はいこんにちは、こんばんは。さんごです。
近況
野菜サラダドーン!
ということでこの写真をご覧いただければわかる通り、恒例のHardonize会議が御徒町で執り行われまして、つつがなく完了いたしました。次回の47回目に向けて色々と決まったとかなんとか。折を見て情報など出てくることかと思います。お楽しみに。
特集記事/USBストレージでDJをしよう
さて前回の番手で予告しました通り、Hardonize46のB2Bスペシャルを迎えるにあたっての準備として、ようやくですがDJ用のUSBストレージをマジメに作成しました。今までアナログ+CDJを経てからTRAKTORでずっとPCDJしてたもので、CDJにUSBストレージを挿してプレイする機会、ほとんどなかったんですよね。重い腰がやっと上がりました。
で、誰の役に立つかはサッパリ不明ですが「さんご流」として備忘録的にやった事を書いておこうと思います。これから新しく作ってみようという人には約に立つかもですね。
なおレコボは無料で使える状態の最新バージョンを入れるものとします。あくまで楽曲管理用なので、有料ライセンスが必要となるDJプレイ機能は使いません。
ストレージの種類と容量
CDJ等に挿せるUSBストレージデバイスは「USBフラッシュメモリ」「USBタイプのSSD」と2種類あるんですが、問答無用でSSDの方を選んでください。書き込み可能な回数などに起因する「耐久力」がデバイスとして桁違いです。
容量については扱う音楽フォーマットにもよりますが、クラブユースで最もメジャーだという理由でMP3のビットレート320Kbpsを基準とします。1曲15MBくらいで換算してください。1万曲入れたら150GB弱になる計算です。
※TRAKTORでPCDJの時はFLACフォーマットなんですがCDJ3000以外は非対応で…
ということで容量はどのくらいの買えばいいの?となれば売れ筋の500GBくらいのを買っておけば間違いない、ということになります。幾らくらい?と言えば、最もメジャーなバッファローのスティックタイプSSDで実売6000円くらいです。安すぎる。どうかしている。
1万曲も入れないなあ、という人はその半分の容量でもいいでしょう。250GBで実売3~4000円くらいです。どう転んでもお安い。
フォーマットとパーティション
FAT32で安定です。最新の機種だとexFATも行けるようですが…初期のCDJ-2000とかに当たった時に読めないことがあるらしく。そしてWindows10/11等で32GB超えのデバイスはフォーマット時にFAT32に出来ない(選択肢が出ない)らしいので、メーカーが配っているフォーマットツールなどを使用してください。
こういうのとか こういうのとか
そしてここが「さんご流」ですが、500GBのストレージを用意してその中にパーティションを2個作りました。第1パーティションがFAT32で450GB、第2パーティションがNTFSで50GBというような構成です。DJプレイに使うのは第1の方だけですし、CDJ等に接続した際には先頭のパーティションしか読み込みません。(2番目以降は無視される)
じゃあ第2パーティションは何に使うの?という所ですが、イベント後等に同録や配信録画データを貰って帰る時に使います。FAT32は4GBまでの大きさのファイルしか書き込めないという制約があるので動画等は入らず、ストレージの容量を全てFAT32に回してしまうとそういったデータを持ち帰る時に困ってしまうのですね。別にNTFSフォーマットした媒体を用意すればいいのですが、個人的には1本に収めたいのでそういうデータは2番目のパーティションに入れるようにします。
(追記)
…のはずだったのですが、いざ現場で挿してみたら使えませんでした。2つパーティションがある時は最初のパーティション以外無視される、というのがマニュアルの記述だったのですがどうもそうは行かないみたいで。FAT32のシングルパーティションにしておきましょう。
フォルダ構成
まず母艦となるPCに楽曲管理専用のフォルダを作り、そこに自分が管理しやすい形でのツリーを作っていきます。この辺から完全に自己流です。曲名やアーチスト名等のメタデータは使わずに、ツリー構造で作ってしまいます。ここ、レコボではなくOS上でのファイル操作です。
「テクノとハウスを中心に、大体のシチュエーションでサッとプレイできる媒体を作りたいぞ」というテーマですので、まず「TECHNO」「HOUSE」が親フォルダになります。その後、各ジャンルでのプレイにおいて全対応できるようなフォルダ構成を作っていきます。例えばTECHNOフォルダの構造はこんな感じです。
「大体のシチュエーションで」がミソでして、ハードグルーヴを掛けるにしてもピンキリですのでそれに応じたフォルダを作って、そこに対応した楽曲を放り込んでいきます。フォルダ名だけで「何をしたい時にどこを見ればいいのか」がわかると思います。
「ここから暫くトライバルテクノの流れ!」とか「B2Bで相方がトライバルの流れで振ってきた!」となれば「HARDGROOVE-TRIBAL」の中身を見てチョイスすればいいわけですね。FIRSTはMIXの出だし等に使える楽曲、MIDDLEは楽曲紹介でも散々言っている「中盤戦」で使える楽曲、ということになります。
このように予め「シチュエーションに応じた形で楽曲を振り分けておく」ことでソロプレイだろうがB2Bだろうが「ホイ、今すぐ始めて」と無茶ぶりされたとしても対応可能になるわけです。
もちろんパーティ前の準備として、そのパーティ用のプレイリストを作っておくのは皆当たり前にやっている作業なので、それはそれで別途やるものとします。多くのシチュエーションで使えるプレイリスト、そして特定パーティ用のプレイリスト、両方が揃っていれば心に余裕ができるというものですね。
プレイリストでツリーを再現する
前項まではあくまでファイル操作の範疇ですが、実はこの時点で作業の8割くらいは終わっていて、レコボでやる事と言えば「プレイリストを作る」「エクスポートでUSBストレージに書きだす」しかありません。ここいらでようやくレコボの起動です。
まずレコボ上でプレイリストを作っていきましょう。ファイル操作で組み上げたツリー構成を再現するだけなので簡単です。プレイリストも2層以上のツリー構造を作ることができますので、楽曲フォルダに構築したTECHNO/HOUSEというフォルダから、その下の子プレイリストを同じ名前で続々作っていきます。
こんな感じですね。元となる楽曲群のフォルダがあって、その通りのツリー構造をプレイリストとして作って、そこに楽曲をインポートしていきます。そこはエクスプローラでフォルダの全ファイルを範囲指定して対象のプレイリストにドラッグ&ドロップするだけなので簡単ですね。で、これを全フォルダ分繰り返します。
納得の行く形でプレイリストを作り終えたらば、それをまとめてUSBストレージにエクスポートです。エクスポートが行われるまでPCに外付けしたSSDは空の状態で、エクスポートによって初めて楽曲のコピーと管理情報の書き込みが行われます。
現場でのMIXに関してはこれで準備が完了した、と言っていいでしょう。CDJのブラウザで「PLAYLIST」を選ぶと自分が作ったプレイリスト構成が出てくるはずです。
で、現場でのトラブルを考えるとUSBストレージは2本くらい作っておいた方がいいかもしれません。媒体が小さいので紛失の可能性もあり…例えば以前に使っていたデスクトップ機のシステムドライブやってた120GBの容量が小さめなSATA接続SSDとか、USB外付けドライブに変換するケースとかありますし、そういうのを予備に使ってもいいかもしれません。
2本目を作る場合にはFAT32フォーマット済みの新しいストレージに挿し換えてエクスポートし直すだけです。ここはめちゃくちゃ簡単。
もう一工夫
既にCDやアナログで大量に音源を持っている人、それを苦労してMP3データ等に変えた人はシチュエーション別フォルダに振り分けた楽曲以外にも相当な数のデータを所持しているはずです。振り分けをしていない、つまりプレイリストに入れていないしレコボ管理下でもない楽曲も相当にあるわけです。
自分はそういう楽曲を「アルバム1枚が1フォルダ」みたいな形で大量に持っているので同名のプレイリストを作ってインポートしようとすると何百どころか何千になりかねません。それらの楽曲が現場で急に使いたくなったらどうすればいいのか、ということです。簡単。丸々コピーしてしまえと。
レコボからデータを書き込んだUSBストレージには「Contents」「PIONEER」というフォルダが作られています。そこはノータッチ。いじってはいけません。ということで同階層に楽曲専用のフォルダを作って、レコボ管理外の曲も含め全部コピーしてしまいます。
ここにコピーした曲はCDJにおいては「FOLDER」で呼び出すことになります。レコボ管理外のフォルダですので曲データを読み込ませても波形などもすぐには出てきません。それでも再生はすぐできますしリアルタイムに解析が進んで波形はジワジワ出てきますし、プレイは可能ですので大きな問題にはならないかなと思います。
レコボのライブラリをエクスポートした上に管理外の楽曲まで全部コピーしちゃって、空き容量は大丈夫なの?という所はありますが、わたくしの場合、この追加でコピーした部分はCD約500枚程度で8000曲くらいありまして、使用容量は110GBくらいでした。500GBのSSDならまだまだ全然余裕がありますね。
長々と書きましたが
以上が46回目のHardonize、PCを使わないB2B回にあたって自分が行った準備作業のほぼ全てです。iTunes等でメタデータ管理をしている人にとっては取り入れ辛い方法かなと思いますが。1枚のCDは1つのフォルダに、という単位でライブラリを構築している人は馴染みやすいのではないでしょうか。
この管理方法、だいぶ少数派らしいので世界のどっかの誰かに刺さるといいなーという感じで気楽に放流しておくとします。
次回開催について
Hardonizeクルーとしては今月1本、5月に1本!。
竹芝BANK30の3rd Anniversaryパーティが2/23(金・祝)にあります。あと2週間くらいですよー。会場の写真をチラチラ見たんですがオシャンティーな場所でハードグルーヴ鳴らせると思うと楽しみです。
そしてそこから3か月ほど先、5/18(土)にナンバリング46.5として、16年目にして初の遠征、静岡編。こちらも楽しみです。
では新譜紹介、いってみましょうか。
今週の新譜紹介
Fireground – Memories (Original Mix) [Ilian Tape]
2月にもなってなのですが、実は年末年始を挟んだり色々あった中で去年の秋くらいにチェックした楽曲でまだ紹介しきれていないものがありまして、これもそのうちの一つ。去年の10月19日にBandcampでリリースされて、そこから各配信サイトで11月に出た楽曲なのですが、どことなく懐かしい感じの王道テクノでして、え、これ2023年?そうなの?20年くらい間違えてない?と疑ってしまうくらいの印象です。良き。
darkitecture – frequencieshigher000 (Original Mix) [Diffuse Reality Records]
2013年頃から活動しているレーベルDiffuse Reality Recordsからのリリース。ポルトガルのトラックメーカーなのですがアーチストがダーキテクチャーで曲名が…フリーケンシーズハイヤー。他の曲名も中二病な感じがして面白いのですが、ノイジーでビキビキした音でありながらちょっと哀愁漂うおキレイテクノ。雰囲気推し。
92Groovz – Do What She Would (Original Mix) [92groovz Recordings]
なんだか92Groovzの楽曲は自分に合うのかついついカートに入れてしまうし紹介してしまう。疾走感あるハードグルーヴトラック。中盤戦くらいで重宝しそうな感じです。
Alfa Cornae – TF150 (Original Mix) [DIVE Records]
これまた疾走感マシマシのド真ん中なハードグルーヴで嬉しい作り。序盤戦~中盤戦辺りでいい感じのツナギになってくれそうな気がします。ソツが無い。
Gary Beck – Variation 1 (Original Mix) [BEK Audio]
UKニュースクールミニマルシーンの大御所、ビッグネームGary Beckですがこれは滅茶苦茶にいいですよ。パーフェクトな勢いのあるリズム隊にディスコ風味のサンプルがグイグイ入って来て、これは腰が動く。秒でカート行きです。超おすすめ。全員買え。
というわけで本日はここまで。
次回更新は2月13日です!!