また、Bad Boy Billが当時から行っていた革新的なプロモーションがHot Mixシリーズと呼ばれるものです。
これは彼がこのために設立したStreet DJ Promotionsと云うレーベルを通して配布されたMIX音源で、1988年から1994年の間に17番まで作られました。
オールドスクールブレイクスからシカゴハウス、レイヴ、テクノ、ディスコまで詰め込まれた内容もさることながら、これらは他のMIXテープと一線を画した要素がありました。
それは収録された楽曲のライセンス取得を行っていたと云う点です。
そしてそれはアメリカのレコード産業協会認可の元、合法的にレコード店やマーケット流通に乗せることが可能になることを意味します。
この動きは数々のレコードレーベルの支持と注目を集め、Bad Boy Billは法的に認可されたMIXを制作する最初のシカゴDJとしてその名を一気に全米に広めます。
その後、Bad Boy BillはDJとして、またクリエイターとしての活動拠点となるMix Connection Multimediaを設立。
地元シカゴのAngel Alanis、CZR、Fast Eddieらを所属アーティストとして迎え入れたほか、Hatirasのデビューを手伝ったりとプロモーターとしての活動にも力を入れ始めます。
その中で彼の代表作となるのがBangin’ The Boxシリーズ。そしてこれこそ僕が彼を偉人と崇める理由となった作品です。
また、Bangin’ The BoxはCD媒体として頒布されてましたが、並行して始められたポッドキャストにBehind The Decksと云うシリーズがあり、こちらは2017年になった今でも継続して更新されております。
Soundcloudにアーカイヴが上がっておりますので最近の動向の一貫として是非。 https://soundcloud.com/btdradioshow
ちなみに2004年にはWIRE04出演のため来日しております。
その時の映像がこちら。
Bad Boy Bill Live At WIRE04
ストイックなものもファンキーなものも含めて電子楽器を使った音楽=テクノであった時代の、良い意味でざっくばらんとした雰囲気がこの映像からも伝わると思います。
あらゆる音楽、培ってきた技術、そしてマーケティング手法を駆使しながら、如何にDJとして楽しいプレイを聴かせられるかと云った意思の権化みたいな存在、それがBad Boy Billだと思います。
本当にカッコいい。
そんなBad Boy Billのオススメはこちら。
Bad Boy Bill Presents White Boy Mike And The Strength / How Do Ya Feel