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Hardonizeクルーが選ぶ2020年のハードテクノ10選 【TAK666編】

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。

メリークリスマス!・・・はどうでもいいとして、まずお知らせ。
次回Hardonize #38の日程が解禁となりました。

2021/02/20(sat) Hardonize #38

■Date

2021/02/20(Sat) 15:00-21:00

■DOOR/ADV

DOOR: 2,000yen (with 1drink ticket)

2021年02月20日。
場所はいつもの早稲田茶箱にて開催。
ゲストにつきましては当サイトで追々発表となりますのでお見逃しの無いようお願い致します。

さて、今年最後の更新ということでHardonizeクルーが選ぶ2020年のハードテクノ10選という特別連載が先週より始まっております。
各々の内容についてはこちら。

これらをご覧頂くと今年のハードテクノの傾向が分かったり、或いはただレジデントの趣向が詳らかになったりします。
後者かな。

ちなみに1曲だけ被りがありました。
774muzikさんとyudukiさんが取り上げていたこれです。
これが被るのもHardonizeらしいと言えばらしい。
ちなみに通常の連載に於いても2人共それぞれ別の回で取り上げていたことが分かりました。
お前ら仲良いな。

Hadone, Inhalt der Nacht / You Want Some More

You Want Some More (Original Mix) by Hadone, Inhalt der Nacht on Beatport

ついでにアーティスト単位ではAlmir Ljusaの曲を774muzikさんとSangoさん、yudukiさんの3人が選出、
ネタバレになりますがHomma Honganjiさんの曲もSangoさんとyudukiさん、そして今回ワタクシが取り上げておりますのでこちらも3人選出となっております。
ハードグルーヴ大好き集団、Hardonizeでございます。

そんなワケでワタクシも書きました今回の特別連載。
尚、ルール上は2019年以前の曲もアリとなっておりますが、今年の通常連載に於いては新曲にスポットを当てて紹介してきたこともあるので、2020年にリリースされた曲から選出致します。
早速いってみましょう。

Hardonizeクルーが選ぶ2020年のハードテクノ10選 【TAK666編】

DJ Brutec / Funky Hipster

Funky Hipster (Original Mix) by DJ Brutec on Beatport

スペインのプロデューサーDJ Brutecによるハードグルーヴ
グルーヴィーなベースラインと時折差し込まれるブラスのサンプリングがファンク一直線といった塩梅。
これぞハードグルーヴと言わんばかりのインパクトを持ったトラックです。

Homma Honganji / Minori

Minori | Homma Honganji

日本のプロデューサーHomma Honganjiさんによるハードグルーヴ
ちなみに漢字表記だと御法と書くらしいですが、これで『みのり』と読むことを今知りました。
御法度とも言うべき大ネタGreen Olives / Jive Into The Nightサンプリングもの。
2020年にこれを持ってこられるとは思ってもいず、その上で厚みのあるパーカッションを従えた構成は見事と言わざるを得ません。

Lee S., Benji303 / Fuck The Tories! (Sterling Moss & Mark EG Fuck The 303 Remix)

Fuck The Tories! (Sterling Moss & Mark EG Fuck The 303 Remix) by Lee S., Benji303 on Beatport

イギリスのDJ/クリエイター同士、Sterling MossMark EGによるハードアシッド
構図としてはハードアシッドシーンの若手~中堅を担う2人が手掛けた原曲を大ベテランの2人がリミックスした形であり、世代を超えた記念碑的な意味を持つトラックだったりします。
キレのあるディストーションアシッドシンセが複数並走するアグレッシヴなトラック。

Not a Headliner / A Death of a Thousand Cuts

A Death of a Thousand Cuts (Original Mix) by Not a Headliner on Beatport

スペインのプロデューサーNot a Headlinerによるハードテクノ
非4つ打ちテクノの中では今年1番印象に残った曲。
歪み気味のキックをはじめとするリズムループにスモーキーなシンセと粗いボイスサンプルの三重奏は無機質でアングラ的。
こういう曲もまたテクノの面白さの1つだと感じます。
ところで、ジャケットの唐突な『茨城』の文字なんなの・・・?

Wanton, CANCEL / Replicate

Replicate (Original Mix) by Wanton, CANCEL on Beatport

ベルギーのDJ/クリエイター同士、WantonCANCELによるハードテクノ
歪みベース大賞。
徹頭徹尾無慈悲なリズムの応酬で構成されており、中盤以降はレイヴシンセもイン。
硬くて冷たい中に遊び心も見える狂気のハードテクノ。

Paul Denton / Mosquito

Mosquito (Original Mix) by Paul Denton on Beatport

アイルランドのプロデューサーPaul Dentonによるテックトランス
振り返ると今年は比較的テックトランスに目を向けた年だったなと思えるので、その切欠となった曲を改めてご紹介。
ちゃんと長いブレイクがあったり、出音のバランスの整い方に目を向けるとトランスの要素は間違いなく持っているのに、煌びやかな音は一切なし、メインのリフは往年のハードミニマルを彷彿とさせるワンショットのみという斜め上の潔さが感じられます。
ある種の固定概念がブッ壊された感があって印象に残りました。

Raito / Dark Orb

Dark Orb (Original Mix) by Raito on Beatport

フランスのプロデューサーRaitoによるテックトランス
トランスの構成にテクノのリズムを起用しているという点に於いては一般的なテックトランスと共通していると言えますが、そのリズムが完全にテクノに振り切っているという点で異質さが際立つトラック。
浮遊感のあるシンセと硬いビートという相反した要素が不快感や違和感なく並走しており、新世代クリエイターのアイディアとテクニックが遺憾なく発揮されてます。
ちなみに一昨日公開されたYudukiさんの選ぶ10曲で取り上げられていたMoon Tearも同じEPの収録作品です。

Boris S. / Psychedelic Drug

Psychedelic Drug (Original Mix) by Boris S. on Beatport

ドイツのプロデューサーBoris S.によるシュランツ
サイケデリックトランスとシュランツのコラボレーションという、これまでになかったアプローチの曲。
これを手掛けたのがハードテクノ~シュランツシーンの大ベテランであるという点もまた衝撃が大きかった一作。

Hayz, Ben Vennard / Quiet

Quiet (Original Mix) by Hayz, Ben Vennard on Beatport

イギリスのDJ/クリエイター同士、HayzBen Vennardによるハードハウス
アシッドなベースとレトロなシンセ、おまけにベルの音まで入ってくる90年代感丸出しの取り合わせ・・・なのにリリースは今年だから驚かされます。
黎明期から多ジャンル複合音楽として受け継がれてきたハードハウスの本質が見えるトラック。

Kid Dynamo / Warm It Up

Warm It Up (Original Mix) by Kid Dynamo on Beatport

イギリスのプロデューサーKid Dynamoによるハードハウス
バウンシーなリズムに高揚感たっぷりなシンセが跳梁跋扈する快楽一直線なテイスト。
細切れになって差し込まれるボイスサンプルも大層ファンキー。
ダンスミュージックは音数や音圧が全てではないという至極当たり前のことに気付かせてくれます。

まとめ

以上、TAK666が選ぶ2020年のハードテクノ10選をお送りしました。
ハードテクノに絞っても10曲に絞るのは苦労しました。
それだけ良リリースに恵まれたことは素直に喜ばしい年だったと言えますね。

特定のジャンルド直球な曲も勿論好きですが、個人的にはやはり他ジャンルとのクロスオーバーで使える曲、アイディアが面白い曲に惹かれがちです。
今回取り上げた中にもそういった理由のものがあるので、来年もより斬新で変な曲と巡り合えるようDIGしていきたい所存。
なにかと難しくて生真面目な音楽だと思われてそうなテクノですが、やりようによってはこういうこともできまっせというのを提示していきたい。

といった辺りで今回の特集はここまで。
と同時に2020年のHardonizeの連載もここまでとなります。

少しお休みを頂きまして、次回の更新は2021年01月12日。
担当は774Muzikさんとなります。

2021年も良質なハードテクノ、及びその周辺音楽を取り上げてまいりますのでHardonizeを何卒よろしくお願い致します。

それでは、良いお年を。

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新作ハードハウス特集 (2020年12月版):今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2020/12/10

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。


打ち合わせ兼打ち上げを執行して参りました。
既に次回Hardonize開催に向けて粛々と動き出しております。
概要につきましてはいずれこちらでアナウンスさせて頂きますので、その際は何卒よろしくお願いします。

あと私事になりますが、


先日カレー振る舞ってきました。
好評で何より。
オファーがあれば喜んで作りますのでご興味の方は是非。

さて、今年からワタクシの回はハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていくものとなっております。

ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。

特別連載:ハードテクノとは何か? – 第1回:黎明期編


ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。

今回取り上げるサブジャンルは

ハードハウス

です。

特別連載に於いては5回目に取り上げた、ハウス、トランスの要素を持ち合わせたハイブリッドなハードダンスのスタイルです。
それユエ、アップリフティングで快楽的なスタイルもあればシリアスで攻撃的なトラックも量産されている幅広さが魅力といえる音楽です。

前回この音楽を取り上げたのは04月であり、しばらく間が空いたこともあって紹介したい曲も溜まってきたので。
この音楽の発展期としては1990年代中期~後期になるのですが、前回に増してオールドスクールっぽいトラックが出てきており、1周回った目新しさがあるのではないでしょうか。

早速ですが新作ハードハウス紹介いってみましょう。

DEKOVA / Chicago To Detroit

Chicago To Detroit (Original Mix) by DEKOVA on Beatport

中国のプロデューサーDEKOVAによるハードハウス。
普段はもう少し渋くてストイックなハウスを手掛けておりますが、此度の新譜はやや古めかしいサウンドでまとめられた推進力のあるテンポ速めのハウス。
しかも聴いて分かる通りInner City / Good Lifeネタということで飛ぶ道具度数もかなり高め。
ハードハウスとしての実用性は勿論のこと、テクノやベースの出音を活かしたガラージなんかとも合わせられそうな応用力も持ち合わせた激優秀作。

General Bounce, Rick James / You Can’t Run

You Can’t Run (Original Mix) by General Bounce, Rick James on Beatport

イギリスのプロデューサーGeneral BounceRick Jamesによるハードハウス。
個人的にハードハウスを取り上げる度に触れているレーベル、Cheeky Tracksからのリリースです。
オルガンライクなリフ、ギラギラしたシンセ、バウンス感のあるビートそれぞれを意のままに操ったアグレッシヴでファンキーな音はモロ好み。

同レーベルから出た比較的最近の作品としてこちらも大好きなので合わせてご紹介。

Digital Mafia, Ryan Walker / Through The Night

Through The Night (Original Mix) by Digital Mafia, Ryan Walker (DJ) on Beatport

イギリスのプロデューサーDigital MafiaRyan Walkerによるハードハウス。
近年のハードハウスにしてはスローなテンポを採用しているものの、音の構成は紛れもなくハードハウス。
こちらも跳ね系のリズムにストリングスの表打ちが高揚感たっぷりで思わずニンマリしてしまうタイプのトラック。

Kid Dynamo / Into The Groove

Into The Groove (Original Mix) by Kid Dynamo on Beatport

イギリスのプロデューサーKid Dynamoによるハードハウス。
何の因果かこちらもInner City / Good Lifeライクなピアノフレーズが延々繰り返されるリフとなっており、かなり攻めの姿勢が感じられます。
ループ主体の構成なのでテクノ感を持ち合わせたトランス、ハードダンスとは相性が良さげ。

ちなみにこれがリリースされたHi-Five Digitalというレーベルは今年から活動開始となった新進気鋭のレーベル。
上で紹介したCheeky Tracksに所属しているアーティストの出入りも起こっており、今後も期待できそうなハードハウス拠点となりそうです。
もう1つ紹介するとしたらこちら。

Hayz, Rick James / Dope AF

Dope AF (Original Mix) by Hayz, Rick James on Beatport

イギリスのプロデューサーHayzRick Jamesによるハードハウス。
バウンスビート大盤振る舞いという潔さも好きポイントですが、ブレイクパートで起用されたアーメンサンプリングといい、メインリフを構成するレイヴシンセといい、随所に散りばめられたレイヴの臭気が堪らないです。

Rick James / What I Need

What I Need (Original Mix) by Rick James on Beatport

イギリスのプロデューサーRick Jamesによるハードハウス。
上でも名前が挙がっておりますが、ここ半年くらいの彼の曲が悉く個人的ヒットをかっ飛ばしていてかなり信頼度高いです。
派手なシンセに加え、細かく刻まれたアラームっぽいサウンドがピークタイムド真ん中という塩梅。

ちなみにこのSHED TRAXというレーベルもまた今年から始まったばかり。
上と合わせて要注目です。

Scott Attrill / Beats N Bass Part 2

Beats N Bass Part 2 (Original Mix) by Scott Attrill on Beatport

イギリスのプロデューサーScott Attrillによるハードダンス。
ハードダンスシーンに於いてその名を知らぬ者はいない程の名手といえる存在ですが、以前よりテクノとの懸け橋を担うトラックを多く輩出していることもまた重要なファクターの1つと数えられます。
そんな彼の現時点での最新作が3日前に発売となったこちら。

音の質感こそハードハウスに寄せているものの、存在感のあるハイハットリズムや全体的にループ寄りの構成など、ハードテクノとの共通点を多く見出せるトラック。
あと全ての出音が綺麗なのが流石の御業。
4分半とタイトに締まった尺も個人的に有難かったり。

DarkbyDesign / Disco Slut

Disco Slut (Original Mix) by DarkbyDesign on Beatport

イギリスのプロデューサーDarkbyDesignによるハードダンス。
こちらも長きに渡ってハードダンスを牽引し続けているベテランアーティストです。

上で取り上げた曲とは別角度でテクニカルな面が光るトラック。
何種類の音を使ってんだと言いたくなる程、様々なサウンドパーツが出たり引っ込んだり刻まれたり。
その落ち着きのなさに思わず笑ってしまう仕上がりですが、ここまで遊び心を具現化できるのはキャリアに裏打ちされた手腕あってのこと。
変ミュージック好きには全力で推していきたい逸品。

Gupi, Fraxiom, food house / mos thoser

mos thoser (Original Mix) by Gupi, Fraxiom, food house on Beatport

メキシコのプロデューサーGupi、アメリカのプロデューサーFraxiomfood houseによる不定形ダンスミュージック。
今回のナニコレ1等賞。
ベースライン、ガラージ、ハードダンスなど様々な要素が次々に展開されるわちゃわちゃした感じのバックトラックにFraxiomのラップが乗る・・・とまぁここまでなら他にもありそうな内容ですが、何故か最後のパートでBPM200に到達。
緩急ついた展開といえば大抵の場合は誉め言葉として用いられるフレーズですが、いやこうはならんやろというのが率直な感想です。

B2Bで使おうものならまず間違いなく相手をヤっちまえるタイプの曲。
血気盛んなDJに於かれましてはお見逃しの無いよう。

オマケ。
以下2曲はリリースが今年だったので新譜として観測したものの、よくよく調べたらオリジナルは20年以上前に発売されていたいわばリイシュー。

Caba Kroll feat. C.J. Stone / Rockin’ to the Rhythm

Rockin’ to the Rhythm feat. C.J. Stone (Original Mix) by Caba Kroll on Beatport

ドイツのプロデューサーCaba KrollC.J. Stoneによるハードハウス。
グルーヴィーなベースと高揚感を煽るトランスに寄ったシンセが絡む昔ながらのハードハウス。
ジャーマンレイヴ直系の快楽主義サウンド。
余談ですが、原盤のジャケットがド直球でエロなのでお子様は見ないように。

Dsigual / Technobox

Technobox (Original Mix) by Dsigual on Beatport

スペインのプロデューサーDsigualによるハードハウス。
ファットなベースとシンプルなシンセがインパクト満点。
ブレイク開けで差し込まれる鐘のサウンドなんかも昔の曲にありがちなパーツって感じがします。
メイン以外のパートで使われているサブドラムの打ち方が地味に凝っていたりして面白さもあり。

以上、ハードハウスにスポットを当ててお送りしました。
このジャンルの持つ大きな魅力としては多種多様なスタイルの曲があるという点だと個人的には思っております。
自分としては各種クロスオーバーがしやすいというところが大きいですが、単一ジャンル内でもかなり幅広い流れを演出できるので、是非手を出して頂きたい音楽の1つですね。

といった辺りで今回のサブジャンル特集はここまで。

次週は774Muzikさんが担当しますが、年内に於ける当連載は2週間後(24日)のワタクシの回で最後となります。
各々あと1回ずつ担当する計算ですね。

というわけで、色々あったんだか無かったんだかイマイチ判断の難しい2020年をハードテクノ視点から総括する意味で

Hardonizeレジデントが選ぶ
今年のハードテクノ10曲

をテーマに各自執筆致します。

メッセージ性の強い曲、思い入れのある曲、強く印象に残った曲、斬新なアイディアやサウンドの曲・・・選ぶ理由はレジデントによってバラバラではありますが、ハードテクノのパーティーを10年以上継続している者として『これだ!』というトラックを紹介しますので、今年最後までお付き合い頂けますと幸いです。

ではその1発目、当代きってのハードトライバリスト774Muzikさんの選ぶ今年の10選をお楽しみに。
掲載日は12月15日です。

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