こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。
他メンバーの連載でも口酸っぱくお伝えしている通りではございますが、次回Hardonizeの情報が解禁となりました。
従ってソロでDJブースに立つ人は皆無。
B2Bは互いの信頼関係と個々の対応力が求められるので、お互い歩み寄ったプレイをするのか、それともどちらかが裏切った結果殺し合いが始まるのか、大変見ものです。
06月23日土曜日、いつも通り早稲田茶箱にて執り行います。
皆様のお越しをお待ちしております。
折角なので各ゲストについて簡単に紹介しましょう。
774MuzikさんのB2B相手として選ばれたのはboxさん。
若手でありながら曰く『何だかんだあって』テクノに辿り着き、DJ/トラックメイカーとして活動中。
東京テクノパーティー協定、Techno Allianceのコンピレーションにも楽曲提供されていたり、774Muzikさんのリミキサーとして起用されたりとHardonizeとも縁のある方です。
むしろ今までお声がけしていなかったのが不思議。
尚、若手であるにも関わらず影響を受けたテクノがSurgeon直系のハードミニマルだったり、ハードウェアオンリーでライブパフォーマンスをしていたりと大分生まれる時代を間違えている感があります。
Sangoさんの相手はgekkoさん。
こちらも若くしてハードテクノにハマってしまった方です。おぉ・・・かわいそうに・・・。
しかしハードテクノ以外にも造詣が深く、ベースミュージックからアニメソングまでこなすオールラウンダー。
その趣味を遺憾なく発揮しているのが地元山梨にてオーガナイズしているパーティー、FirstFantasyであり、The LASTTRAK、monolith slip、the sub accountなど特定のジャンルに依らないブッキングを敢行しております。
Sangoさんも以前ゲスト招聘されていたこともあり、今回のオファーはその意趣返しと云ったところ。
但し、先日茶箱でgekkoさんにバッタリ会った際に話を伺ったところ、『如何にしてSangoさんに嫌がらせのような選曲を行うか。』について考えを巡らせておりました。
そしてyudukiボスに選出されたのはREV-TUNEさん。
(メカメカしい)テクノと(メカメカしい)サブカルチャーを好み、両者の特性を落とし込んだようなDJを主として都内で活動されている方です。
特にエウレカセブンには並々ならぬ心血を注いでおり、最早ライフワークと言っても良いくらい。
彼がBack 2 Bellforestと云うパーティーをオーガナイズしているのもそのライフワークの一端でしかありません。
余談ですが、時折ジュークやサイケデリックトランスに傾倒する素振りを見せたり意外な一面を持っています。
底が見えないと云うのはB2Bに於いて強烈なプレッシャーだと思うので、せいぜいボスには頑張って頂きたいものですね。
更に余談ですが、以前お宅にお邪魔した時に淹れて頂いたルイボスティーが美味しかったです。
さて、ワタクシはと云うと次回のHardonizeに於いて四文屋難民と云う名義で出演致します。
内情はと云うとBee.Bee.さん、orinetoneさん、Takayuki Kamiyaさん、そしてワタクシの4人によるB2Bでございます。
まずこの名義は何なんだと云う問いについて回答致しますと、この4人で某居酒屋に赴くと云う催しがそこそこ行われているのであります。
で、某月某日も勇んで某居酒屋に足を運んだまでは良かったものの、満席によって路頭に迷う羽目になり、流れ着いた先が某居酒屋の別店舗と云う顛末があったりしたワケです。
別に音楽的な高みを目指すためにこの4人で集まったワケではなく、やることと云えば某居酒屋でクダを巻くのみではあったのですが、今回こう云ったコンセプトでHardonizeを行うとなった際、試しに上記3名に打診したところトントン拍子に話が進み、丁度難民の経験もしたことだしと名義もこの通り決まったと云うのが全てです。
早い話がワタクシの悪フザケでございます。
その悪フザケが既に他のレジデントを戦々恐々とさせているようですが、確かに我々4人はお互いのDJや楽曲については何度も見聞きしている仲ではあるものの、それぞれのプレイスタイルに確固たる共通点があるわけではありません。
キャリアに裏打ちされた思考法やDIG力については皆一級品の持ち主だと確信しておりますが、それぞれバックグラウンドは全く異なるので、それがどう混ざり合っていくのか当事者として大変楽しみです。
B2Bは気心の知れた仲で行うのも楽しいですが、こう云った予測不可能な組み合わせで行うのもまた醍醐味の1つであると確信しております。
そんなワケで、今回は四文屋難民のワタクシ以外3名がそれぞれが得意とする音楽についてご紹介します。
まず1人目にご紹介するのはBee.Bee.さん。
Hardonizeには#28で1度お招きしております。
今回のB2Bの発端となった飲み会を企画した張本人にしてあの居酒屋の大ファン。
クダを巻くのが当初の目的であったにも関わらず、最近は酔っ払ったBee.Bee.さんの面白ムーブを観察する会になっている感もあります。
その姿は大変幸せそうなので見ているこっちもほっこりします。
しかしそれが音楽となると一転、硬派でストイックな側面が露わに。
ハードダンスに焦点を当てたパーティーENIGMAにてレギュラーDJを務め、ボトムがヘヴィーなトラックを積極的にプレイする印象があります。
煌びやかさよりも1音1音の破壊力に重きを置くタイプ。
また、前回の『M3-2018春』同人テクノ特集でも取り上げたクリエイター集団exbit traxにも所属し、作曲、プロデュース、果てはライターも行う器用な人でもあります。
最新作、RAID EPに於いてはフーバーを全面的にフィーチャーしたテックダンストラックを披露。
今までありそうでなかった曲となっております。
そんなBee.Bee.さんを語る上で欠かせない音楽が、
であります。
ハードスタイルやハードトランスと並ぶハードダンスの1種で、その名の通りイギリスが発祥。
フーバーやアシッドと云ったレイヴ要素をふんだんに使いつつ、ベースの跳ね方や連続性に軸を置いた音楽と云う認識が一般的です。
ロングブレイクも必ずあって、ドラムロールと共にドカーンとサビに展開するあたり、ハードテクノよりは格段に派手な音楽ですね。
ちなみにUKハードハウスは陽気なリフとバウンシーなベースが特徴的なスタイルと、エグい音使いでシリアスなメロディー進行をするものがありますが、Bee.Bee.さんがより傾倒しているのは後者である気がします。
Hardonize出演の際もこの手の音でガン攻めのプレイを行って頂きました。
最近のリリースではこんな感じ。
レイヴ直系のサウンドらしく、オールドスクールな音もまだ聴けるジャンルです。
ロンドンのヤンキー感をまた聴けるかもしれないと思うと胸が高鳴ります。
続いてはorinetoneさんをご紹介。
Hardonizeには#14で1度お招きしております。
今回の3人の中ではワタクシと1番付き合いの長い方で、既に何度もB2B経験があるばかりか、2人でラウンジ6時間と云う無茶なオーダーを引き受けたこともあります。
(なんだかんだ言って楽しかったですね。)
あと何故かゲーム繋がり。それも格闘ゲーム。
これも以前B2Bとして出演したパーティーでプレイ中に突然アーケードコントローラーを握らされ、クラブの大画面で格闘ゲームをやったことがあります。
本人たちチョー真面目にやってるの面白すぎる #SRUnDo pic.twitter.com/u3BMFUzSel
— ame_ba_bot (@ame_ba_bot) 2016年3月13日
トラックメイキングに関しては最近の秋葉原重工への参加でじわじわと活動域を広げておりますが、軸足は昔からDJに寄っている気がします。
参考までに以前Hardonizeにご出演頂いた際のプレイがこちらになります。
とはいえ、orinetoneさんがハードテクノのDJかと問われると、多分NO。
彼女も僕と同じく音楽放浪癖のある人で、テクノ、ハウス、ベースミュージック、ハードダンス、なんでもこなします。
しかし選曲に対する考え方にはやっぱり差異があるもので、時折予想しない流れに転がっていくこともある。但しお互い対応はできる。
こういう良いハプニングを安心して期待できる人と行うB2Bは大変楽しいと感じることが多く、ありがたい存在だと思ってます。
そんなorinetoneさんを語る上でジャンルを1つに絞るのは非常に難しいのですが、最近の彼女のトレンドとして
が挙げられます。
高速ブレイクビーツでお馴染み、ドラムンベースのサブジャンルの1つで、歴史も深度もある音楽です。
リキッドファンクが他のドラムンベースと一線を画すところと云えば、何と言っても液体のように透明感のある空気感やメロディーでしょう。
リフやパッドの美しさと臓腑に響くベースのエグさと云う、ある種相反する要素を持ち合わせております。短い言葉で例えると『健全なエロ』。
こちらもまた生音系重視の昔ながらの質感を持った音使いのものと、近代ドラムンベースらしくカッチリした電子音に焦点を当てて作られたものとざっくり2つに分けることができますが、orinetoneさんの好みは前者である印象を受けます。
最近のリリースではこんな感じ。
ジャングルめいたリズムのトラックもまた黎明期からずっと続いている1つのスタイルで、この他にもエレクトロニカに近いくらいミニマルなリキッドファンクもあったり、サブジャンル1つ取っても紹介しきれないのがドラムンベースの脅威であり、魅力でもあります。
そういう辺りがまた彼女らしい音楽だなとも思ったりするワケです。
最後に紹介するのはTakayuki Kamiyaさん。
Hardonizeには#22で1度お招きしております。
ご存知と言って良いでしょう、都内でヘヴィーウェイトなテクノに焦点を当てたパーティーと音源制作を行う秋葉原重工のCEOにしてトラックメイカー。
最近では新たにカレーを食べに行ったり作り合ったりするルートが開拓され、日報のようにカレー情報を共有する仲になっております。
あと映画とかゲームの話もよくします。
ここら辺の趣向はあんまり似てないんですけど、お互い引き出しがいっぱいあるのでつい話が広がってしまう、そんな人。
DJとしての立ち振る舞いは言わずと知れたと云う感じがします。
色々聴いている音楽や人脈の幅は広いにも関わらず、あえてテクノに的を絞ったプレイが武器。
そのテクノも広義の意味なので、細分化すればミニマルからメインストリーム、ハード、ダブ、ゲットーなどテクノなら何でもオッケーと云うのが彼のスタンスです。
半年程前にMixcloudにアップロードしていたMIXがハードテクノ寄りなので、Hardonize的親和性を期待するならば参考になるかもしれません。
幅広いだけではなく、それぞれの掘り下げ方も相当深いため、彼のDJを聴いていると『テクノでそんな曲あったのか。』みたいな発見をすることもしばしば。
自分にはできない単ジャンルで勝負することの大事さや格好良さと云ったものを再確認させてくれます。
と、まあそんなTakayuki Kamiyaさんなので、代表ジャンルと云ったら
になるわけです。
ただ、最近のテクノシーンの潮流として所謂売れ線のメインストリーム系と、今はアングラ感漂っているけど実験的且つ革新的なものとの間になんとなくボーダーを引こうと云う動きがあって、この動き自体もそうですが、後者に位置付けられた音楽に対して彼と僕の間で興味を寄せているところです。
1年前に大手配信サイト、BeatportのジャンルカテゴリーにLeftfield House & Technoと云う名前で追加されたものがそれに当たり、経緯についてはResident Advisorが記事にしています。
RA: ニュース: Beatportが”Leftfield House & Techno”セクションをローンチ
これはジャンルとして確立する程度のものではなく、あくまでムーブメントと云う認識ですが、変な音楽好きとしては見過ごせないもの。
最近のリリースではこんな感じです。
Takayuki Kamiyaさんからしてみれば、こういう突然変異的トラックをどうテクノの文脈で調理するかと云う課題をクリエイターから突きつけられているとも言えます。
そしてそれを喜んでやってしまう人でもあるんですよね。だってテクノ好きだから。
と云った3人と何でもオッケーなワタクシで次回Hardonizeでは四文屋難民のプレイをお送りすることになります。
紹介したところでやっぱりどうなるか分かりませんね。
案外平和に時間いっぱいハードテクノ流し続ける可能性もありますし、突然『この流れ飽きた!』と言ってブッ込んでくる変化球も全員持っていると思われます。
それでも結局なんだかんだ楽しんでしまいそうな気がするので、温かい目で見守って頂けると嬉しいです。
まぁ強いて言えば、後ろの出番の人ごめんなさいねホント。
次週06月05日は774Muzikさんが担当します。
今回はこれにて。