こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。
近況報告。
ここ1か月程フリーパス使ってえらい勢いで映画館通ってました。
フォードvsフェラーリ
エクストリーム・ジョブ
パラサイト
ジョジョ・ラビット
辺りは現在上映中の中でも割合好きなテイストでした。 pic.twitter.com/zwG9cxsMnA— TAK666 (@12345666) 2020年1月21日
実は映画好き。
今後公開される作品だとナイブズ・アウトとかミッドサマー辺りは面白そうだなと踏んでおります。
近況報告終わり。
毎度恐縮ですが、Hardonize開催まであと1か月となりました。
ゲストにDJ RINNさんとgekkoさんを迎え、02月22日にいつもの早稲田茶箱にて行います。
よろしくお願いします。
尚、ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。
この特別連載、そこそこご覧頂けているようで先日も名古屋のレコードショップFreestyleの代表DJ Nakaharaさんが本記事を受けてバイヤー視点から見たハードハウス、ハードテクノと云うテーマで一筆設けていたことを知りました。
大変光栄です。
自分のような単なるヘッズとは異なり、レコードショップと云う第一線で活動されていたからこそ言えるシビアなご意見はとても参考になるものでした。
自分はハードテクノ一本で活動しているわけでもないため、そんなに偉そうなことは言えないのですが、あの時代があったから今があると云う認識は持っておりますので今後も新旧織り交ぜてスポットを当てていきたいと思っている次第です。
真面目か。
さて、前回は新年と云う名目の元、昨年2019年にフリーダウンロードでリリースされたテクノ、ハードテクノを紹介してきました。
【特集】フリーダウンロード2019 (前編):今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2020/01/09
今回はこの特集の後編を送りします。
一応カテゴリ分類として
・前回:ハードミニマル&アシッドテクノ
・今回:ダーク&インダストリアル&非4つ打ち&その他
とした上で、今回も10曲程度ピックアップ。
これからハードテクノに触れる人や、自身のプレイ幅を広げたいと考えている方の取っ掛かりとして参考になれば幸いです。
それでは、令和初のフリーダウンロードハードテクノ特集 (後編)いってみましょう。
ドイツのクリエイターWithout Eyesによるダークなミニマルテクノ。
この手の作風ではトップクラスと言えるOxytech Recordsからのリリース経験もあることから信頼が置けます。
完全無機質なリフとインパクト重視の硬いリズムと云うテクノイズムを踏襲した曲。
同じくドイツのクリエイターSascha AuditとDavy JounZのペアによるダークテクノ。
上と同じく圧の強いキックが鳴っておりますが、ややベースが前のめり気味。
シカゴハウス風味のボイスサンプルがファンキーで遊び心感じる部分ではあるものの、マッチョな印象の方が強く出ているトラックです。
ちなみにSascha Auditは今年入ってからもフリーダウンロードのリリースを1つ輩出しており、これがダークなアシッドで大変良い塩梅なので合わせて掲載しておきます。
UtzzMann – A.C.I.D (Sascha Audit Remix) FREE DOWNLOAD by Sascha Audit (Official) | Free Listening on SoundCloud
ブルガリアのクリエイターGrozdanoffによるインダストリアル寄りのダークテクノ。
リミックス元となったのはテクノシーンの大御所CJ Bollandが1997年に出したThe Prophetと云う曲で、いかにも90年代のレイヴを経過した後の速いテクノと云うものなのですが、逆にテンポを落とし、重低音際立つ歪んだアレンジが施されています。
Sacromae – Vertebrae (Architektur Remix) Free Download by Architektur | Free Listening on SoundCloud
ドイツのクリエイターArchitekturによるインダストリアルテクノ。
スモーキーなノイズ系効果音が被さっている以外はひたすらドラムの反復と云うシンプルながらやはりキックの音にインパクトのあるトラック。
ハードテクノ観点で挙げると2018年にフリーで公開されたArtefaktもオススメです。
ドイツのクリエイターTonschadenによるちょい速めのダークテクノ。
奥行きのある効果音の使い方と中盤以降で入ってくる儚げなシンセが特徴です。
ダークテクノのセットに於ける〆に使ったりできると良い感じ。
ベルギーのクリエイターOtinによるダークテクノ。
元ネタは言わずと知れたOtinが2004年にリリースしたトランスクラシックAdagio For Strings。
これがダークテクノにアレンジされるのかと云う驚きはありましたが、リフのあの解放的な感じに真っ向から凶悪なボトムを合わせる辺り、ダークテクノらしい反骨感のある仕上がりになってます。
ちなみに原曲のあのリフは12小節展開なんですけど、このアレンジではテクノのフォーマットに合わせるために無理やり8小節に短縮してりしてて、その強引さも何か好きですね。
スペインのクリエイターRoentgen Limiterによるダークテクノ。
同じくトランスを元ネタとするダークテクノで、こちらも言わずと知れた2002年にFerry Corstenが世に放ったビッグアンセム、Ligayaがそれ。
これもこういうアレンジが出るのかと驚きました。
リズムの深度はこれまで紹介した曲と同等レベルですが、よりビートの音像が明瞭で、原曲のトランス要素も大いに残っているのでかなり使いやすい部類に入るのではと思います。
最近のテクノに於いては最早4つ打ちであることが必須条件ではなくなってきたように感じられます。
フリーダウンロードトラックに於いてもそれらが目につく機会が増えてきたのもあり、数曲ここでご紹介することにします。
アングラの雰囲気が好きな方は是非。
DTR666- NeBuLaE (Dub Techno)- Free Download by DTR666 | Free Listening on SoundCloud
スペインのクリエイターDTR666による非4つ打ちテクノ。
リリースとしてはこのSoundcloudのアカウントのみであり、それも設立からまだ2年未満とかなりの若手。
でありながらこの重厚さとストイックさ。
でもって非4つ打ちと云うヒネっぷりです。
おそらくそう遠くないうちにどこかのレーベルが目を付けるであろうと思われる存在。
スペインのクリエイターTECHNO BY BUTCHERによるリズムの密度が高い非4つ打ちテクノ。
効果音の使い方やボイスサンプルの使い方などによって不安定な雰囲気を演出しており、これぞアンダーグラウンドテクノと云った感じ。
ミニマル的なセットでもこういう曲がちょいちょい差し込まれると面白くなると思っております。
DJ Ogi – Off Da Beat – Techno Factory 8FREE DOWNLOAD) by DJ Ogi | Free Listening on SoundCloud
クロアチアのハードテクノシーンに於ける重鎮DJ Ogiによる非4つ打ちテクノ。
そのキャリアを裏付けるかのような硬くて分厚いサウンドは未だ衰え知らず。
アラームのようなウワモノも趣あります。
ただ、やはり非4つ打ちと云うのは彼の作品の中でもかなり珍しい部類に入ります。
ひょっとしたらまたとない作風の曲になるかもしれないので、今のうちにゲットするのが吉。
テクノ、ハードテクノには含まれないものの、そう離れたジャンルでもなく、使いようによってはテクノ、ハードテクノに応用できるかもしれないと思えるトラックを少しだけご紹介します。
BOYCHI – Up To No Good [Free Download] by Zone Focus | Free Listening on SoundCloud
ウクライナのクリエイターBOYCHIによるハウス。
アーメンが入ったりレイヴっぽいシンセがリフとして鳴らされていたり、全体的にローファイでビンテージ感漂う雰囲気が大変好み。
構成のシンプルさや芯のあるキックなど、テクノに通じる要素もあるのではないかと思ったのでオマケ的に。
Weans (140bpm) [FREE DOWNLOAD] by RRRitalin | Free Listening on SoundCloud
イギリスのクリエイターRRRitalinによるベースラインとテクノの混合曲。
一時期活動ペースを落としておりましたが、2年ほど前からかなり精力的なリリースを行っており、再び目が離せなくなっている存在。
そんな中リリースされたこちらの曲は、サウンドやシーケンスは得意のベースラインを踏襲しているものの、テクノのループ感だったりレイヴのサンプリング(パッと分かるのはLFO / LFO)を取り入れた少し変わったテイストのもの。
ジャンル不定ユエに色々と応用できそうな可能性を秘めており、使い方次第で楽しくなれそうな曲。
こういうのに本当に弱い。
ちなみにRRRitalinは7年前にもCrossest Man In Scotlandと云う曲をリリースしており、これも作風としては近い気がします。
これもフリーダウンロード。
以上、ダークテクノ、インダストリアルテクノとその他変わり種に焦点を当ててフリーダウンロードハードテクノ特集 (後編)をお送り致しました。
前編と比較するとより実験的でアイディアの際立つ作品が多かったのではないかと思います。
変ミュージックスキーとしてはこういった曲たちにもスポットを当てていきたいのでございます。
前編でも同じようなことを書きましたが、もし気に入った楽曲がありましたらそのアーティストやレーベルを追いかけてみてください。
現在の音楽が日々進化し続けているのは縁の下に彼らのような存在があるからこそだと思っておりますユエ。
と云った辺りでフリーダウンロード特集はここまで。
次回担当回からは通常の連載に戻ります。
02月22日開催のHardonize #35共々よろしくお願いします。
次週01月28日は774Muzikさんが担当します。
今回はこれにて。