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【特集】Hardonize#37.5 プレイリストピックアップ:今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2021/03/04

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

【Hardonize #37.5お疲れさまでした】

先々週になりますが、Hardonize #37.5無事修了致しました。
お聴き頂いた皆様、ありがとうございました。
加えて当日は茶箱へのドネーションも多く寄せられたようで、重ねて御礼申し上げます。

とりわけインダストリアル、ハードミニマルなど冷徹で鋼鉄なサウンドに焦点が当たった回だったように思います。
ハードテクノにも様々なサブジャンルがあるということは当連載でもお伝えしている通りではございますが、やはり花形といえばこういう音になると思うワケで。
その中でもリズムの圧で攻めるのか、グルーヴキープで魅せるのか、はたまた展開の妙に軸足を置くのかなど、各々解釈が微妙に異なっていたというのが改めて浮き彫りになった回でもありました。
マニアックな視点で申し訳ない。

そして今回ゲストでご出演頂いたBishamonさん、ASINさん両名も期待通りで予想以上という骨太なプレイを披露して頂けました。
Bishamonさんは初手からディープドラムンベース、グレイエリアに踏み込みつつ、テクノ~インダストリアルテクノまで幅を広げた玄人感の滲み出る内容。
風変わりに聴こえるサウンドもストイックに向き合うと、ちゃんとストイックに聴かせることができるというのを分からされた感じでした。
一方ASINさんは徹頭徹尾暴力的なリズムを従えたシュランツの殴打。
密度の高い音の奔流の中で不穏な音やインパクトの高い音が差し込まれる様相は、怪しさと危うさが同居する昔のクラブの雰囲気をパッケージしたかのような音で大変眼福でした。

次回Hardonize #38もこの2名でプレイして頂く運びになっておりますので、その際は是非茶箱のスピーカーから彼らの音を体感してください。
詳細は追ってこちらでご報告致します。

【Hardonize #37.5 トラックリスト】

さて、自分はそんなゲスト2名に挟まれる順番でした。
全容はこちら。
インダストリアルテクノ~テックトランス~ハードアシッド~レイヴ~ベースミュージック~アーリーハードコア

No Artist Trackname Link
01 AMIT Acid Trip (J:Kenzo Remix) Beatport
02 Ansome Snake Eyes Beatport
03 Dahryl Skull Crawler Beatport
04 JASSASS Chemical Attack Beatport
05 Paolo Ferrara, Lorenzo Raganzini I’m The Fire Beatport
06 Not A Headliner God’s Technological Ego Beatport
07 Side E-Fect Dropkick Beatport
08 Tomaz vs. Filterheadz Sunshine (Lucas Deyong Rework) SoundCloud
09 Dyen Ghetto bandcamp
10 GANEZ THE TERRIBLE Sugar bandcamp
11 Benji303 Babylon Shall Fall Beatport
12 Sterling Moss and Miro HardParty Hard Party Anthem bandcamp
13 Champion Breaks Sex On The Decks Beatport
14 The Prodigy No Good (Start the Dance) Beatport
15 Rusko Hardcore Raven Beatport
16 Fracture Percussion Sweet Beatport
17 Obi1 Avvolavvol 試聴なし
18 DieMantle Wait For The Drop bandcamp
19 Coleco Raveworx Beatport
20 電気グルーヴ 電気ビリビリ Apple Music
21 King Dale Utter (Turbulentie Mix) Beatport
22 Sutura & Dominik Stuppy Hardcore Ente SoundCloud

例によって数曲かいつまんでご紹介します。

【曲紹介】

01 / AMIT / Acid Trip (J:Kenzo Remix)

Acid Trip (J:Kenzo Remix) by Amit on Beatport

イギリスのプロデューサーJ:Kenzoによるディープダブステップ
ヒリヒリする重くて暗いビートにタイトル通りのアシッドシンセのリフが乗ったテッキーなトラック。
中盤以降のハイハットの打ち方はかなりテクノに近い印象を受けます。
前のBishamonさんからブレイクビートで渡されたので、最初に持ってきました。

ちなみに原曲もテクノとの親和性がかなり高いトラックなので、合わせてどうぞ。

05 / Paolo Ferrara, Lorenzo Raganzini / I’m The Fire

Im The Fire (Original Mix) by Lorenzo Raganzini, Paolo Ferrara on Beatport

スペインのプロデューサー同士、Paolo FerraraLorenzo Raganziniによるインダストリアルテクノ
非4つ打ちで組まれた硬いビートが最大の特徴。
ウワモノもスモーキーなシンセとスクリームボイスのユニゾンとなっており、まぁ雰囲気の不穏さが凄い。
フードを目深に被って聴くのが似合いそうな不良の音楽。

08 / Tomaz vs. Filterheadz / Sunshine (Lucas Deyong Rework)

Tomaz vs. Filterheadz – Sunshine (Lucas Deyong Rework) [FREE DOWNLOAD] by Lucas Deyong Official | Free Listening on SoundCloud

ポーランドのプロデューサーLucas Deyongによるテックトランス
先月に寄稿したフリーダウンロード特集でも取り上げたSunshineネタのブートレグです。
ネタ元の華やかさとは真逆の強烈なリズムを従えたアレンジ。
リズム主体だった序盤の流れからリフへと軸足を移していく目的で使用しました。

11 / Benji303 / Babylon Shall Fall

Babylon Shall Fall (Original Mix) by Benji303 on Beatport

イギリスのプロデューサーBenji303によるハードアシッド
局所的に支持されているレゲエサンプリングのアシッドテクノ。
延々と続く2拍4拍のギターに前のめりなアシッドシンセがめちゃめちゃ合ってます。
こういう一見無関係な要素同士が共存しているスタイルは兎に角ツボなので。

14 / The Prodigy / No Good (Start the Dance)

No Good (Start the Dance) (Original Mix) by The Prodigy on Beatport

イギリスのレジェンドグループThe Prodigyによるレイヴ
ラフで太いリズムにファンキーなベースラインと高揚感煽るシンセリフ、極めつけにKelly Charles / You’re No Good For Meからサンプリングされたボーカルが存在感満点の言わずと知れたThe Prodigyの代表曲。
1時間の持ち時間の中でシュランツを使わず、如何にしてテンポを上げるかというのが命題にあったので今回はそのキーをレイヴにしようと思い、ブレイクスにも4つ打ちにも相性の良いこれを採用。
2021年もProdigyは使っていきます。好きなので。

16 / Fracture / Percussion Sweet

Percussion Sweet (Original Mix) by Fracture on Beatport

イギリスのプロデューサーFractureによるベースミュージック
ここからBPM160という速いテンポ帯に突入しました。
ドラムンベースのサウンド且つ4つ打ち、ウワモノはアーリーレイヴというジャンルの坩堝。
4分打ちのハイハットにテクノっぽさも感じ取れたりと、まぁ上でも書いた通り僕の性感帯はまさしくこういう曲です。

このFractureというアーティストは他にもBPM160帯の曲を多く手掛けており、ジューク、ドラムンベース、テクノ辺りがゴッチャになった風変わりなスタイルを確立しているので是非。

19 / Coleco / Raveworx

Raveworx (Original Mix) by Coleco on Beatport

イギリスのプロデューサーColecoによるベースミュージック
押しも押されもせぬドラムンベースレーベルの代表格Shogun Audioからリリースされた異形作。
変則で手数の多いパターンのリズムとオルガンライクなリフからなる構成が凄まじいレイヴの臭気を放っています。
兎に角ジャンルを跨ぐのにうってつけなので何度も使っているお気に入り。

21 / King Dale / Utter (Turbulentie Mix)

Utter (Turbulentie mix) by King Dale on Beatport

オランダのプロデューサーユニットKing Daleによるアーリーハードコア
ガバ、ハードコアシーンの大本営Rotterdam Recordsから1992年にリリースされたもの。
ひたすら繰り返される『Utter, Utter, Utter, Utter…』のボイスサンプルに形容し難いシンセの音、今では到底生まれ得ない突き抜けてバカっぽい構成はインパクト絶大。
黎明期のハードコアとして燦然と輝く名曲ですが、これが平日の朝から地上波テレビ番組で流れていた昔はどうかしている。

まとめ

以上、Hardonize #37.5のトラックリストをお送りしました。
今回のコンセプト的に当初は鋼鉄テクノセットを行う予定でしたが、ゲスト2名の合間を縫う順番になったことと配信としてお送りすることになったことで
所々にネタモノやインパクトの強い音のトラックを差し込みつつ、速いテンポへ移行することを意識した内容となりました。
結果ハードテクノ以外の要素も取り入れつつプレイできたので、楽しんで頂けたなら嬉しいです。
あと後半のBPM160帯はもっと色々できたので、機会があれば引き続き焦点を当てていきたいですね。

そんなワケで今回はここまで。
次週03月09日は774Muzikさんが担当します。
では。

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【特集】曲名に『チョコレート』が入ったトラック:今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2021/02/18

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

近況報告。

所用で町田まで行ってきました。
平日なのに自転車で。
だいたい35kmくらい。
渋谷から国道246号をひたすら南下するルートを採択したのですが、横浜市の坂の多さを改めて噛み締めました。
ちょっと甘く見ていたフシは否めません。楽しかったけど。

そもそも東京都から東京都に行くのに神奈川県を経由するということにずっと違和感がありました。
やはり町田は神奈(以下検閲)

【告知】

予てよりご報告の通り、今週末20日の14時からHardonize #37.5をオンラインで開催致します。

ゲストはASINさんとBishamonさんの2名。
国内シュランツシーンの代表とテクノ~ハードコア間の架け橋役ということで、冷徹且つ強烈なハードテクノをお送りする回となりそうです。
その一方で昨今行われている配信という場に於いてはあまり見かけない両者でもあるので、そこを意識したプレイとなるのかどうかという辺りも注目です。
是非お楽しみください。

配信なので無料でお聴き頂けますが、もし余裕がございましたら茶箱へのドネーションをお願いします。

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Hardonize #37.5当日は配信場所となるTwitch上でも受け付けますので何卒。

【今回のお題】

さて、昨年から自分の回はハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていく形式となっておりました。

ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。

ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。

概ね今年もこれに沿ってお送りしていきたいと思っておりますが、今回は番外編としてタイトルにチョコレートが入っているテクノでピックアップしていきます。
お察しの通り先日02月14日がそんな日だったワケでして、ふと『チョコレートを名前に冠した曲ってどれくらいあるのか。』と気になってしまいまして。
こんなことを気にする時点でこの日に縁のない人生を歩んできたことがモロバレの思考回路ですが、結論から言うと思ったよりあったということになりましたのでその中から抜粋してお送りしていきます。
リリースされた時代とかジャンルも結構バラバラなので、昨今のリリースにはないテクノの雰囲気みたいなものも感じ取れるのではないかと思っております。

それでは、タイトルにチョコレートが入っているテクノ特集いってみましょう。

【曲紹介】

Michael Wenz / Jupiter Chocolates

Jupiter Chocolates (Original Mix) by Michael Wenz on Beatport

アメリカのプロデューサーMichael Wenzによるテクノ
スペーシーなリフと一定のパーカッションリズムが特徴的。
一般的なテクノのスタイルが変容する過渡期に当たる作品とあって若干のレトロな雰囲気を残しつつ、現代に通じる要素も含んだ中性的なトラック。
テンポも140手前という丁度良さ。

Andrei Morant / Chocolate City Dub

Andrei Morant – Chocolate City Dub – YouTube

アメリカのプロデューサーAndrei Morantによるハードミニマル
2拍4拍に重心を置いたラフで硬いリズムとベースが延々反復する曲。
バウンシーなグルーヴがシカゴハウスを彷彿とさせるので、治安悪めなテイストが好きならもってこいな感じ。

DJ Rush / Get Up (Hot Chocolate)

Get Up (Hot Chocolate) (Original Mix) by DJ Rush on Beatport

アメリカのプロデューサーDJ Rushによるハードミニマル
言わずと知れた素っ頓狂なリズムとボイスで今尚シーンを引っ掻き回しているテクノの名手ですが、その『らしさ』が存分に表れている1曲。
ちなみにテクノアンセムとして名高いGet On Upと名前が似ていますが、全く別物。
(久々にこのPV見ましたけど、頭の飾り物のセンスがマジで謎。)

強烈に後ろに重心の置かれたリズムがインパクト大。
しかもこのまま何の飾りっ気もなく最後まで延々続くので使いどころが本当に分からない。
しかも何が変ってリリースが2009年と、現在に通じるテクノのフォーマットがある程度固まってきた時にリリースされていること。
斬新過ぎて誰もついていけなかった例。

David Moleon / Chocolate

David Moleon – Chocolate (Circus Techno — CR1 Track A1) – YouTube

スペインのプロデューサーDavid Moleonによるハードグルーヴ
当ジャンルの黎明期と言える時期にリリースされた作品。
手数の多いパーカッションリズムとドライブ感のあるベースはこの頃からバッチリ健在です。
派手なウワモノはなくループ主体の構成になっている辺りから、まだハードミニマルの変形くらいの立ち位置だったのが読み取れる曲。
しかし速いなこの頃のテクノ。

Chris Liberator & Guy McAffer / Chocolate 497 (max side)

Chris Liberator & Guy mcaffer – Chocolate 497 (max side) – YouTube

イギリスの大御所プロデューサー同士Chris LiberatorGuy McAfferによるハードアシッド
地を這うアシッドシンセのループと存在感のある裏打ちのベースが独特なグルーヴを形成している曲。
ロングブレイクを挟むシーケンスになっているので同時期のトランス、ハードダンスなんかにも受け渡しできそうです。

ついでに同界隈からもう1つご紹介。

Aaron Liberator, Geezer / Chocolate Nasty

Chocolate Nasty (Original Mix) by Aaron Liberator, Geezer on Beatport

こちらは前出のGuy McAfferと、同じくイギリスのレジェンドプロデューサーAaron Liberatorによるハードアシッド
よりアシッドシンセの攻め気が前面に押し出された曲。
ハードハウス、ハードエナジーに通じるシンセもそれに拍車をかけるかのような存在感があります。

ちなみに今回の特集を組むに当たって真っ先に思いついたのがこの曲でした。
ヴァイナルで持っているもので。

Sonic Animation / Chocolate Mousse

Sonic Animation – Chocolate Mousse (AZWAN018) – YouTube

カナダのプロデューサーユニットSonic Animationによるテクノ
グルーヴはハウス、リズムはテクノ、ウワモノはトランスというバリアレックなサウンド。
とはいえリリースが1996年なので、まだ各ジャンルが混然一体となっている時期の作品と考えると納得の出来です。
いつの時代も実験的な作品は面白い音を起用してくるので、新しい発見があって好きです。

Code Icarus / Chocolate Eggplant

Chocolate Eggplant (Original Mix) by Code Icarus on Beatport

クロアチアのプロデューサーCode Icarusによるテックトランス
やや硬いリズムに煌びやかなシンセの音、そしてループ重視の構成という辺りがこのジャンルのお手本通り。
テクノとして使うなら終盤、トランスとして使うなら中盤くらいの位置になりそうですが、いずれにしても出音が明瞭ということもあって使いやすそうという印象を受けますね。

まとめ

以上、タイトルにチョコレートが入っているテクノ特集をお送りしました。
実際調べるまでは数曲思いつくだけでそんなに出ているイメージは無かったのですが、割とちゃんとハードなテクノがあるんだなと思った次第です。
今回は取り上げませんでしたが、昨今のメインストリーム界隈に於いても名門DrumcodeからChocolateという曲が出ていたり、トライバルテクノの雄Boriqua TribezChocolate Fonkという曲をリリースしていたりという発見もありました。
こういう風変わりなDIGり方をすると思いがけずナイスミュージックと出会えたりするので、是非他のワードでもお試しください。
機会があればこちらでもまたこういったテーマでお送りさせて頂きます。

ところで今回のオチですが、チョコレートはある薬物の隠語として使われているワードでもあります。
道理で硬くてドラッギーなトラックが散見されるワケだと腑に落ちました。

といった辺りで今回はここまで。
明後日のHardonize #37.5をよろしくお願い致します。

次週02月23日は774Muzikさんが担当します。
では。

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