こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。
【近況】
一昨日のyudukiボスのエントリーにて触れられていた通り、先週モニタースピーカーを新調しました。
Genelecの8020Dという機種になります。
寸法としては20cm×10cmくらいのコンパクトなボディでありながら非常にクリアな出音を誇り、特に低音はボリュームを絞っても埋もれずに出てくれるのでかなり驚きです。
何ならサブウーファーも新調することを考えていたのですが、ひとまずこれで満足してしまいました。
良い買い物だった。
ちなみになぜそれをyudukiボスが知っているかというと、まさしくそのスピーカーを開封して設置する場に居合わせているからなんですよね。
ここ数年、不定期に自宅で大量の日本酒を空けつつただただダベる会を開催しており、先週行った際にyudukiさんや774Muzikさんにも来てもらってました。
他にもCarpainterさんや12_1さん、あとはしょっちゅう来ているTakayuki Kamiya夫妻などなどかなりの豪華面子でした。
ちなみにその際、スピーカーケーブルのオスメスを間違えて調達してしまい、途中で客人放置でヨドバシカメラに買いに走るというハプニングもあったりしましたが、最終的にはユルいB2Bなんかも始まったりしてまぁ楽しかったですねぇ。
楽し過ぎてロクに写真残ってない。
またやりましょうね。それまでにCDJ買っておきますんで。(家主は一切使わないのに。)
【告知】
Hardonize#44が2週間後に開催されます。
ゲストにATTさん、TAKAMIさんの大先輩2名をお招きし、彼らがレジデントを務める名物テクノパーティー、BUZZ×3との実質コラボレーション回です。
今回より予約フォームを導入し、こちらでご申請頂いた方々を優先的に入場させる方式となっております。
これまでの入場予約より簡単な申請となっておりますので、ご来場をお考えの方は是非こちらからエントリーをお願いします。
Hardonize #44 参加予約登録フォーム
日付は2023年の05月13日(土曜日)。
会場はいつもの早稲田茶箱でお待ちしております。
【今回のお題】
さて、今週末30日は本連載で僕が毎回勝手に取り上げている同人音楽即売会M3があります。
前回M3-2022秋の特集はこちら。
それより以前の特集はこちらになります。
2022春 / 2021秋 / 2021春 / 2020秋 / 2020春 / 2019秋 / 2019春 / 2018秋 / 2018春 / 2017秋 / 2017春
通常であれば開催後に戦利品紹介と共に行うことが多いM3特集ですが、早いもので2週間後はもうHardonize#44直前ですので、そこはそっちに注力した内容にしたい。
というワケで、13回目のM3特集にして初の予習回です。
今回の特集を見つつサークル巡回する人がいるのかどうなのか、そもそもこの特集に需要があるのかないのか、分からないままいつも書いてますが、こういうのは後々見返すアーカイブ的な価値もあったりしますからとかなんとか。
ちなみに僕はこういう即売会に行くに当たっては全くカタログの中身を精査せず、行き当たりばったり(挙句寝坊したり)で当日赴くことが多いもので、今回この特集を組むに当たり、めちゃくちゃ久しぶりにじっくりカタログや公式サイトを拝見しました。
大方の参加者はこういう予習を入念に行ってから気合充分で当日を迎えていると思うと頭が下がります。
思い返せばこういうものに行き始めて最初の頃はしっかりチェックしていた筈なんですけれどね・・・と思いながらそういえばいつだったっけと書棚を漁ってみたところ、
明日公開する記事を書く途中で気がついたのだけど、初めてM3行ってからもうすぐ20年になる。
半生余裕で超えてる。マジで恐ろしい。 pic.twitter.com/iU24PvBFfS— TAK666 (@012345666_) April 26, 2023
2004年でした。
もうすぐ20年。こっわ!
表記順は『[スペース番号] 【アーティスト名】 / 【リリース名】 [【サークル(レーベル)名】]』でテクノ的オススメだったり、Hardonize的に関連があったりするものを挙げていきます。
それでは
いってみましょう。
【曲紹介】
先日は桜逢祭でTAKAMIさんと僕とB2Bを行ったTakayuki Kamiyaさん率いる秋葉原重工のニューリリース。
2019年に同レーベルからリリースされたHIROSHI WATANABE / Live the Lifeが総勢21名の国内テクノクリエイターたちによってリミックスされた一大企画盤。
収録曲数の多さもさながら、参加面子もめちゃくちゃ豪華でTakkyu Ishino、Ken Ishii、DJ SHUFFLEMASTERといったレジェンドクラスの方々からDJ SODEYAMA、SEKITOVAといった現行シーンの最前線に要る方々、
またテクノシーンに限らずHiroshi Okubo、REMO-CON、Nhatoといった名前が一堂に介しているのも秋葉原重工ならではという感じ。
原曲が同じといってもアレンジのスタイルは人それぞれなので、普段のコンピレーションと同じ感覚で楽しめる1枚になっております。
とにかく同人音楽の括りには収まりきらない作品。
Kouki Izumiさんの個人サークル、technoAからのニューリリース。
同人音楽に於いては貴重な冷たくて硬いテクノ筆頭格。
いつもはEPサイズのリリースを展開していましたが、今回は9曲入りとボリューム満点の作品をご用意。
その全てがフロアユースのサウンドに仕上がっているので、DJであれば特に手に取って欲しい一作となっております。
Stream UNCOUNTABLE POSSIBILITIES Trailer by KOTORI MAJESTY | Listen online for free on SoundCloud
KOTORI MAJESTYさんのサークル、#中年デトロイトテクノ隊からのニューリリース。
珍妙なサークル名に目がいきがちですが、それを自ら冠するくらいには参加面子、及び収録曲に気合が感じられる内容となっております。
具体的にはProfessional Hamburger a.k.a 高野政所、MEEBEE a.k.a KAZUHIRO ABO、ブレイクビーツジャムバンドDUB SQUADのメンバーCOZY-Dなど、1990年代から活動されている大御所の方々がずらり。
収録曲はデトロイトテクノオンリーというわけではなくハウスやブレイクビーツも含んでおり、そしてそのどれもがどこか人間の息遣いを感じさせるマシンミュージックという印象を受けました。
クラブの空間のみならず、日常にも寄り添ってくれるタイプのテクノが詰まってます。
尚、リリースに先んじてセルフライナーノーツが公開されており、こちらも読み応え抜群の内容です。
Stream Charterhouse Records | Listen to Song for Architecture playlist online for free on SoundCloud
テクノやハウスをメインに取り扱ったカセットテープをリリースしているCharterhouse Recordsからのニューリリース。
1年前の『M3-2022春』同人テクノ特集に於いて、この時リリースされたMotoki Hada / Bold Action EPに本レーベルにしては珍しくブレイクビーツやベースラインが収録されていて驚いたという点を取り上げましたが、本作は遂にレイヴにまで踏み込んだ内容になっております。
それが本作2曲目のMotoki Hada / Impact of The Rave。
オーセンティックなブレイクビーツにドミネーターシンセとアシッドシンセ、そしてThe Prodigy / One Loveと同じボイスサンプルなど土臭さ満点のレイヴサウンドになっていて垂涎です。
Stream [M3-2023春] Yazavva – \499 EP [XFD] by Yazavva | Listen online for free on SoundCloud
Yazavvaさんの個人サークル、497yenからのニューリリース。
ストレートなテクノ、ハードテクノが収録されたEP。
私事ですが、先日のFJAAK公演の影響がまだ残っているらしく、1曲目のシンプルながらインパクトのあるシンセリフはかなり刺さります。
Stream エレクトロマサルニクス – Taxi not found – xfd by NGRT | Listen online for free on SoundCloud
3人編成でハードウェア機材によるセッションを重ねながらトラックを練り上げていくテクノバンド、エレクトロマサルニクスのニューリリース。
反復するリフの中にもコード感が仄かに漂っており、ライブの息遣いが感じられます。
トラックによってはリズムが非4つ打ちだったり、初音ミクっぽい細切れの合成音声が聴こえてきたりと細かい遊び心が見えるので、かなり手に取りやすい部類なのではないでしょうか。
こちらもセルフライナーノーツが公開されていました。
Stream 2023春M3 新譜XFD by You10g | Listen online for free on SoundCloud
You10gさん率いるサークル、Full Metal Blanketからのニューリリース。
テクノをメインとするEPシリーズの5作目なのですが、芯の太いベースとアーメンブレイクスが共存した3曲目のDrumsuko / Rotationがとにかく好み。
Joy Orbison / Off Seasonとか、Raito / Serum辺りを彷彿とさせます。
どうもテクノのEPの中に収録されている硬いブレイクビーツにヤラれがちなフシがありますねワタシ。
【M3-2023春】Trrricksters!!【XFD Demo】 – YouTube
過去Hardonize#33にご出演頂いたs-donさんと、カラフルでダイナミックなサウンド作りを得意とする翡乃イスカさん両名によるスプリットアルバム。
ちなみにデザインは前回のHardonize #43 15th Anniversary Specialにご出演頂いたcodaさんが担当しています。
とにかくテンションの高いハードダンス~ハードコア総決起。
どの曲のビートも一辺倒ではなく複数種類織り交ぜた展開を矢継ぎ早に繰り出す上、その展開の区切りに差し込まれるフィルの手数も細かいのなんの。
ハードダンスとゲームミュージック、双方の解像度の高さが伺い知れる作品。
前回のHardonize #43 15th Anniversary Specialにご出演頂いたDJ Shimamuraさん率いるレーベル、DYNASTY RECORDSからのニューリリース。
アニバーサリーが続きますね。
自身のレーベルの20周年を記念し、これまでにリリースされた代表曲のアップデートバージョンが数多く収録された記念盤。
DJ Shimamuraさんの本領が遺憾なく発揮されたハードコアやドラムンベースの現在を体感できる一方、
20年前のバイブスを残したオールドスクールスタイルのハードコアも聴ける1枚。
・・・ということは僕がDYNASTY RECORDSの0番、DJ Shimamura / Tokyo No. 1 Hard & High-Speed EPを買ったのも20年前になるということになるワケで・・・時の流れっておっかねー。
本場海外のシュランツレーベルへの楽曲提供、またアーティストとの共作も盛んに行っているTKGさん率いるレーベル、ダシマキレコードからのニューリリース。
そのコネクションを活かし、国内外のシュランツクリエイターを一堂に介した名物コンピレーションシリーズの7作目であり、現行シーンに於けるチェコの代表格Witheckerが参加しているのが目を引きます。
こうして並べて聴くとシュランツの中にもリズムのグルーヴに重きを置くもの、リフのインパクトを重視するもの、より過剰な速度を追求するものと様々なスタイルがあることが分かります。
配信楽曲を辿るとなるとレーベルごとにカラーが分かれていたり、何よりリリース数が膨大だったりするので初心者でも気軽に網羅できる作品はいつの時代も大事だと個人的には思っています。
実験的且つソリッドなビートを手掛けるponiyamaさん主宰によるLiminal Warpからのリリース。
アニメ×ベースミュージックをコンセプトにしたコンピレーションシリーズの3作目。
相変わらずアニメ殆ど分からないのですが、陰鬱で偏屈なビートとサンプリングが合わさったトラックの多いこのシリーズは毎回好きで試聴を再生した限りでは今回も期待できると判断しました。
特にドラムンベースらしきトラックが収録されているように感じたため、それならば現場でしれっと使うことも可能なのではないかと踏んでいたり。
Stream VA – みそれこ!! – XFD Demo by miso-nicomi records | Listen online for free on SoundCloud
若きブレイクコアクリエイターであるsabiさん率いるレーベル、miso-nicomi recordsからのニューリリース。
穏やかでかわいらしいジャケットとは裏腹に、超高速テンポに高密度で切り刻まれたアーメンブレイクスの応酬。
そこに相反するアニメ感のあるピアノだったりシンセフレーズが聴こえるトラックも多く、リズムのアグレッシヴさとのかけ離れ具合が面白い。
試聴段階でジュークっぽい曲があったのも気になりましたし、ジャングルの文脈として使える何かもあったりしないかなと期待しているところです。
【おまけ】
2023年04月27日現在、新譜の試聴は上がっていないものの、出展が予定されているサークルです。
過去Hardonize#28にご出演頂いたDietraxさん率いるハードウェアアシッドテクノバンド、アシッド田宮三四郎。
複雑な編成のハードウェア機材の同時コントロールによる緊張感を伴って繰り出されるファンキーで快楽的なサウンドは唯一無二です。
過去Hardonize#15にご出演頂いた、同い年で一方的に尊敬しているDJ、DJ WILDPARTYさんの個人レーベル。
複数アーティストとのコラボレーションEP、COLLABのリリースが予定されております。
エレクトロニカアーティストであるPhasmaさん、及び彼がコンポーザーを務めるプロジェクト、Funwari-chan。
結構前から知っていて、毎回良質なエレクトロニカを提供しており、グラフィックのテイストも含めてとても良い感じ。
惜しくも今年急逝してしまったDJイオさんが率いていたテクノレーベル、LBT。
何が置いてあるのか分かりませんが(前は河原で拾った石とかあった気がする)、今回出展するということはレーベルとしては活動を継続するという意思なのでしょうか。
もちろん、そうであってほしい。
ご存知日本が世界に誇るハードグルーヴマイスター、本間本願寺さんのバンドであり、サークル。
MCあんにゅさんとのスプリットEPの告知がされておりました。
その一方でM3は各サークルがジャンルを登録することができるのですが、ビッグファイアの登録ジャンルにヒップ・ハウスというものがあり、シカゴ直輸入の真っ黒い音の予感が漂っております。
若きハードミニマルヘッズ、BBBoxさんの個人サークル。
今回のリリースから外された曲が202303220946(没)が公開されておりますが、めっちゃ渋い。
エレクトロニカを主軸とするcallasoiledさんの個人サークル。
アルバムEpulのリリースが予定されております。
【まとめ】
以上、『M3-2023春』でリリースされる同人テクノにスポットを当ててお送りしました。
こうして下調べをすると確かに即売会に対する楽しみの方向性が変わってきますねという至極当たり前の感想を抱いております。
行き当たりばったりに身を任せるのもそれはそれで大事にしたいところなのですが、丁度良い塩梅が難しいところです。
あとは当日ちゃんと起きれることを願うばかりです。
そんなワケで今週末30日のM3に行かれる方のグッドDIGをお祈りしております。
今回はここまで。
次週05月02日は774Muzikさんが担当します。
では。