こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。
時期的には前回更新のちょっと前に六本木CUBEで行われたENIGMAと云うパーティーに遊びに行ってきました。
このパーティーが主軸としている音はハードダンス。
トランスを原型として様々な解釈の『ハードさ』が加わったダンスミュージックの総称で、トランスが壮大なメロディーとロングブレイクで高揚感を演出するのに対し、もっと攻撃的で躍らせることに特化した音楽を指します。
ハードダンスが内包するものとしてトランスの曲構成に沿いながらもリズムを太くしたハードトランス、『ゴウン』と云うキックが特徴的なハードスタイル、バウンシーなベースやリフを前面に出したハードハウスなどが挙げられます。
さて、このENIGMAで招聘された海外ゲスト、SplintaのDJプレイが結構個人的にツボでした。
音の傾向としてハードスタイルのようなキックも使いつつ、ギラギラした派手なシンセも鳴っているのですが、ブレイクが明けると途端にほぼリズムだけになるものがあり、音色はハードトランスなのにシーケンスとしてはハードミニマルに近いと云うのは最近の聴いた来日ゲストの中ではかなり珍しいように感じました。いやぁ良かった良かった。
前置きが長くなりましたが、今回は彼が所属するレーベル、Gearbox Digitalにも参加しているこの人にスポットを当てます。
イギリス在住のベテランプロデューサー/DJ。
2002年のデビュー以来、様々なレーベルからハードなダンスミュージックをリリースし続け、DJとしても老舗パーティー、Tidy WeekenderのオフィシャルMIXを担当した過去も持つ実力者。
また、ハードダンス以外にも造詣が深く、Soundcloudには自身のプロデュースワークのみでBPM128のEDMからトランス、ハードダンスを経由し、175のドラムンベースまで運ぶMIXが公開されてます。
これに関して思いつくトピックとしては2008年の時点で当時まだ新しかった筈のシュランツと云う音楽を取り入れたハードダンスを作っていたこと。
Dark By Design / Loops ‘n’ Tings
コレですね。曲名通りのLoops & Tingsネタですが、何故か途中でテンポがハネ上がってまた元に戻ると云う謎の展開をします。
ネタものついでに2曲続けて紹介。
Dark By Design, DJ Husband / Murder Was The Schranz
Dark By Design / Sweet Harmony
どっちもそのまんまです。この辺はハードテクノとしてすんなり使えそうなラインですね。
大分本題からズレてしまいましたが、先述のSplintaが使っていたのはこんな感じの曲でした。
DBD, Sykesy, Cunning Linguists / Dirty Coke Whore (Hard Dance Slut Mix)
大きな展開もなく、延々と硬いリズムが鳴っていると云う点でテクノとの共通点を見出せるのですが、やはり音使いが異なるので別のものと言えます。
とは言えこれはこれで非常に面白い一曲ですし、こう云う曲を橋渡しにハードテクノとハードダンスが相互流入を図れたらもっと幅のあるDJプレイが出来る筈。
最後にエグめ派手めの曲を紹介。
Dark By Design, Chris Tait / Every Time You Drop It
ダブステップ特有のワブルベースをふんだんに用い、ハードスタイルのキックも混ぜて煌びやかなシンセも散りばめる。
一体何種類の音を使っているのか正気を疑いたくなりますが、これも長年ハードダンス界を歩んできたからこそ出来る賜物。
勿論ここに挙げた曲以外にストレートなハードトランスも作っておりますので是非チェックしてみてください。
余談ですが彼のSoundcloudを覗くとSystem Of A DownのChop Sueyネタハードダンスなんてケッタイなものがあります。
『何でだよ。』とお思いかもしれませんが実は彼、生粋のメタルファンと云う顔も持っており、影響を受けたアーティストとしてSlipknot、Metallica、Machine Headなどを挙げております。
彼の曲に代表される重厚感はここからきてるのかと考えれば納得いくものがあったりなかったり。
次週11月29日は774Muzikさんが担当します。今回はこれにて。