こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
4週間ぶりに担当致します。
(前回更新できずに申し訳ございませんでした。)
【告知】
来週に迫ったHardonize 静岡編のラインナップが公開となっております。
諸般の事情により、出演者の一部に変更がございます。
(VITAMINさん⇒AONOさん)
AONOさんについては、ロンドンのテクノ専門ネットラジオFnoob Techno Radioで公開されている最新のMIXが前回のyudukiボスの更新にて触れられておりましたが、Soundcloudで公開されているこちらが結構Hardonizeと親和性高そうだったのでご紹介します。
AONO / WHOLE THE MIX vol.17- CRASH TEMPLE MIX –
Stream WHOLE THE MIX vol.17- CRASH TEMPLE MIX – by AONO | Listen online for free on SoundCloud
テクノ~ハードグルーヴからジャングルまで飛ばすフリースタイルなMIX。
そしてもう1人の現地静岡のゲストプレイヤーSHIGeさんのMIXはこちらになります。
DJ SHIGe / Resonation MiX
Stream DJ SHIGe Resonation MiX by CITDC | Listen online for free on SoundCloud
日にちは05月18日(土曜日)、14時からとなります。
静岡COAにて皆様のご来場をお待ちしております。
【お知らせ】
Hardonize BlogでピックアップしているトラックをSpotify Playlistにまとめたプレイリストの04月分が公開されております。
Hardonize chart 2024 April
Hardonize chart 2024 April – playlist by yuduki | Spotify
今回も50曲を越えるハードテクノがリスト入りしておりますので、お気に入りを見つけてください。
【今回のお題】
さて、当連載に於ける自分の回ではハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていく形式となっております。
ちなみに、年始は3回に渡ってフリーダウンロード特集を行っておりましたので、ご興味のある方は是非ご参照ください。(1) / (2) / (3)
ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。
ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。
ですが、今回取り上げるテーマはこのカテゴリー以外から
エレクトロニカ
です。
広い意味合いとしては電子音楽全体を指す言葉ですが、ここで示すエレクトロニカはシンセの重なりや残響音、ノイズなどに主眼を置いた音楽を意味します。
一般的なダンスミュージックと異なる点としてビートがないこともあり、あっても非常に複雑だったり、間隔が小節を跨ぐ程広く取られていることもしばしばあります。
過去の連載に於いては気まぐれに単発のリリースについて触れることはありましたが、テーマとして取り上げるのは今回が初ですね。
精緻な電子音楽という点でテクノと共通しており、双方に跨って活動しているアーティストも多いことから個人的には長く触れている音楽の1つです。
前々からエレクトロニカ特集はいつかやろうと思っており、丁度最近この音楽を聴く比率が上がっていたところだったので、今回はこういうテーマでやらせて頂きます。
尚、一口にエレクトロニカと言ってもテクノと同じくらい細かいサブジャンルを内包している音楽なので全容をここで取り上げるのは不可能ですが、
個人的に好きなのは緊張感のある無機質な音なので、今回取り上げる曲もそういったものが多めになっています。
というワケでここ1~2ヶ月でリリースされた新作エレクトロニカ紹介いってみましょう。
【曲紹介】
S.A.T.I.N. / Nothing is real
S.A.T.I.N. – Nothing is real | S.A.T.I.N. / URIN | Never Sleep
ドイツのプロデューサーユニットS.A.T.I.N.によるディスコ。
呪術的なタムや4分打ちのハイハットなど、割とビートがハッキリしているタイプのトラック。
ノイジーなリフや歪んだボイスサンプルなど荒々しいサウンドが用いられている一方、持続の長いパッドシンセなんかも鳴らされており、明暗合わせ持つ構成になっております。
Laggard / You Were Named After an Admiral
You Were Named After an Admiral | Laggard | VEYL
国籍不明のプロデューサーLaggardによるエレクトロニカ。
高音域のノイズと隙間の空いたリズムで構成された前半と、インダストリアルめいた歪んだビートが特徴的な後半の対比が見られるトラック。
エレクトロニカとテクノの橋渡し的に使うとスムーズなジャンル移行として機能しそうです。
Second Seasons / d-Nt
d-Nt | Second Seasons | Schematic Music Company
アメリカのプロデューサーSecond Seasonsによるエレクトロニカ。
ノンビートから始まって徐々にビートの圧が強くなり、最後は無機質なブレイクビートに遷移するトラック。
グリッチやカットアップなどの効果音使いが巧みで情報量が多く、聴き応えがあります。
Undveld / You’ll See Me Again, But It Won’t Be Me
You’ll See Me Again, But It Won’t Be Me | Undveld | Captured Visions
リトアニアのプロデューサーUndveldによるエレクトロニカ。
キックはなく、浮遊感のあるシンセと重ためのベースによって展開が作られるスタイルの曲。
キックがないと拍を見失うんじゃないかと思いきや、ずっと鳴っているザラついたハイハットが実は4分打ちなので、一般的なダンスミュージックとそう大差なかったりします。
Esa Ruoho / Approaching the Room
Approaching the Room | Esa Ruoho | Eighth Tower Records
フィンランドのプロデューサーEsa Ruoho a.k.a. Lacklusterによるエレクトロニカ。
信号音のようなサウンドのリフと、背後でずっと鳴っている環境音が特徴的なトラック。
ビートも展開もない、かなりミニマルなスタイルですが、この不安と緊張感がずっと続く感じは好みです。
尚、本作が収録されているStalker – Music inspired by Andrej Tarkowskij’s movieは、1979年に公開された映画ストーカーにインスピレーションを受けて作成されたコンピレーションになります。
サイバネティック且つ不穏な空気感を纏った曲が多く、元になった映画が分からなくても聴ける作品に仕上がっています。
Low End Activist / Airdrop 01 (Waterstock)
Airdrop 01 (Waterstock) | Low End Activist
ドイツのプロデューサーLow End Activistによるエレクトロニカ。
これはなかなか凄いと思ったリリースで、オールドスクールレイヴで用いられるスタブやボイスサンプルを小刻みに使用し、なんならアーメンブレイクを含むドラムフィルなんかも多用しているものの、
リズムパートには一向に遷移せず、広く間隔を取りながら各種サウンドが展開されるという、今まで聴いたことがない曲となっております。
レイヴサウンドを用いたダブやアンビエントという感じ。
本作が収録されているアルバムAirdropが全曲こういった感じなので、異形の音楽をお探しでしたら強くオススメしたいところです。
Wave Arising / Subconscience
Subconscience | Wave Arising
フランスのプロデューサーWave Arisingによるエレクトロニカ。
完全ノンビートで、持続の長いシンセとウィスパーボイスの重なりによって展開が作られていくサウンドスケープの側面が強いトラック。
催眠的且つサイケデリックな世界観が内包されています。
Solaris / Quantum Mirage
Quantum Mirage | Solaris | Exosphere
アメリカのプロデューサーユニットSolarisによるエレクトロニカ。
こちらもノンビートですが、サイバネティックなシンセのリフによって展開されるため、ループ的な色が前面に出ています。
曲調は明るいというわけではないのですが、これまで紹介した曲と比べると穏やか寄り。
どうでもいいことですが、20年近く前に萌えトロニカという謳い文句でリリースされ、苺ましまろの作者ばらスィーの推薦文が帯に書かれていたPola Meets Lyricaという作品があるのですが、それを思い出す作風でした。
Pete Swinton / KB – Two
KB – Two | Pete Swinton
インドネシアのプロデューサーPete Swintonによるエレクトロニカ。
シンセのレイヤーによって展開が作られるトラックですが、何より無骨で厚みのあるベースが真っ先に目を引きます。
生音感はほぼないのにずっと呪術的な雰囲気が漂っており、アーティストが東南アジア出身であることに関係があるのかないのか考えさせられます。
kaito / Galactic Railroad
Galactic Railroad | kaito | HIROSHI WATANABE : KAITO
日本のプロデューサーHIROSHI WATANABE a.k.a. Kaitoによるエレクトロニカ。
ビートはなく、霧をまとったようなシンセが永続的に鳴っており、その上に等間隔のシンセが配置されているミニマルなトラック。
幻想的で穏やかな雰囲気を纏っている中に、不穏さや陰鬱さといった要素が感じ取れる絶妙なバランスを維持しています。
こういう曲をちゃんと音が出る環境で聴いたら印象が変わりそうですね。
【次回】
そんなワケで今回はここまで。
皆様05月18日のHardonize #46.5 Extra Edition / Shizuoka Specialでお会いしましょう。
次週05月14日は774Muzikさんが担当します。
では。
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