bryan Cox
09月 / Kanji Kinetic / Technikal / Vinylgroover aka Scott Atrill
08月 / Ganez The Terrible / DJ Reversive
07月 / Raul Mezcolanza / David Moleon


新作シンセの特徴的なテクノ特集 (2021年09月版):今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2021/10/01

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

【近況報告】

これを執筆している最中に自宅で大規模水漏れが発生。
またもや更新が遅れました。
最近こんなの続きで大変申し訳ございません。


人が1人増えると家具も増えるってことで現在玄関とスケジュールがてんやわんやです。
買ったからには誰かが組み立てなければならない・・・そう、誰かが・・・。

【告知】

次回Hardonize、もう来週に迫っております。
インフォメーションはこちら。

2021/10/09(sat) Hardonize #39 at sabaco music&cafe
■Date2021/10/09(Sat) 14:00-20:00

■DOOR/ADV

DOOR: 2,000yen (with 1drink ticket)

ゲストにharaさんと、本間本願寺さんという異色の組み合わせを迎え、時代世代を超えたハードテクノの多様性を演出します。
健康に気を付けつつ、6時間遊んでもらえると嬉しいです。

尚、今回も入場に当たって事前エントリーが必須となっております。
参加をお考えの方は以下のURLから申請をお願い致します。
(お支払いは当日会場で行います。)

Hardonize #39 in東京 – パスマーケット

【今回のお題】

さて、昨年から自分の回はハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていく形式となっておりました。

ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。

ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。

で、今回のテーマを述べる前にひとつ大きなトピックがございます。
本連載でも度々名前が挙げられており、Hardonizeクルー全員が好きなドイツのアーティスト、且つ今回のHardonizeゲストの本間本願寺さんもリミキサーとして携わったことのあるAndy BSKが09月10日にフルアルバムをリリースしております。

Trance Techno Sensation from Transfiguration Recordings on Beatport

Spotifyでも配信中です。

これがとにかく良い。
ハードテクノトランス双方に跨って活動しているAndy BSKの持ち味が全曲に渡って存分に発揮されております。
大きな特徴としてシンセサウンドを前面に押し出しており、フレーズを主体にしたドラマティックなトラックもあれば反復リフに主軸を置いたオールドスクールなテイストのテクノもあり、はたまた推進力のあるリズムと絡めたハードグルーヴまでバッチリ網羅している幅の広さはどこを取っても楽しめるし、様々な発見と可能性を見出すことができます。
ハードテクノビギナーからベテランまで全員にオススメしたい一作。
未聴の方はこの機会に是非。

本作が好き過ぎてこの中からオススメの1曲を取り上げるのは相当難しいのですが、7曲目のHypernovaをサンプルとして以下に貼り付けておきます。

Andy Bsk / Hypernova

Hypernova (Original Mix) by Andy Bsk on Beatport

ラフでローファイなビートにストリングスと8分刻みの儚げなシンセが乗ったハードテクノ
90年代の雰囲気を現行のサウンドに落とし込んだ感じとか、前述のテクノトランスのエッセンスが共存している印象を強く受けます。
パーティーの胎動を担う序盤、綺麗に落とす終盤、どちらでも機能しそうなナイストラック。

といったところで今回のテーマですが、曲調がこういったものに近い

シンセの特徴的なテクノ

とします。

特別連載で取り上げたものの中では番外編1回目メロディアスハードテクノに近いものになります。
サブジャンルとして確立しているわけではないのでテクノハードミニマルからハードグルーヴまで特に縛りなく取り上げていきます。
尚、一昨日のyudukiボスの特集とも若干被っております。こんな筈では・・・。
とはいえ曲被りは避けておりますので、上記の記事も合わせてご覧ください。
(その分変な曲にもスポットを当てております。ご愛敬。)

ちなみにアシッドものレイヴサウンドものについては今回の特集の対象外とします。
この辺はちゃんと別の機会でゴソっと紹介していきたいので、何卒。

早速ですが最近にリリースされたシンセの特徴的な新作テクノ特集いってみましょう。

【曲紹介】

Rangel Coelho / Surprise

Surprise (Original Mix) by Rangel Coelho on Beatport

ブラジルのプロデューサーRangel Coelhoによるハードテクノ
yudukiボスは同EP収録のReliefを推しておりましたが、こっちも良い。
(っていうかこのEP全部良い。)

こちらもラフなビートを起用。
その上に散りばめられたレトロなシンセが旧来のテクノを彷彿とさせます。
リフのパターンがどことなくmijk van dijk / Gamer’s Nightの中盤のフレーズっぽいですね。

A Thousand Details / Lethargic Oblongata

Lethargic Oblongata (Original Mix) by A Thousand Details on Beatport

ポルトガルのプロデューサーA Thousand Detailsによるハードミニマル
ワンフレーズのシンセがパラメータを変えつつ延々と鳴ってる系。
ドラムパターンにもほぼ変化が見られない徹底したオールドスクールっぷり。

Razor R (feat. Robert Lenders) / Cafe Tech (Rework)

Cafe Tech (Rework) (feat. Robert Lenders) (Original Mix) by Razor R, Robert Lenders on Beatport

スペインのプロデューサーRazor Rによるハードテクノ
スペーシーなシンセと並走する土着感のあるボーカルが面白いトラック。
ビートの硬度を活かしてハードテクノに合わせたり、ウワネタを活かしてトライバルテクノをぶつけたり、色々遊べそうなのでお気に入り。

Lee Ann Roberts / Feel (MRD Remix)

Feel (MRD Remix) by Lee Ann Roberts on Beatport

ノルウェーのプロデューサーMRDによるハードグルーヴ
疾走感重視のシャキシャキハイハットに刻み系シンセリフというアップリフティングなコンビネーション。
この手のトラックにしてはブレイクが少なく後半はずっとビートが鳴っているため、ロングミックスでじわじわ繋ぐのに適しています。

ちなみにこのMRDはしばしば変わり種ハードテクノを手掛けては自身のSoundcloudで公開しているので、個人的に要チェックアーティストです。
こちらも合わせて紹介したい1曲。

LeKnightClub / Hysteria (MRD Remix)

LeKnightClub – Hysteria (MRD Remix) | MRD

原曲はこちら。
Le Knight Clubとは今や解散してしまったけどDaft Punkの片割れ、ギ・マニュエルの別名義です。
フィルターの加わったカッティングギターが開放感たっぷりなディスコテックハードグルーヴ
フリーダウンロードなので是非。

David Moleon / This is Music rework

This is music rework (Original Mix) by David Moleon on Beatport

スペインのプロデューサーDavid Moleonによるハードグルーヴ
このジャンルのトップを走るアーティストの1人ですが、それを象徴するようなドライブ感のあるリズムに浮遊感のあるシンセ群が襲い掛かるピークタイムチューン。
後半のブレイク周りの展開は当ジャンルの中に於いてかなりドラマティック度高いです。

ちなみに同EPに収録されているドイツのプロデューサーInvexisによるリミックスも大変良い。

David Moleon / This is Music rework (Invexis Remix)

This is Music rework (Invexis Remix) by David Moleon on Beatport

こちらは原曲と違ってほぼリズムパートのみ。
その代わりにシンセが入れ替わり立ち替わり鳴らされている昔ながらのアレンジとなっております。
ハードテクノに接近していた頃のTechnasiaに近いものを感じますね。

J. Mono / trek12

trek12 (Original Mix) by J. Mono on Beatport

ハンガリーのプロデューサーJ. Monoによるテクノ
ハード路線ではないものの、BPM150に迫る高速テンポと物憂げなパッド及びシンセフレーズが特徴的なトラック。
ベースの質感とかはジャーマンテクノに近いですし、古めの曲と合わせても面白そうですね。

Animebro / 夏の雨

Animebro-夏の雨 | SkyWorks

謎のプロデューサーAnimebroによるテクノ
元のリリースはこちらに当たると思われますが、何故か今月に入ってからAnimeという別タイトルで全く同じリリースが行われておりました。
レーベルも違うし、経緯が謎。

そもそもアーティスト名を訳すとアニメ兄貴って時点で相当インパクト高いのですが、曲もある意味期待通りのアニメサンプリングもの。
アンニュイなシンセにシンプルなビートとキャラクターボイスという危ないやつ。
このフレーズも元ネタに因んでいたりするのでしょうか。
有識者の方の解析が待たれます。

ちなみにこのAnimebroSkyWorksというレーベルから他にも似たような系統の曲を出しております。
中でもインパクト高かったのがこれ。

Animebro / Rina and the holes

Animebro-Rina and the holes | SkyWorks

キャラクターボイス・ミーツ・ハードアシッド
明らかに異色の取り合わせですし、やっぱりこれも元ネタが分かりませんが変なことをやってるのだけは伝わってきます。
0.5ドルと激安なので、飛び道具として是非。

まとめ

以上、シンセの特徴的なテクノにスポットを当ててお送りしました。
テクノというとやはり無機質でリズム主体というイメージが付き物ですが、このようにウワモノの表現が豊かな曲というのも確かに存在しています。
上手く使うことでプレイの幅が広がりますし、何より目立つ音やフレーズがあると聴きやすいと思うので、メインストリーム系と同様に押さえておきたい部類の1つです。

そんなわけで今回はここまで。
来週末、Hardonize #39にて皆様にお会いできることを楽しみにしております。

次週10月05日は774Muzikさんが担当します。
では。

【過去掲載記事一覧】
【2021年】

09月 / 新作ハードミニマル (2020年09月版) / 新作テックトランス (2020年09月版)
08月 / 新作レイヴ系テクノ (2020年08月版) / 新作サイケデリックトランス (2021年08月版)
07月 / 新作4つ打ちドラムンベース (2020年07月版) / 新作速いハウス (2020年07月版)
06月 / 新作ハードグルーヴ (2020年06月版) / 【特集】Hardonize#38 プレイリストピックアップ
05月 / 新作ハードハウス (2020年05月版) / 新作シュランツ (2020年05月版)
04月 / 新作ベースライン (2020年04月版) / 新作ハードアシッド (2020年04月版) / 【特集】『M3-2021春』同人テクノ
03月 / 【特集】Hardonize#37.5 プレイリストピックアップ / 新作テックダンス / テックトランス (2021年03月版)
02月 / 【特集】フリーダウンロード2020 (後編) / 【特集】曲名に『チョコレート』が入ったトラック
01月 / 【特集】フリーダウンロード2020 (前編)

【2020年】

12月 / 新作ハードハウス (2020年12月版) / 【特集】Hardonizeクルーが選ぶ2020年のハードテクノ10選 【TAK666編】
11月 / 新作シュランツ (2020年11月版) / 【特集】Hardonize#37 プレイリストピックアップ
10月 / 新作ハードグルーヴ (2020年10月版) / 【特集】前回の早稲田音泉で紹介した曲 / 【特集】『M3-2020秋』同人テクノ
09月 / 新作速いテクノ (2020年09月版) / 【特集】公募用DJMIXの組み方
08月 / 新作ハードアシッド (2020年08月版) / 新作サイケデリックトランス (2020年08月版)
07月 / 【特集】DIG自慢:RECOfan渋谷BEAM店閉店セール / 新作ディスコ (2020年07月版)
06月 / 【特集】ゲームミュージックに於けるテクノ / 【特集】Hardonize#36 プレイリストピックアップ
05月 / 新作インダストリアルテクノ (2020年05月版) / 新作ディープ系ベースミュージック (2020年05月版)
04月 / 新作テックダンス / テックトランス (2020年04月版) / 新作レイヴスタイルテクノ (2020年04月版) / 新作ハードハウス (2020年04月版)
03月 / 【特集】Hardonize#35 プレイリストピックアップ / 【特集】『M3-2020春』同人テクノ
02月 / 新作ハードアシッド (2020年02月版) / 新作ハードグルーヴ (2020年02月版)
01月 / 【特集】フリーダウンロード2019 (前編) / 【特集】フリーダウンロード2019 (後編)

【2019年】

12月 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】番外第3回:ディスコ編
11月 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】番外第2回:ハードダンス編 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第9回:テックダンス編
10月 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】番外第1回:メロディアスハードテクノ編 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第8回:インダストリアル編 / 【特集】『M3-2019秋』同人テクノ
09月 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第7回:ハードグルーヴ編 / 【特集】Hardonize#34 プレイリストピックアップ
08月 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第5回:ハードハウス編 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第6回:シュランツ編
07月 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第3回:ハードアシッド編 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第4回:ハードトライバル編
06月 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第1回:黎明期編 / 【特別連載:ハードテクノとは何か?】第2回:ハードミニマル編
05月 / 【特集】『M3-2019春』同人テクノ / 【特集】直近のパーティーピックアップ / 【特集】Hardonize#33 プレイリストピックアップ
04月 / Almir Ljusa / PHNTM
03月 / Keith Flint (The Prodigy) / Audeka
02月 / Benji303 / 【特集】Hardonize#32 プレイリストピックアップ
01月 / 【特集】フリーダウンロード / Knuckleheadz

【2018年】

12月 / 【特集】DIG自慢:ジャニス閉店セール
11月 / 【特集】Hardonize#31 プレイリストピックアップ / 【特集】『M3-2018秋』同人テクノ / Special Request
10月 / Atix / Eric Sneo
09月 / Len Faki / 【特集】新譜紹介
08月 / Paul Cronin / ASC
07月 / Goncalo M / Alan Fitzpatrick
06月 / 【特集】ブートレグ、フリーダウンロード / 【特集】Incident
05月 / Riotbot / 【特集】『M3-2018春』同人テクノ / 【特集】四文屋難民メンバー紹介
04月 / Rebeld Records / Rob J.
03月 / Filterheadz / 【特集】Bandcamp限定リリース
02月 / 【Hardonize10周年特集】10年前の同人テクノ / 【特集】Hardonize#29 プレイリストピックアップ
01月 / 【Hardonize10周年特集】10年前のハードテクノ / 【Hardonize10周年特集】10年前の日本のハードテクノ

【2017年】

12月 / 【特集】Hardonize#26、Hardonize#27、Hardonize#28 プレイリストピックアップ
11月 / 【特集】『M3-2017秋』同人テクノ / 【特集】Hardonize#28 ゲストDJプレイバック / Sterling Moss
10月 / Norman Andretti a.k.a. Quarill / 【特集】グレイエリア
09月 / Bad Boy Bill / 【特集】ブートレグ、フリーダウンロード
08月 / CAVE / OmanticRecords
07月 / Digital Mafia / Steel Grooves
06月 / X-Dream / Dismantle / Christian Fischer
05月 / 【特集】『M3-2017春』同人テクノ / Chester Beatty
04月 / 【特集】曲名に『春』とか『桜』とか入ったトラック / Andy BSK
03月 / Myler / D.A.V.E. The Drummer
02月 / Jamie Taylor aka Tik Tok / Pasquale Maassen
01月 / 【特集】同人音楽+テクノ / Butch

【2016年】

12月 / Kwadratt / 【クリスマス2016特集】ブートレグ、フリーダウンロード
11月 / Reset! / Dark By Design
10月 / 【特集】Hardonize#25 プレイリストピックアップ / Bryan Cox
09月 / Kanji Kinetic / Technikal / Vinylgroover aka Scott Atrill
08月 / Ganez The Terrible / DJ Reversive
07月 / Raul Mezcolanza / David Moleon