こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。
【告知】
予てよりお伝えの通り、次回Hardonizeが06月19日に行われます。
世間的な都合により、開催時間が14時からと1時間早く設定されておりますのでお間違えの無いようにお願い致します。
そして前回もお伝えしましたが事前登録が必須となっておりますので、ご来場をお考えの方は以下のURLより申請をお願い致します。
世間的にはゴールデンウィークが始まった・・・にもかかわらず非常事態宣言の真っ只中ということでイマイチテンションの上がらない感じではありますが、現段階では06月のHardonizeは開催の方向で進んでおります。
こんな時は願掛けも兼ねて東京麺珍亭本舗に行くしかない。
ということで本日のお昼ご飯です。
んまい。
あ、そうでした。
やっと1つ目。 pic.twitter.com/i6KWSGX6MZ
— TAK666 (@012345666_) April 19, 2021
丼手に入れました。
【今回のお題】
さて、先週末は同人音楽即売会M3でした。
この時期の恒例行事とも言える催しなので今回も足を運びましたよ。
しかし世間的な事情から閉会時間が早まったのを把握しないまま向かったため、劇的に少ない釣果となってしまいました。
自分はこの即売会に17年前から通っているのですが、過去イチで少なかったのではないかと思います。
大失態と言っても過言ではない。
一応釣果はこんな感じ。
過去の作品レビューと比べるとその少なさが一目瞭然です。悔しい。
ただ一部のサークルについてはbandcampやBOOTHなどで配信販売を開始しているので、今回の買い逃しについてチマチマ補填を試みております。
こういう状況下になっていることは不運ですが、一方でこうした流通サービスが充実しているのは本当にありがたいことですね。
弾数に物足りなさはあるとはいえ、それでも手に入れた作品はどれも素晴らしいものでしたので、今回もその中から一部を紹介していきたいと思います。
当連載に於いて9回目となるM3特集です。
前回M3-2020秋特集はこちら。
それより以前の特集はこちらになります。
2020春 / 2019秋 / 2019春 / 2018秋 / 2018春 / 2017秋 / 2017春
これまでと同様、表記順は『【アーティスト名】 / 【リリース名】 [【サークル(レーベル)名】]』でテクノ的オススメを挙げていきます。
それでは
いってみましょう。
【曲紹介】
AHIEP14 – Parallelsphere EP by Akihabara Heavy Industry Inc. | Free Listening on SoundCloud
Hardonizeが常々お世話になっているレーベル、秋葉原重工の新作。
ハードウェアオンリーでテクノを演奏するクリエイターYebisu303さんをフィーチャーしたEP作品。
芯のある反復リズムに浮遊感のあるパッドシンセを組み合わせた曲が揃っています。
音の雰囲気的にはダンスフロアからリスニングまで機能しそうですが、これを全てハードウェア機材で作っているパフォーマンスはこの人ならではという感じもあるので総合すると現場向き。
4つ打ち一辺倒かと思えばそうじゃなかったりするあたりも個人的な面白ポイント。
またリミキサー陣として909stateさんやHIROSHI WATANABEさんなど国内テクノシーンの名手が参加しているあたりも秋葉原重工らしさのある作品。
個人的な好みはアシッドシンセのリフとその間を埋めるシンセのユニゾンがオールドスクールなテクノを彷彿とさせる3曲目、Thermosphere。
公式サイト:https://www.ahiweb.info/
作品購入:Parallelsphere EP – 秋葉原重工 – BOOTH
【新作告知】
アシッド田宮三四郎、M3参加します。
ブースは「I-03」です。新ミニアルバムも先ほど完成。タイトルは『 Chi・POP』1500円。全編アシッド303トラックでの新曲5曲+2020年末の四谷アウトブレイクでのライブトラック。感染症対策マスクして密を避けつつお越しください!(スタッフ) pic.twitter.com/gVsaOzvMVb
— アシッド田宮三四郎 (@ACIDTAMIYA346) April 21, 2021
以前Hardonizeにもご出演頂いたDietraxさん率いるアシッドテクノプロジェクト、アシッド田宮三四郎の新作EP。
尚、こちらもハードウェアオンリーのライブチームです。
どの曲のどの箇所を聴いてもファンキーなアシッドリフで埋め尽くされているので、好事家諸氏は真っ先に手に取るべき作品。
とはいえ曲のテンポがテクノのスタンダードな帯域からやや遅めのものまでカバーされているので、リフの印象は曲によってかなり異なります。
尚、本作では『チープでポップ』というテーマで作られたもののようで、ドラムやシンセにあえてレトロな質感を残したトラックが目立つ印象。
個人的な好みは複数種類のアシッドシンセのリフが絡まり合った4曲目、BODY CHECK。
[M3 2021春 I-12]INTERNAL EXTERNAL X-Fade Demo – YouTube
テクノからトランス、ドラムンベース、ハードコアといった幅広い曲を手掛けているglitchさんという方の新作。
本作は主にテクノに焦点を当てたとありましたが、前述の器用さが1つ1つのトラックにも表れており、ピュアテクノというよりは異ジャンルとの混合型といった感じです。
個人的な好みはエモーショナルなパッドとやっぱりアシッドシンセがトランスを想起させる1曲目、over the heaven。
昔のFrogman Recordsの音に近いなと思ったりもしました。
余談ですが、現行のメインストリームテクノ~インダストリアルを牽引しているドイツ在住の日本人アーティスト、Ayako Moriのトラックのリミックスコンテストに参加した曲がSoundcloudに上がっており、ハードテクノに接近している感じでかなり好みでしたので合わせて掲載しておきます。
公式サイト:https://www.glitchss.com/
作品購入:INTERNAL EXTERNAL – glitch@SoundStudio – BOOTH
ODRADEK sample by ancou | Free Listening on SoundCloud
ここ3回ほどのM3特集回で取り上げている環境音楽×電子音楽を軸としたサークル旅音より、ancouさんの新作。
すっかりお気に入りのサークルです。
ハードテクノではないんですが、奇想天外なフレーズやサウンドをテクノに落とし込んでいるところに珍しさがあります。
今作もアシッドシンセあり、ボーカロイドあり、自然音あり、強烈によれたビートありと各曲に仕掛けが散りばめられており、聴いてて面白かったですね。
ちなみにこの作品はフランツ・カフカの短編をイメージして作られたもので、タイトルの『オドラデク』もここから来ています。
青空文庫から閲覧可能なので、合わせて是非。
個人的な好みは初音ミクの反復ボイスとアシッドシンセ、それにテンポに対して倍速のドラムパターンが特徴的な7曲目、Pun Pun Pun。
尚自分が調べた限りでは現在購入できる手段がまだ整っていないようなのですが、BOOTH内にサークルページは存在するので、いずれ取り扱いが始まるのを待ちましょう。
公式サイト:https://www.tabion.net/
M3用サイト:https://tabionm3.tumblr.com/
New Invoke Vol.5 (Preview) by CYCLIK CONTROL | Free Listening on SoundCloud
最後に紹介するのは前々回の担当回で紹介したベースラインという音楽に焦点を当てたコンピレーション作品です。
ハードコアを主軸にベースライン、サイケデリックトランスまで幅広く手掛けているDustvoxxさん主宰のCYCLIK CONTROLによる新譜。
国内ベテラン、若手アーティストは元より、海外からもJAKAZiD、Sample Junkie、Samurai Breaksなど数々の腕利きが参加しているなど、同人音楽の枠組みを軽く超えるラインナップとなっています。
この種の音楽の基本のテンポであるBPM140から速いものまでひとしきり揃っており、そのどれもが笑ってしまう程に珍妙なフレーズのベースを擁しているのでとにかく楽しい。
タイトル通りシリーズもので過去にも4作品同系統のコンピレーションがリリースされておりますが、国産ベースラインコンピとしては大いに信頼の置けるタイトルとなっておりますので、未所持の方は合わせて是非。
個人的な好みは下品なレイヴスタブとアーメンブレイクのフィルの後、太いベースが反復するNizikawaさん(新婚!)の2曲目、Medalodon。
公式サイト:https://cyclik.jp/
M3用サイト:New Invoke Vol.5 | Dustvoxx
まとめ
以上、『M3-2021春』で買った同人テクノにスポットを当ててお送りしました。
前述の通り紹介枚数が少ないのが悔やまれますが、こうして作品がリリースされている限りは注目していきたいと思っております。
今まで知らなかった音楽、アーティストを容易に見つけることができる機会としても非常に意義のあるものですし、今回のように開催形態に制限がかかったりその形が変わったりしても、どうにか続いていって欲しいと願うのはパーティーと一緒ですね。
そんなワケで今回はここまで。
次週05月04日は774Muzikさんが担当します。
では。