そして1997年にリリースされた3枚目のアルバム、The Fat of the Landに於いてThe Progidyはエレクトロニック・バンドとしての方向性を決定付けるべく、大きな刷新を行います。
それこそがメンバーの配置転換であり、この時からKeith FlintはダンサーからヴォーカルとしてThe Prodigyのフロントマンを務めるようになります。
髪型もこの時から逆モヒカンにチェンジ、以降彼のトレードマークになります。
そしてKeith Flintが初めてヴォーカルを務めたのがこちらのトラック。
キャッチーでシャープなロック、ポップスがブームとなっていた当時のイギリスに於いてこのKeith Flintの見た目は異質と言う他なく、このPVにも多くの苦情が寄せられたそうです。
所謂『子供が怖がる。』的な。
そんなママさんパパさんの感情とは裏腹にBreatheやSmack My Bitch Up等の代表曲も合わせて収録されたThe Fat Of The Landはイギリスはおろか、アメリカでもアルバムチャートで首位を獲得。
それどころか、イギリスに於ける最速販売記録がギネスに登録されているとんでもない作品となりました。
4日間通しで行われたフェスにヘッドライナーとして抜擢されていた際のもの。
ちなみにその他の日のヘッドライナーがLeftfield、Goldie、The Chemical Brothersと云う豪華過ぎるラインナップ。
ですが、彼らのパフォーマンスとそれを目の当たりにした熱気は本フェスの中でも一際目立っているように感じます。
事実、The Prodigyのライブに於いても最高と称されることの多い演奏模様です。
その後は従来以上に制作に対して時間をかけるようになったものの、比較的コンスタントにアルバムを発表。
サウンドプロデューサー、Liam Howlettのソロ作品が多いAlways Outnumbered, Never Outgunned (2004年)、よりエレクトロやブレイクスに接近し、現行サウンドとの共存を図ったInvaders Must Die (2009年)、クラブサウンド第一線のクリエイターとのコラボレーショントラックを多く含むThe Day Is My Enemy (2015年)、そしてバンドサウンドとしての側面を際立たせたとメンバーが語るNo Tourists (2018年)と、これまでに7枚のスタジオアルバムがリリースされております。
No Touristsは昨年11月にリリースされたばかりとまだ新しく、世界ツアーを行っていた矢先の出来事でした。
『もうアルバムは作らない。』とメンバーが語っていた2015年から3年経ちNo Touristsがリリースされた時は、この3人がまた何かやってくれるのではないかと大いに沸き立ったものです。
それがまさか最後の3人の作品になるとは思ってもいませんでした。
49歳、天寿と言うには早過ぎる。
また1つ伝説が終わってしまったかと思うと悔しいものがありますが、彼の生み出した素晴らしい数々のトラックに敬意を払い、そして聴き続けましょう。
加えてもしあなたがDJであるならば、それらをプレイすることもまた弔いになる筈です。
Rest In Peace, Keith Flint.
そんなKeith Flint (The Prodigy)のオススメはこちらです。
彼がヴォーカルを務めたものを選びました。