こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。
【告知】
次回Hardonizeの情報がゲストを含めて公開となりました。
2023/10/14(sat) Hardonize #45 at waseda sabaco | Hardonize web
15周年イヤーの3回目となる今回お招きしたのはDJ KITAさんとDJ YO-Cさんの2名。
プロフィールによるとDJ YO-Cさんは93年から活動を開始とあるので、なんとHardonizeの倍。
そしてその弟子となるDJ KITAさんですが、こちらも20年はゆうに超えるDJキャリアの持ち主、というわけでどちらも大先輩に当たる方々です。
我々Hardonizeレジデントは全員、人によってはDJを始める前から彼らのプレイを現場や円盤で聴き、当時あったクラブカルチャー雑誌に掲載されていたレコードレビューを見ながら新譜DIGをしていたわけで、今回の節目にこうしてお呼びできたことは本当に光栄だと思うばかりです。
日にちは10月14日(土曜日)、スタート時間が若干変わりまして15時からとなります。
場所はいつもの早稲田茶箱。
ハッピーでファンキー、そしてバンギンなサウンドを取り揃えて臨みますので是非ご来場ください。
【近況】
明日はSONICMANIAですね。
Flying LotusやThundercatが出ることは当初から発表されてましたが、更にAutechreが加わるとは。
この3者の並びはビートミュージック好きにとって奇跡の並びだと思いますし、ギリギリまで悩みましたが今のところ行く心持ちです。
上で『ハッピーでファンキー~・・・』と書いたものの、当日ズブズブのブレイクビートやビキビキなノイズばっかり流していたら『そういうことだったんだな。』とお察しください。
【今回のお題】
さて、当連載に於ける自分の回ではハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていく形式となっております。
ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。
ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。
今回取り上げるサブジャンルは
ハードグルーヴ
です。
特別連載に於いては7回目に取り上げた、パーカッションリズムと前のめりなグルーヴを擁したファンキーなハードテクノです。
自分が前回取り上げたのは2022年の10月とほぼ1年前、ちなみにその前は2021年の11月となっておりますが、当連載に於いては各々頻繁に取り上げているスタイルの音楽でもあります。
暦の上ではそろそろ夏も終盤というのにまだまだ暑い日が続いておりますので、季節とハマる陽気なテンションのものを紹介していきたいと思った次第です。
直近で取り上げたディスコといい、ハードハウス、レイヴも個人的には夏の音楽と捉えておりますので合わせて是非。
早速ですがここ1~2ヵ月の間にリリースされた新作ハードグルーヴ紹介いってみましょう。
【曲紹介】
Jonasclean / Habibi
Habibi (Original Mix) by Jonasclean :: Beatport
トルコのプロデューサーJonascleanによるディスコ。
ビートは最後まで鳴りっ放しで、上に乗るループネタが変わっていくことで展開するブートレグ色の強いトラック。
そのループに含まれるカッティングギターやボーカル、シンセがグルーヴ感満点のベースが搭載されたリズムと合わさってファンクネス指数高めです。
ディスコにしてはちょい速いテンポということもあってハードグルーヴとの相性も良いものになっています。
Studio 1ne / Circussco
Circussco (Extended Mix) by Studio 1ne :: Beatport
Total Controlや1ne Of A Kind、Tuff Cookieなど、様々な名義を持つイギリスのベテランプロデューサーStudio 1neによるファンキーハードハウス。
陽気なブラスサウンドとコーラス、早口ラップが跳ね系アナログベースの上に乗ったレトロなパーティーチューンといった仕上がり。
ディスコ、ハウス、ハードハウスは勿論のこと、ハードグルーヴやベースラインにも転用できそうな利便性は本当にありがたい限り。
Mark Broom / Love Train
Love Train (Original Mix) by Mark Broom :: Beatport
イギリスの重鎮プロデューサーMark Broomによるハードグルーヴ。
トラック全体を通してトライバルパーカッションに軸足を置いた黎明期のハードグルーヴの匂いがめちゃめちゃ漂ってきます。
ブラスやストリングス、ソウルフルなボーカルといったインパクトの高いサウンドも随所に散りばめてあるものの、メインディッシュはパーカッションと言わんばかりに全面に押し出されており、この手のトラックは2000年代初頭によくリリースされていたことを思い返し、テクノの時代は1周回ったなということを感じさせてくれるトラック。
(収録EP名がHardgroove 4 Life EPというのもまた・・・ねぇ?)
旧来のトライバルテクノヘッズは見逃し厳禁のリリース。
774Muzikさん、あなたのことです。
The Miller / Old Story (Uncertain Remix)
Old Story (Uncertain Remix) by The Miller :: Beatport
オーストリアのベテランプロデューサーBoriqua Tribezの変名義、Uncertainによるテクノ。
こちらもパーカッションリズムがメインとなっているトラック。
で、ここにエディットされたブラスやトライバルちっくなボーカルが規則的に差し込まれており、それらがなんとも不穏な空気を纏っているのが最大の特徴ではないでしょうか。
この2つの組み合わせでこんなに不穏になることがあるのかと意外な発見があります。
ハードグルーヴとして使うより、リズム主体のテクノの中に放り込むとかなり映えるトラック。
Sandro Mure / Reunion
Reunion (Original Mix) by Sandro Mure :: Beatport
ドイツのプロデューサーSandro Mureによるハードグルーヴ。
フィルターを纏った規則的なシンセループとうねりのあるベースがアーバンな雰囲気を演出しているトラック。
ブレイク後はパッドも乗っかって更にエモーショナルな曲調に展開します。
夏、夕暮れ、ビーチを連想させる曲。
Marco Herzing / Sardegna
Sardegna (Original Mix) by Marco Herzing :: Beatport
ドイツのプロデューサーMarco Herzingによるハードグルーヴ。
太めのリズムに規則的且つシンプルなシンセループ、前のめりなハイハットリズムというオーソドックスなハードグルーヴを体現している曲。
とりあえず持っておくと安心というタイプのグルーヴキープものという印象ですね。
ちなみにこれがリリースされたレーベル824 Groovesは今月(2023年08月)から作品展開を始めたばかりでまだ2作品しかリリースされておりませんが、
一昨日のyudukiボスのエントリーにて片方のRONDALE / Dramaから1曲取り上げられており、もう片方のV.A. / Vol.1に収録されているのがこの曲になります。
結構Hardonize内で注目されている新興レーベルですので一緒に今後の活躍を見守っていきましょう。
DJ Koh Bon / Are You Ready
Are You Ready (Extended Version) by DJ Koh Bon :: Beatport
オランダのプロデューサーDJ Koh Bonによるハードグルーヴ。
エレクトリカルなシンセサウンドやレイヴオルガン、ワンショットのボイスサンプルが多用されていたりと、一般的なハードグルーヴと異なる音使いが印象的なトラック。
リズムが消えてウワネタだけになる箇所が複数ある点も含め、テックトランスに通ずるところがあるような気もします。
これも使い方次第で様々なジャンルとの架け橋になってくれそうですね。
Raden / Baila
Baila (Original mix) by Raden (UK) :: Beatport
イギリスのプロデューサーRadenによるハードグルーヴ。
今回のインパクト大賞作品。
ジャズ感溢れる手数の多いピアノに加えてブラスの音も盛大に用いられており、とにかくライブっぽさが前面に出ているのが最大の特徴です。
ハードグルーヴは他のテクノに比べると生音サンプリングが比較的用いられる傾向にはあるものの、正直ここまでの作品はなかなかお目にかかることができないと思っており、個人的には今年の印象に残るリリースになってます。
このローファイ寄りなリズムもその空気感を出すのに一役買っているのでしょう。
めちゃめちゃ良い。
Homma Honganji / Inahachikonten
Inahachikonten (Original Mix) by Homma Honganji :: Beatport
我らが日本のプロデューサーHomma Honganjiによるハードグルーヴ。
本間本願寺イズム全開の太いベースラインは本作も健在。
デケデケベースシンセとメインリフとなっているオーセンティックなテクノのシンセのツープラトンによって重厚感と開放感の両方を持ち合わせていると言っても過言ではありません。
あの人、単曲でこれだけ芯のあるトラックを自身のDJで平然と4枚使いの中に放り込んだりするからマジでどうなってんだと思いますね。
尚、タイトルの稲八金天をWikipediaで引くとこんな感じらしいです。
ネーミングセンスの謎さも変わらず健在。
最後はめちゃくちゃな曲を紹介して終わります。
Andy Bsk / Athlete’s March
Athlete’s March (Original Mix) by Andy Bsk :: Beatport
ドイツのプロデューサーユニットAndy Bskによるハードテクノ。
普段はハードグルーヴやメロディアスハードテクノなどをリリースしており、これらの中では顔役とも言えるAndy Bskが突如リリースしたシュランツに近いBPM150超えの高速作品。
リズムの硬さとか推進力とかも取り上げるべきなのは分かっているのですが、とにかくウワモノがとても変。
なんなのこの・・・なんなの!?
タイトルにあるマーチかどうかも怪しい、脱力感のある合唱曲が全編に渡ってサンプリングされており、どんな感情で聞けばいいのか今年最大の謎。
ちなみに終わり方もバツッといきなり終わります。
久々に潔いまでの雑さに出会えた気がします。
【次回】
そんなワケで今回はここまで。(バツッと終わります。)
次週08月22日は774Muzikさんが担当します。
では。
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