こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。
【近況】
前回触れた通りではありますが、DJ Dextroの来日公演に行ってまいりました。

オープンから3時間ロングセットという、なかなか見ないタイムテーブルだったので、折角ならとオープン直後くらいに会場に到着するように向かいました。
まだフロアに人が少ない状況でじっくりハウスからスタートし、緩急をつけながら徐々にテクノへ移行する様子をじっくり見ることができて、かなり貴重な体験になりました。
4つ打ちダンスミュージックにおけるDJの基礎の部分を改めて確認できたように思えますし、それを海外ゲストが長尺で体現しているというのはかなり贅沢でしたね。
直近のテクノ的トピックで言うと、Boiler RoomやFUJI ROCK FESTIVALでのプレイが印象的なHiroko Yamamuraがアメリカ、シカゴから来日するそうです。
今週末の渋谷CLUB QUATTRO公演はチケットが売り切れてしまったようですが、11月07日の渋谷WOMB公演はまだ行けるみたいなので、気になる方は是非。
11/7(金) HIROKO YAMAMURA & HITO
昨年・今年と2年連続でフジロック出演、XLR8R誌で「シカゴのトップ10 DJ」に選ばれた、シカゴを拠点に世界のシーンで活躍する@bioboosterが登場!
更に、コーチェラやMOVEMENT、EDCや世界中のクラブでキャリアを築き上げてきたHITOも出演。
🎟️https://t.co/ozsQrTDMzk pic.twitter.com/Fb0hPaVMnT— WOMB official (@WOMB_Tokyo) August 30, 2025
【告知】
次回Hardonizeのインフォメーションが公開されております。

2025/12/06(sat) Hardonize #51 at waseda sabaco | Hardonize web
今回のゲストにはcartaxさんと、Gassyohさんの2名をお招きしました。
正直、ハードテクノと銘打っているパーティーのゲストとしては異質な組み合わせです。
とはいえ、両者ともDJやトラックメイキングにおいて、相応の音楽遍歴を辿っており、その中にはハードテクノに接近した面もしっかり持っている2人です。
一方で現在の両者の主な活動ジャンルがハウスであることもあり、そこに我々がどうアプローチしていくか、というのも1つのトピックとして挙げられる回であるとも捉えております。
6時間通して気持ちの良いグルーヴを提供していきますので、ひとつよろしくお願いします。
日にちは12月06日(土曜日)、15時からとなります。
場所はいつもの早稲田茶箱にて皆様のご来場をお待ちしております。
【Spotifyプレイリスト】
Spotifyプレイリストの2025年09月分が公開されております。
当連載でピックアップしたハードテクノをメインとするトラックをプレイリスト化した全40曲。
自分は新作ゲットーテック (2025年09月版)で取り上げた曲が入っております。
【今回のお題】
さて、当連載に於ける自分の回ではハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていく形式となっております。
ちなみに、年始は3回に渡ってフリーダウンロード特集を行っておりましたので、ご興味のある方は是非ご参照ください。
【特集】フリーダウンロード2024 (1):2025/01/23
【特集】フリーダウンロード2024 (2):2025/02/06
【特集】フリーダウンロード2024 (3):2025/02/20
ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。
ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。
一方で今回取り上げるのはハードテクノのカテゴライズ外となる音楽、
になります。
改めて解説するまでもないとは思いますが、4つ打ちダンスミュージックとしてはテクノ、トランスと並ぶ、基礎と言って差し支えないくらい大きなジャンルであり、また現在に至るまでの間で絶え間なく進化を続けた結果、特色豊かな多くのサブジャンルを内包している音楽でもあります。
ハウス (音楽) – Wikipedia
日本でもこの音楽にスポットを当てて活動しているアーティスト、レーベル、パーティーはベテランから若手まで数多く存在します。
何なら今回ゲストにお招きした2人も、現在の活動としてはハウスに軸足を置いている印象があります。
曲がりなりにもハードテクノのパーティーと標榜しているHardonize当日にこの音楽が流れるかどうかは分かりませんが、プレイ時のエッセンスとして彼らの中にハウスの血は濃く流れているため、何らかの形で表面化するのを楽しみにしているところも個人的にはあったりします。
ちなみに、Hardonizeでハウスを流すのは全然アリです。
っていうか僕がしばしばディスコを使っています。(許されているかはさておき。)
というわけで、今回はそんな彼らの末端だけでも理解しようじゃないかという建前のもと、ハウスについてピックアップしていきます。
ただし、いわゆる現行メインストリームの曲をここで取り上げても仕方ないので、自分なりに彼らのプレイを思い起こしながら、Hardonizeとの折衷案を探ったらこの辺になりそうだ、というものを選びました。
具体的にはハウスのグルーヴは維持しつつ、テンポは速めのBPM133周辺で、割と生音感強めのものにまとまった気がします。
あと直近でトランスにスポットを当てたこともあり、バランスを取るためにこのテーマというところも無きにしもあらずです。
というわけで、ここ1~2ヵ月の間にリリースされたトラックについてピックアップしていきます。
では、新作ハウス紹介いってみましょう。
【曲紹介】
Chris Gooding – Feel So Loved (Extended Mix) [Top Secret] | Music & Downloads on Beatport
アメリカのプロデューサーChris Goodingによるハウス。
小気味よいハイハットリズムと、ローファイなリフが特徴的なトラック。
時折差し込まれるレトロな質感のシンセも相まって、レイヴの残り香が爽やかに漂っています。
Lz One Bass – So We Get Funk (Extended Mix) [Cleo Recordings] | Music & Downloads on Beatport
イタリアのプロデューサーLz One Bassによるハウス。
跳ね系リズムを下地に、カッティングギターや細切れのボイスサンプルを散りばめた、ファンクネス指数高めのトラック。
ディスコとプログレッシブハウスの中間点ような印象を受けます。
TJARDA – Golden Hour (Original Mix) [Rendr Records] | Music & Downloads on Beatport
オランダのプロデューサーTJARDAによるハウス。
推進力のあるリズムに、アーバンなオルガンリフが気持ちいいトラック。
個人的にはハウス周辺の音楽との組み合わせについて考えたくなる曲です。
Play Somethin’ Nasty | Paperkraft | Sally C
日本、大阪のプロデューサーPaperkraftによるハウス。
耳馴染みのあるOutlander / Vampネタではあるものの、フレーズモロ使いではなく、パーツを分解して別の曲に仕上げているという、アレンジ力の高さが光る曲。
分かる人にはしっかり伝わる系というか、こういうのはかなり惹かれます。
Rowans (Amaliah Remix) | Dusty Dan & Justin Jay | Dusty
イギリスのプロデューサーAmaliahによるハウス。
今回1番の謎曲。
やたらと手数の多いリズムに、時折差し込まれる人の声や犬の鳴き声、遠くの方で鳴っているドミネーターシンセ、音のチョイスが理解を越えています。
間違いなく変ミュージックスキー向け。
Alves – King Of The Castle (Original Mix) [Danca] | Music & Downloads on Beatport
ブラジルのプロデューサーAlvesによるハウス。
やたら脱力感漂う笛の音がメインに据えられておりますが、これ、元ネタ分かりますかね?
O.M.F.O. / Magic Mamaligaという曲で、ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習という、まぁなんというか見る人を大いに選ぶ映画に使われています。
なんならこの曲が使われているシーンはネットミームにもなっておりますので、気になる方は是非映画をご覧ください。
ちなみに、僕はこの作品好きです。
アメリカのプロデューサーDJ SWISHAによるブレイクス。
エディットされたオルガンのリフがレトロさを醸している一方で、複数種類のリズムが次々スイッチしていく技巧派トラック。
純粋な4つ打ちのパートはないものの、それを意識させるようなパートは随所にあるため、リズム感の橋渡しとしてめちゃめちゃ優秀。
Tony Muscolare – History (Original Mix) [Tomato Records] | Music & Downloads on Beatport
イタリアのプロデューサーTony Muscolareによるハウス。
うねるベースライン、レトロな質感のメインリフとバックコーラス、ブレイクで炸裂するジャジーなピアノリフ、満点のファンクネス指数です。
ラテン気質の陽気なエロさがサウンドに表れている感じがします。
Not Being Here | Adrian Braga | The Boogie Room Records
メキシコのプロデューサーAdrian Bragaによるハウス。
こちらもグルーヴ感のあるベースラインですが、ウワモノからはエモーショナルな雰囲気が漂うトラック。
季節は過ぎちゃいましたけど、夏の夕暮れのビーチサイドが似合うタイプの曲だと思います。
DLOH – Touch It (Original Mix) [afties] | Music & Downloads on Beatport
イギリスのプロデューサーDLOHによるハウス。
どかっと中心に据えた太いベースラインと、ドライブ感のあるハイハットリズムが特徴的なトラック。
若干速いテンポも相まってハードグルーヴとも相性◎。
最後に、今回のテーマとも近いところで大きなトピックを1つ。
近年のテクノ、特にハードグルーヴにおいては大きな影響をもたらした人物と言っても過言ではない、アイルランドのプロデューサーKETTAMAがアルバムをリリースしました。
Archangel | KETTAMA | STEEL CITY DANCE DISCS
本作がキャリア初のアルバムであり、Interplanetary CriminalやFred again..など、ジャンルの垣根を超えた各シーンのフロントマンたちが参加しております。
ハウス、テクノ、トランスは勿論のこと、ブレイクスやベースミュージックまで、あらゆるエッセンスを取り入れた楽曲群は、2020年代のダンスミュージック史に大きな足跡として残ることを予感させます。
とりあえず、Hardonizeレジデントには全員買うことを強制したいと思います。
【次回】
そんなワケで今回はここまで。
次週11月04日は774Muzikさんが担当します。
では。