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今週のオススメハードテクノ – Resident’s Recommend 2018/11/06

こんばんは!774muzikでございます。
さて、もう一週間以上過ぎてしまいましたが、先日のHardonizeにいらした皆様ありがとうございました。
10周年のラストを飾る今回は、Back2Basic回として、アナログメインでのプレイとなりました。
果たして何年ぶりか、というレベルで久々だったんですが、まあ何とか身体が覚えてくれていた感じでしょうかw

昨今はPCだとか更にはUSBだとかが最大勢力になっている感があり、最早アナログでのプレイって何してんのよ?という方もいらっしゃるんじゃないかと思うので、軽くご説明させていただきます。
いや、「んなもん知っとるわ」という方もいらっしゃるとは思うんですけど、かの石野卓球氏がイベント出演した際、ピッチがズレてちょっとドタったら若手のPCDJから「さっきの微妙にズラすのどうやるんスか!?」と訊かれた、というエピソードもあるくらいで、割とロストテクノロジーなんですよ…多分。

music_dj_man

1 レコードの頭出し
  テクノDJがレコードを置いてからクルクルと回しているのは、合わせやすいポイント(キックの頭とか)を探している動作です。

2 ピッチ合わせ
  タイミングよく、今鳴っている曲のビートに合わせて次の曲をリリースし、ピッチを早めたり遅めたりして調整していきます。
  レコードの側面を触ったり、真ん中のポッチを摘んでグイッと回したりしているのは、曲がズレてきたのを合わせる動作で、これと合わせてピッチフェーダーを上下に微調整しながら2曲の速度を合わせます。

3 ミックス
  もう一度頭出しをして、8小節区切りのタイミングなど、ちょうどいいところで次の曲をリリースして、ミックスしていきます。
  この時にコスコスとレコードを擦っているのは、タイミングを見計らう儀式みたいなもんです。

まあ、こんなところですね。
で、これがPCDJなんかだと、Cue設定しておけば頭出しなんて必要ないし、Syncボタンをポチィ!するだけでピッチ合わせ完了しちゃうわけです。マジかテクノロジーすげえ。
おそらく、選曲という行為を除いて、単純な動作でいえばピッチ合わせが一番難しいんですが、それがボタンをポチィ!ですよ。
更に、レコードだと曲の展開は溝の濃淡で大体見分けるか、丸っと覚えるかのどちらかなんですが、PCとかCDJだと波形が見えるので、どこで音が切れるのか、入ってくるのか一目瞭然なんですね。
効率化は見える化から、というのが定石ですが、DJもそうなんですね。知らんけど。
まぁ、とにかくPCやらCDJやらっていうのは、アナログDJの面倒で敷居が高かった部分が徹底的に削ぎ落とされていて、その分選曲とかエフェクトに時間回せるわけだから、最高でしかないし、そりゃDJ人口も増えるよね、ということを改めて認識したわけでございます。

でも、そう言いつつも、さんごさん・佐々木さんと三人でアナログでプレイしてみて、「あー、これこれ!」って感じで楽しかったし、ミスってもそれはそれで味というか、アナログにはアナログの良さがあるということもまた再認識した1日でございました。あとレコードバッグ重い。

さて、前置きがとても長くなりましたが、本日は当日回した曲からピックアップしてご紹介していきましょう。

Joey Beltram ‎– Universal Mind

フィルターテクノ時代のベルトラム。
聴いて一瞬で分かるベルトラムの音。めちゃカッコいい。
なぜデジタルで出さないんや…

Hatiras – The Anthem (Joey Beltram RMX)

フィルターテクノ時代のベルトラムがハティラスのThe Anthemをリミックス。卓球氏プレイ!
原曲の方がハードテクノくさい音なんだよねこれ。

mvp – latin techno session (session one)

これ、昔からずっと愛用してたんだけど、Michael Burkatの曲なのをつい先日まで認識してなかった…。
beatportにあったんですね。買い。

Cave – Carima

カッコいいよなぁ。
これもずっと愛用していた曲。
当時のCaveは結構轟音系のトライバルが多かったんだけど、この曲は軽快さを併せ持ってて気持ちいい音。

Ortin Cam – Tribe Twist Part 1

卓球氏WIRE04にてプレイ!
トライバルとピアノが絡む超アゲアゲトラック。
何でデジタルで出さないんや…

Brian Taaffe – Pirate Audio vol.11 (Side A)

Ignition TechnicianのレーベルPirate Audioの11番。
さんごさんもB2Bで使ってたね。
この曲に限らず、このレーベルの曲はヤバイのが沢山あるんだけど、デジタル化はされておらず…何て時代だ!

Pre Modelo – Nuevo Cazador De Goles

(確か)日本人テクノアーティストのPre Modeloがベルリンの名門レーベルKiddaz.fmからリリースした曲。
ズンドコいってて最高。ブレイクのピュイーーー…ハッ!がくそカッコいい。

Kobaya – Funky Ass

もうね、僕の中ではトライバルテクノの永遠のナンバーワンですわ。
こんなに上がる曲を他に知らない。
アナログでプレイする度にかけていた結果、音がちょっと劣化してきてしまったので、どうしてもデジタルで欲しくてレーベルに熱い想いの丈をしたためてメールしたら、何とシカトされたよ!
悲しい。

Kagami – Tokyo Disco Music All Night Long (Beroshima Remix)
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ああ…試聴できるサイトすらない…
Tokyo Discoのリミックスはいくつもあるんだけど、これが最高だと思う。
原曲は音がナイフみたいに尖っては触るもの皆傷付ける感じなんだけど、このリミックスは音がまろやかになっていて温かみがあって至高。
この曲から原曲に繋げたんだけど、本当はそこからFlashback Discoとのマッシュアップまで繋げようと思ったら、SSDに移してなかったという事故案件でした(合掌)。
そのマッシュアップはこちら。

ということで、Next10yearもよろしくお願いいたします!では!


今週のオススメハードテクノ – Resident’s Recommend 2018/11/01

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。

Hardonize 31回目、無事に終了致しました。
お越し頂いた方々、この記事をご覧頂いている方々、本当にありがとうございます。

一昨日のボスの記事でも書いてある通り、今回の副題Back to Basic Specialに因んでヴァイナルでプレイする人がいて見た目的にもパーティー初期の感じが表れていたように思います。
ゲストの元レジデント、Shinichi Sasaki氏がヴァイナルなのはいつも通りと云う感じではございますが、初めてハードテクノと呼ばれるものに触れる切欠となった人に当たり、且つ初見時と同じハコで同じヴァイナルを使っている姿を見れたと云うのはなかなか感動に近いものがありました。
10年以上もこうして音楽の縁が続いていることに自分でも驚いています。
そしてharu-kazeは本当に良い曲。

ヴァイナル使いと云えば774Muzikさん、Sangoさんも今回そうでしたが、プレイが終わった後ひたすら疲弊していたので来週の彼らの回ではその辺のことについて語ってくれるのではないでしょうか。
このメンバーでやるB2Bも大分久しぶりでしたが、お互い手の内が分かっているがユエにインパクトの強い曲の乱打戦みたいになってました。
誰が何したとはあえて言いませんが、Blue SunshineDon’t Take More (Jamie Lidell Remix)の件は今年1番あり得ないと思いました。

まぁ曲に関しては別に今回に限らず、Hardonizeは割と頻繁に昔のトラックが流れたりします。
亡霊です。ハードテクノの亡霊。
10周年を超えた来年もおそらく変わらずお送りすることとなるでしょう。

さて、そのHardonizeの翌日が同人音楽即売会、M3であり、またワタクシはHardonize前日にもパーティーに出演していたりと中々忙しい週末でありました。
時期的にはM3リリースの作品レビューを行うタイミングではあるものの、量としては毎度ながら

このくらいあって、ようやくリッピング、ダウンロードが全て終わった段階です。
従って今回はM3関連は見送り、今回のHardonizeでプレイした楽曲について振り返ります。
って云うか煽る割に何でラーメン奢ってくれないのボス?ありえなくない?

こちらがワタクシのHardonize #31トラックリストです。
クドゥル~ブレイクス~ダブステップ~ハードミニマル。

No Artist Trackame Link
01 TGO Feat Baltik Bakan Balkantinnitus SoundCloud
02 SKYFISH feat. 鎮座DOPENESS CHO YABEEE diskunion
03 Buraka Som Sistema Parede Beatport
04 Tactical Groove Orbit Ba Mwen An Ti Punch SoundCloud
05 Figura Ze Bula (Sabbo) bandcamp
06 Boris Viande Night, Pt. 2 (Balkan Techno) Beatport
07 Drop The Lime Hear Me (Buraka Som Sistema Remix) Beatport
08 Disciples Jealousy (Special Request Remix) Beatport
09 Sunship, Chunky feat. Teller Acid Flex Beatport
10 Robert Miles Children (The Beatkillers Remix) Beatport
11 Smith, Mighty feat. Niji 40 B Line Fi Blo Beatport
12 TMSV Gunman Beatport
13 Bunzer0 Oshun Beatport
14 Mikael, J.Robinson Mango Dub Beatport
15 RDG Ironman (D-Operation Drop Remix) Beatport
16 John Matrix Lambs To The Slaughter Beatport
17 Woli Sexual Desire (Vol. Six Industrial Mix) Beatport
18 Painkiller Fleisch Beatport
19 DJ Mente Riders On A Storm Of Acid Beatport
20 Bootek Dj’s Strings Of Life Beatport
21 WALL FIVE GYPSY WOMAN (MEU STR MIX) Beatport
22 mauro picotto & riccardo ferri new time new place Beatport
23 B D Y 08 (B02) Youtube

なかなかテクノ、ハードテクノ界隈ではかからない珍しい感じの内容になったのではと思う一方で、僕としてはテクノを意識した選曲のつもりです。
とはいえ、リストアップしただけでは何が何やらと云う感じもするので、数曲かいつまんでご紹介します。

Buraka Som Sistema / Parede

まずクドゥルとは何かと云うところから。
Wikipediaに記事がありますが、アフリカ、アンゴラ共和国にルーツを持つダンスミュージックのカテゴリーです。
アフリカ民族音楽のパーカッションリズムをベースにハウス、テクノの要素を取り入れたもので、歌い方も西洋のそれとは異なる面白さがあります。

この音楽に於ける代表格として挙げられるのはポルトガルのBuraka Som Sistemaと云うバンドで、世界的に有名なプロデューサーM.I.A.によって発掘され、2008年に連名でリリースしたSound Of Kuduroが世界中でヒット。
クドゥルの知名度向上に貢献しました。(自分もこの時にこの音楽を知ったクチです。)
ちなみに翌年のFUJI ROCK FESTIVAL ’09に出演すると云う快挙も達成しております。

そんなBuraka Som Sistemaの曲の中からHardonizeでプレイしたのが上のものになります。
シンプルなシンセと非英語のMCをウワモノに、太いビートと多種多様なパーカッションがリズムを構築しているトラック。
本作が収録されているアルバム、Burakaは現在のところ彼らの最新作となっていますが、ソカ、レゲエ、ズーク、そしてベースミュージックにEDMとアフリカ~ヨーロッパ間を縦断しまくる楽曲の連打で大変オススメです。

Figura / Ze Bula (Sabbo)

上述のBuraka Som Sistemaはクドゥルの中でもかなりミクスチャー路線をひた走っているので、クドゥルそのものとしてはこちらの方が参考になると思います。
矢継ぎ早に繰り出されるボーカル(多分ポルトガル語)と独特なパーカッションとシンプルなシンセ、だいたいこの要素がクドゥルのコアとなります。
4小節展開ではないと云うDJ的難点はあるものの、糊代はあるし音もカッチリしてて割と現代寄り、且つベースミュージックっぽさも垣間見えるのでそっちからの変化球アプローチとしても使えそうな感じです。

Disciples / Jealousy (Special Request Remix)

PVがあったのでそちらを貼ってみました。
Beatportへのリンクはコチラになります。

いずれアーティスト単位で紹介したい人ではあるのですが、現代テクノとオールドスクールレイヴの架け橋となる曲を多数手掛けているのが、このSpecial Requestと云うクリエイターです。
深く厚みのあるボトムはベースミュージックシーンからの評価も高く、これらのクロスオーバーを行いたいのであれば欠かせない存在。
この曲はアーメンをメインに据えた太いビートから一転、ブレイクではピアノが炸裂するトリッキーなテクノ。

フルアルバムとしてはSoul MusicBelief Systemと云う2作品をリリースしてますが、どちらも強烈にオススメ。

Bunzer0 / Oshun

ダブステップ。
と言ってもヴワーっとした派手なワブルベースは乗っていないディープ路線のもの。
最近とあるパーティーでこの手の音を積極的にかける回数が増えてきておりまして、その影響がHardonizeにも表れてきました。

と云うのも、この手のダブステップはミニマルな展開や、1音1音の質感がテクノに近いと考えてます。
テンポもほぼ同じですから曲さえ選べばテクノからダブステップにすんなり移行できる筈、と思って白羽の矢を立てたのがこの曲になります。
ダブステップの基本のリズムは1拍目にキック、3拍目にスネアの繰り返しですが、この曲はドライなパーカッションやキックがとにかく忙しい。
怪しげなシンセも相まってかなり無機質な様相を呈しているのが大変好みです。

John Matrix / Lambs To The Slaughter

インダストリアルテクノ×ダブステップ。
兎に角音はエグくて凶暴で、リズムが4つ打ちになったり半分になったりコロコロ変わる異質なトラック。
John Matrixはデビュー当時から少しヒネたダブステップを作る人として信頼が厚いです。
Soundcloudにもちょいちょいフリーダウンロード楽曲が上がっているので、今回の曲と似た路線で挙げるとすればThugFunkでしょうか。

全然関係ないですけど、John Matrixって名前だけ聞くとこっちをイメージしてしまいますが、何か思い入れがあったりするのでしょうか。

DJ Mente / Riders On A Storm Of Acid

今年リリースのハードミニマル。
ロックに造詣のある方なら1発でお分かりの通り、The DoorsのRiders On The Stormがサンプリングされており、それがシュランツ並みに暴力的なビートの上に乗っていると云う塩梅です。
アシッドとタイトルに冠している割にアシッド要素はないのが謎ですが、DJ Menteは基本的にはアシッドテクノを得意とするクリエイターですので、逆にこの作風の方が珍しい部類に当たります。

紆余曲折を経てハードテクノに戻ってくる、みたいなセットが好きなので、持ち時間終盤にようやくこの手の曲をかけることができました。

他の曲も取り上げたいところではございますが、今回はここまで。
ことHardonizeに於いてはハードテクノを意識しつつ、どこまで選曲の幅を広げられるか、と云う点を重視しているので、11年目も変ちくりんな音楽をかけ続けることになろうかと思います。
ご興味を持って頂けると幸いです。

最後に、今週末は千葉県の南部でたてあにキャンプ!と云うパーティーに出演致します。
たてあにキャンプ!
過去、と云うか前回のHardonizeにもゲストでご出演頂いたREV-TUNE氏が段を取る野外パーティーで、アニメソングとテクノの2ステージに分かれて進行します。
ワタクシはつい先日、らき☆すたを見ていないことを理由に人間的地位が下げられた程アニメに疎いので、テクノステージでプレイします。
ちなみにTakayuki Kamiya氏とB2Bになります。何度目だろう。
そして彼とは昨日一昨日と合わせてラーメンを5回一緒に食べているにも関わらず、全く何の打ち合わせもしておりません。何やってんだろう・・・。

他にもgekko氏、NOMY氏、orinetone氏など、Hardonizeに縁のある方々が出演されますのでお時間のある方は野外でガッツリテクノとアニソン成分を補給しに来てください。

次週11月05日は774Muzikさんが担当します。
今回はこれにて。

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