今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2021/01/26 【テクノ10選】

こんばんは。774muzikです。
もう第何波なのか分かりませんが、コロナが猛威を振るっております今日この頃。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
自粛ストレスでやられておしまいになったのか、「コロナは捏造であり存在しない」説などを唱える方々も現れてきているなど、なかなかの終末感です。
収束を信じて、基本に忠実な感染防止タスク(手洗い、消毒など)をミニマルにこなして参りましょう。

さて、そんな中。
既にお伝えしているところではございますが、2月20日に開催を予定していたHardonize、時世柄、イケイケでリアルフロアやったるで!というわけにもいかず、苦渋の決断として延期を決定しました。
その代わりといってはなんですが、当初予定の2月20日には初めてのハーフナンバリングにて、配信により開催することも併せて決定しております。

2021/02/20(sat) Hardonize #37.5 online streaming & #38開催延期のお知らせ


ゲストのお二方には、37.5、38と2回のご出演をいただける予定となっております。
いわば38前哨戦としての37.5、お楽しみいただけましたら幸いです。
諸々がんばっていきましょう。

さて、それでは本題。
既にご存じの方も多いと思いますが、現在、Twitterのテクノクラスタで盛り上がっているハッシュタグがあります。

#テクノ10選

はい、これですね。
各自が「これぞテクノ」という10曲を選んでツイートするというものなのですが、少しずつ重なりながらも、皆が違う楽曲を推しているのがなかなか面白いです。
ちなみに僕はこんな感じでした。


各自、それぞれの基準で選曲していると思うんですが、僕は「テクノを知らない人にテクノを紹介するとしたら」という選び方をしてみました。
CD1枚分で大体10曲~12曲ぐらいなので、その枠でテクノというものを理解してもらえるものをチョイスするならこうかな、と。
正直、10曲とか枠が小さすぎて入りきらないんですが、それ故に、特に聴いてほしい曲を抽出できたのではないかと思います。
今回の更新では、各楽曲に浅い解説をつけつつ、あらためてご紹介していきます。

Takkyu Ishino – Polynasia

卓球のソロでは、これかGohst In The Shellかで悩みつつこちらをチョイス。
その名の通りポリネシアンなトライバルリズムを取り込んだトラック。
こういうトライバル、ジャンル的には「Ote’a(オテア)」というらしいです。
アフリカとか南米のトライバルベースのトラックは数多あるんですが、これ系はほぼ聴いたことないですね。
テクノと他のリズム音楽の親和性というか、懐の深さを感じられる名曲だと思います。

Ken Ishii – Awakening

この曲が収録されていた「Future In Light」自体がとても素晴らしいアルバムで、僕の好きなテクノアルバムTop3に入るんですが、特にその1曲目のこちらの曲は本当に素晴らしい。
深いベースヒット(キック?)からフェードインしてくるシンセに、めちゃくちゃ上がります。
後はコンプのかかり具合などの音の質感がとても心地よくて、とても完成度の高い1曲だと思います。
WIREでのLiveでこれを一曲目にかけた瞬間、ドパドパドーパミンで即死しました。

Denki Groove – Niji (Mijk Van Dijk’s For Girls Remix)

電気グルーヴの原曲ももちろん大傑作で素晴らしいんですが、テクノという分類で見た時に、このRemixは本当に最高だと思います。
原曲の持つ美しさや雰囲気をきちんと残しつつ、それをクラブミュージックとしてのテクノの機能性に落とし込んでいます。
マイクが原曲に惚れ込み、自分がリミックスをすることを条件にレコード会社に頼み込んでライセンスリリースしたというものだけあって、気持ちの入り方が半端じゃない。
残念ながらデジタルでの販売はされていませんが、中古CDで入手可能なので、これは絶対入手しておいてほしい一曲です。
マイク自身がWombでのDJプレイでかけた様子がこちら。この曲の魅力を分かってもらえると思います。

Do you really want this?最高かよ

DK8 – Murder Was The Bass (Reworked)

(Don’t)Take MoreとかBorn Slippyと同じく、リエディット/リミックスの方が有名になってしまった曲。
いくらbeatportでOriginalと表記されようが!僕は!「Reworked」の表記を!絶対にやめない!
2000年代のアシッド再興のきっかけになった曲ではないかと思います。
歴史的な名曲ですし、今聴いても最高にカッコいい。

Jeff Mills – The Bells

Jeff Millsの奇跡の曲だと思う。
Mix Upの録音のために作った2曲のうちの1曲(もう一曲はi9)で、確か正式リリースの予定はなかったんじゃなかったかな。
シンプルなリズム、ベースに奇妙なメロディ。何でこの曲でこんなにテンションが盛り上がるのか未だに分からない。
なんか不思議な魔力がかけられているに違いない。Wizardだしね。

Cave – Street Carnival

トライバルテクノの金字塔。名曲中の名曲。
トライバル好きを標榜する身として、これは挙げざるを得ないよね・・・。
この曲から2005年ぐらいまでのCaveの一連のリリースはどれも素晴らしいんだけど、やっぱりこの曲は特別。
一応、2007 Editionはbeatportでも入手可能。こっちもカッコいいけどね。

Kobaya – Funky Ass

この曲はこのブログでも何回も紹介してるので今更なんですが、とにかく僕が全てのテクノの中で断トツで一番好きな曲です。
細かいことは敢えて言わない。とにかく最高なのでブレイクのところまで聴いて。
本当にデジタルリリースしてほしくて、20億年間ぐらい待ち侘びてる。

Orbital – One Perfect Sunrise

Orbitalが引退宣言して、ラストトラックとしてリリースした曲(その後復活したけどね)。とにかく美しすぎる。
透明感のあるアカペラから始まり、そこからの展開も物語のようで、本当に隙がない。
これはショートプレビューでは魅力が伝えられないので、フルレングスで聴いてほしい。

WIREでのLiveで演奏されたときは、比喩表現でなく泣いた。マジで。

Underworld – Pearl’s Girl

Underworldはテクノキッズの必修科目だし、何ならUnderworldだけで10選したいレベルなんだけど、他は全て切り捨てて、一番好きなこいつを。
この曲も全ての音と展開が素晴らしい。
静かなパッドのロングノートに特徴のあるブレイクビーツが乗ってきた瞬間、脳汁がすごい。
特に弐番目のタフガキとBeaucoup Fishは名曲しか入ってないな。
今更感あるけど、胸を張って言おう。Underworld大好き!

Novy vs Eniac – Pumpin’

BahamadiaのUknowhowweduの声ネタをサンプリングし、跳ねたテクノで料理したファンキートラック。
重厚なボトムにグルーヴ感マシマシにしてくれる中音域のリズム、キレたSEシンセ・・・全てが最高。
ちなみに、10分ぐらいの結構長い曲なので、DJ中にトイレに行きたくなった場合などに役立ちます(大2回分ぐらいいけるでしょ)。
元ネタはこちら。

ということで、渾身のオールタイムレコメンドの10曲でした。
本当はTwitterでハッシュタグ追ってデータベース化して特に名前が挙がった曲を紹介する、とかやろうと思ったんですが、数がかなり多かったのと投稿フォーマット(画像だったりテキストだったり)がマチマチで、集計するのがマジきつそうだったんでやめました。
是非、ハッシュタグを追って、まだ見ぬ(聴かぬ)オススメ曲を見つけてみていただければと思います。

本日はここまで。次回更新は木曜日、DJ Sangoがお送りします!


【特集】フリーダウンロード2020 (前編):今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2021/01/21

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
およそ1か月ぶりに担当致します。

大分遅い挨拶ですが、明けましておめでとうございます。
2021年もHardonizeをよろしくお願い致します。

さて、先週~今週にかけてお伝えしておりますように、昨年から日程の解禁を行っておりました次回のHardonizeは残念ながらオンラインでの開催となってしまいました。
楽しみにしていた方々、大変申し訳ございません。

しかしその旨を今回のゲスト2名に相談したところ、ありがたいことにそれでも出演をご快諾頂けたこと、そしてやはりゲストのプレイは茶箱の音響で提供したいという思いからHardonize史上初のハーフナンバリング開催、そしてゲストの2回連続出演という運びになりました。

そのゲスト2名というのがASINさんとBishamonさん。
片や国内は元より海外からも支持の厚い現行シュランツの筆頭格、片や自身のパーティーでテクノとガバの交差点を探求する目利き且つ腕利きという、シリアスでアグレッシヴな音を得意とする方々です。
ファンキーな音や馬鹿っぽい曲もそれはそれでHardonizeクルー全員好きですが、無機質さ、狂暴性といったワードもまたハードテクノの魅力の1つだと思っておりますので、そういった側面に照準を合わせてくれることを期待しております。

そんなワケで差し当たり前哨戦としての37.5回目を2021年02月20日に配信します。
38回目は同じ2名をお招きした上でいつもの早稲田茶箱にて開催致しますので日程が決まり次第、こちらで告知させて頂きます。
お見逃し無く。

さて、そんな社会情勢が相変わらずめでたくない感じなので、せめてハードテクノ的にめでたい内容をお送りしたいと思う今日この頃。
ところでお正月といえば1番の楽しみはお年玉ですよね。
子供時代の1番の収入源であり、この瞬間だけは世の中の娯楽を全て体現できる気がしたのは僕だけでは無い筈です。

一方で時を経て大人になった今、好きなものは何かと問われればこれも自明の理。
そう、フリーダウンロードですよね。
時にDJは持参した曲をと呼んだりしますから、ダウンロードした音源はつまり落とし弾と呼べるわけです。
分かりますか?この高度過ぎるロジックが。

となると今回やるべきテーマはただ1つ、

フリーダウンロード特集

です。

熱心に当連載をご覧頂いている奇特な方はご存知かと思いますが、ここ2年程、年明け初っ端の記事は前年のフリーダウンロード楽曲の振り返りというのをやっておりまして、今年もその踏襲です。
参考までに過去の記事はこちら。

今見返すとちょいちょいリンク切れがあるので、賞味期限のあるものと思っていた方が良さげ。

そんなワケで2020年分をピックアップしていたところ、やはり数が多くなってしまったこともあって今回も前後編に分けてご紹介します。
一応カテゴリ分類として

・今回:メインストリームテクノ&ダークテクノ&ハードミニマル~シュランツ

・次回:ハードグルーヴ&ハードアシッド&テックトランス

とした上で、それぞれ10曲程度取り上げていきます。
これからハードテクノに触れる人や、自身のプレイ幅を広げたいと考えている方の取っ掛かりとして参考になれば幸いです。

それでは、令和2度目のフリーダウンロードハードテクノ特集 (前編)いってみましょう。

【メインストリーム編】

ArchivOne / Shape

ArchivOne – Shape [Free Download] by ArchivOne | Archiv One | Free Listening on SoundCloud

イタリアのプロデューサーArchivOneによるテクノ
ひたすら反復するリフが往年のテクノ然とした印象を受けるトラック。
ドライクラップとかハイハットの音にも懐かしさを覚える一方で低音はしっかり現代寄りの深度を持っているのでフロアで聴きたい感じ。
分かりやすく例えると石野卓球 / GHOST IN THE SHELLに凄く近いものを感じます。

Amelie Lens / Contradiction (Greg Downey Rework)

Amelie Lens – Contradiction (Greg Downey Rework) FREE DOWNLOAD by Greg Downey | Free Listening on SoundCloud

イギリスのプロデューサーGreg Downeyによるテクノ
原曲の硬度とアシッド感をそのままに速度を付加したアレンジ。
派手過ぎず、ストイック過ぎずという雰囲気なので色々な曲との橋渡しに使えそうです。

Obscure Shape & SHDW / Take Me To The Limit

Obscure Shape & SHDW – Take Me To The Limit (Free Download) by Techno Germany | Free Listening on SoundCloud

ドイツのプロデューサー同士、Obscure ShapeSHDWによるテクノ
ユーロビートの原曲を現行テクノにリメイクしたという風変わりな作品。
享楽的なフレーズはそのままなのにリズムの硬度が逆にシリアスさを醸し出している辺り、アレンジ力の高さが光ります。
ハードグルーヴとしても使えそう。

同じアーティストでこっちもオススメ。
こちらはまさかのRammsteinアレンジ。
エレクトロ風のビヨビヨシンセに硬質なリズムがボディーミュージックっぽさもあってかなりイカしてます。

Obscure Shape & SHDW / Du Hast

Obscure Shape & SHDW – Du Hast [TG002] (Free Download) by Techno Germany | Free Listening on SoundCloud

Advanced Hedonism / Yeswell666!

Advanced Hedonism – Yeswell666! (Free Download) by advanced ‡ hedonism | Free Listening on SoundCloud

国籍不詳ユニットAdvanced Hedonismによるテクノ
非4つ打ち~4つ打ち間を行き来するアングラ感あるリズムシーケンス。
シカゴハウス、レイヴ、テクノが混然一体となったゴチャゴチャサウンドは変ミュージック好きにとって涎が出ます。
テクノとしか形容できない何か。

【ダークテクノ編】

Charlie Sparks / Acid Amy

Charlie Sparks – Acid Amy (FREE DOWNLOAD) by Charlie Sparks | Free Listening on SoundCloud

イギリスのプロデューサーCharlie Sparksによるダークテクノ
アシッドシンセを主軸にエコー処理された女性ボーカルが並走する硬くて暗いサウンド。
ウワモノが印象的な分、メインストリームテクノとも相性良くてまだ使いやすい部類だと思われます。

Pitch! / Sektor

Pitch! – Sektor (Original Mix)- FREE DOWNLOAD – by Pitch! | Free Listening on SoundCloud

ドイツのプロデューサーPitch!によるダークテクノ
終始無慈悲なキックが鳴り響く一方、ウワモノはレイヴシンセ。
治安の暴落に一役買ってくれそうなタイプの曲として重宝しそう。

Otin / I’m A Demon (Bootleg)

Otin – I’m A Demon (Bootleg)[FREE DOWNLOAD] by OTIN TECHNO | Free Listening on SoundCloud

ベルギーのプロデューサーOtinによるダークテクノ
度々ブートレグをSoundcloud上で公開していることもあり、ダークテクノシーンではかなり知られた存在です。
上記の曲より更に深度の増した強烈なボトムに加え、様々なサウンドが入れ替わり立ち代わりで展開される引き出しの多さが特徴的。
それでも一貫して曲の雰囲気は暗いという、キレッキレなトラック。

Victek / Riots

Riots [Dark Techno – Free Download] by Victek | Free Listening on SoundCloud

スペインのプロデューサーVictekによるダークテクノ
今回紹介する中に於いてリズムの歪み度は一等賞。
徹頭徹尾スモーキーなウワモノとリズムと声ネタでもってテクノの凶悪さを演出しております。

The Prodigy / Smack My Bits Up (Marco Stenzel’s Acid Techno Rework)

The Prodigy – Smack My Bits Up (Marco Stenzel’s Acid Techno Rework) by Marco Stenzel | Free Listening on SoundCloud

ドイツのプロデューサーMarco Stenzelによるダークテクノ
定期的に出回るThe Prodigy / Smack My Bitch Upネタ。
とはいえ、ここまでダークでアシッドなアレンジは初めて聴いたのでなかなか印象に残りました。
オフィシャルのPVが体現していたようなドラッギーで妖艶な暴力がそのまんま音に落とし込まれたようなアレンジ。
紛うことなきピークタイムチューン。

【ハードミニマル~シュランツ編】

GHOSTMANE / Lazaretto (Counts Edit)

GHOSTMANE – Lazaretto ( Counts Edit )(FREE DOWNLOAD) by Counts | Counts | Free Listening on SoundCloud

ドイツのプロデューサーCountsによるハードミニマル
これもなかなかの歪み度を誇っており、インダストリアルとの中間点と置いた方がすんなりいきそうな作品。
速いテンポで鳴り響くスモーキー且つノイジーなウワモノの連続は攻撃力高め。

Angy Kore & Gabriel Padrevita / Lethal Funky Industry

Angy Kore & Gabriel Padrevita – Lethal Funky Industry [FREE DOWNLOAD] by Techno Germany | Free Listening on SoundCloud

イタリアのプロデューサーAngy KoreとドイツのプロデューサーGabriel Padrevitaによるハードテクノ
声ネタはPublic Enemy / Caught, Can We Get A Witness?、ブレイク以降のリフはTiesto / Lethal Industryのサンプリングでありながら曲としてはハードダンス混じりのハードテクノという、なかなかの盛り沢山具合。
こういうかけ離れた要素同士が更にかけ離れたところで繋がるのは聴いてて楽しいですね。

Depeche Mode / Personal Jesus (Coble EDIT)

Depeche Mode – Personal Jesus (Coble EDIT) by Dusk Records | Free Listening on SoundCloud

フランスのプロデューサーCobleによるシュランツ
ちなみに原曲はこちら。
Depeche Modeのテクノアレンジ自体はそうそう珍しくないものの、アシッド混じりのシュランツという点で特異だと感じた次第。
時折差し込まれるアーメンブレイクも遊び心があって◎。

DYEN / Born Slippy

DYEN – Born Slippy [TG003] (Free Download) by Techno Germany | Free Listening on SoundCloud

オランダのプロデューサーDYENによるシュランツ
まだ出るのか!Born Slippyネタのシュランツが!とった別の驚きをしてしまった作品。
最早シュランツはネタモノの音楽ではないことは分かっていつつも、ついこの手の曲にはそそられてしまうのも確か。
イントロが原曲そのまんまで始まるので、原曲と思わせて実は~的なイヤらしい引っかけが期待できますね774Muzikさん?

まとめ

以上、2020年フリーダウンロード特集 (前編)をお送りしました。
結構削ったものの、当初予定していた10曲は結局超えてしまいました。
おそらく後編もこのくらいの分量でお送りすることになると思いますので何卒ご容赦の程を。

こうして一纏めにしてみるとベテラン、若手、有名無名関係なくフリーダウンロードでのリリースが行われていることが分かります。
アイディア寄りの楽曲だったり、危ないシロモノはこういった手段で流通していることが多々あるので、引き続き注視していくとより良いテクノライフを送れるのではと思うわけです。

といった辺りで今回はここまで。
ハードグルーヴ、ハードアシッド、テックトランスにスポットを当てた後編は02月04日公開予定となっておりますのでお見逃しなく。

次週01月26日は774Muzikさんが担当します。
今回はこれにて。

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