こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。
【告知】
1か月後に迫ったHardonize 静岡編のラインナップが公開となっております。
東京から我らがハードグルーヴマイスターHomma Honganjiさん、そして現地静岡のプレイヤー、SHIGeさんとVITAMINさんをお招きしての開催となります。
現地静岡のプレイヤーであるSHIGeさん、VITAMINさんのMIXはこちらになります。
DJ SHIGe / Resonation MiX
Stream DJ SHIGe Resonation MiX by CITDC | Listen online for free on SoundCloud
VITAMIN / DANCE AGAIN BACK 2022
Stream DANCE AGAIN BACK 2022 by VITAMIN | Listen online for free on SoundCloud
日にちは05月18日(土曜日)、14時からとなります。
静岡COAにて皆様のご来場をお待ちしております。
【お知らせ】
前回のボスの更新で触れられておりましたが、毎週Hardonize BlogでピックアップしているトラックをSpotify Playlistにまとめ、月ごとに公開していく運びになりました。
現在、03月分が公開されております。
Hardonize chart 2024 March
Hardonize chart 2024 March – playlist by yuduki | Spotify
本連載は大方の場合、新譜をメインに紹介しているので、直近でリリースされたハードテクノについて気軽に一覧したいという方には便利に感じてもらえるのではないかと思う次第です。
あと、これからハードテクノを聴き始める方にも是非チェックして貰えると嬉しいです。
大体毎回50曲くらいが登録されていく計算なので、お気に入りのトラックが見つかることを願っております。
加えて、国内トラックメイカーによるテクノコンピレーション、TECHNO ALLIANCEの第7弾がリリースされます。
V.A. / TECHNO ALLIANCE 7
TECHNO ALLIANCE 7 | Techno Alliance
参加者の中にHardonizeメンバーがいるワケではないのですが、Satoshi Imanoさんや、Kouki Izumiさんなど、過去にHardonizeにゲスト出演して頂いた方が含まれております。
で、こちらは上記の通り販売もされている一方で、協力パーティーにご来場頂いた方にはダウンロードコードを配布することになっており、来月に行うHardonize #46.5 Extra Editionもその1つです。
配布先についてはTECHNO ALLIANCEのXアカウントで随時アナウンスが行われておりますので、こちらをチェックの上、是非各パーティーに足をお運びください。
【今回のお題】
さて、当連載に於ける自分の回ではハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていく形式となっております。
ちなみに、年始は3回に渡ってフリーダウンロード特集を行っておりましたので、ご興味のある方は是非ご参照ください。(1) / (2) / (3)
ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。
ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。
今回取り上げるサブジャンルは
シュランツ
です。
特別連載に於いては第6回に取り上げた過度に圧縮された重厚なグルーヴと、テクノに於いては最速のテンポを誇るスタイルです。
過去この音楽を取り上げた回としては
新作シュランツ (2020年11月版)
新作シュランツ (2021年05月版)
新作シュランツ (2023年03月版)
の3回ございます。
昨年のピックアップ回でも触れましたが、近年のメインストリームテクノの硬質化、先鋭化に伴い、ハードミニマルを更に高速化したスタイルの曲も目にする機会が多くなっており、2024年現在もその状況は続いている印象です。
オーソドックスなシュランツが基点としているテンポであるBPM150というとテクノ的には高速に分類されますが、クラブミュージック全体に目を向けるとハードスタイルやダブステップなんかは同様のテンポ帯がスタンダードになっており、アグレッシヴな音楽としての需要は依然として高いのではないかと思うワケです。
実際、従来のシュランツマナーを踏襲しつつ、別ジャンルのエッセンスを取り入れた曲のリリースもあるため、クロスオーバー要員としての余地もしっかり健在です。
というワケで1年越しになってしまいましたが、改めて最近のリリースについておさらいしましょうというのが今回の趣旨になります。
具体的にはここ1~2ヶ月でリリースされたものをピックアップしていきます。
では、新作シュランツ紹介いってみましょう。
【曲紹介】
Coppa, Noneoftheabove / Mardi Gras
Coppa, Noneoftheabove – Mardi Gras (Original Mix) [No Mercy] | Music & Downloads on Beatport
イギリスのMC、CoppaとオランダのプロデューサーNoneoftheaboveによるハードテクノ。
Coppaは主にドラムンベースシーンで長い活動歴を誇るベテランMCですが、ハードテクノで彼の名前を見たのは今回が初めてです。
目立ったウワモノはなく、叩きつけるような硬いビートにリズミカルなラップが乗った豪胆なトラック。
ブレイクビートのパートもあるので、ビートスイッチ的に使うのも面白いかもしれません。
Veseli / Swords
Veseli – Swords (Original Mix) [Revised Records] | Music & Downloads on Beatport
アイルランドのプロデューサーVeseliによるシュランツ。
間隔の詰まったローリングベースにスモーキーなウワモノの組み合わせという、無機質で緊張感のあるパートをメインに据えたトラック。
なのですが、中盤以降やたらアラビックなリフがちょいちょい差し込まれる謎の遊びが紛れ込んでいます。
Morison / Pan-Ku (Sandro Mure Straight Remix)
Morison – Pan-Ku (Sandro Mure Straight Remix) [MIWS! RAVE] | Music & Downloads on Beatport
ドイツのプロデューサーSandro Mureによるシュランツ。
Sandro Mureはハードグルーヴの名手としても本連載に度々登場するアーティストですが、この手のシュランツ~ハードテクノに於いても存在感を示し続けています。
圧の強いキックを軸に置いた手数の多いリズムとシンプルで開放感のあるリフの組み合わせは良い意味で古臭く、個人的に慣れ親しんだ2000年台後期のシュランツを彷彿とさせますね。
時代が1周した感があるというか。
Greg Notill / The Game
Greg Notill – The Game (Original Mix) [DSR Digital] | Music & Downloads on Beatport
フランスのプロデューサーGreg Notillによるシュランツ。
ここ数年はメインストリームテクノに路線変更していた印象が強いGreg Notillですが、いつの間にかシュランツにカムバックしていました。
厚みのあるベースを前面に出しつつ、手数の豊富なビートによって疾走感を合わせ持ったリズムは全くブランクを感じさせない仕上がりとなっています。
尚、この曲のリリースは03月末となっておりますが、04月に入ってからも速いテンポの曲がいくつかリリースされているので、今年は本格的にシュランツシーンでの再始動に力を入れるのかもしれませんね。
Tripped / This Does Not Contain Rave Stabs
Tripped – This Does Not Contain Rave Stabs (Original Mix) [Pure Hate Trax] | Music & Downloads on Beatport
ベルギーのプロデューサーTrippedによるシュランツ。
全体的に歪んだ音を取り入れており、インダストリアルに踏み込んだ印象も受けるトラック。
4分刻みのメインリフはめちゃめちゃインパクトありますね。
たまにキックの音に対してクラップが重ねられているのが、この手のジャンルにしては珍しい気がします。
Triptykh / Residential Area
Triptykh – Residential Area (Original Mix) [Phase 2 Records] | Music & Downloads on Beatport
アメリカのプロデューサーTriptykhによるシュランツ。
こちらもかなり歪み度の高いサウンドとリズムの密度を擁した曲。
音も無機質なら展開も無機質で、ブレイクパート以外、大体同じ音が鳴っています。
質実剛健さで言ったら今回取り上げる中ではピカイチ。
Angerfist, Gaston Zani / The Dark of the Night
Angerfist, Gaston Zani – The Dark of the Night (Original Mix) [Filth on Acid] | Music & Downloads on Beatport
オランダのプロデューサーAngerfistと、スペインのプロデューサーGaston Zaniによるハードテクノ。
Angerfistは四半世紀以上ガバのシーンのフロントラインに立ち続けている大ベテランですが、ここ2年程の間にちらほらハードテクノのリリースが見受けられるという、意外な活動を見せています。
逆にGaston Zaniは元々メインストリームテクノ~テックハウスなどを手掛けていたアーティストなので、
両者の中間点がハードテクノになっているという・・・というかこの2人が共作する世界線があったんですねと思わざるを得ないリリースとなっています。
圧の強いビートを軸にハードコアを彷彿とさせるスクリーチやロングブレイクを取り入れた構成力のあるハードテクノ。
メインフィールドの異なる両者の強みが別々のパートで現れている辺りに、コラボレーションの醍醐味が感じられるトラックです。
Schroomp / Smells Like Rave Spirit
Schroomp – Smells Like Rave Spirit (Original Mix) [Affenkafig Red] | Music & Downloads on Beatport
ベルギーのプロデューサーSchroompによるハードテクノ。
本連載に度々名前が挙がっているテクノシーンの重鎮ユニットFilterheadzのメンバーによるハードテクノの名義です。
タイトルから不穏な香りが漂っていますが、お察しの通りNirvana / Smells Like Teen Spiritネタ・・・というかボーカルモロ使いの危険極まりない曲となっております。
原曲を歪ませ、硬いビートをくっつけたブートレグ精神丸出しの仕上がりに思わず唖然としてしまったリリース。
Schroompの直近の曲でもう1つ好きな曲があるので合わせてご紹介。
Schroomp / Chanel Gucci Prada
Schroomp – Chanel Gucci Prada (Original Mix) [DSR Digital] | Music & Downloads on Beatport
ファッションブランドのトップ3をタイトルに冠しており、それが歌詞になっているラップ(※)のサンプリングもあるものの、それ以上にフーバーシンセの主張が激しいハードテクノ。
レイヴをフィーチャーしたハードテクノに於いて、現在飽和気味になっているスタブ以外のサウンドを模索している感があって非常に好みです。
※
歌詞で調べるとこれが出てくるものの、この曲にも更に元ネタがありそうな気もする。求ム有識者。
OGUZ / WE ARE MONASTERIO
OGUZ – WE ARE MONASTERIO (Original Mix) [Monasterio Records] | Music & Downloads on Beatport
オランダのプロデューサーOGUZによるシュランツ。
叩きつけるようなビートにトランスのような抒情的なシンセが乗ったトラック。
近年のメロディアスハードテクノと合わせて使っても面白いかもしれません。
Shadym / 16 Ocean Planet
Shadym – 16 Ocean Planet (Original Mix) [Dreizehn Schallplatten] | Music & Downloads on Beatport
ドイツのプロデューサーShadymによるシュランツ。
こちらもトランスのシンセを用いたものですが、スケールが長く、複数種類のリフが絡み合っているドラマティックなトラック。
ロングブレイクを経てメインパートに流れ込む開放感は特にその印象が強く、〆にピッタリではないかと思うワケです。
【次回】
そんなワケで今回はここまで。
次週04月16日は774Muzikさんが担当します。
では。
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