こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。
近況報告。
月末の #SPICEUP で久しぶりに人様にカレーを振る舞うので予行演習してます。
完成は明日。 pic.twitter.com/2QXrZGeYcZ— TAK666 (@12345666) November 16, 2020
カレー作ってます。
??告知??
カレー好きのDJ達による音楽とカレーを提供するパーティー「SPICE UP! 」開催決定!
素敵なDJの皆さん全員がカレーを作って貴方をお待ちしております。11/29(日) 16:00?22:00
@渋谷Dimension
DOOR \1,500 w/1D#SPICEUP pic.twitter.com/KkUC2teINO— さえー (@yryrfnmyi) November 15, 2020
今週末、出演者全員がカレーを振る舞い、DJをするという狂気のパーティーにワタクシも参加させて頂く運びとなっておりますのでご興味のある方は是非。
近況報告終わり。
ほぼ2週間経ってしまいましたが、Hardonize 37回目が無事に終了致しました。
お越し頂いた方々、お聴き頂いた方々、本当にありがとうございました。
未だ先行きの見えない状況下の中での開催となったわけですが、蓋を開けてみればいつものHardonizeといった塩梅で大変楽しかったです。
お招きしたゲストの方々のお力添えもあり、各々がハードテクノに対する別々の解釈を体現していてかなりバランスの良い回になったように感じております。
ストイックな雰囲気もファンキーな曲も、実験的でアンダーグラウンドなサウンドもバカみたいに五月蠅いリズムも、そしてそれらから別の音楽軸へ派生できる応用力も全てハードテクノの華。
要はみんな違ってみんな良い。
774muzikさんはハードミニマルとハードトライバルを軸に硬質なリズムとループ感を追求するプレイで、往年のハードテクノテイスト溢れるものでした。
前回は自宅からの配信参加だったという件もあり、『久し振りに現場に立てて嬉しいんだろうな。』という話を演奏中にレジデント間でしてました。
それに対し続くyudukiさんも徹底してハードミニマルで抗戦していましたが、現代テクノのハード、インダストリアルといったエッセンスを織り交ぜており、脈々と現在まで受け継がれているハードテクノの美学みたいな点にスポットを当てていました。
2番手にして何というか、無慈悲。
その2人に対して対極的だったのが3番手のSangoさんで、ラテン~ディスコリフ全開のハードグルーヴラッシュ。
陰陽の対比が凄い。
途中レイヴブレイクスなんかも飛び出して『おおっ。』となりましたが、本当にこの人もいつまで経っても趣味が変わらない人だなと思った次第です。
ゲスト1人目、Takayuki Kamiyaさんはメインストリームテクノを全曲早回しという真面目なのに何かがおかしいプレイでした。
彼の選曲に因るところも大きいのでしょうが、やはり現行テクノの持つ深度と硬度はどの時代のハードテクノにも通用することをまざまざと見せつけられました。
アグレッシヴなトラックを多めに聴けたのも楽しかった点でした。
ちなみにこの日の前に静岡で彼が出演となった際、そして今回のHardonizeでもCalling Earth (UMEK Remix)がプレイされていましたが、これ本当に今年の鬼テクノ。
原曲1994年ですからね。
今になってリミックスされた経緯もよく分かりませんが、原曲に匹敵する牽引力は凄まじいの一言。
で、今回がデビュー戦にしてレジデント全員に太鼓判を押された目玉、SILENT TALKERは期待通りというか、あのMIX通りというか、あらゆる音楽の引き出しが広くて眼福でした。
今回の出演陣の中に於いては誰よりもアングラなテクノを掬い上げており、且つそれを踏み台にレイヴ、ベースラインまでキッチリカバー、最後は本当にシュランツでバトンが回ってきました。
烏滸がましいとは思いつつもおそらくテクノ以外でプレイしても形になると思いましたし、また彼らのプレイは拝見したいですし、何ならまた呼びたい。
余談ですが、終わってから彼らに『いつかTAKさんに一矢報いたいと思ってます。』みたいなことを言われまして、えーと、いつかB2Bでもやりましょうか?
遅ればせながら #Hardonize お疲れ様でした。
ご来場頂いた方々、お聴き頂いた方々、ありがとうございました。差し当たり自分のトラックリストはこちら。
ベースミュージックからハードテクノ経由でハードダンス、ロースタイル、シュランツを経て富士山で〆。
トリなので久しぶりに滅茶苦茶やった。 pic.twitter.com/FsfLFfHJ63— TAK666 (@12345666) November 16, 2020
それらを踏まえてトリを任されたのが、ここに至るまでの間に酒で負傷した状態の年齢不詳の不肖、ワタクシ。
ハードテクノにはスポットを当てつつ、しっちゃかめっちゃかな状態を維持しつつ、オチをつけるという問いに対する自分なりの答えを出したつもりです。
酔っ払いですけど。
全容はこちら。
ベースミュージック~ディスコ~ハードグルーヴ~ハードダンス~ハードスタイル~シュランツ~富士山
No | Artist | Trackname | Link |
---|---|---|---|
01 | AAZAR | I LIKE IT | SoundCloud |
02 | AJ Tracey | Redbull (TC4 Carnival remix) | bandcamp |
03 | Levela | Kicked Off | Beatport |
04 | MAHA | Get Busy (Jersey-Club Remix) | SoundCloud |
05 | Hamdi | Trumpet (Y U QT Remix) | bandcamp |
06 | 植松伸夫 | The Winner (H.K.WORKS Reimx) | SoundCloud |
07 | FUNNY KRAVITZ | XXDEEN | 試聴なし |
08 | S.I. Futures | Freestyle Disco | Beatport |
09 | Taku Inoue × KAGAMI | MIRROR BALL “LOVE” FUTURE FUNK | SoundCloud |
10 | Tidy Boys | Orange Project (Ben Carr’s Dirty Disco Dub) | Beatport |
11 | DJ Preach | Tokyo (Raul Mezcolanza Remix) | Beatport |
12 | DJ nagureo | 20,November (GreenLady Bootleg) | SoundCloud |
13 | Andy BSK | Ziel Erreicht | bandcamp |
14 | Yosshie 4onthefloor | All I Ever Wanted | bandcamp |
15 | RICHARD LOWE | Razorback | Beatport |
16 | D00D (feat Mesloes) | Follow Your Taste (Geck-O remix) | Beatport |
17 | Hannya | Psydrums | Beatport |
18 | Fraw | Future Sounds | Beatport |
19 | Tim Neumann aka Lunatic | Acid Maniac | Beatport |
20 | Boris S. | Psychedelic Drug | Beatport |
21 | Dr. Peacock & Ferocious Dog | Psychedelic Spin | Apple Music |
22 | 電気グルーヴ | 富士山 | Apple Music |
例によって数曲かいつまんでご紹介します。
AAZAR – I LIKE IT by AAZAR | Free Listening on SoundCloud
フランスのプロデューサーAAZARによるジャージークラブ。
ディスコに於ける大クラシックKC & The Sunshine Band / That’s The Way (I Like It)ネタ。
インパクトのあるあのコーラスが切り刻まれ、ヘヴィーウェイトなリズムとベースが並走する破壊力満点のアレンジ。
にもかかわらずフリーダウンロードなので、ベース系のプレイヤーのみならず広く推したいトラックです。
Trumpet (Y U QT Remix) | Hamdi
イギリスのプロデューサーY U QTによるベースライン。
派手さは抑えめながら、メインに据えたベースがじわじわと空間を牽引していく直球な構成。
4つ打ちベースライン、ガラージ、ダブと幅広くフォローできそうな応用力も含め、とりあえず持っておけば安心できる優等生トラック。
Freestyle Disco (Original Mix) by S.I. Futures on Beatport
イギリスのベテランプロデューサーSi Beggの変名義、S.I. Futuresによるテクノ。
本名義含め、かなり変態的な音使いをすることで知られたアーティストですが、この曲もその例に漏れない作品と言えるでしょう。
全体的なシーケンスはテクノとかハウスを踏襲していながら、リズムはガラージっぽい上にベースはまんまベースミュージックのそれであり、ウワモノはブラスやコーラスがディスコちっくという、十重二十重とジャンルの層を演出している異形の音楽。
ちなみにこれいつ出たかというと2001年。
ベースミュージックとテクノが接近している現在を予見したかのような作品でもあり、作曲者Si Beggの天才と変態の紙一重ぶりには心底震えます。
MIRROR BALL “LOVE” FUTURE FUNK by IKASAGOJ | AKIM IKASAGOJ | Free Listening on SoundCloud
ジャパニーズディスコテクノに燦然と輝くアンセム、MIRROR BALL FUTURE FUNKとゲーム、アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージの人気曲ミラーボール・ラブをIKASAGOJがマッシュアップしたもの。
組み合わせに意外性がある一方でかなりスムーズにそれぞれの音が混ざり合っており、何よりタイトルに洒落が効いてて好きです。
Hardonizeレジデントは全員KAGAMI好きですし、先日行われた早稲田温泉に於いてyudukiボスがミラーボール・ラブを推していたこともあり、今回にピッタリだなと思った次第です。
20,November(GreenLady Bootleg) by GreenLady | Green Lady | Free Listening on SoundCloud
日本の覆面プロデューサーGreenLadyによるハードグルーヴ。
っつってもすぐ正体分かると思います。何なら中の人とB2Bしたことありますワタクシ。
タイトル通り、元ネタは音楽ゲームbeatmaniaの初代に収録されたコレ。
選曲理由については11月ですからねってことで。
元がラテン風味なハウスなので、そりゃハードグルーヴとも相性◎。
All I Ever Wanted (Original Mix) | Yosshie 4onthefloor | 4onthetrax
日本のプロデューサーYosshie 4onthefloorによるテックダンス。
どうでもいいことですが、最近出先で何故かよく会う人。
今回のHardonizeの数日前にリリースされたばかりの新曲ホヤホヤです。
本人には伝えたのですが、古風なユーロテクノを想起させるリフが変わっててテクノ~ハードダンス間の良い橋渡しになりそうだなと思ったので早速起用させてもらいました。
その場の思い付きで軽くビートジャグリングしてみたら結構上手いことハマってくれたので、ちょっとルーティーン詰めてみようかと思ったり。
Razorback (Original Mix) by Richard Lowe on Beatport
アイルランドのプロデューサーRichard Loweによるテックトランス。
以前書いた新作テックダンス / テックトランス特集で取り上げたり、もし自分がHardonize公募にエントリーしたらMIXでも使用しましたが、この曲に関してはかなり気に入っております。
これだけ毅然としたトランスの洗練されたリズムを奏でているのに、ウワモノがカウベルって。
少なくとも自分の聴いてきたトランスとは一線を画したサウンドであり、しかも妙にそれがハマっていて『格好良いかも?』と思ってしまう辺り完成度の高い曲であるという認識を持っています。
勿論、単純に変ミュージック好きというのは否めない。
Future Sounds (Original Mix) by Fraw on Beatport
ドイツのプロデューサーFrawによるロースタイル。
ハードスタイルの中でもより重厚で攻撃的なキックをコアとするサブジャンル、ロースタイル。
少し前まで硬派でアンダーグラウンド色が強かった印象がありますが、近年のトラックは面白キック合戦の様相が顕著でして、既存のリズムの概念が崩される音が次々出てくるので楽しいですね。
そのジャンルに於いてメインストリームの一角を担っているのがGearbox Digitalというレーベルであり、そこから今年初頭にリリースされたのがこちら。
バッキバキに歪んでいるにも関わらず芯があるという意味不明なキックのオンパレード。
4分打ちのサイケデリックトランスっぽいベースも相まってとにかくアグレッシブ。
Psychedelic Drug (Original Mix) by Boris S. on Beatport
ドイツのプロデューサーBoris S.によるシュランツ。
前回の新作シュランツ特集でも取り上げた、サイケデリックトランスにシフトする珍しい曲。
今年リリースされたシュランツに於いては1、2を争うくらい印象に残っていた曲だったので、ようやく使えたことにほっこりです。
Dr. Peacock & Ferocious Dog – Psychedelic Spin (Official Video) – YouTube
オランダのハードコアプロデューサーDr. PeacockとイギリスのフォークロックバンドFerocious Dogによるサイケデリック・トランス。
この時点でそれぞれのジャンルとその組み合わせが大分おかしい。
元ネタとしてFerocious Dogが2017年にリリースしたSpinという曲があり、思いっきりヴァイオリンを前面に出したケルト民謡とパンクが合体したような奇天烈さが変ミュージックスキーの心を鷲掴み、彼らの代表曲として確立しました。
一方でハードテックやフレンチコアといったハードコアの中でもとりわけ速いスタイルを追求していたDr. Peacockは何を思ったのか近年オーケストラ編成でハードコアを演奏するというスタイルを確立しており、これが大ウケ。
生演奏を交えたハードコアのプレイヤーとして広く認知されるに至っております。
で、何でこのペアでサイケデリックトランスなのかは本当に謎。
謎なんですが、ケルティックな速いサイケとしてあまりにも愉快なので大好きです。
Denki Groove – Fuji-san [Live at FUJI ROCK FESTIVAL 2006] – YouTube
言わずと知れた日本のプロデューサー電気グルーヴによるテクノ。
原曲は1993年リリース。
アルバムVITAMINに収録された曲の中では最も速く、ライブに於いても頻繁に演奏される彼らの代表曲の1つ。
ちなみにその時、ピエール瀧は上の映像にもあるように富士山になって噴火します。
何故〆がこの曲かというと、前回のyudukiさんのエントリーで触れられていたように直近で静岡に行ってたんです我々。
といってもワタクシはTakayuki Kamiyaさん、REV-TUNEさん、Bishamonさんと行動を共にしていたのですが、何の因果かyudukiさんも全く同じタイミングで静岡に旅行に来ており、沼津港で合流するというイベントが発生。
これがその時の写真です。
Hardonizeの際、その時に買ったまぐろチーズとチーズかつおを配布したので、『静岡は楽しいし良いところなのでみんな行きましょう。』という思いを込めて〆をこれにしました。
伝わった?伝わったよね。
以上、Hardonize #37のトラックリストをお送り致しました。
所々にネタモノやインパクトの強いサウンドを配置しつつも、如何にそれ一辺倒にならないようにするかとか、それらを伏線として如何にスムーズなジャンル遷移ができるかといったところに常々重点を置いており、それをハードテクノに落とし込んだプレイをHardonizeでは披露している感じです。
平たく言うと今回もいつも通りってことになりますが、その中で何か面白い音と巡り合えたなら嬉しい。
それこそがクラブパーティーの醍醐味だと思っておりますので。
そんなワケでHardonize#37 プレイリストピックアップはここまで。
次週12月01日は774Muzikさんが担当します。
もう年末じゃんね。
今回はこれにて。