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新作非4つ打ちテクノ特集:今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2025/08/21

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

【告知】

毎度お声がけ頂いている日本酒とダンスミュージックにスポットを当てたパーティー、!!SAKE!! vol.6に出演致します。

今回は拡大版ということで秋葉原MOGRAでの開催。
出演陣にも大先輩DJ YO-Cさんや、HYVESPRAYBOXといったパーティー、レーベルを手掛けるNizikawaさんなど、
いつもに増してバラエティ豊かな面々が揃っております。

もちろん、出演者が持ち寄った日本酒を飲めるシステムも健在。
先日、長野県で地酒をいっぱい買ってきましたので、当日までじっくり選定します。

日付は09月14日(日)の14時スタート。
場所は秋葉原MOGRAとなります。
ご来場、お待ちしております。

【Spotifyプレイリスト】

Spotifyプレイリストの2025年07月分が公開されております。

当連載でピックアップしたハードテクノをメインとするトラックをプレイリスト化した全82曲。
自分は新作レイヴ系テクノ (2025年07月版)、及び新作ハードグルーヴ (2025年07月版)で取り上げた曲が入っております。

【今回のお題】

さて、当連載に於ける自分の回ではハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていく形式となっております。
ちなみに、年始は3回に渡ってフリーダウンロード特集を行っておりましたので、ご興味のある方は是非ご参照ください。
【特集】フリーダウンロード2024 (1):2025/01/23
【特集】フリーダウンロード2024 (2):2025/02/06
【特集】フリーダウンロード2024 (3):2025/02/20

ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。

ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。

ですが、今回取り上げるテーマはハードテクノの分類外となる

非4つ打ちテクノ

とします。

ご存知のように、テクノといえば4つ打ちのキックを主軸としたループリズムが大きな特徴として挙げられますが、サウンドとしてはテクノのパーツを踏襲しつつ、リズムが4つ打ちではないトラックが少数ながら存在します。
比較的、変化球として取り扱われることが多く、長尺のセットの中に差し込まれることで大きなインパクトを演出することができる、というのが強みです。
また、ダブステップブレイクスレイヴといった非4つ打ちの音楽とテクノの橋渡しとしても機能します。
自分はこっちの目的で用いることが多いですね。

過去の連載においては2022年にピックアップしており、大枠のサブジャンルとしてはインダストリアル (特別連載 / 2022年 / 2020年)に近く、直近で取り上げたトライバルテクノ+ベースミュージックなんかとも親和性があります。
とはいえ、ピンポイントでこういった曲を掘り当てるのは難しいため、今回は自分のDIGの中から紹介するという、マニアックな回になります。
だって好きなんだもん。

余談ですが、音や雰囲気は近いという点で、一昨日のボスが担当したハードミニマル特集と比較してみるのも面白いかもしれません。

というわけで、改めてここ1~2ヵ月の間にリリースされたトラックについてピックアップしていきます。
早速ですが新作非4つ打ちテクノ紹介いってみましょう。

【曲紹介】

Mythikas / Hover (On The Floor Edit)

Hover (On The Floor Edit) | Mythikas | skryptom records

オランダのプロデューサーユニットMythikasによるテクノ
現行テクノの太いリズムを踏襲した、比較的オーソドックスなスタイルのトラック。

Cam Lasky / Peter Riviera

Peter Riviera (Original Mix) 24bit/96kHz WAV bc Limited | Cam Lasky | KWAIOTO Records

日本のプロデューサーCam Laskyによるテクノ
歪み度の高い不定形ビートを前面に出した前半と、呪術的なパーカッションを纏った後半でテイストがガラっと変わるトラック。

Leopold Bar / Circadian Shift

Leopold Bar – Circadian Shift (Original Mix) [dZb Records] | Music & Downloads on Beatport

オーストリアのプロデューサーLeopold Barによるテクノ
ヒプノティックなウワモノが、ディープテクノに通ずるダウナー感を演出しているトラック。

同作に収録されているこちらも良かったので、合わせてご紹介。
雰囲気は似通っていながらも、こちらの方がビートの手数が多めです。

Leopold Bar / REM Phase

Leopold Bar – REM Phase (Original Mix) [dZb Records] | Music & Downloads on Beatport

RIZLA OPS / Two To Two

Two To Two | RIZLA OPS | Intercept

イギリスのプロデューサーRIZLA OPSによるテクノ
1拍目に鳴らされるリリースの長いベースにインパクトを置いた、重心低めのトラック。

MarekSPolzki / Fail

Fail | MarekSPolzki | Counter Pulse

ポーランドのプロデューサーMarekSPolzkiによるテクノ
手数の多いビートと、ランダム的に鳴らされるウワモノが無機質さを強調しているトラック。

Luca Trevisan / Solar Chance

Solar Chance | Luca Trevisan | Humanoid Gods?

イタリアのプロデューサーLuca Trevisanによるテクノ
こちらもディープテクノに通ずるヒプノティックなウワモノと、やや手数の多いビートを採用しているトラック。

RZNBAM / No Future Tomorrow

No Future Tomorrow | RZNBAM | Meet Recordings

フィリピンのプロデューサーRZNBAMによるテクノ
ほぼリズムだけで構成されており、それらの押し引きによって曲が展開していくザ・ミニマルスタイル。

Volath / Product3 (Leejunghyuk Remix)

Product3 (Leejunghyuk Remix) | Volath, Leejunghyuk | MANKINART

韓国のプロデューサーLeejunghyukによるテクノ
間隔の開いたリズムと、ローファイでスモーキーなサウンドの組み合わせに、強くアンダーグラウンドの臭気を感じるトラック。
案外実態が見えてこない隣国のアングラテクノと出会えて結構嬉しいです。

Liza Aikin & Monolog / Minske

V+1022D 03 Liza Aikin & Monolog – Minske (Original Mix) | Liza Aikin & Monolog | Void+1 Recordings

ドイツのプロデューサー同士、Liza AikinMonologによるテクノ
ベースミュージックを彷彿とさせるベースや、次々に入れ替わるサウンドエフェクトなど、聴かせどころが多いトラック。
ビートのソリッドな感じもカッコいいですね。

SJUSH / Exit World

Exit World | SJUSH | Intrepid Skin

ドイツのプロデューサーSJUSHによるテクノ
跳ね感のあるビートに、レイヴに通ずるスタブのようなサウンドを前面に配置したトラック。
最近のストンプリズム系ハードテクノとは相性良さそうです。

Imaabs & Other Islands / Leave A Message

n-1 | Imaabs & Other Islands | Imaabs

イギリスのプロデューサーImaabsと、チリのプロデューサーOther Islandsによるベースミュージック
重心低めのベースラインに土着系パーカッションリズム、レトロなトランス風シンセの組み合わせは、なかなか類似例が見当たりません。
個人的にはかなり可能性の幅を感じるトラック。

Toupaz / Schlieren

Schlieren | Toupaz | Control Freak Recordings

オーストリアのプロデューサーToupazによるテクノ
きめの細かいドラムパーツや、時折差し込まれる穏やかなパッドなど、穏やかな印象も受けるトラック。
セットによって使うタイミングの解釈が異なりそうですね。

最後にちょっとしたトピックをば。

British Murder Boys / Recordings

Recordings by British Murder Boys, Regis, Surgeon | Spotify
Surgeon, British Murder Boys, Regis – Recordings [Downwards] | Music & Downloads on Beatport

イギリスのレジェンドプロデューサー同士、RegisSurgeonによるユニットBritish Murder Boysの、過去作品をまとめたリイシュー盤が発売されました。
インダストリアルテクノの黎明期からシーンのフロントマンとして君臨している2人の、グロテスクかつソリッドなサウンドが炸裂しています。
昨年出たアルバム、Active Agents and House Boysと合わせ、インダストリアル入門編として是非。

【次回】

そんなワケで今回はここまで。

次週08月26日は774Muzikさんが担当します。

では。

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【特集】Hardonize#50 プレイリストピックアップ - Resident’s Recommend 2025/08/07

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。

【Hardonize #50 無事終了】

先々週はHardonize #50でした。
お越し頂いた方々、お聴き頂いた方々、本当にありがとうございました。

今回ゲストにお招きした隼雄さん、Takayuki Kamiyaさん共々、時折大ネタを交えつつも終始芯のあるハードテクノを奏でており、50回目に相応しいプレイを提供して頂きました。
この2人の世代的にも少し開きがあったり、片やローカルのパーティーを率いている、片やレーベルリリースを軸にテクノの間口を広げているといった対比もまた面白かったですね。
重ね重ねありがとうございました。

【告知】

毎度お声がけ頂いている日本酒とダンスミュージックにスポットを当てたパーティー、!!SAKE!! vol.6に出演致します。

今回は拡大版ということで秋葉原MOGRAでの開催。
出演陣にも大先輩DJ YO-Cさんや、HYVESPRAYBOXといったパーティー、レーベルを手掛けるNizikawaさんなど、
いつもに増してバラエティ豊かな面々が揃っております。

もちろん、出演者が持ち寄った日本酒を飲めるシステムも健在。
例によって何やるかは正直タイムテーブル次第なのですが、酔っ払いに程良く楽しんでもらえるような選曲を心がけます。

日付は09月14日(日)の14時スタート。
場所は秋葉原MOGRAとなります。
ご来場、お待ちしております。

【Spotifyプレイリスト】

Spotifyプレイリストの2025年06月分が公開されております。

当連載でピックアップしたハードテクノをメインとするトラックをプレイリスト化した全55曲。
自分はディープテクノ、及びディスコで取り上げた曲が入っております。

今週末のHardonize #50の予習としても是非お楽しみください。

【Hardonize #50 トラックリスト】

さて、今回の自分の出順としては、Takayuki Kamiyaさんの流れを引き継いでのトリというポジションでした。
ご存知の通り、自分は当パーティーで度々ハードテクノではない曲をしれっと投入することがありますが、流石に50回目くらいはテクノハードテクノに徹することを心がけました。(そうじゃない人もいましたが。)
ただし、往年のテクノアンセム連打みたいになるのもありきたりだなと思ったので、大ネタサンプリングは織り交ぜつつも、ディープテクノに少し寄せる展開も設けてみたり、久しぶりにハードテクノ脳をフルに使った内容になりました。
ディスコレイヴが大好きです。

全容はこちら。

No Artist Trackname Listen
01 FJAAK Leave A Message bandcamp
02 Gary Beck Hopper (Kink Rude Boy Mix) bandcamp
03 Carlo Lio, M.I.T.A. Chasing Ghosts Beatport
04 Sascha Bouche Alright bandcamp
05 ADRIANNA Never Never Land Beatport
06 Inner City, Simone Zino Good Life bandcamp
07 HSP (feat. 初音ミク) 鼓動 YouTube
08 Mauro Picotto, Riccardo Ferri New Time New Place (Frankyeffe Remix) bandcamp
09 Artywell Oh Yeah! (Rave Mix) Beatport
10 Gray Cosmo Excess Beatport
11 Alex Di Stefano Hoover Mass Beatport
12 Matt Ess, MarAxe Lorem bandcamp
13 Saimon STAARK Beatport
14 Mython Mola bandcamp
15 Makornik Funky Transfusion bandcamp
16 Sebastian Groth Poppin’ bandcamp
17 Filterheadz Energy Beatport
18 SHIN NISHIMURA KEEP ON DISCOTHEQUE 試聴なし
19 Floorplan Eternal Life Beatport
20 TOMMAR Love Fantasy Beatport
21 Baron Von Trax I Want Your Love (Baron’s Disco Mix) bandcamp
End オーキド博士(石塚運昇) & ポケモンキッズ ひゃくごじゅういち Spotify

例によって数曲かいつまんでご紹介します。

【曲紹介】

01 / FJAAK / Leave A Message

Leave A Message | FJAAK

ドイツのプロデューサーユニットFJAAKによるテクノ
今回のHardonize開催前日くらいにリリースされたもの。
太いリズムに、なんだかよく分からないけどインパクトのあるシンセリフというFJAAK節は2025年も健在です。

02 / Gary Beck / Hopper (Kink Rude Boy Mix)

Hopper (KiNK Rude Boy Mix) | Gary Beck | Mutual Rytm

ブルガリアのプロデューサーKiNKによるテクノ
先日の来日公演を経て、こぞってGary Beckのトラックがかかる中、自分はこちらを選択。
ソウルを彷彿とさせるボイスサンプル、ピアノの後に突如差し込まれる下品なベースフレーズ。
こういう不定形テクノを作らせたらKiNKはピカイチですね。

05 / ADRIANNA / Never Never Land

ADRIANNA – Never Never Land (Extended Mix) [Temple House Music] | Music & Downloads on Beatport

イギリスのプロデューサーADRIANNAによるテクノ
現代テクノの硬いリズムの上に乗るOutlander / Vampのサンプリング。
中盤のブレイクまでそういった素振りを一切見せない飛び道具っぷりはインパクト絶大。

07 / HSP (feat. 初音ミク) / 鼓動

鼓動 / HSP(鼻そうめんP) feat. 初音ミク – YouTube

日本のプロデューサーHSP(鼻そうめんP)によるトランス
その正体はイラストレーターとして数々のアニメ、ゲームに作品を提供しているかんざきひろ氏。
あまりにも多才過ぎるバケモン。

クレジット通り、いわゆるボーカロイドを起用した作品ではあるものの、テクノにも通ずる重厚なリズムとループを軸に置いた展開を擁し、ダンスミュージックとボーカロイドの両特性がかなり高い純度でミックスされています。
今年リリースの中でも、個人的にはかなり印象に残っている曲です。

09 / Artywell / Oh Yeah! (Rave Mix)

Artywell – Oh Yeah! (Rave Mix) [Retroscena Records] | Music & Downloads on Beatport

覆面プロデューサーArtywellによるテクノ
T99 / Anasthasiaをサンプリングしつつ、フレーズで遊びまくっている下品極まりない曲。
めっちゃいい。

余談ですが、Artywellはこういったレイヴサンプリングもののトラックをメインに手掛けているので、他の曲も合わせて是非。

11 / Alex Di Stefano / Hoover Mass

Alex Di Stefano – Hoover Mass (Extended Mix) [Drum Chapel] | Music & Downloads on Beatport

イタリアのプロデューサーAlex Di Stefanoによるハードテクノ
タイトル通り、フーバーという特徴的なサウンドにスポットを当てたトラック。
ブレイク以降、とにかく下品なまでにこの音がトラック上を跋扈します。
レイヴのインパクトとエネルギーが詰まった1曲。

13 / Saimon / STAARK

Saimon – STAARK (Original Mix) [Naked Lunch] | Music & Downloads on Beatport

イタリアのプロデューサーSaimonによるハードミニマル
地を這うベースラインと無機質なウワモノが特徴的な、ある種の深さを伴ったトラック。
ブレイクと呼べるパートはなく、基本ドラム鳴りっ放しという展開も昔気質を感じさせます。

16 / Sebastian Groth / Poppin’

Sebastian Groth – Poppin’ (Remastered) | Sebastian Groth, Steve Shaden | Sebastian Groth

ドイツのプロデューサーSebastian Grothによるハードテクノ
Luke / I Wanna Rockの直球で卑猥なボイスサンプリングが繰り返し用いられる、快楽一直線型トラック。
叩きつけるようなビートと、細切れのシンセリフのラフな感じも、このテイストに非常にマッチしています。

19 / Floorplan / Eternal Life

Floorplan – Eternal Life (Original Mix) [M-Plant] | Music & Downloads on Beatport

アメリカのレジェンドプロデューサーRobert Hood率いるユニット、Floorplanによるテクノ
硬度と跳ね感を合わせ持ったビートに、ピアノとストリングスのリフがアーバンさを演出しているトラック。
終盤にかけてメロディックな要素を付与する狙いで使いました。

21 / Baron Von Trax / I Want Your Love (Baron’s Disco Mix)

I Want Your Love (Baron’s Disco Mix) | Baron Von Trax

オーストラリアのプロデューサーBaron Von Traxによるディスコ
元ネタはCHIC / I Want Your Loveという、1970年代のディスコクラシックなのですが、原曲からピッチを高く、テンポを速くしたテンション高めのアレンジを施したもの。
実質〆の1曲として用いたわけですが、意外とこういう生音っぽいサウンドで終わったことがないような気がしたので。

End / オーキド博士(石塚運昇) & ポケモンキッズ / ひゃくごじゅういち

ひゃくごじゅういち – 曲・歌詞:オーキド博士(CV:石塚運昇), ポケモンキッズ | Spotify

今回のオチ。
「ごじゅう」って歌詞に含まれる曲ないかなと思って該当したのがこれ。

【次回】

そんなワケで今回はここまで。

次週08月12日は774Muzikさんが担当します。

では。

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