こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。
【告知1】
次回Hardonizeの情報が公開されております。
2024/12/7(sat) Hardonize #48 at waseda sabaco | Hardonize web
ゲストにAkuaMarine さん とCarpainter さん の2名をお招きしてお送りします。
両名とも若くしてテクノ 、ハードテクノ は勿論のこと、多種多様な音楽に精通しているプレイヤーであり、自身のオーガナイズを含めた様々なパーティーを渡り歩いている腕利き同士でもあります。
Hardonizeレジデントメンバーとは1~2世代の隔たりがあるため、同じ曲でも解釈が異なり、全く違う使い方をするといったことが起こりえるので、 そういうところにも面白味が出てきそうだと期待しております。
日にちは12月07日(土曜日)、15時からとなります。
場所はいつもの早稲田茶箱 にて皆様のご来場をお待ちしております。
また、当日は入場特典として国産テクノコンピレーション、Techno Alliance 8の配布が行われます。
V.A. / Techno Alliance 8
Techno Alliance 8 | Techno Alliance
Hardonizeとしてお世話になっている方々の楽曲を含む全20曲。
テクノ からハードミニマル まで機能性に優れたものが揃っておりますので、是非ゲットしてください。
【Spotifyプレイリスト】
Spotifyプレイリストの10月分が公開されております。
当連載でピックアップしたハードテクノをメインとするトラックをプレイリスト化した全60曲。
自分テックトランス をリストインしております。
是非お楽しみください。
【近況】
先週末はTREKKIE TRAX 12th Anniversary with L-VIS1990 へ遊びに行ってまいりました。
次回HardonizeゲストでもあるCarpainter さんが主宰を務めるTREKKIE TRAX の12周年を記念し、海外ゲストも招聘して盛大に行われたパーティーだったわけですが、
ジャンルの枠を越えて色々な方々が来ており、且つその方々が(例え自分の主戦場とするジャンルでなくても)その時流れている音に対して耳を傾け、そして踊っている光景は自分の理想とするパーティーに近いもので、結構感動しました。
TREKKIE TRAX の持つ懐の広さを感じられたようにも思えましたし、海外ゲストのL-VIS 1990 のプレイ含め、ダンスミュージックの作り出すポジティブな雰囲気と奥深さを改めて体感できた、そんな一夜でした。
今のところ今年遊びに行ったパーティーで1番印象に残っているかもしれません。
本当にナイスパーティーでした。
【告知2】
今月最終土曜日、比較的よくウチに遊びに来るカメラマン兼ファンコット DJであるsaegsa さん主宰によるパーティー、VARIETY に出演致します。
主宰のパーティーオーガナイズ10年を記念した特別回ということでオールB2Bアクトであり、なんでこの面子が一堂に介するのか分からないくらい、様々なシーンから腕利きが集められました。
先日本人とお会いした際、『前後の繋がりとか考えなくて良いんで!』と言っておりましたが、改めてこの面子を見ると・・・いやー無理ですね。
ちなみに僕の相方は各種音楽ゲームコンポーザーとしてお馴染み、t+pazolite さんというワケでそれはもう色々なジャンルの音楽が流れると思います。
っていうかパーティー1週間前ですが、当事者含め、何やるのか誰も分かってません。
常に誰かが誰かによって苦しめられる可能性を孕んでいる一晩ですが、 お客様各位につきましてはブースで慌てふためく連中を肴に美味しいお酒を飲みに来て頂ければ幸いです。
賭博黙示録カイジ の電流鉄骨渡り でレースを遠目に観察している成金、アレのポジションになれます。
【¡¡SAKE!! vol.5 トラックリスト】
さて、先週末は予てよりお伝えしていた¡¡SAKE!! vol.5 に出演しておりました。
出順としてはTakayuki Kamiya さんからバトンを受け取り、12_1 さんに渡すというポジションであり、
テクノ とハードコア という、テンポもテンションも何もかも異なる2つの音楽の橋渡しをしなければなりませんでした。
勿論、いくらでもやりようはあるのですが、本パーティーは提供される日本酒を醍醐味の1つとしており、パーティー中盤ともなれば酔っ払いが続出しているだろうし、そういう人たちに直感的に刺さるものの方が良いのではと考えた結果、
徹頭徹尾J-POP 、
それもアニメソング 、ボーカロイド楽曲 多め
という内容になりました。
全容はこちら。
No
Artist
Trackname
Listen
B2B
Tiga
Louder Than A Bomb (Dense & Pika Remix)
beatport
B2B
花譜 & MONDO GROSSO
わたしの声
YouTube
01
きゃりーぱみゅぱみゅ
どどんぱ
YouTube
02
すずめのめ (feat. 重音テト)
電脳G
YouTube
03
原口沙輔
ユレ弧
YouTube
04
Cappidan
SHIKANOKO Dub
SoundCloud
05
電音部 (feat. Hylen)
ウルトラリズム (tonio Speed Garage Remix)
SoundCloud
06
ばってん少女隊
あんたがたどこさ~甘口しょうゆ仕立て~
YouTube
07
P丸様。
MOTTAI
YouTube
08
zensen
marry me
YouTube
09
宮守文学 (feat. 初音ミク 6, VOICEVOX:春日部つむぎ)
いっぱいキャパシティ (disco remix)
YouTube
10
女王蜂
ヴィーナス
YouTube
11
SOUTHERN ALL STARS
エロティカ・セブン
YouTube
12
天堂天彦
VIVA LA LIBERATION
YouTube
13
月島きらり starring 久住小春(モーニング娘。)
バラライカ
YouTube
14
ピノキオピー (feat. 初音ミク & 鏡音リン)
Aじゃないか
YouTube
15
YOASOBI
UNDEAD
YouTube
16
土間うまる (CV:田中あいみ)
かくしん的☆めたまるふぉ~ぜっ!
YouTube
17
MAHO堂
おジャ魔女カーニバル!!
YouTube
18
Yurizo
Daydream Cafe (Yurizo Jersey club edit)
試聴なし
19
ギガP x おればなな feat. 鏡音リン・レン
えれくとりっく・えんじぇぅ
YouTube
20
Reno
Into The Sky
bandcamp
21
Kizuna AI (Prod. Nor)
Hello, Morning
YouTube
22
あばらや
かなしばりに遭ったら
YouTube
23
lumo
メトロハドロンコライダー
Spotify
24
水槽, r-906
心音賛歌
YouTube
25
小倉唯
Baby Sweet Berry Love (maon remix)
試聴なし
26
やすなとソーニャ (cv:赤﨑千夏・田村睦心)
ふたりのきもちのほんとのひみつ (189’s DnB Bootleg)
SoundCloud
27
Creepy Nuts
オトノケ
YouTube
28
MINMI & Nujabes
四季ノ唄
YouTube
29
Lucky Kilimanjaro
Do Do Do
YouTube
30
水曜日のカンパネラ
赤猫
YouTube
31
YUKI
長い夢
YouTube
いやー大分やってやりました。
終盤になるにつれて後ろの順番の人 の顔がどんどん濁っていったような気もしますが、きっと飲み過ぎでしょう。
【今回のお題】
ところで、本連載をご覧頂いている方々にとってボーカロイド楽曲 というのはどのくらい馴染みがあるものでしょうか?
当初は単なる人工音声、言わば楽曲を構成するいち要素でしかなかったものを、1つの文化に発展させた初音ミク の発売から17年、その過程で数々のアーティストによって様々な楽曲が日々生み出され、今やその数は10万曲を超えるとも言われています。
現在の日本を代表するシンガーソングライターと言っても過言ではない米津玄師 も元々はボーカロイドを使用した楽曲を手掛けており、代表曲の1つが本人の手によって今年リメイクされたことは大きな話題を集めました。
ハチ / ドーナツホール 2024
VIDEO
ハチ – ドーナツホール 2024 , HACHI – DONUT HOLE 2024 – YouTube
ボーカロイド楽曲 というのは文字通りボーカロイドを使用した楽曲のことであり、音楽的なジャンルについて決まったフォーマットを示しているものではありません。
とはいえ、ボーカロイド黎明期の金字塔として名高いsupercell / メルト や上記のドーナツホール 2024 のようなロックであったり、キャラクターイメージを活かした可愛らしいポップスが最大派閥であることは想像に難くない筈です。
しかし、その一方で黎明期の例えるとkz / Packaged のように、ダンスミュージックの側面を打ち出したボーカロイド楽曲 というのも確かに存在しており、様々なジャンルとの融合を図りながらボーカロイドの間口を拡張し続けています。
意外性という点から1つ例を挙げると、ハードミニマル をバックトラックに初音ミクのボーカルを乗せた曲というものが3か月前に公開されております。
す / 昆蟲採集
VIDEO
【初音ミク】昆蟲採集【オリジナル曲】 – YouTube
このように、サウンド的にはダンスミュージック然としていながらボーカロイド楽曲 にある程度触れていないと見つけるのが難しいトラックというものが存在します。
しかし、何分この手の曲は探すこと自体が困難だったりします。
beatport やJuno といったダンスミュージック配信サイトのように、リリースされる楽曲についてジャンルやカテゴリー分けがされているわけではなく、アーティスト名やトラック名の中に使用したボーカロイドの名前が入っておらず、一般楽曲と判別がつかない場合も多々あり、
またそもそもYoutubeで公開されているだけで楽曲としてはリリースされていないといったケースもあるなど、何もかもがダンスミュージックに於ける流通の常識と異なります。
(実は上記のす / 昆蟲採集 も未配信楽曲です。)
なので、本格的にボーカロイド楽曲 をDIGろうと思った場合は各SNSでクリエイターのアカウントをフォローし、bandcampで“vocaloid” や“hatsune_miku” といったタグを巡回、ニコニコ動画も健在なので“VOCALOID” タグを追いつつ、初音ミク Wiki やVocaloid Database といったコミュニティサイトにも目を向ける・・・といった非常に地道な行動が求められます。
おそらくこれがボーカロイド楽曲 に対するハードルを高いものにしている一因のような気がしますが、実は日々リリースされているといってもその数はダンスミュージックに比べれば少数(※)なので、1つ1つの巡回量はそう多くなかったりします。
(※リリースされている楽曲の大半が日本向けに作られているため、世界規模のダンスミュージックとは母数が異なります。)
雑に言えば、これらに興味が向く切欠さえあればあとはガッツで何とかなる、と思っておりますので、今回はその一助として
2024年にリリースされている
ダンスミュージック的ボーカロイド楽曲特集
として、上記¡¡SAKE!! vol.5で使用した楽曲も含めてピックアップしていきます。
細かいルールとして、いわゆるブートレグは無し。
原曲か、オフィシャルとしてリミックスされたもののみ、取り上げていきます。
あと楽曲として購入可能なものに絞っております。
願わくばこれとかサウンド的にモロに現行テクノ という感じがしたのでちゃんと取り上げたかったのですが・・・残念ながらまだリリースされてないんですよね。
HSP(鼻そうめんP) feat. 初音ミク / 鼓動
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鼓動 / HSP(鼻そうめんP) feat. 初音ミク – YouTube
では、2024年にリリースされているダンスミュージック的ボーカロイド楽曲特集 いってみましょう。
【曲紹介】
02 / すずめのめ (feat. 重音テト) / 電脳G
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電脳G / 重音テト – YouTube
購入先一覧:電脳G (feat. 重音テト) by すずめのめ | TuneCore Japan
すずめのめ さんによるテクノ 。
ややヒネたリズムの上をアシッドシンセがひたすらループしている曲。
ボーカルもその雰囲気に沿うように抑揚のない歌い方になっており、全体的に無機質さが強調されております。
一方で間奏パートは開放感のあるレトロなシンセとブレイクビーツを採用したものになっており、2分というタイトな尺のなかでかなり強めの対比を演出しているのも特徴の1つ。
余談ですが、このすずめのめ さんの他の曲で、いなたいレイヴ サウンドをベースライン リズムに乗せた生き死に1999 というものがあり、こちらもかなり個人的にはツボでした。
勝手ながら、アングラなクラブミュージック文脈を捉えるのが上手いクリエイターという印象を受けます。
03 / 原口沙輔, カゼヒキβ, ゲキヤクβ, 重音テト / ユレ弧
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ユレ弧 – カゼヒキβ, ゲキヤクβ, 重音テト – YouTube
購入先一覧:ユレ弧 by 原口沙輔 | TuneCore Japan
原口沙輔 さんによるテクノ 。
規則的なハイハットリズムと裏打ちのベース、うっすらと敷かれたパーカッションによって曲全体の軽快さを確保している一方、ある意味でボーカロイド楽曲らしくない、やや歪んだ深度のあるボトムを採用している珍しいトラック。
ボーカルも散逸的でどちらかというとビートの方がメインという感じなので、一般的なクラブミュージックとかなり合わせやすいです。
08 / zensen, 初音ミク / marry me
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marry me / 初音ミク – YouTube
購入先一覧:marry me by zensen | TuneCore Japan
zensen さんによるハウス 。
ブラスを前面に出したリフにガラージ の要素も垣間見えるビートが相まってスイング感を演出している曲。
2度目のサビの直前に、よりベースが強調されるパートがあるのですが、そことかはかなり一般的なガラージ っぽい。
14 / ピノキオピー (feat. 初音ミク & 鏡音リン) / Aじゃないか
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ピノキオピー – Aじゃないか feat. 初音ミク・鏡音リン / Isn’t it “A” – YouTube
購入先一覧:Aじゃないか (feat. 初音ミク & 鏡音リン) by ピノキオピー | TuneCore Japan
ピノキオピー さんによるテクノ 。
手数が多くキャッチ―な音のメインリフと、2種類のボーカルを交互に配置した掛け合いが前面に押し出されているものの、 ビートは一貫して4つ打ちとなっており、そのシンプルさが逆に映えて聴こえます。
余談ですが、ピノキオピー さんはかねてよりナゴムレコード のファンであることを公言しており、2019年には大槻ケンヂとの対談 を行っています。
この曲もそうですが、親しみを覚えるメロディーを擁している一方で、非常に人間くさい歌詞をボーカロイドに乗せ、その解釈は聞き手に委ねる という作風はまさしくナゴムレコード の十八番という気がしますね。
おばけのウケねらい とか、現代人の承認欲求と幽霊を重ね合わせた内容の歌になっていて、初めて聴いたとき結構たまげました。
22 / あばらや, 歌愛ユキ, ナースロボ_タイプT / かなしばりに遭ったら
VIDEO
かなしばりに遭ったら / 歌愛ユキ、ナースロボ_タイプT – YouTube
購入先一覧:あばらや – かなしばりに遭ったら
あばらや さんによるフューチャーベース 。
サビ以外のボーカルは囁くようなローファイのサウンド処理が行われており、ビートも随所にジャージークラブ のリズムを取り入れた重心低めのものになっています。
後半はビートのアタックが強く、そして倍速になるため、これも曲の中で対比が強く表れているトラックと言えます。
24 / r-906 (ft.水槽 & 狐子) / 心音賛歌
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心音賛歌 / r-906 (ft.水槽 & 狐子) | [DnB向上委員会] [VocaDuo2024] – YouTube
購入先一覧:心音賛歌 by 水槽 & r-906 | TuneCore Japan
r-906 さんによるドラムンベース 。
女性ボーカリストである水槽 さんと、合成音声である狐子 の歌を交互に掛け合わせたもの。
清涼感のあるイントロから、複数のサウンドが組み合わさったコラージュ的メインリフに流れ込むメインリフへ一気に流れ込むバックトラックはかなりアグレッシブな印象を与えてくれます。
【曲紹介 (トラックリスト外)】
ここからは上記トラックリストには含まれていないものの、2024年にリリースされているオススメのボーカロイド楽曲 について取り上げていきます。
宮守文学 (feat. 鏡音レン & 鏡音リン) / パリィ
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パリィ / 宮守文学 feat.鏡音レン, 鏡音リン – YouTube
購入先一覧:パリィ / 宮守文学 | KARENT
宮守文学 さんによるエレクトロスイング 。
強烈な跳ね感と厚みが備わったビートと、インパクトのあるブラスと鉄琴の音をメインリフに据えたトラック。
ボーカルの乗せ方はラップのようにリズミカルであり、テンポに対して倍速になっている箇所もあったりとかなり密度高め。
gaburyu, 初音ミク / 病みゅね100%
病みゅね100% | gaburyu | NEXTLIGHT
gaburyu さんによるハウス 。
スムースなシンセにピッチ高めのボーカルの組み合わせから可愛い音使いになっている一方、ビートは沈むような割と変わったものを採用しています。
パターンも純粋な4つ打ちではないため、サウンドからもタイトル通りの毒っ気を感じることのできるトラック。
雄之助×晴いちばん feat. 初音ミク / アンダースタディ
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アンダースタディ / 雄之助×晴いちばん feat. 初音ミク – YouTube
bandcamp:Vanguard | 雄之助/Yunosuke | 雄之助
雄之助 さん、晴いちばん さんによるハウス 。
清涼感のあるシンセサウンドとアーバンなピアノ、複雑にうねるベースラインなど、キャッチーなメロディーの中にも技巧的な側面を感じることができる曲。
途中でダブステップ ビートになったり、遊び心も詰まっています。
尚、晴いちばん さんは2021年の時点で15歳の誕生日記念に演歌を作って歌ってみました という曲があるように、若干10代の超新星クリエイターです。
おっかねぇにも程がある。
farewell225, 重音テトSV / DM ME
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DM ME / 重音テトSV – YouTube
購入先一覧:TETO_TEST
farewell225 さんによるガラージ 。
小気味良いハイハットが印象的なガラージ ビートと、ウッドベースのようなグルーヴ感のあるリフがアーバンな雰囲気を演出しているトラック。
生音楽曲と電子音楽の橋渡しとして丁度良い温度感という認識です。
Glasses Lovers feat. 初音ミク / Nightcap (oshinko Remix)
Nightcap feat. 初音ミク (oshinko Remix) | Glasses Lovers
oshinko さんによるベースライン 。
同作品に収録されているアッパーハウス な原曲 のボーカルを引き継ぎつつ、メインパートではグロテスクなベースサウンドが炸裂する、ある種の落差が印象的なトラック。
特にボーカロイドに拘らず使える、というか普通にベースライン の流れで使った方がインパクト打点稼げそうです。
wotaku feat. KAITO / シャンティ (DJ WILDPARTY Remix)
シャンティ – DJ WILDPARTY Remix – by wotaku, Dj Wildparty | Spotify
購入先一覧:SHANTI REMIX COMPILATION by Various Artists | TuneCore Japan
DJ WILDPARTY さんによるベースミュージック 。
原曲 がアラビックな笛をフィーチャーした悪そうなトラップ で、ボーカロイド楽曲としてはまあまあ珍しいのですが、それを更にダンスミュージックとして先鋭化させたのがこれ。
メインリフを荒々しくグロテスクなベースで弾き直しており、輪をかけて悪そうな出音になっているのは最早面白味すら感じますし、
3分足らずの尺の中でビートがトラップ ⇒ジャージークラブ ⇒ハードスタイル と移り変わっていくのも、様々な現場を渡り歩いている彼のバックグラウンドが体現されているようで非常に痛快。
OTIKA (feat. 初音ミク) / anatomy
anatomy (feat. 初音ミク) | OTIKA
OTIKA さんによるダブステップ 。
冒頭から哀愁漂うボーカルが展開されますが、メインパートはそれを一気に吹き飛ばすヘヴィーでラウドなリディムダブステップ となっています。
これもボーカロイドに拘らず使える気がします。
今回の¡¡SAKE!! vol.5に於いて使用したReno / Into The Sky も同系統のダブステップ トラックなので、合わせて是非。
wotaku feat. 羽累 / サンタムエルテ
VIDEO
サンタムエルテ / wotaku feat. 羽累 – YouTube
Apple Music:対峙のオーバーラップ – 羽累 – Apple Music
wotaku さんによる速いドリル 。
隙間の空いたビートに深度のあるベース、そして高速のボーカル、この3つの音を前面に、他の音は必要最低限を残して削ぎ落されている印象を受けるトラック。
後半にジャージークラブ ビートを採用していたり面白さはあるものの、治安の悪さという点では今回紹介する中でピカイチなのではないでしょうか。
この曲に関しては現行ヒップホップ の流れで使ってみたい欲があります。
callasoiled / 初音ミクのグルーヴ 1
初音ミクのグルーヴ 1 | callasoiled
callasoiled さんによるブレイクス 。
このアーティストについては幾度かM3特集に於いて取り上げたことがあり、主にエレクトロニカ を手掛けられているのですが、本作についてはかなりダンスミュージック寄りのビートを採用しております。
とはいえ荒っぽい音使いというわけではなく、緻密な音の押し引きによって練り上げられた聴き心地の良いリフと、フィジカルに響く機能性に富んだビートのバランスが絶妙。
本作が収録されているアルバム初音ミクのグルーヴ は、
長年エレクトロニカ に携わってきたcallasoiled さんならではの解釈によってボーカロイドとダンスミュージックの共存をテーマに掲げられている楽曲で構成されており、
一般的なボーカロイド楽曲と趣きの異なるものが聴けるので、かなりオススメです。
m・o・e, 知声 / ノーエ節2.0
VIDEO
ノーエ節2.0 – 知声 – YouTube
bandcamp:けもののようにあるくもの | m・o・e
m・o・e さんによるハウス 。
ノーエ節 というのは静岡県で歌われている民謡でして、それをAI歌唱ソフトに歌わせ、ローファイなビートに合わせたものがこちらになります。
日本のローカル民謡ならではのオリエンタルな雰囲気が、こうもアナログ且つレトロなトラックと相性が良いとは思いませんで、その独特な発想にビックリした曲。
あと民謡の後ろにバージョンを付与するという、絶対に交わらない2つのワードが合わさったタイトルが単純に好きです。
【次回】
大分大盤振る舞いでお送りしましたが、今回はここまで。
次週11月26日は774Muzikさんが担当します。
では。
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