こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。
【告知】
先週もご報告の通り、次回Hardonizeの日程が決まっております。
【お知らせ】
Next #Hardonize Vol.41 開催決定!??2022/07/16 SAT
?14:00-20:00
??早稲田茶箱More information will be announced soon…!! pic.twitter.com/RgRwLJrwOS
— Hardonize(Next 2022/7/16@早稲田茶箱) (@hardonize) April 9, 2022
07月16日です。
グストについては追って情報公開致しますので引き続きご愛好の程、よろしくお願いします。
あと個人的な出演機会ですが、今週末04月30日に渋谷Another Dimensionにて行われる『¡¡SAKE!!』というパーティーにお招き頂きました。
??!!SAKE!!
??4/30(Sat) 16:00?21:00
??渋谷Another Dimension
??1,000yenmizm
TAK666
Takayuki Kamiya
tcmz
DJ Shun 55
12_1日本酒愛好家が集うパーティをやります??
当日はDJ陣選りすぐりの素晴らしい日本酒を特別メニューとして販売。
最高の音とお酒を共に楽しみましょう?? #SAKE0430 pic.twitter.com/TJuFdC7Fn1— 12_1/トニー (@12_1) March 8, 2022
その名の通り、日本酒にスポットを当てたパーティーで出演者もみんな日本酒好き。
あまつさえ1人1本ずつ選りすぐりの日本酒を持ち寄り、注文可能なメニューとして当日提供します。
先日選定を終えたところなのですが、ご来場者に気に入って頂けるかどうか、結構ドキドキです。
DJに関しては多分いつも通りハチャメチャです。
透明なお水が好きな方は是非お越しください。
【今回のお題】
さて、先週末は同人音楽即売会M3でした。
釣果はこんな感じ。
M3結果。 pic.twitter.com/jVMG2c6D6r
— TAK666 (@012345666_) April 26, 2022
前回とほぼ同数くらいだと思います。
おかげでこれらの取り込みには丸1日かかりました。
今まで知らなかったサークル、レーベルに興味を持ってしまうとつい喜んで大量購入しがちなんですけど、こればっかりは止められそうにありません。
というワケで、今回のM3でゲトった中から一部を紹介していきたいと思います。
当連載に於いて11回目となるM3特集です。
前回M3-2021秋特集はこちら。
それより以前の特集はこちらになります。
2021春 / 2020秋 / 2020春 / 2019秋 / 2019春 / 2018秋 / 2018春 / 2017秋 / 2017春
これまでと同様、表記順は『【アーティスト名】 / 【リリース名】 [【サークル(レーベル)名】]』でテクノ的オススメをメインに、あといくつか個人的趣味で挙げていきます。
それでは
いってみましょう。
【曲紹介】
本間本願寺/トライバルかおる!【Preview】 – YouTube
我らがハードグルーヴマスター、本間本願寺さんがまたやってくれました。
このふざけきったタイトルとジャケット(元ネタ)に反して100%ハードトライバルという、おそらく同人音楽史上ハイパーレアな作品。
少なくとも2022年のテイストではない。
どの曲をとっても手数の多いパーカッションリズムと厚いベースラインに支えられた太いグルーヴを奏でており、フロアユース度は抜群。
是非何らかの手段で手に取ってもらいたい1作です。
個人的な好みはパーカッションリズムに加えてラテン系のボーカルとブラスのサンプリングが乗ったファンクネス全開の5曲目、タイトル無し。
(というか全曲タイトル無し。)
公式サイト:https://soundcloud.com/homma_honganji
ところでこれはM3とは全く関係が無いのですが、Omega DriveやMr. Rogといったハードグルーヴシーンのベテランアーティストが中心となって今年設立されたレーベル、Not Answer For Thisのニューリリースが本間本願寺さんの作品なのですが、前代未聞のテレビ探偵団のオープニングネタハードグルーヴです。
TV Detectives Club (Original Mix) by Homma Honganji on Beatport
この曲の存在そのものに『嘘だろ!?』って言いたくなること以上に、この曲が海外レーベルからリリースされており、普通に配信サイトから購入可能という状況にも『嘘だろ!?』と言いたくなる作品。
絶対外人に伝わらないし、ホント何やってんのあの人。
それでもリズムはバッチリ本間本願寺節全開なのが憎い。
ナードコアのハードグルーヴだから・・・ナードグルーヴ?
Stream AHIDG03 – Solarqueen by Akihabara Heavy Industry Inc. | Listen online for free on SoundCloud
続いてこちらも本間本願寺さんのリリース。
こちらは真面目な本間本願寺さんというか、ストイックな本間本願寺さんの作風が味わえます。
どの曲もピアノやシンセを軸にしたフーレズを活かしつつ、厚いアレンジが施されたリズムと絡まりハード且つメロウなハードテクノに仕上がっております。
個人的な好みはシンプルなシンセでなぞったラテン風味なフレーズとバッキングピアノの絡みが気持ち良い2曲目、Moonseed。
でもってこの作品は本間本願寺さんのオリジナル曲3つに加え、豪華陣営によるリミックスが10曲収録された大ボリュームな内容となっております。
TAKAMIさん、Seimeiさん、Nhatoさんといった各シーンを代表する面々が集う中、我らがHardonizeから774Muzikさんが抜擢されております。
往年のハードトライバルフレーバー漂うリミックスで良かったですよ。
あとbassmicrobeさんのリミックスが原曲のトライバルリズムを活かした変わり種ベースラインになっていて大好物でした。
公式サイト:https://www.ahiweb.info/
作品購入:Solarqueen | Homma Honganji | Akihabara Heavy Industry Inc.
毎度真っ暗闇で硬いビートのテクノを手掛けているKouki Izumiさんのニューリリース。
飾り気のない、無機質なサウンドの反復によって構成されたトラックが多く、現代のハードめなメインストリームテクノに程近いものがメインですが、テックハウスと非4つ打ちテクノもそれぞれ1曲ずつ入っていて手腕の幅広さも感じられるEPとなっております。
特にKouki Izumiさんの非4つ打ちテクノはストイックなダブステップやブレイクスといった別ジャンルとの合間を良い感じに埋めてくれるので、僕のようなクロスオーバープレイヤーにはありがたいものだったりします。
日本でこういう要素にスポットを当ててくれる人もそんなに多くないですしね。
個人的な好みはストンプ系リズムと延々ループするラフなシンセが攻撃的な印象を受ける3曲目、Dexterity。
公式サイト:http://technoa.info/
Stream [CFD]The Beginning Of Life EP by VC FOX | Listen online for free on SoundCloud
ハードウェア機材を駆使してトラックメイキングやマシンライブを行うvc foxさんのニューリリース。
ミニマルやエレクトロニカといった『聴ける』ものから芯のあるリズムを軸とした『踊れる』ものまで幅広く手掛けている技巧派アーティストです。
本作はどちらかというと『踊れる』寄りのトラックが多く、それもアシッドシンセをメインに用いているタフなテクノにスポットが当てられているように思います。
こういった曲で聴かせるにはどういった機材でどう操作しているのか、またvc foxさんのマシンライブが見たくなるような作品。
個人的な好みはシンセ、パッド、ピアノが互いに絡み合い、流れるようなメロディーが美しいプログレッシヴハウス寄りの5曲目、The beginning of life。
公式サイト:http://vc-fox.com/
作品購入:The beginning of life EP | vc fox | VC FOX
Stream gravizaava | Listen to Shark ep playlist online for free on SoundCloud
ピアノ奏者というポジションから本間本願寺さん率いるテクノバンドBigfireのサポートや後述のCharterhouse Records作品に参加されているgravizaavaさんの作品。
今回初めて知りましたが、アナログシンセを用いたテクノがメインとのことで、前出のような経験もあってか全体的にコード感の強く出たトラックが多め。
複数のフレーズやサウンドの組み合わせによって構成されている楽曲はライブ感があって聴きやすいようにも感じました。
個人的な好みはリリースの長いシンセの音を複数種類重ねつつ、ややレトロなメインリフがゲームミュージックっぽくて楽しい3曲目、Dolphins。
ちなみにこちらのShark epは2019年にリリースされたものであり、この日の新譜としてはInsectsという作品が出ておりましたが、そのリミキサーの1人がyousuke kagaさんという個人的に古い付き合いのあるクリエイターでした。
なんかちょっとした縁を勝手に感じております。
公式サイト:https://soundcloud.com/gravizaava
作品購入:Shark ep | gravizaava
Stream [2022春M3、0424発売]LBTのおきなわ紀行 by lbtweb | Listen online for free on SoundCloud
ビールとファンキーミュージックをこよなく愛する長いキャリアを持つレーベル、LOVE BEER TRAXことLBTのニューリリース。
レーベルメンバーに加え、沖縄に縁のあるアーティストを招いてそれっぽいサウンドやサンプリングを駆使した楽曲が揃ったコンピレーション。
収録ジャンルも様々でテクノやブレイクビーツは勿論、ドラムンベースや古めかしいハッピーハードコアまで手を広げています。
誰が手に取ってもどれかは気に入る曲があるんじゃないかと思える、愉快な作品です。
個人的な好みは沖縄民謡×ダブ×ハードグルーヴという滅茶苦茶なジャンル間のクロスオーバーを見せている4曲目、DJイオ / 行こう! 国際通り! (Hardgroove dub mix)。
ところでこれもM3とは関係ないのですが、今年に入ってレーベルが運営するbandcampのアカウントから過去(2001年~2008年)にリリースされたヴァイナルリリース音源が再販されております。
下に貼り付けるのは特に好きな1作。元ネタは大好きなコレ。
LBT004「UNDERAGE DRINKERS e.p.」 | パリッコ | lbt
自分はヴァイナルを持っているものの、これは本当に熱い出来事だと思っています。
ハードグルーヴというスタイルがシーンに定着する前から、それも日本でこういった曲を作り、DJを行ってきた面々の作品なので、とても意義のある作品なのです。
歴史を再確認する意味でも、まだ持っていない方は是非。
公式サイト:http://www.lbt-web.com/
Stream HYVE Vol.3 Crossfade Demo by HYVE | Listen online for free on SoundCloud
ハードテクノ同様に数々のサブジャンルを抱えるハードダンスを包括的にカバーするレーベルHYVEの新作コンピレーション。
現行のシーンのトレンドを押さえたものからアーティストの個性が強く発揮されたトラックまで、同ジャンルに於ける陰陽が余すところなく味わえます。
この種のコンピレーションはそのジャンルに新規層を取り込むための入口として絶対に必要な存在ですし、また新進気鋭のクリエイターを積極的に採用しているので好事家も飽きさせない双方両得な内容に仕上がっていると思います。
更に全曲しっかりフロアユースなので硬め4つ打ち音楽DJ諸氏に於いては特に見逃し厳禁のリリースではないでしょうか。
個人的な好みはベースラインでありながらドンクベース、レイヴスタブ、2ステップリズムやグライムビートなど他ジャンルの要素が複合的に凄まじい密度で襲い来る6曲目、Dustvoxx / Wheel Up。
公式サイト:https://soundcloud.com/hyve-hard
作品購入:HYVE Vol.3 | V.A. | HYVE
カセットテープをリリース媒体とし、ハウス~テクノの中間を縫うようなトラックに於いて、個人的に全面の信頼を寄せているレーベルCharterhouse Recordsのニューリリース。
ですが、本作はブレイクビートやベースラインといったこれまでの作品とは異なるアプローチのトラックが多く収録されており、意外な一面が見られたものでした。
またそれらが押し並べて良い。
1曲目のタイトルトラックBold Actionは前述のgravizaavaことShinya Kuramotoさんを招いたアナログテイストなサウンドの2ステップ、
3曲目の無機質なドラムパターンと時折差し込まれるアーメンブレイクの上をスムースなホーンの音が広がっていくCell Division、
5曲目のレゲエに於ける大クラシックWayne Smith / Under Me Sleng TengネタRiddim Is Riddimなど、インパクトの強い曲が揃ってます。
同人音楽の醍醐味の1つとも言える実験的マインドに溢れた作品。
公式サイト:http://charterhouserecords.com/
作品購入:Bold Action EP | Motoki Hada | Charterhouse Records
今年設立され、フィジカルリリースも今回のM3が初めてというponiyamaさん主宰のレーベルLiminal Warpのコンピレーション作品。
アニメ×ベースミュージックをコンセプトとして謳っており、本作もアニメのセリフをサンプリングしたダブステップ、ドラムンベース、エレクトロニカが収録されております。
但しそれらは総じて冷たく無機質で鋭利なサウンドによって構成されており、所謂ナードコア的な快楽性、煌びやかさは皆無。
暗闇の中でズブズブに沈ませるようなストイックなトラックの数々は入り組んだ現代社会を反映しているかの印象を受けるものの、新興のレーベルの処女作とは思えない発想です。
サンプリングの元ネタを辿ることで見えてくるメッセージ性なんかもありそうですし、そういった深読みや実験的アプローチが好きな方の手に届くことを願っております。
個人的な好みは緻密に組まれた複雑で無機質ビートとアシッドシンセのユニゾンが終始不穏な雰囲気を纏っている6曲目、sanmal / Snatcher。
公式サイト:https://soundcloud.com/liminal_warp
Stream 2022春M3-CONSTELLATION vol.2 by hoshizora labels | Listen online for free on SoundCloud
音楽のみならず映像作家、イラストレーター、デザイナー、ステージパフォーマーなどエンターテイメントに関わるアーティストが数多く所属している集団hoshizoraの音楽部門による新作。
前作も個人的にはお気に入りだったドラムンベースコンピレーションのシリーズ2作目です。
ドラムンベースもまたハードテクノ同様、曲調が明るかったり暗かったり、サウンドが生音重視だったり無機質だったりと数々のサブジャンルが内包されているのですが、
本作もまたそれらを総合的に含んだ内容となっており、またクオリティも本場海外のものと比べても遜色無いためドラムンベース入門編としてはかなり最適な内容となっております。
まだサブジャンルとして定着しきっていないような最新のスタイルまでバッチリ取り入れている辺りからも、この作品に対する相当な意気込みが伺えます。
個人的な好みはブレイクの荘厳な感じとメインリフのガラの悪さのコントラストが本場のメインストリーム感そのまんまの印象を受ける4曲目、Nim / Uncaged。
公式サイト:https://hoshizora.works/
作品購入:4/24 NEWリリース (春M3出展)「CONSTELLATION2」/ドラムンベース・コンピレーション | Creator shop
まとめ
以上、『M3-2023春』で買った同人テクノをお送りしました。
ここ数回、世の中的な情勢もあってあからさまに少なかった参加者の数もようやく戻り始めたかなという感じで、かなり収穫のあった回でした。
クオリティの高さやアイディアの奇抜さには驚かされるばかりなので、音楽即売会はやはり意義のある催しだということをひしひしと感じております。
まだ行ったことがないという方がいらっしゃいましたら是非次回はご検討ください。
そんなわけで今回はここまで。
次週05月03日は774Muzikさんが担当します。
では。