こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。
【Hardonize #49 無事終了】
先々週はHardonize #49でした。
お越し頂いた方々、お聴き頂いた方々、本当にありがとうございました。
今回ゲストにお招きしたSILENT TALKERの『ハードテクノなのかそうじゃないのか』のラインを攻め続けるプレイ、VITAMINさんのテクノDJ然とした芯のあるプレイが対極的過ぎて面白かったですね。
ひとくちにハードテクノと言ってもその表現方法は様々である、というのを伝えることができた回だったと言えるかもしれません。
そもそもレジデント4名からして(当連載にも表れているように)、ハードテクノの中でも趣向が結構異なっておりますが、今回はその点についても特に表れていたように思いました。
それが今回のコントラストの効いたゲスト両名によって引き出されたものであることは明らかですし、個人的には同じテーマの中でも回によってスポットの当たる箇所が異なる、という取り組みは好きなので、オファーを受けてもらえるゲストの方々には毎回感謝しております。
重ね重ねありがとうございました。
【DJ FUNK死去】
これを書いている2025年03月06日、悲しいニュースが飛び込んできました。
予てより闘病中であると報道されていたシカゴハウス、ゲットーテックの大ベテランであるDJ Funkが亡くなられたとのことです。
シカゴ・ゲットーハウスの伝説 DJ FUNK 死去 | clubberia クラベリア
昨年、新作ゲットーテック特集という形で彼の作品の一部にも触れていた矢先だったので、あっけにとられているというか何というか。
テクノ~ハウスに於いては勿論のこと、ヒップホップやジューク/フットワーク、そしてベースミュージックに至るまで多くの影響を与えたアーティストであり、喪失感が大きいです。
ご冥福をお祈り致します。
尚、先の特集回でも触れましたが、彼の作品としては活動20周年を記念して2014年にリリースした記念盤に、リマスタリングと100曲を越えるボーナストラックを加えたものが2023年末に配信されております。
DJ FUNK / GOLD (20th ANNIVERSARY – 24bit Update!)
DJ FUNK GOLD _ (20th ANNIVERSARY) _ 24bit Update! | DJ FUNK
また、本人も触れておりましたが本間本願寺さん率いるバンド、BigfireのリミックスをDJ Funkが手掛けたこともあります。
ビッグファイア / 火星の生活 Disc2 album preview
ビッグファイア – 火星の生活 Disc2 album preview – YouTube
ちなみに、この作品には他にもDeeon、Robert Armaniといった同ジャンルに於けるレジェンドたちがリミキサーとして参加している、とんでもない1枚です。
【告知1】
ご報告の通り、私TAK666は2025年でDJ歴20年を迎えます。
そんな節目の年に、20年前にDJデビューを果たした早稲田茶箱にて、2度目となる10時間のロングアワーズを行うことにしました。
今回は自分がレジデントを務めたパーティー、ユニットの方々をお招きし、それらのB2BとTAK666のソロを織り交ぜる形で進行します。
というわけで、Hardonizeレジデントの面々にもご協力頂く運びとなっております。
タイムテーブルも公開しておりまして、Hardonizeの出順としては22時から75分の枠をご用意しました。
前半戦のピークタイムというようなポジションです。
普段のHardonizeを内包したような流れになるのか、それとも僕相手だからということで普段では絶対にできないような選曲を叩きつけてくるのか、とても楽しみです。
自分で言うのもアレですけど、多ジャンルの中でプレイする機会というのもHardonize的には珍しいと思うので、その辺りも踏まえてご期待頂けると嬉しいです。
それ以外の時間帯も自分にとって思い入れのある方々と音楽たちが揃う場となっております。
お好きな時間帯をつまみに来るだけでも構いませんので、是非お越しください。
来週末03月15日19時スタートです。
TAK666 10hours with Playerhood | 音楽喫茶 茶箱 sabaco music&cafe
【告知2】
04月05日(土曜日)に奥多摩OKUTAMA+で行われるオールジャンルパーティー桜逢祭~Graduation~に出演します。
廃校を改装したイベントスペースを一晩貸し切り、アニメ~各クラブミュージックシーンを率いる数々のプレイヤーによって行われる大規模なパーティー。
今回が最終回となるようですが、過去2回に引き続き、TAKAMIさんとTakayuki Kamiyaさんとの3人タッグで臨みます。
出演者は日々追加されておりまして、REMO-CONさん、Hiroshi Okuboさん、HIROSHI WATANABEさんといったビッグネームを始め、
s-donさん、Yamajetさん、kokouさん、電撃姫さん、LZDさんといった、過去Hardonizeにゲスト出演頂いた方々もちらほら。
先日のHardonizeのゲスト、DubYukaさんもいらっしゃいます。
ジャンル入り混じった大規模フェスの様相を呈しており、何よりこの面子が学校に集まるという点で面白さがあります。
この最後の機会をお見逃しないよう、是非お越しください。
【Hardonize #49 トラックリスト】
さて、2024年最後のHardonizeで僕はトリを務めましたが、2025年最初のHardonizeではトップバッターでした。
開催日が03月01日だったので、春に因んだ曲でスタートし、その後はスローテクノから非4つ打ちテクノ~インダストリアル辺りをじっくり混ぜ合わせ、終盤はメインストリームテクノでパスする、という展開の少ない感じになりました。
使用曲数もいつもより少なめです。
BPMで言うと主に105⇒125⇒130と推移させたため、ハードテクノとしてはかなり遅い部類に当たりますが、サウンドの硬さや緊張感を伴った雰囲気を維持し続け、遅いテンポの中で如何にハードテクノ感を出すか、といったテーマの元、プレイしたつもりです。
思い返すとHardonize#46.5で静岡に行った際もエレクトロニカを交えたシリアス度の高いプレイを行っており、今回ご出演頂いたVITAMINさんも活動拠点が静岡なので、静岡勢にはそういう趣向のプレイヤーだと思われている可能性があります。
全容はこちら。
例によって数曲かいつまんでご紹介します。
【曲紹介】
01 / 松たか子 / 明日、春が来たら
明日、春が来たら – 松たか子 | Spotify
先述の春に因んだ曲です。
ここからドがつくくらいシリアスなサウンドに行くとは思われないだろうし、そもそもテクノのパーティーでかかる曲ではない。
17年パーティーを続けた結果がこれです。母さん、僕は元気です。
ちなみに、次点案は松任谷由実 / 春よ、来いでしたが、テンポの都合で先の通りになりました。
04 / CHAOS / NEO PRAYER
Neo Prayer | Orga + Chaos | chaosInsector
日本のプロデューサーCHAOSによるアブストラクトヒップホップ。
グリッチやノイズを駆使した無機質で不定形のビートに、非言語のボーカルが乗ったトラック。
かなり前の作品なのですが、こうして配信されていて購入可能となっていることに結構びっくりしました。
このアルバム、購入当初からかなり気に入っているので、嬉しくなりすね。
05 / MALWERE / Distress Call
Malwere – Distress Call | Askorn Records
ドイツのプロデューサーMalwereによるスローテクノ。
かなり歪み度の高いインダストリアルビートを採用しているトラック。
前半は間隔の空いたキックの打ち方となっておりますが、ブレイク後は4つ打ちにシフトします。
08 / Toma Kami / Amapicante
Amapicante | Toma Kami
フランスのプロデューサーToma Kamiによるスローテクノ。
ドライなパーカッションと無機質でザラついた金物によるリズム、そしてベースミュージックに近いベースの質感が妖しさを誘うトラック。
10 / Second Spectre / Smuggler
Second Spectre – Smuggler | Various Artists | Depth.Request
フランスのプロデューサーSecond Spectreによる非4つ打ちテクノ。
前半で見せる頭拍にインパクトを置いた重たいリズムは、さながら低速のダブステップといった塩梅ですが、ブレイク後は密度の高いインダストリアルのリズムに変貌します。
13 / Anxiety / Falange (Marlen Remix)
Falange (Marlen Remix) | ANXIETY | Revok Records
ベルギーのプロデューサーMarlenによる非4つ打ちテクノ。
こちらも頭拍にインパクトを置いたリズムを採用しておりますが、先の曲に比べて大分歪み度が上がっております。
ウワモノもパッドなのかノイズなのか謎の音が鳴り響いており、徹頭徹尾無機質。
15 / Tomas Urquieta / Sotto Voce
Sotto Voce | Tomas Urquieta
アメリカのプロデューサーTomas Urquietaによるテクノ。
ハイハットやパーカッションは4つ打ちの打ち方っぽいのに、キックのパターンが一向に4つ打ちにならないトラック。
警告音のようなウワモノが緊張感の演出に一役買っています。
16 / Responder / Premises
Responder – Premises [ FLASH Recordings ] | FLASH Recordings
ドイツのプロデューサーユニットResponderによるテクノ。
音の質感としては現行のテクノのそれですが、若干ヒネた4つ打ちのリズムとなっているトラック。
非4つ打ちから4つ打ちへのスムースな遷移に於いて、こういったトラックは重宝しますね。
19 / Barbuto x Nick Reverse / Anytime Funk
Anytime Funk | Barbuto, Nick Reverse | phobiq
オーストラリアのプロデューサー同士、BarbutoとNick Reverseによるテクノ。
重厚なテクノのリズムに、アナログ感のあるシンセとボーカルが乗ったトラック。
地味過ぎず、派手過ぎずの絶妙なラインです。
20 / Marco Zaffarano & Andy Lupoli / Low Tide
Marco Zaffarano, Andy Lupoli – Low Tide (Original Mix) [Harthouse] | Music & Downloads on Beatport
ドイツのプロデューサーMarco Zaffaranoと、イタリアのプロデューサーAndy Lupoliによるテクノ。
芯のあるソリッドなキックに、レトロで穏やかなシンセがループしているトラック。
いくつもの無機質で不定形のサウンドを経てここに辿り着くまでのカタルシスを演出したかったので、こういう感じになりました。
実際にはこの後に1曲挟んで後ろの人にパスしてますが、ほぼ〆のつもりでプレイしてます。
【次回】
そんなワケで今回はここまで。
次週03月11日は774Muzikさんが担当します。
そして03月15日19時開始のTAK666 10hours with Playerhoodをよろしくお願いします!
では。
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