こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。
【告知1】
昨日情報が公開されましたが、次回Hardonizeの概要は以下の通りとなっております。
2024/1/20(sat) Hardonize #46 at waseda sabaco | Hardonize web
当レジデントDJが1名ずつB2Bゲストを選出し、全ての時間枠がB2Bで進行する予測不可能の回です。
自分のパートナーとして、学生時代に早稲田茶箱を通じて知り合い、東京在住時は度々B2Bを行っていた楽天斎さんを北海道から招聘します。
当時から共に様々なジャンルの音楽に手を広げ、且つそれらを織り交ぜるプレイを好み、そして実践していた者同士、信頼と緊張感を伴ったプレイを披露できる筈です。
我々が1番予測不可能指数が高い自信があります。
日にちは01月20日(土曜日)、15時からとなります。
場所はいつもの早稲田茶箱にて皆様のご来場をお待ちしております。
【告知2】
02月03日(土曜日)に渋谷Circus Tokyoで行われるパーティー、ALTURA with Xavi BCNに出演致します。
【告知】
??ALTURA with Xavi BCN??
???2/3(土)14:00?21:00
??CIRCUS Tokyo(渋谷)
??https://t.co/vwBi0f4Qof全ラインナップ公開!
今回は"Spook – Apology(Xavi BCN ALTURA LTD Remix)"が付いてくる特典付チケットの販売を行います!#ALTURA20240203 pic.twitter.com/vDJXFc0dim— 12_1(トニー) / Wowl (@12_1) December 19, 2023
パーティーの大枠としてはスペイン産のハードコア、マキナにスポットを当てたパーティーで、今回のメインゲストであるXavi BCNは1990年代初頭からキャリアをスタートさせ、現在に至るまでこのジャンルを牽引し続けている大ベテランに当たります。
そんなパーティーのサブフロアをTobyさん、hidemiさん、そして自分という3人体制で担当します。
大分意外な組み合わせですが、7時間のパーティー時間を3人で回すので、必然的に各々長尺のプレイが想定されます。
現時点では特に何をするか決めておりませんが、こちらも是非。
【今回のお題】
さて、先週よりレジデントが今年のハードテクノというテーマに絞り、それぞれオススメの10曲を選出して紹介するHardonizeクルーが選ぶ2023年のハードテクノ10選を掲載しており、最後にワタクシTAK666が担当致します。
これまでの掲載はコチラ。
なんせ15年も同じパーティーを一緒に行っているので、それぞれが『あの人らしいな。』という感想です。
(774muzikさんが非4つ打ちトラックをいくつか選出しているのがちょっと意外。)
ってかHomma Honganji / You’re The Bossを3人とも選んでるのかよ。
2022年はHomma Honganji / TV Detectives Clubを3人選んでいたり、HardonizeのHomma Honganjiさんに対する愛が今年も止まらない。しゅき。
アーティスト単体だとFilterheadzの曲が複数ありますが、これはHardonizeに限った話ではなく、結構色々なDJが今年イチのアーティストとして名前を挙げていたので、広く支持を得ていたことは間違いないと思います。
で、僕も悩みに悩んで10曲選んでみたのですが、彼らと全く違う内容になりました。
判断基準としては目新しさや斬新さ、インパクトといった点を重視したので、従来のハードテクノと少し異なるテイストの曲をお探しの方にお楽しみ頂けると幸いです。
自分、そういう情報、いっぱい持ってます。
前置きもそこそこに早速お送りします、
いってみましょう。
【曲紹介】
Tek Tek Tek | FJAAK | SPANDAU20
ドイツのプロデューサーユニットFJAAKによるテクノ。
ブッといビートにインパクトのあるリフという、FJAAK節のききまくったトラック。
リフの打ち方のヒネた感じや、ブレイクビートのリズムがサブ的に使われていたり、一筋縄ではいかないのも魅力の1つです。
03月の来日公演、ENSITE feturing FJAAKでも実感しましたが、このシンプルさゆえの破壊力に病みつきになった1年でした。
Mark Porter – With The Rhythm (Original Mix) [Respekt Recordings] | Music & Downloads on Beatport
イギリスのプロデューサーMark Porterによるテクノ。
今年もレイヴサウンドを用いたテクノは数多くリリースされましたが、観測範囲内で最もアグレッシヴな印象を受けたのがこれでした。
重心の低いベースを軸に硬いリズムでグイグイ引っ張っていき、ブレイク以降はド派手なレイヴオルガン炸裂!
ピークタイムチューンに相応しいトラック。
Alex Di Stefano – Hoover Mass (Extended Mix) [Drum Chapel Records] | Music & Downloads on Beatport
イタリアのプロデューサーAlex Di Stefanoによるハードテクノ。
タイトル通り、とにかくフーバーサウンドにスポットを当てた攻め攻めのトラック。
この音がハードテクノの疾走感のある硬いビートに乗っているのが割と珍しく、かなり印象に残りました。
この曲に限らずですが、ハードテクノとハードダンスとの垣根がどんどんなくなっていくのも今年顕著だった出来事の1つですね。
Replicant Loop | Seigg | AKRONYM
フランスのプロデューサーSeiggによるテクノ。
グロテスクなベースフレーズを最大の特徴とする、異形のテクノ。
2拍4拍の規則的なクラップの打ち方も含めてベースラインに通じるところがあり、どちらともとれるこの感じは堪らなく好きです。
Casanova (Original Mix) | Carlo Lio | UNCAGE
カナダのプロデューサーCarlo Lioによるテクノ。
ローファイなビートの上をひたすらブラスがループする、アングラ感とファンクネスが同居したトラック。
たまにフィルでストリングスが用いられたりする辺りからもディスコの臭気を感じることができますが、それゆえにリズムの異質さが際立つ変ミュージックという塩梅です。
Next One | Hertz Collision | Truncate
イタリアのプロデューサーHertz Collisionによるテクノ。
派手さや煌びやかさとは無縁の抽象的な音の反復、でありながらBPM140オーバーのテンポとベースとハイハットによるグルーヴはずっとキープされているミニマルスタイルのトラック。
中盤以降、ほんのりと穏やかなパッドが差し込まれるので、意外と渋さ一辺倒ではないところもミソ。
この手のハードではないけど、そこそこ速いテクノを今年ちょいちょい掘り進めていました。
空気感重視のガラージやブレイクスと合わせたりすると以外にハマったりするので、選曲の1つとして取り入れていきたいと思っています。
Plein Soleil | Ferdinger | ARTS
ドイツのプロデューサーFerdingerによるテクノ。
アナログベースと、ベらぼうに明るいピアノサウンドの組み合わせは否応なくオールドスクールレイヴを想起させます。
手数の多い金物リズムで推進力を維持しつつも、全体的にレトロなサウンドでまとめられており、色々なジャンルからこの曲に繋げられる汎用性の高さも高得点。
ボスニア・ヘルツェゴビナのプロデューサーAlmir Ljusaによるハードグルーヴ。
普段はファンクネス指数の高いハードグルーヴを手掛けているアーティストですが、本作はトランスに踏み込んだ、スペーシーでロングスケールのシンセが特徴的なトラック。
ただ、厚みのあるベースラインの質感とドライブ感のあるハイハットリズムは従来のハードグルーヴ据え置きという、ネクストレベルのハイブリッドスタイルを打ち出してきた印象があります。
KETTAMA – 1997 | KETTAMA | STEEL CITY DANCE DISCS
アイルランドのプロデューサーKETTAMAによるメロディアスハードテクノ。
手数が多く、推進力抜群のハイハットリズムに広がりのあるパッドシンセと残響音強めの女性ボーカル、そしてメインとなるシンセはトランスを彷彿とさせる多幸感溢れるものになっている、様々なジャンルの良いところを集約したようなトラック。
曲の雰囲気的には〆に使いたくなるトラックではあるものの、この手のリフを強調したタイプのハードテクノのリリース数がかなり増えてきており、今の世相を反映しているという意味でもかなり印象に残った曲でした。
Emotional Boyz | Not A Headliner | GLOBAL OFFENSIVE CORPORATION
スペインのプロデューサーNot A Headlinerによる非4つ打ちテクノ。
今回1番の『何だこれは!?』枠。
言語は不明ながら、まるで童謡のような穏やかなボーカルに儚げなシンセと、柔らかいイントロで始まっておきながら、ビートは無機質で硬質な非4つ打ちという異質の組み合わせ。
これに馴染む曲というのを僕は知らないので、どこでどうやって使ってもインパクトがあるはずです。
その上でこの凄みのある相撲取りのアートワーク。
全く意味が分かりません。
なんかもう総じて強烈な印象でした。
【まとめ】
以上、Hardonizeクルーが選ぶ2023年のハードテクノ10選 【TAK666編】をお送りしました。
体感ですが、例年以上に選出が大変でした。
それくらい、印象に残った作品が多かった年であると言えるので嬉しい反面、ピックアップできなかったトラックが相当数あることは悔やまれますね。
その要因を考えてみたのですが、確かにyudukiボスの書いた通り、メインストリームテクノの硬質化というトピックもさることながら、
もっというとテクノの多様化、他ジャンルとのクロスオーバー化が顕著だったと思うワケです。
トランスや、レイヴのサウンドを用いたトラックが多いのは直近の本連載を見ても明らかですし、
更にそれをインダストリアルの文脈まで織り交ぜたトラックを輩出しているNot A HeadlinerやRiotbotのような存在。
今回挙げたSeigg / Replicant Loopのようなベースラインとの中庸を見出したトラックなど、
今までに聴いたことがないようなスタイルの曲との出会いが多かった、というのが2023年を振り返った感想です。
その表れとして、今回取り上げた曲のサブジャンルは大枠としてテクノとしか捉えられないようなものが多かったワケでして。
やはり自分はこういったアイディア重視のトラックが好きなんだなと再認識した次第です。
今後もより一層、変ミュージックのDIGに邁進、そしてプレイに務めたいと思いますので何卒よろしくお願いします。
【次回】
そんなワケで今回はここまで。
そして2023年のHardonize Blogの更新は本日が最後となります。
次回は年明け01月09日に774Muzikさんが担当。
そして01月20日はHardonize #46 Back to Back Onlyをよろしくお願い致します。
良いお年をお迎えください。
では。