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【特集】Hardonize#38 プレイリストピックアップ:今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2021/06/24

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

【告知】

先週行われたHardonizeにゲストとしてご出演頂きましたBishamonさんのパーティー、MANTLE Vol.3へ出演させて頂くことになりました。


以前Hardonizeへご出演頂いたDieさんや、秋葉原重工Techno Allianceを通して親交のあるハードウェアでテクノを演奏するYebisu303さんなどが出演します。
テクノハードコアの架け橋となる数少ないパーティーですので是非お越しください。

【Hardonize #38 無事終了】

というわけでお越し頂いた方々、お聴き頂いた方々、本当にありがとうございました。

ハーフナンバリングを経て何とか開催できてたのは嬉しかったです。
楽しみにしていた方には本当にお待たせしましたという思いです。
その分ゲスト両名のインパクトもあり、出足からハードミニマル全開でそこから一向にテンションが下がることなく最後までいったことで濃密な回をお届けできたのではないでしょうか。

そのゲスト2名のプレイを軽く振り返ると、Bishamonさんはここ数年彼が通っている山奥のレイヴ感を現場に落とし込んだ感じを受けました。
序盤はエレクトロニカダウンテンポから入って無機質なハーフステップドラムンベースからグレイエリアを経てリズム硬めのインダストリアルに推移していく玄人好みの内容。
元来ハードコア出身とあってレイヴサウンド多めだったのも個人的には楽しいポイントでした。

それを引き継いでブースに立ったASINさんはやはり徹頭徹尾シュランツ。期待通り。
時間経過と共にどんどんテンポも上がっていき、最終的にBPM190まで到達したのは過去最速だったのではないでしょうか。
延々と暴風雨のようなリズムが鳴り響く中にも多様なサウンドコラージュだったり、他ジャンルのサンプリングが用いられたりするので独特な高揚感のようなものを味わいました。

同じハードサウンドを持ち味とするプレイヤーであり、且つ出自も似ている者同士でありながらここまで別種のプレイを披露して貰えたのは眼福でした。
彼らのプレイに興味を持った方は是非彼らの出演するパーティーに足を運んでみてください。

また、期間限定ではありますが茶箱のTwitchアカウントでもこの日のプレイを再視聴することができます。
こちらも合わせて是非。
Twitch

【Hardonize #38 トラックリスト】

さて、自分はそんなゲスト2名を経てトリを任される流れでした。
前述の通り自分がブースに立った瞬間のBPMは190でして、ここからどう美しく、しかもハードテクノに寄せた上で〆るかという試練を課せられていたように感じます。

全容はこちら。
ハードコア~ドラムンベース~速いテクノ~ハードグルーヴ~メロディアスハードテクノ

No Artist Trackname Link
01 Art Of Fighters The scream of Eva (Neon Genesis Evangelion tribute) Beatport
02 THE MAD CAPSULE MARKETS GAGA LIFE. Spotify
03 LAURYN HELL ASUKA ATTACK YouTube
04 Kokushimusou Boss SoundCloud
05 Rave Our Souls Ravers Revenge (DJ K Remix) Beatport
06 Rockwell INeedU Beatport
07 Mefjus & Camo & Krooked Sidewinder Beatport
08 Danny Byrd (feat. Ownglow) Just a Step Away Beatport
09 Fracture Big up the Ladies Beatport
10 OSHIRIJIMA Booty Razor Bandcamp
11 Hyroglifics Turbo Island Beatport
12 Orbital Chime (Amps Juke-Out Remix) 試聴なし
13 HyperJuice Crashed in Icy 試聴なし
14 Tomaz vs. Filterheadz Sunshine (Lucas Deyong Rework) SoundCloud
15 Metrakit Berlin Beatport
16 Csokolom Amari Szi Amari (Andy BSK Remix) SoundCloud
17 Monika Kruse Latin Lovers (Eric Sneo Forward Mix) Beatport
18 DJ Brutec Funky Hipster (Homma Honganji Remix) Beatport
19 B D Y 08 (B02) YouTube
20 Yousuke Kaga Nova Spotify
21 Salbany Behavior Beatport
22 SHIN NISHIMURA RAID YouTube
23 FILTERHEADZ ENDLESS SUMMER YouTube

例によって数曲かいつまんでご紹介します。

【曲紹介】

01 / Art Of Fighters / The scream of Eva (Neon Genesis Evangelion tribute)

The scream of Eva (Neon Genesis Evangelion tribute) by Art Of Fighters on Beatport

イタリアのレジェンドプロデューサーArt Of Fightersによるハードコア
これがリリースされたのは2016年とちょっと前に当たるのですが、いやプロがこれやっちゃ駄目だろシリーズのトップクラスに位置する作品。
タイトル通りエヴァンゲリオンシリーズの劇中曲、Decisive Battleが元ネタ。
元曲のオーケストラパートとArt Of Fightersが20年間ハードコアシーンで磨き上げてきたスクリーチシンセの絡みが見事としか形容できない1曲。

ほんの2~3ヶ月前に大いに話題になったこととしてエヴァンゲリオン完結というトピックがあり、且つBPM190で拾うにはこれしかないと思って投入。
言うまでもないですが、Hardonizeで生粋のハードコアかけたのはこれが最初です。
10年以上パーティーを続けていると予期しないことが起こるもんですね。

06 / Rockwell / INeedU

INeedU (Original Mix) by Rockwell on Beatport

イギリスのプロデューサーRockwellによるドラムンベース
2014年リリースになりますが、この頃のRockwell自由奔放且つ無敵さを象徴する曲の1つ。
ファンク、R&B直系のブラスと肌理の細かいシンセ群が4つ打ちのリズムの上で跳ねる異形のドラムンベース

他に同時期にリリースされたものとしてDetroit1_2_3_4などが挙げられますが、中でもこのINeedUも収録されているアルバム、Obsolete Medium既存のドラムンベースの固定概念を大きく覆す独自性が強く、それでいて楽しい曲のオンパレードなので強烈にオススメです。

09 / Fracture / Big up the Ladies

Big up the Ladies (Original Mix) by Fracture on Beatport

イギリスのプロデューサーFractureによるベースライン
シンプルな4つ打ちにバウンシーなベースラインとレトロなシンセが印象的。
決して煌びやかではないものの、オールドスクールレイヴの土臭い格好良さが現れている曲。

14 / Tomaz vs. Filterheadz / Sunshine (Lucas Deyong Rework)

Stream Tomaz vs. Filterheadz – Sunshine (Lucas Deyong Rework) [FREE DOWNLOAD] by Lucas Deyong Official | Listen online for free on SoundCloud

ポーランドのプロデューサーLucas Deyongによるテックトランス
今年入ってから使うの3回目のような気がします。
往年のテクノアンセムのフレーズを大胆に用いつつ、アレンジの結果重厚さを得たリズムは一般的なテックトランスとは大幅に異なります。
インパクト強いわ、使いやすいわでついつい手が伸びてしまう曲。

18 / DJ Brutec / Funky Hipster (Homma Honganji Remix)

Funky Hipster (Homma Honganji Remix) by DJ Brutec on Beatport

ご存知、日本から世界に誇るハードグルーヴプロデューサー、Homma Honganjiさんの最新作。
前回の新作ハードグルーヴ紹介でも取り上げた、最近の大推薦曲。
肉厚なリズム、生音感強めのメインリフの陽気さ、時折差し込まれるブラスの存在感など、ハードグルーヴ的に100点の内容。

21 / Salbany / Behavior

Behavior (Original mix) by Salbany on Beatport

ポルトガルのプロデューサーSalbanyによるハードミニマル
全体的に丸みを帯びた出音の中で残響の効いたメインリフが仄かに哀愁漂う、どこか懐かしい印象を覚える曲。
これも今年のリリースの中ではかなり記憶に残るものなので、使う機会が回ってきて良かったと思った次第。

23 / FILTERHEADZ / ENDLESS SUMMER

Filterheadz – Endless Summer (Original Mix) – YouTube

ベルギーのプロデューサーFilterheadzによるテクノ
〆に夏っぽい曲をと思って辿り着いたのがこれでした。
今ではメインストリームテクノの第一線で活躍しているFilterheadzですが、一時期プログレッシヴ寄りのサウンドに傾倒した時期があり、その中の1作。
パッドの上にエモーショナルなフレーズが解放感たっぷり。
ヴァイナルでしかリリースされていないのが勿体ないですね。

まとめ

以上、Hardonize #38プレイリストをお送りしました。
アフタートークでも言った通り、かなり手探り感の強い選曲になっておりますが、そこそこスムーズにハードテクノに戻れた時は現場にいたTakayuki Kamiyaさんに『やった!僕やったよ!』と報告してしまうぐらいの達成感がありました。
それこそ普段の回だったら絶対かけないような曲も使えたのは良い経験になりましたし、やっぱりこういう無理難題シチュエーション好きなんだなと改めて実感しました。
今後も風変わりな選曲を披露していきたい所存です。

そんなわけで今回はここまで。

次週06月29日は774Muzikさんが担当します。
では。

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新作ハードグルーヴ特集 (2021年06月版):今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2021/05/13

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

【告知】

来週06月19日はHardonize #38を開催します。
事前登録が必須となっておりますので、ご来場をお考えの方はパスマーケットより申請をお願い致します。
(料金は当日現地でのお支払いです。)

2021/06/19(sat) Hardonize #38 at sabaco music&cafe

■Date
2021/06/19(Sat) 14:00-20:00

■DOOR/ADV
DOOR: 2,000yen (with 1drink ticket)

■Guest DJ
ASIN (TTYMF)
Bishamon (MANTLE)

非常事態宣言延長下での開催となりますので、当日はアルコール飲料の販売はありません。
その分硬くて熱いハードテクノを各々取り揃えて臨みますので、夏の初めに是非お越しください。

あと先週より公開されたHardonizeのDiscord用サーバーも是非ご参加ください。
招待用リンクはこちら。

Hardonize discord server

自分も当日に向けた選曲中のアレコレを投下していく予定です。

【今回のお題】

さて、昨年から自分の回はハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていく形式となっておりました。

ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。

ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。

今回取り上げるサブジャンルは

ハードグルーヴ

です。

特別連載に於いては7回目に取り上げたパーカッションリズムと前のめりなグルーヴを擁したファンキーなハードテクノです。

2020年中は02月、そして10月にピックアップして以来となりますが、当連載に於いては頻繁に各々取り上げておりますね。
もちろん個人的にも好みの音楽ですので、改めてここ1~2ヶ月にリリースされた曲について紹介していきます。

早速ですが新作ハードグルーヴ紹介いってみましょう。

【曲紹介】

Mario Ochoa / Blaster Master

Blaster Master (Original Mix) by Mario Ochoa on Beatport

コロンビアのプロデューサーMario Ochoaによるテクノ
テクノの割にハイハットの主張が激しく、裏打ちに近いベースやオルガンライクなリフが現行主流のテクノとは異なり、かなり陽気な印象を受けます。
早回しして使っても良さそうですし、これを起点にハードグルーヴへの橋渡しもできそうな便利系トラック。

Mr. Rog / Parking Area Morning (Anna Sonic Remix)

Parking Area Morning (Anna Sonic Remix) by Mr. Rog on Beatport

イギリスのプロデューサーAnna Sonicによるハードグルーヴ
まだリリース数も多くないキャリアでありながらブッといベースと何層にも積み上げられたパーカッションリズムがそれを感じさせない仕上がり。
質実剛健なトラック。

Metrakit / Trifulca

Trifulca (Original Mix) by Metrakit on Beatport

スペインのプロデューサーMetrakitによるハードグルーヴ
こちらもリズムの層が厚い厚い。
展開が長めなのでウワモノに何か重ねたりしても面白いかもしれません。
このトライバルビートは774Muzikさんまっしぐら系。

ちなみにこのMetrakitというアーティストはテクノハードテクノからグライムスカウスハウスまで幅広く手掛けております。
ご興味のある方は是非彼のSoundcloudアカウントをフォローしてみてください。

F.Tek / Lock’s

Lock’s (Original mix) by F.Tek on Beatport

ポルトガルのプロデューサーF.Tekによるハードグルーヴ
こちらは前2曲に増して極太なボトムとパーカッションを従えた疾走感増し増しなトラック。
裏打ちのリフも相まってグイグイ引っ張ってくれる感じが堪らないです。

あとF.Tekといえば先週のSangoさんも紹介していたこっちもヤバかったですね。

F.Tek / Apache Tribe

Apache Tribe (Original Mix) by F.Tek on Beatport

Wikipediaに曲単体のページがあるくらいの名曲The Shadows / Apacheネタハードグルーヴ
インパクト満点なサンプリングと前のめりなグルーヴ、100点です。

Narciss Feat. Ikki Mel / Blicke

Blicke Feat. Ikki Mel (Original Mix) by Narciss, Ikki Mel on Beatport

ドイツのプロデューサーNarcissによるハードグルーヴ
トランスのエッセンスを加えたハードテクノを得意としているアーティストであり、リフやボーカルの処理にその片鱗が伺えます。
一方でここまでドライブ感のあるリズムの曲は珍しく、抒情的なハードグルーヴという印象です。
これを起点にメロディックなトラックへ橋渡ししたい感じ。

David Moleon / Lethal Mechanism

Lethal Mechanism (Original Mix) by David Moleon on Beatport

スペインのプロデューサーDavid Moleonによるハードグルーヴ
ハードグルーヴシーン黎明期からの重要参考人であるDavid Moleon、その存在感は未だ衰え知らずです。
うねるベースライン、2拍裏で差し込まれるカッティングギター、フィルターがかったリフの質感など、僕の大好きなファンクネスの塊。
こういうのが欲しくてハードグルーヴ掘っているところはあるので、かなり嬉しいリリースでした。

Andy Bsk / Bodyrock

Bodyrock (Original Mix) by Andy Bsk on Beatport

ドイツのプロデューサーAndy Bskによるハードグルーヴ
今回紹介する中に於いてアイディア一等賞は彼なんじゃないかと思います。
というか最近のAndy Bskはキレッキレのトラック多いですね。

こちらはやや重たいボトムにパーカッションとリリース長めのシンセというかなり異色の取り合わせ。
にもかかわらず、スペーシーなハードグルーヴとして成立していると感じさせるかなり不思議な曲。
使いどころによって印象が変わりそうなのがワクワクします。

もう1つAndy Bskのリリースをご紹介。

Andy Bsk / Dark Room Rituals

Dark Room Rituals (Original Mix) by Andy Bsk on Beatport

こちらはリズムの圧よりシンセのコード感に重きを置いたメロディアスなハードグルーヴといった塩梅。
ファンキーなだけがこの音楽の取り柄ではないというのを体現しています。
終盤で使うと良い感じに終われそうですよね。

その一方でさっき見つけてしまったので載せざるを得なくなった彼の曲がこちら。

Csokolom / Amari Szi Amari (Andy BSK Remix)

Csokolom – Amari Szi Amari (Andy BSK Remix) FREE DOWNLOAD!!! by Andy BSK | Free Listening on SoundCloud

入りこそ重厚なハードグルーヴという印象を受けますが、ブレイクに差し掛かると強烈に脱力するジプシーミュージックがお出まし。
そのウワモノをそのまま引き継いでリズムが再度並走するという、馬鹿丸出しのブートレグ。
一応元ネタは2020年に公開された続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画という偽ドキュメンタリーの挿入歌でして、まぁ見てましたけど何故これを題材に選んだ?
Andy Bskは2014年にも同じようなテイストのBalkan Grooveという曲を公開していましたが、あのスピリットを今もしっかり持ち続けていたんだなと思うと変ミュージック好きとしては嬉しいことこの上ない出来事でした。

ブートレグということでフリーダウンロードなので是非皆様もホイ!

DJ Brutec / Funky Hipster (Homma Honganji Remix)

Funky Hipster (Homma Honganji Remix) by DJ Brutec on Beatport

最後にご紹介するのはご存知、日本が世界に誇る本音楽の立役者Homma Honganjiさんによるハードグルーヴ
この曲のリリースが06月15日なので現時点ではまだ発売されていないのですが、まぁ目ん玉飛び出るかと思いました。

原曲であるDJ Brutec / Funky Hipsterは昨年末に執筆したHardonizeクルーが選ぶ2020年のハードテクノ10選に於いて選出したくらい、そのファンク一直線ぷりがドツボだったトラックだったのですが、
年を跨いでそのリミキシーズが発売、しかも内1曲がHomma Honganjiさんの作品ってことで大興奮です。
プレビューを一聴して分かる通り、彼の持ち味である肉厚なベースラインが存分に発揮されつつ、全体に滲むディスコリフが垂涎もの。
早くもHardonizeクルーが選ぶ2021年のハードテクノ10選に片足入ってます。

Sangoさん頼む、この曲の発売直後である来週の担当回でもう1回紹介してくれ。

まとめ

以上、ハードグルーヴにスポットを当ててお送りしました。
ハードトライバル直系のリズム重視のものもあればディスコ、ラテンのサウンドを取り入れた陽気なテイストのものまでそれぞれに印象的なリリースがあったなと思った期間でした。
中でもやはりAndy Bskの振れ幅には驚かされたところはあるので、こういったちょっと変わったリリースの面白さも引き続き取り上げていきます。

そんなこんなで冒頭にも述べた通り、こんな音楽ばっかりかかる来週のHardonizeをよろしくお願いします。
是非現地でお会いしましょう。

今回はここまで。

次週06月15日は774Muzikさんが担当します。
では。

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