こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。
先日、次回Hardonizeの全情報が公開となりました。
2017/07/08(Sat) Hardonize#27
ここで発表となりましたが、此度のゲストには五条狐萩氏、かわくぼ氏をお招き致しました。
両名のプロフィールをご覧頂きたいのですが、両名ともテクノをコアとしつつ、それ以外にも裾野が広いと云った面で共通している気がします。
なんだかんだでここ数回のHardonizeでは珍しく、所謂昔ながらのハードテクノにスポットが当たる回なのかもしれないなと予想しつつ、でもやっぱり我慢できなくなった誰かがいきなり変わり種ブッ込んでくる可能性も否定できません。
そういうハプニング大好き人間としてワクワクしながら当日を迎えたいと思います。
さて、それとは全く関係ございませんがワタクシの近況報告と致しまして世界的ベースミュージックのフェス、Outlook Festivalの日本版、OUTLOOK JPのDJコンテストにSYNDROMEとのユニットVice Creamでエントリー致しました。
そのエントリー時のMIXがこちらですのでご興味がありましたらお聴き頂けると幸いです。
ROAD TO OUTLOOK JP 2017 by Vice Cream | Free Listening on SoundCloud
ちなみにコンテストの流れとしては運営側で選考のち、一般リスナーによる投票がFacebook上で行われ、上位組が本戦進出となっております。
ひとまず選考結果次第ではございますが、ごゆるりと見守って頂けると嬉しいです。
さて、今回ご紹介するのはそんなベースミュージックとテクノの中間点をひた走るクリエイターです。
最近ではメインストリームテクノがベースミュージック寄りになり、ダブテクノと云うジャンルもすっかり定着した感もあったり、逆にベースミュージックのクリエイターがディープテクノを作ることも珍しくなくなってます。
しかしそれが一般層に普及するより前に、しかもディープ/ミニマルよりもっとフィジカルなダンスミュージックとして提示していた奇特な男がいました。
ご紹介しましょう。
https://www.facebook.com/dismantleofficial
https://soundcloud.com/dismantlemusic
イギリス、ブライトンの若きアーティスト。
DJを始めた時何と彼は13歳。そしてその頃から多くのクラブミュージックを研究し、文化や世代を超えた音楽に精通するようになっていました。
クリエイターとしてデビューしたのは2011年。
ちなみに当時のベースミュージックシーンはそれまで実験音楽の要素が強かったダブステップが1つのシーンとして商業的な発展を世界的に見せ始めていた頃に当たります。
(あの名高いSKrillexのScary Monsters And Nice Spritesが2010年リリース。)
片や4つ打ち方面は過度に強調されたベースがうねりまくるベースラインハウスの波がありましたし、UKガラージも一定層の支持を得ていた時期でもあります。
そこにDismantleがリリースした曲はそれらのどれともつかない、それでいてそれらの影響を受けているユニークなものでした。
それがこれです。
4つ打ちのキックとパーカッシヴなリズムはテクノやハウスを彷彿とさせますが、ベースはグライムやガラージに近い鳴り、何よりそれら全てを台無しにするかのようなアホっぽいピッチベンドのボイスサンプルは当時誰も聴いたことがありませんでした。
この電子音楽としか形容できない何かはジャンルが枝分かれする前の90年代初頭に『全部まとめてテクノと呼んでいた』感覚に近いものがあると思います。
これはDiploやCaspaと云った彼と同じく先鋭的なものに対するアンテナを広く張り巡らせていたアーティストによって多くプレイされました。
翌年にはジャングル界のリビングレジェンド、Shy FXのレーベル、Digital Soundboy Recordingと契約を結び、この『名前のない音楽』は更に前人未到のサウンドへと突き進みます。
ワタクシとしてはこれが本当に未だに好きで、先に挙げたROAD TO OUTLOOK JP 2017のMIXでも使用しております。
確かHardonize本編でも何度か使用したことがあった筈です。
ほぼ声ネタとパーカッションとベースと云うシンプルな構成はどんな音楽にも相性が良い一方で、そもそもこのような音を組み合わせた曲自体が大変珍しいことからインパクトも稼げる、DJにとっては願ったり叶ったりなトラック。
『何は無くともとりあえず持っておけば安心』と云う感じはあります。
ちなみに同じEPに収録されているMore Funkと云う曲もドライスネアとベースの珍妙な仕上がりになっており、とてもオススメ。
Dismantleはこの時期からIbiza Rocks、Outlook Festival、BBC 1Xtraと云った大きなフェスやプログラムに多く出演を果たすようになります。
直近のニュースとしては丁度先週リリースがありました。
FineArt & My Nu Lengによる新興レーベル、Maraki Recordsの2番目となります。
前2曲と同じように民族系のパーカッションは今も健在。
例えるならジャングルテラーを通過した後のラテントライバルハウスと云った感じでしょうが、相変わらず深いベースが鳴っております。
尚、当該リリースについてSkrillexの運営するNEST HQにも記事が掲載されておりました。
Dismantle Channels Latin Percussion on “Squash” Premiere – NEST HQ
リリースペースはそんなに早くないものの、出す曲出す曲が唯一無二であるため、変な曲スキーとしては見逃せないアーティストの1人です。
もしこれを聴いたあなたもDJならば、彼の曲をどのように使うか思考し、実践してみるときっと面白いプレイができると思います。
その他オススメはこちら。
次週06月20日は774Muzikさんが担当します。今回はこれにて。