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今週のオススメハードテクノ – Resident’s Recommend 2019/04/18

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。

初っ端身内ノリで大変お見苦しいことは重々承知の上で申し上げますが、一昨日のyudukiボスの更新ご覧になりましたか?
勿論、次回Hardonizeの告知が公開となったのは喜ばしいことです。

ゲスト両名とも世代が違えどそれぞれ派手路線で願ったり叶ったりであり、大変楽しみな両名です。
そこは間違いないのですが、

次回更新は木曜TAKくんです!
そういえばM3近いですね。

なんですかこの末尾の一言は。プレッシャーですか。またアレをやれと申しますか。
って云うかM3終わって早々に自分の担当回が回ってくるじゃないですか。
またラーメン驕らせますよ。良いですか?良いですね?

まぁそれは置いておいて、先週はJUMPにて行われたBEAT4LIFEと云うパーティーに初めて行ってきました。

月イチで開催されているテクノをメインジャンルに置いたパーティーなのですが、集まる面々はテクノを主軸としないDJも含まれると云う辺り、小箱らしさが出ていて素敵です。
と云うかそもそもこの会場が普段はロックやヒップホップのパーティーを多く抱えるハコで、それもその筈、立地が渋谷を代表するヒップホップ専門のレコードショップ、Manhattan Recordsの隣。
聞けばこの会場でテクノをやっているのもBEAT4LIFEが唯一だそうで、出演者の性質も踏まえてかなり異質なパーティーです。

しかしいざ行ってみればテックハウスのような渋いものから攻め攻めのハードミニマル、果てはドツボなディスコ系テクノまで幅広くテクノがかかっており、良いものを見させて頂きました。
それこそ他ジャンルのエッセンスを経由した方のテクノと云うのは本職では出せない表現方法があると思うので、実はかなり貴重なパーティーなのではと思い至った次第です。
是非長く続いて欲しいものです。

名残惜しくも途中抜けした後はCIRCUS Tokyoで行われているAUDIO TWOへ。
WILDPARTYokadada両名による、こちらも毎月開催されているテクノ、ハウスを主軸としたパーティー。
各々ロングセットの中でそれぞれのテクノ、ハウスの価値観を表現するのが聴いていて楽しく、何回か足を運んでいます。

WILDPARTYさんのこの日のプレイ録音は早速Soundcloudに上がってました。

DJ WILDPARTY DJset In Audio Two2019.04.13 by DJ_WILDPARTY | Deejay Wildparty | Free Listening on SoundCloud

ダブやレイヴまで枠を広げつつもテクノ、ハウスのグルーヴは決して損なわず、最終的にHiroshi Watanabeさんのトラックへ帰結すると云う、オールラウンダーたる彼らしいプレイ。
この後にプレイしていたBushmindさんも、ヒップホップ出身の強みを活かした太いテクノをかけていて眼福でした。

そんな感じで色々刺激を貰ったので、ワタクシは今週出演のコチラのパーティーに活かそうと思っている次第です。


ALTER with TAKAMI&hidemi | 恵比寿 Bar Suree [スリー]

恵比寿でテクノを中心とするパーティーも色々行われているバーSureeで行われるハウスをメインテーマとしたもの。
とはいえ、僕もそうですが普段ハウスをメインジャンルとしていない人に、それぞれの感性でハウス観を演出して貰おうと云うのが真の狙いだそうです。
図らずも上で書いたBEAT4LIFEと似ているところがありますね。
実際、ハウスのパーティーに出るのは2015年に茶箱で行われたas U like #43以来です。

REBOOT、block.fmでお馴染みのTAKAMIさんもいらっしゃるので是非テクノリスナー諸氏にもお越し頂きたく。
と云うか本パーティーのオーガナイザーであるTakiさんも思いっきりテクノ畑の人ですし。

折角の機会なのでALTERでは完全にハウスに焦点を絞りますが、ハウスからテクノやハードテクノとの橋渡しになりそうなトラックを手掛けている人を今回ご紹介します。
前回Almir Ljusaと云う読み方に困る人でしたが、今回も一瞬迷う名義の人です。

PHNTM

https://www.facebook.com/phntmmusic
https://soundcloud.com/phntm

読み方はファントム。
2009年から活動を開始した完全覆面のプロジェクトで、シルクハットとマスクを装着した姿以外で人前に出ることはありません。
何故覆面のスタイルを選択したのか、と云うことについてはDMC World Magazineのインタビューで語られておりますが、音楽以外の評価要素を排除したかったと云うのが最たる理由だそうです。
自分を見つけることができるのはステージの上だけ、さながら幽霊(=ファントム)のような存在でありたいと。
実はちょっと調べると大物である正体に辿り着けるのですが、ここではこれ以上言及しないことにします。

その名前とは裏腹に、プロデュース楽曲は初期から一貫してファンキーなディスコトラック。
契約レーベルはUMEK率いる1605TomcraftによるGreat Stuff、ハードテクノ、ひいてはハードグルーヴを牽引したPatternsなど、テクノ~ハウスに於けるトップクラスのレーベル。
2011年にUMEKによってプロデュースされたMIX、TOOLROOM KNIGHTSに収録されたUMEKとの共作、Dead SpaceはBeatport全体のチャートで最高4位を記録しました。

UMEK, PHNTM / Dead Space (Original Club Mix)

Dead Space (Original Club Mix) by UMEK, PHNTM on Beatport

翌年、Beatport主導による要注目アーティストピックアップ、Artist to Watchにもランクインし、世界最大級のフェスUltra Music Festivalには2013年、2014年と連続で出演するなど一気に知名度を伸ばします。

ちなみに日本にも2011年と2013年に1回ずつ来日しております。
その時のインフォメーションがコチラ。

PHNTM – Japan Tour 2011 – YouTube

iFLYER: MASK -masquerade party- feat. PHNTM @ LUNAR CLUB, 大阪府
iFLYER: MASK -masquerade lounge- @ Live&Bar11 -Onzieme-, 大阪府

名古屋、大阪、そして鳥取と云う不思議な3か所を巡っていたようです。
更に東京には来ていない・・・何故だ・・・見たいのに。

また、デビュー当初よりNeptuun Cityと云うディスコ~テックハウスのレーベルを発足させ、現在に至るまで継続的にリリースを行っています。
所属アーティストは数多く、Raul MezcolanzaFer BRと云った当時現役でハードグルーヴを手掛けていたクリエイターを多くフックアップしてきました。
完全に余談ですが、このレーベルが好き過ぎるあまり、ワタクシのラップトップにはNeptuun Cityのステッカーが貼ってあります。

今年に入ってからNeptuun CityよりリリースされたPHNTMのトラックがこちらです。

PHNTM / Quack

Quack (Original Mix) by PHNTM on Beatport

ジャーマンエレクトロっぽい跳ね系テックハウス。
ファンキーな雰囲気そのままに現行のトレンドを取り入れたような印象を受けますね。

ちなみに、Neptuun Cityには活動初期から楽曲を提供している日本人の方がいらっしゃいます。
それが大阪でTorqueと云うテクノパーティー兼レーベルを行い、昔アメ村にあったオールジャンルレコードショップCYDER RECORDSの運営もやってらっしゃったSHINEさんと云う方。
(CYDERは1回だけ行ったことがありましたが、良い品揃えのお店だったのを覚えています。)

WhiteNoize / Hear Ya (Shine Remix)

Hear Ya (Shine Remix) by WhiteNoize on Beatport

もっと補足すると、かのHomma Honganjiさんもトラックをリリースしていたりします。

Homma Honganji / Hua Guan Suo (Original Mix)

Hua Guan Suo (Original Mix) by Homma Honganji on Beatport

このようにハードグルーヴとハウスの要素が絶妙に混ざり合った曲があるのもこのレーベルの特色と言って良いでしょう。
Neptuun Cityは広くデモ音源を募集しているので、腕に覚えのある方はSoundcloudのアカウントページから問い合わせを行うと良いと思います。
但し、ジャンルはテックハウスのみと云うストロングスタイルですので、お間違えなきよう。

覆面プロジェクトであるがユエか、こちらもあえて自己主張しないタイプなので今回も短めの紹介に落ち着いてしまいました。
とはいえ、活動初期からテクノとハウスの両面からアプローチできるファンキーなトラックを作り続けている腕は確かです。
上のインタビューに於いてもディスコ、ファンクによるアウトプットは無限だとも語っているので、是非この路線で活動を継続して頂きたいと思うアーティストです。
あわよくばもう1度来日して今度は東京にも立ち寄って欲しいところです。プリーズ。

そんなPHNTMのオススメはこちらです。

PHNTM / Keep On Groovin

Keep On Groovin (Original Mix) by PHNTM on Beatport

反復ボイスサンプリングとカッティングギターが否応なしにファンクネスを感じさせるディスコ。
音のパーツがハウス寄りでシーケンスがテクノ寄りなので、その中間で使いたくなるPHNTMお得意の分野です。

UMEK, PHNTM / Freaks On The Floor

Freaks On The Floor (Original Mix) by UMEK, PHNTM on Beatport

上の曲をもっとアップリフティングにしたのがコチラ。
すっかり時代遅れの音楽と揶揄されたディスコをアップデートするとこうなるのかと当時感銘を受けた覚えがあります。
これまた余談ですが、つい最近遊びに行った先で凄い久しぶりにこれを聴いたこともあって今回のテーマと相成りました。

Fake Blood / I Think I Like It (PHNTM Remix)

I Think I Like It (PHNTM Remix) – YouTube

超有名ディスコクラシックをモロ使いしたブートレグ。
前回もこのサンプリング聞きましたね。
元がファンキー一直線なことも相まってPHNTMが調理を加えたらそりゃーこうなりますわって塩梅のアゲっぷり。
以前はフリー公開だったのですが、残念ながら公式からは取り下げられた模様です。

ちなみにリミックス前の原曲はEDMを題材とした映画WE ARE YOUR FRIENDSにも使われてました。
フィジェットハウスのシーンから産み落とされたディスコ・リエディットとしてかなりヒットした曲。
PVがレトロな通販番組の司会者2人が喧嘩をし出すと云うヘンテコな内容でちょっと面白いです。

PHNTM / I Love Money

I Love Money (Original Mix) by PHNTM on Beatport

キャリア初期に作られたテクノの要素が割と残っているスタイルの作品。
他の曲に比べるとテンポが速めなので、ハードグルーヴに橋渡しするのもアリ。
フィルターとディスコリフの相性が良過ぎてつい手が伸びます。

PHNTM / Sixty Nine

Sixty Nine (Original Mix) by PHNTM on Beatport

割合最近の作風に当たるのがコチラ。
パーカッシヴなリズムにクセのあるグルーヴのベースが変わった印象を受けるテックハウス。
それぞれの音が明瞭にマスタリングされているのが現代っぽいアレンジだと思いますね。
それこそ774Muzikさんとか好きそうなタイプの曲では。

次週04月23日は774Muzikさんが担当します。
今回はこれにて。

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今週のオススメハードテクノ – Resident’s Recommend 2019/04/11

はいこんにちは、こんばんは、さんごです。

まーた暖かくなったり寒くなったり、桜が咲いたかと思ったら寒波が来て、三寒四温のバランスいい加減に悪すぎない??と思うのですが来週になればいよいよ本格的に春でしょうかね。春の訪れを感じたらすぐに驚異の10連休ゴールデンウィークが来て、その余韻を少し感じてからHardonizeの33回目でございます。着々と準備は進んでおります。

 

春といえば出会いの季節でもあり、そして別れの季節でもあるわけですが、ここでちょっと寂しいお知らせが。Hardonizeを開催している茶箱の上にあっていつも美味しいご飯を長らく食べさせてくれた福台さんこと「福台風味城」なのですが、4月末で閉店なのだそうです。聞いた時はひっくり返りました。とても残念なことです。一体俺たちはHardonizeの後にどこで打ち上げをしたらいいんだ…と悩みの種が一つ。5月の開催時にはもう閉店されているわけです。とりあえず今月の残り少ない日数、なるべく福台さんの料理を味わいたいものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

思い起こせば311の翌週に強行したHardonizeは14~20時という変則的な開催時間で打ち上げを早めに行ったわけですが、その時も福台さんは営業してくれていて、お馴染みとなった美味しい料理の数々を味わっているうちに「俺たちは日常を取り返しつつある」という実感がジワジワ湧いてきてちょっと泣きそうになったりして、まあそんな思い出も含めて感謝感謝しかないわけです。ありがとうございました。

 

さてさて新譜、早速紹介していきましょう!

 

Arc Of Enlightenment (Original Mix) by A Sagittariun

イギリスのDJ、兼「NRK Sound Division」プロデューサーNick Harrisの別名義がこの「A Sagittariun」なわけですが、跳ねるリズム隊が非常に心地よいナイストラック。どことなくデトロイト的な風味も交えつつの素敵ミニマル。

Sidewinder (Original Mix) by Jack Pot

少ししっとり系、行っておきましょう。2010年に生まれたレーベルJambalay Recordsからのリリースなんですが、レーベル的にはハウス寄りなんですかね。その中でテクノ寄りと言えばそう言えなくもない、そういう奴です。どこに、どういうポイントで使うべきなのかは考えどころですがMIXのシメなんかでも面白いかもね。

M 103 (Original Mix) by Almir Ljusa

M 537 (Original Mix) by Almir Ljusa

先日のTAKくんの記事でも大々的に紹介されておりました、ハードグルーヴ界で一番名前が読みづらい人こと「アルミーゥ・ユーサ」です。最近このVertex Recordsから通し番号だけみたいな無骨なタイトルの曲を複数リリースしております。そこから2曲ご紹介。いずれもど真ん中のハードグルーヴで非常にユースフルな楽曲です。

Baby (Original Mix) by Eric Sand

おっと?こちらもハードグルーヴ重要人物であるEric Sandなのですが、ここまでズンドコいリリースはちょっと久しぶりな気がします(過去曲のリマスターじゃない…よね??)この人がズンドコいラテンハードグルーヴ作ったら、そりゃ最強というやつですね。オススメです。

21MM-392 (Original Mix) by Homma Honganji

Almir Ljusa、Eric Sandと来て最後は本間本願寺です。どうですかこの展開。相変わらず疾走感のあるハードグルーヴで、一周して安心感すらあります。なお曲名の「21MM-392」は「ジェイムスン教授シリーズ」というスペースオペラが元だと思われるのですが、ジェイムスンと言えば攻殻機動隊にも「ジェイムスン型サイボーグ」という形でその名前が出てきましたね。漫画では海にボチャンと落ちちゃうやつ。その元ネタです。話が大きく脱線しましたがそういうことです。

 

本日はここまで。次回更新は4月16日です!