こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。
これを書いている2017年01月は渋谷のクラブCIRSUS TOKYOがokadada氏、DJ WILDPARTY氏の2名をレジデントとしたレギュラーパーティーを毎週土曜日に行っておりまして、先日その2回目に遊びに行って参りました。
ゲストはKEN ISHIIとCarpainter。片や日本のレジェンド、片や新世代キーパーソンと云った異色の組み合わせでしたが、共にと云うか全員ストイックなテクノでのプレイで、VJもいなくて照明だけの暗い空間で延々とリズムが繰り返されていたのが音に没頭できて大変良かったです。
よくクラブミュージックはハコで聴くと家で聴いていたものから印象が変わると云うような表現を聞きますが、個人的な意見としてテクノはかなり大きく環境に左右される音楽の1つだと思っています。
耳ではなく体感として響く低音がずっと鳴っており、あとのシンセやリズムは拍を取るための最低限でしかないと云う思考を持った音楽。
昔から変わってないと思うなかれ、誕生から20年超を経て尚出音は確実にアップデートを続けております。
機会を作って是非何らかのパーティーに遊びに行って頂きたいところ。
ちなみに上述のCIRSUS TOKYOレジデントパーティーは今週末01月28日にもPEECHBOY、CHERRYBOY FUNCTIONと云ったこれまたテクノに縁のあるゲストを招いて行われます。
【告知ページ】http://circus-tokyo.jp/en/events/okadadadj-wildparty-4
さて、今回はそんなメインストリームテクノの作り手である人にスポットを当ててお送りします。
厳密にはHardonizeがコアとしているハードテクノとは異なる音楽ではあるものの、ハードテクノにのみ焦点を当てていては見えてこないものもあると思うので、こう云った回も積極的に設けていきたい。
聴いてみた結果『やっぱりハードテクノだな!』となるも良し、『あぁこんな音楽もあるんだな。』となっても良しってことでひとつよろしくお願いします。
ドイツ在住のプロデューサー/DJ。Bouq. Records、Otherside Music主宰。
2007年、ミニマルテクノが流行真っ只中であった時期に名門Great Stuff Recordingsに彗星の如く現れ、そこに収録された自身楽曲On The LineのOxiaによるリミックスがBeatport Music Awardsのリミックス部門2位に入ったことで一気にシーンの台風の目となります。
そのタイミングで彼がリリースしたこの曲がスマッシュヒットを達成、彼の人気を不動のものとします。
Butch / Mushroom Man
試聴して一発で分かると思いますが、大胆なまでのマリオサンプリング。
当時CISCOと云うレコード屋が渋谷にあったのですが、テクノは元よりハウスやトランスの店舗にもこの曲が収録されたヴァイナルが面で並んでおり、いずれも売り切れと再入荷を繰り返していた覚えがあります。
今思うとトランスの人がこの曲をどう自身のセットに組み込んでいたのか気になるところですが、そう云ったシーンの枠を超えて注目の存在になったことは間違いなかった出来事でした。
とまあデビューから僅か1年で一躍出世人となった彼ですが、当時のことを体験している人からするとどうしてもこのMushroom Manのイメージが強くなりがちです。
しかし経歴を見ると彼のDJとしての原体験はテクノよりDMCワールドチャンピオンシップ、つまりスクラッチやジャグリングに端を発している記述が見受けられました。
古い動画がYoutubeにあったので載せておきます。
現在DJに於いてはスクラッチこそ行わないものの、3曲がけ4曲がけは平然と行ったりする辺り、生粋のテクノDJとは違うエッセンスを感じ取ることができる筈。
実際にそれは楽曲にも表れており、ハウス、ディスコ、ガラージ、アシッドなど様々な要素が入り混じった面白いサウンドとなっています。
その他オススメを挙げるとすればこちら。
Heckmann, Butch / Monsterbacke (Monster Mix)
Butch / Disco Shhh
Butch / XTC
Butch / Ice Cream
一通り挙げてから思ったのですが、上記のリリースは全て2010年前後に偏ってしまいました。
当然彼自身は今尚活動を継続中で新曲もギグも活発に行っているのですが、先述の通りかなり多才であり、なかなか彼と云えばコレと云うのは難しかったりします。
それでもテクノ的な観点から最近のトピックを挙げるならばコレでしょうか。
去年の作品です。
Butch / Magnetic
テクノの名門Drumcodeから出た深いベースと怪しいシンセが場を支配するダークテクノ。ハコで聴いたら相当エグそうですね。
ちなみに何故これだけBeatportではなく、Soundcloudの埋め込みかと云うと、それはこの曲がヴァイナルでしかリリースされてないからです。
このブログで取り上げる機会もあんまりないのですが、実はテクノはメインストリーム系、ハード系問わずまだまだヴァイナル文化が根強く残っていたりします。(勿論大半はデジタルでも手に入ります。)
日本のTOBY氏が今尚こう云った発言をするのもちゃんと理由があるわけなのですよ。
なのでこの作品はレコード店を介さないと聴けないものになりますが、日本国内でも渋谷Techniqueや名古屋Freestyleと云ったレコードショップが販売しているので比較的楽に入手可能です。
まぁ人気商品なので売り切れたりはしますが、そこもまたフィジカルリリースの醍醐味ですね。
次週01月31日は774Muzikさんが担当します。今回はこれにて。