こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。
前回コミックマーケットに因んで(因んだのか?)トライバルテクノの雄であるCAVEをご紹介したところ、まんまと次の回で774Muzikさんがトライバルテクノ大特集をやってくださいました。
本連載屈指の分量となっており、2017年にもなってここまで念入りにトライバルテクノについて語った記事もそうそうないでしょう。ありがとうございました。
その一方でSangoさんやYudukiボスは淡々と自分の得意フィールドの音楽を紹介しており、新しきも古きも変なものも紹介しているこの連載、気付けば2年目突入してました。先月。気付くの遅え。と云うか誰も気付いてないっぽい。
ちなみにコミックマーケットはこのくらい買ったんですが全然リッピングが追い付いておらず、一昨日のボスの振りには応えられそうにありません。ごめんボス。
始めに、今週頭に私のMIXが公開されましたのでご報告致します。
毎度お世話になっているテクノレーベル、秋葉原重工のプロモーション企画と云うことで同レーベル音源だけ用いた内容です。
メロディアスな曲からミニマルへ移行して最後はハードと云うように一口にテクノと言えど様々なスタイルがあり、その国内最前線に立つ方々をフィーチャーしつつインディーズならではの尖った楽曲も目白押しと云った点で大変面白いレーベルです。
パーティーも定期的に秋葉原MOGRAにて開催しており、次回は09月23日を予定されています。是非足を運んでみてください。
http://www.ahiweb.info/
さて、日本の地下テクノシーンを支えているのは勿論秋葉原重工だけではありません。
彼らのようにフィジカルリリースを主体とした団体もあったり、クラブパーティーを主眼に置いた集団(おこがましくも我々のような)もある一方で、インターネットを主な活動場としている方々もいらっしゃいます。
所謂ネットレーベルですね。
過去に何度かフリーダウンロード公開されているハードテクノ音源のレビューをしてきたように、ネットレーベルにはフットワークの軽さやアイディアの豊富さなどを生かしたネットレーベルならではの面白さがあると思っております。
そんなわけで本日はアーティストではなく、界隈的にも決して遠くないこちらのレーベルをご紹介。
http://omantic.me
https://facebook.com/OMANTICRECORDS
https://omanticrecords.bandcamp.com
カタカナで書くとオマンティックレコード。何とも卑猥さを感じるネーミングですが、概要のところで
オマンティックレコードはインターネット勃起テクノレーベルです。
と堂々謳っているので致し方なしと云う塩梅。言っている意味はサッパリ分かりません。
2010年11月に設立され、2011年05月に最初のリリース『Goats Gone Wild』を発表。
この頃って丁度『NetLabel Warfare』があったりしてネットレーベルと云うものが一定の注目を集めていた時期ですね。
現在も活動継続中で、最新作『Chiba-city ACID』はつい先日出たばかりの50作目。かなり長期間に渡ってリリースを重ねております。
一部を除いてほぼBandcampを介した投げ銭システムにて楽曲の配布がされているので文無しにも優しい。
また、Tシャツの受注やVSTプラグインの開発なども行っておりますが、総じてデザインがいかがわしいのも特徴。(褒め言葉)
主宰はksd6700氏。
http://ksd6700.net
https://soundcloud.com/ksd6700
千葉のINAGE(読み方は『インエイジ』)所属のクリエイター。
ちなみに同レーベルにはマッシュアップチーム、コバルト爆弾αΩも在籍しております。
(更に余談ですが昔INAGEのフリーペーパー頂いた記憶があります。)
作曲はテクノ、ハウスからブレイクビートまで幅広くこなし、時にハードウェアを用いたライブを行うこともあるのですが、その時のプレイ内容はゴリゴリのアシッド~ハードテクノだったりします。
参考映像がこちら。
そう、Hardonizeを行っている会場、茶箱と縁深い方々が集った秋葉原屋内フェス、『Aki-Bug』に出演されていたんですね。
大胆にサンプリングを織り交ぜつつ繰り広げられるアシッドテクノの世界、開催場所を考えると大分通好みのライブですが、盛り上がってますね。
茶箱にも出演経験があり、個人的にはこちらの方が記憶に残っていたりします。
図らずしも先週ご紹介したようなトライバルテクノが鳴り響いてます。
これ私が撮ったものなのですが、暗過ぎて何も見えませんね。
このようなライブの音が反映されたトラックがOmanticRecords最新作、『Chiba-city ACID』だと思います。
カッチリしたキックを始めとする機械然としたリズムパターンの上で鳴らされるアシッドシンセ。
テックハウスからテクノに持ち上げたり、逆にテクノにベースのグルーヴ感を与えたい時など重宝しそうな1曲です。
一方でテクノとそれ以外の要素を混ぜ合わせたような曲がこちら。
一聴して分かるUnderground Resistanceのサンプリングにグライミーなベースライン。
4つ打ちともブレイクビートともつかない構成でありながらインパクトの大きい変な曲となっており、大変ツボです。
ちなみに個人のSoundcloudアカウントでもいくつか曲をアップロードしており、中でも取り上げたいのがこれ。
ジャケットイラスト通りのアレネタです。正確にはPSゲーム版のステージBGMがハードミニマルにアレンジされております。
エグめの楽曲と相性良さそうですし、ネタありきじゃなくても使える仕上がりが大変素晴らしい。
公式サイトによるとOmanticRecordsは主宰のksd6700氏以外にも11組のアーティストが所属しております。
個人的に驚いたのはHASEGAWA-4200氏の名前があったことでした。
完全にジュークの印象しかありませんでしたが、改めて聞き直すとテクノも作っていたんですね・・・認識を改めます。
ハードテクノ的な観点でもう1名取り上げるならthe percussionz氏はオススメです。
https://soundcloud.com/the-percussionz
OmanticRecords参加作品としてはこの辺りです。
両方ともアシッドシンセを用いたディスコ調トラック。分かりやすく言うとKAGAMIっぽい感じ。
詰まるところHardonizeでよく流れるようなファンキーテクノに大変近い曲を作っておられます。アリガタヤ。
加えてthe percussionz氏のSoundcloudアカウントにて大量にブートレグが公開されており、往年のテクノアンセムやJ-POPがアッパーなダンスミュージックに変貌を遂げてます。
BPM130近辺の4つ打ちもあり、ダウンビートやドラムンベースもあったりと、こちらはこちらで多才。
所属アーティスト以外にも外部クリエイターを起用したリミックス作品なんてのもございまして、こちらは冒頭の秋葉原重工にも参加されている909state氏の作品。
ほぼキックとスネアとハイハットとシンセしか聴こえない男前なハードアシッド。
ksd6700氏と同様、ハードウェア構成でライブをやるクリエイターの筆頭格らしい作品です。
楽曲だけでなくMIXもナンバリングを重ねておりまして、中でもこちらはトライバルテクノを軸にJ-POPの要素を混ぜこぜにしたアグレッシヴな内容でオススメです。
尚、公式サイトによるプロフィールでは
「 ZAIBATSU(財閥)」は、「DJ Mitsubishi(DJ 三菱)」「DJ Mitsui(DJ 三井)」「DJ Sumitomo(DJ 住友)」「DJ Yasuda(DJ 安田)」らから成る覆面DJユニットです。
と紹介されており、ふざけっぷりが秀逸。こんな文章、逆立ちしても出てきません。
と云った感じでアンダーグラウンドならではのアヤしさとインディーズならではの豊富なアイディアを詰め込んだネットレーベルがOmanticRecordsです。
ダンスミュージックに於けるテクノと言うとどうしてもインテリジェンスだったりストイックな部分ばっかり目がいきがちですが、もう少し肩の力を抜いて聴けるような側面もあると云うことがお分り頂ければ幸いです。
尚、OmanticRecordsとしてはネット上でのリリースを行っておりますが、上で挙げたksd6700氏所属のINAGEに於いてはフィジカルリリースも行っており、コミックマーケットやM3と云った即売会を通して購入することが可能です。
親交レーベルとしてOmanticRecords所属のクリエイター楽曲も多数収録されているので是非お手に取ってみてください。
http://inage.info
次週08月29日は774Muzikさんが担当します。今回はこれにて。