こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。
【告知】
来週末、毎度お声がけ頂いている日本酒とダンスミュージックにスポットを当てたパーティー、!!SAKE!! vol.6に出演致します。
今回は拡大版ということで秋葉原MOGRAでの開催。
出演陣にも大先輩DJ YO-Cさんや、HYVEやSPRAYBOXといったパーティー、レーベルを手掛けるNizikawaさんなど、
いつもに増してバラエティ豊かな面々が揃っております。
もちろん、出演者が持ち寄った日本酒を飲めるシステムも健在。
先日、長野県で地酒をいっぱい買ってきましたので、当日までじっくり選定します。
日付は09月14日(日)の14時スタート。
場所は秋葉原MOGRAとなります。
ご来場、お待ちしております。
【Spotifyプレイリスト】
Spotifyプレイリストの2025年07月分が公開されております。
当連載でピックアップしたハードテクノをメインとするトラックをプレイリスト化した全82曲。
自分は新作レイヴ系テクノ (2025年07月版)、及び新作ハードグルーヴ (2025年07月版)で取り上げた曲が入っております。
【今回のお題】
さて、当連載に於ける自分の回ではハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていく形式となっております。
ちなみに、年始は3回に渡ってフリーダウンロード特集を行っておりましたので、ご興味のある方は是非ご参照ください。
【特集】フリーダウンロード2024 (1):2025/01/23
【特集】フリーダウンロード2024 (2):2025/02/06
【特集】フリーダウンロード2024 (3):2025/02/20
ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。
ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。
今回取り上げるのは厳密にはハードテクノではありませんが、テクノに含まれるサブジャンルの1つ、
ゲットーテック
になります。
この音楽については去年1度取り上げましたが、
1990年代前半のアメリカで生まれた、シカゴエレクトロやデトロイトテクノ、ヒップホップなどを組み合わせたスタイルで、
2拍4拍のクラップを強調した荒っぽいビートに、跳ね感のあるベースフレーズ、そしてありえないくらい下品なボイスサンプリングが度々使われる音楽です。
ジューク/フットワークの先祖に当たるサブジャンルでもあります。
Ghettotech – Wikipedia
その洗練されていないビートの質感や治安の悪いベースといったアートフォームが好きというのも勿論のこと、少なからずヒップホップの要素が含まれているので、ベースミュージックやブレイクビートとの相性が良く、それらとテクノとの橋渡しとしても機能してくれます。
構成されている音が少ない、という点も使いやすさに直結している気がしますし、近年の一気に音数を抜いてインパクトを演出する、という用途にもかなりハマる音楽だと認識しています。
一方で、このジャンルのトッププレイヤーたちは、スクラッチ/ビートジャグリングを織り交ぜながら矢継ぎ早にトラックをスイッチさせていく、言わばヒップホップマナーに則ったスタイルを採用しているDJもおり、前回記事で紹介したDJ Godfatherは、その最高峰ですね。(参考動画)
トラックがシンプルであるがゆえに、DJとしてのスキルが如実に反映される音楽だと言えます。
DJ Slugo – Celebrating 30 Years of Ghetto House Music @TheLotRadio 02-28-2025
DJ Slugo – Celebrating 30 Years of Ghetto House Music @TheLotRadio 02-28-2025 – YouTube
ゲットーテックを代表するシカゴのレジェンドプレイヤー、DJ Slugoによる、この音楽の30年間を遡るMIX。
というわけで、前回ピックアップから1年ほど経ってしまったこともあり、改めてここ1~2ヵ月の間にリリースされたトラックについてピックアップしていきます。
早速ですが新作ゲットーテック紹介いってみましょう。
【曲紹介】
Nate Laurence VS Drubes / Schake Dat
Nate Laurence VS Drubes – Schake Dat (Original Mix) | Nate Laurence VS Drubes | Bunkaball
アメリカのプロデューサーNate Laurenceによるゲットーテック。
(DrubesはNate Laurenceの変名義。)
跳ね感のあるビートと、フィルターのかかったボイスサンプルのループによるシンプルなトラック。
DJ HORDE / 001
DJ HORDE – 001 | DJ HORDE
ドイツのプロデューサーユニットDJ HORDEによるゲットーテック。
こちらもリズムループが主体のトラック。
ややドラムの手数が多く、ブラスのサンプリングも用いられているので、近年のハードグルーヴとの相性も◎。
Mezer The Architect / Gravity
Gravity | Mezer The Architect
ポーランドのプロデューサーMezer The Architectによるゲットーテック。
芯のあるキックを中心に置いた、前のめりなリズムが特徴的。
Mezer The Architectはハードグルーヴも手掛けており、当連載にもちょいちょい名前が挙がりますね。
Anetha / Watch Us Glow
Watch Us Glow | Anetha
フランスのプロデューサーAnethaによるゲットーテック。
不定形でインパクトのあるシンセが特徴的なトラック。
リズムパーツはかなりテクノに近い感じがします。
Fran G / Ducati & Jordans
Ducati & Jordans | Fran G | Maluko
メキシコのプロデューサーFran Gによるゲットーテック。
土着的パーカッションやら細切れになったドミネーターシンセやら、かなり異質な音使いが垣間見えるトラック。
このコンピレーション自体、そういった不定形ジャンルが集められている作品なので、変ミュージック好きはアルバム丸ごと是非。
SIM & Siu Mata / U See B
U See B | SIM & Siu Mata | WAJANG
ケベックのプロデューサーSIMと、フランスのプロデューサーSiu Mataによるゲットーテック。
深いベースラインに不穏なアシッドシンセが響く、アングラの臭気を纏ったトラック。
JIALING / NINE OH NINE
NINE OH NINE | JIALING
アメリカのプロデューサーJIALINGによるゲットーテック。
メインのリズムは旧来のゲットーテックを踏襲していながら、トランスっぽいリフが入ってきたり、ブレイクビーツを採用していたり、遊び心溢れたトラック。
GYATSO + SUNNYSOPOSTED / LET ME SEE
LET ME SEE w/SUNNYSOPOSTED | GYATSO + SUNNYSOPOSTED | Gyatso
オランダのプロデューサー同士、GYATSOとSUNNYSOPOSTEDによるゲットーテック。
グルーヴ感のあるベースフレーズにレトロなシンセリフと、ハウスの要素を残したトラック。
かなり汎用性高そうです。
RAWFILA / XEVIOUS TRAXX
XEVIOUS TRAXX | RAWFILA | GRASSWAXX RECORDINGS
日本のプロデューサーRAWFILAによるゲットーテック。
タイトル通り、ゼビウスネタ。
シンプルなトラックにレトロな電子音がインパクト打点高し。
URFQKZ / DREAMWEAVER
DREAMWEAVER | URFQKZ | Big Sherm
正体不明のプロデューサーURFQKZによるゲットーテック。
穏やかさを感じるローファイなリフを起用したトラック。
この曲が収録されているアルバムは、全体的にこういったアーバンなリフに不定形ビートを敷いたトラックが多く、かなり聴き応えがありました。
最後にちょっとしたトピックをば。
D.J. FUNK / UNRELEASED
D.J. FUNK “UNRELEASED” | D.J. FUNK | houzmon
今年03月に亡くなったアメリカのレジェンドプロデューサーD.J. FUNKによるゲットーテック。
同郷の盟友にして、同じくベテランプロデューサーHOUZ’MONによって未発表曲が発掘され、此度のリリースとなりました。
どの曲もザ・クラシックスタイルといった感じです。
【次回】
そんなワケで今回はここまで。
次週09月09日は774Muzikさんが担当します。
では。
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