こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
4週間ぶりにワタクシが担当致します。
あけましておめでとうございます。
クリスマスが過ぎ去り、正月も終わって2019年になりました。
当連載も少しお休みを頂いており、ワタクシはその間DJをしたりカレーを作ったり してました。年跨ぎ感ゼロ。
話は変わりますがHardonizeを開催している茶箱 の近くに東京麺珍亭本舗 と云う油そば屋さんがあり、クルー一堂贔屓にしていると云うのはここでも何度か挙げている通りです。
このお店、元旦は流石にお休みなのですが大晦日は営業しておりまして、しかも通例の閉店時間が27時と日を跨ぐため、年越しそばどころか
年の明けた直後、最初の食事が油そば
と云うウルトラCが実現できるのです。
ワタクシはこれを毎年の恒例行事にしており、今年も恙なく執り行いました。
そういう意味では年跨ぎ感はゼロではないかもしれません。
0.1くらい?
皆様も是非召し上がりにお越しください。
そんな油そばチャンスを我々から提示できるとすれば来月09日、a.k.a. Hardonize #32の開催日でございます。
「ハードテクノ」を様々な周辺ジャンルも内包し
各々のDJによる解釈でフロアにお届けするハードグルーヴパーティ。
2019...
ほぼ1ヶ月後となりました。
ゲストにはハードスタイル、ハードダンスシーンで手腕を発揮しているお馴染み、Morphonicsさん。
古くからハードハウスやハードテクノにも精通しているため、抜群の信頼感から再々度のご出演に至りました。
数々の現場で研ぎ澄まされたバンギンでアップリフティングな選曲に期待しております。
ハードハウスと云えば今週末、Morphonicsさんが出演するパーティーにこのようなものがございます。
90年代から現代に至るまで脈々とシーンを形成しているハードハウス、ハードエナジーに焦点を当てた近年では珍しいコンセプトの催し。
出演者全員自分から見れば先輩方で、且つ当時のシーンを肌で体験している人で構成されている何と云うか、男らしい パーティーです。
ここ10年かける人いなかったんじゃないかレベルで珍しい曲がガンガン投下されるであろうレアな機会だと思われますし、ハードハウスもハイハットの打ち方やアシッドシンセと云う要素がハードテクノに通ずるところもあって新たな発見に繋がることも期待できます。
お時間のある方はこちらも是非足を運んでください。
さて話は戻りますが、皆様はサンタさんからプレゼントが届いたりお年玉を貰ったりしたでしょうか?
むしろあげる側でしたでしょうか?
余計な話ですけど774Muzikさんは何を、そしていくらお子さんに渡したのでしょうか?
まぁそれはさておきHardonizeから何か用意できるものはないのですが、イベントには軽率に便乗したいお年頃なので新年1発目にお送りする本日のテーマはコレです。
フリーダウンロード。
ワタクシの不定期恒例となっているフリーで公開されている楽曲をアーティスト問わずご紹介していく回となります。
前回はコチラ 。
前々回はコチラ 。
過去に紹介したもの以外、且つ(一部を除いて)去年リリースされたものを選出致しました。
詳細ジャンルはハードテクノを中心にテクノ、アシッド、シュランツ、その他周辺ジャンルまで広く。
ストイックに格好良いものから強烈なサンプリングものまで結構見つかりましたので、今回もいつもより多めに掲載しております。
お気軽にポチってハードテクノDIGの糧にするも良し、B2Bで相手を殺すも良し。
それではいってみましょう。
【メインストリーム系】
D.A.V.E. The Drummer / Acid Funk Xmas Bootleg
Acid Funk Xmas Bootleg by D.A.V.E. The Drummer / Dave The Drummer | Free Listening on SoundCloud
以前アーティスト紹介でもスポットを当てた アシッドテクノシーンの大御所、D.A.V.E. The Drummer による90年代シカゴハウス ネタ。
今までこういった形でブートレグを発表する印象は無かったため、なかなかの衝撃でした。
トラックは現行テクノに寄せた太いボトムが支配する重厚な仕上がり。
中盤の全盛期のオーバードライヴ感増し増しになる展開が無茶苦茶攻撃的なトラック。
Da Hool / Meet Her At The Loveparade (Shadym & Alain Delay Rework2018)
Da Hool – Meet Her At The Loveparade (Shadym & Alain Delay Rework2018)// Buy = FREE DOWNLOAD!!! by Shadym (Official) | Free Listening on SoundCloud
90年代~00年代にドイツで開催されていた大規模テクノフェス、MAYDAY のアンセムトラック が元ネタ。
このフレーズが2018年に蘇ったこと自体奇跡のようなトラックです。
曲調は上で紹介したものに輪をかけて凶暴。
サンプリングされたリフのインパクトもそうですが、全体的にハイハットの音が強く前に出ている辺りがリズムの深度と相まってそう感じさせる要因でしょう。
Florian Binaural & Tonschaden / Umbrella Corporation
Florian Binaural & Tonschaden – Umbrella Corporation [Mastered & Free DL] by Florian Binaural | Free Listening on SoundCloud
聴いた瞬間、思わず『嘘でしょ!?』と言ってしまった曲。そのいち。
映画版バイオハザードのメインテーマ が元ネタ。
ちなみに原曲を手掛けたのは映画のサウンドプロデュースを行っていたMarilyn Manson 。
完全に余談ですけど先日こんなニュースが飛び込んできました。もう50歳かー・・・50歳!?
YOSHIKIも!マリリン・マンソンの誕生日会にスターが集結 | MTV Japan
『メインストリーム系』と云うカテゴリーには入れましたけど、ここまで歪まされたリズムはインダストリアルと呼んだ方がしっくり来ますね。
後ろの方で延々と呻き声が鳴ってたりするのもダーク且つホラーな雰囲気に一役買ってます。
【ハードミニマル系】
3Phazegenerator / Looter (Naked Van Mirk Remix)
3Phazegenerator – Looter (Naked Van Mirk Remix) [Filth Infatuated Digital] *Free Wav Download* by Mark Neenan | Free Listening on SoundCloud
現在も活動を継続している(なんなら今月も新譜のリリースを控えている)Filth Infatuated Digital と云うレーベルから2012年にリリースされた曲が年末にフリーで公開されたのがコチラ。
7年前の作品とは言えど古めかしい印象はなく、現行のトラックと何ら遜色ない無機質で重低音響くハードミニマル。
中盤以降で鳴らされる高音域に寄った小走りのシンセリフと、随所に散りばめられたサイレンみたいなSXの使い方が独特です。
Dj Slugo / Wouldn’t You Like To Be a Ho Too (SveTec HT Rework)
(FREE DOWNLOAD) Dj Slugo – Wouldn’t You Like To Be a Ho Too (SveTec HT Rework) by SveTec | Sve Tec | Free Listening on SoundCloud
シカゴハウス、ゲットーテックの伝説的存在、DJ Slugo が2008年に手掛けたヒットチューン を、こちらはハードテクノ、シュランツ界の大御所SveTec がリミックス。
歪みまくったリズムが高速テンポで走るシュランツです。
この手のゲットーなボイスサンプリングとシュランツの相性が良いのは2006年に出たLala Land の例もあり実証されているので、非常に喜ばしい。
ただこうして聴くと地鳴りのようなベースが響いているので、やはり現行のテクノに沿った作り込みをされているなぁと感じます。
【ハードグルーヴ系】
Ny D’ Jesus / Ami Nsa Moku (HardGroove REMIX)
Ny D’ Jesus- Ami Nsa Moku (HardGroove REMIX) by Ny D´Jesus | Free Listening on SoundCloud
ソカ、レゲトン辺りのワールドミュージックを元ネタ とする元気いっぱいなハードグルーヴ。
パーカッションの鳴らし方が土着音楽感あって大変好みです。
これを手掛けたNy D’ Jesus はドレッドヘアーにタトゥービッシリと見た目ヒップホップな様相。
ポルトガル出身と云うことでGoncalo M とは共演経験もあるみたいです。
まだまだ若手なのでこの先が楽しみです。
SAFRI DUO / FALLING HILL (JOHN ASKEW REWORK)
SAFRI DUO – FALLING HILL (JOHN ASKEW REWORK) Free Download by John Askew | Free Listening on SoundCloud
Safri Duo と云うデンマークのパーカッションユニットの曲をアレンジしたもの。
手掛けたのはトランスからテクノまで硬くて煌びやかな音使いを得意とするJohn Askew 。
昨年来日 してたんですよねー・・・開催は知っていたのに予定が被って見れなかった。
以前のフリーダウンロード特集 の際も彼の曲は挙げておりますが、相変わらずリフ回しが秀逸。
説明文にも書いてある通りカーニバルっぽさが連想されるピークタイム周辺で放り込みたいトラック。
The Prodigy / Smack My Bitch Up (Phutek 2017 Remix)
The Prodigy – Smack My Bitch Up (Phutek 2017 Remix )FREE DOWNLOAD by Phutek | Phutek | Free Listening on SoundCloud
もう曲名の通りではあるんですけど、90年代レイヴの残党にして絶対王者The Prodigy の代表曲 アレンジです。
これを原曲とするテクノ~ハードテクノは数多く存在するのですが、ブレイクの部分で原曲のサビをブレイクビートまで含めて使ったものはなかなか珍しい気がしますね。
メインストリーム系、ハード系どっちにも使えるリズムと云うのも使いやすいですし、使いようによってはジャンル間のクロスオーバーとしても機能します。
アリガタヤアリガタヤ。
【ハードアシッド系】
Fil Devious / Welcome To Brighton!
Fil Devious – Welcome To Brighton ! FREE DOWNLOAD by Fil_Devious | Fil Devious | Free Listening on SoundCloud
速いテンポに前のめりなリズムとうねるベース、そして忙しなく奏でられるアシッドシンセのリフ。
お手本のようなオーバードライブもの。
Fil Devious はアシッド~ハードテクノの有名レーベルに所属し、このような攻撃的なトラックを生産し続けているアーティストなので是非お見知りおきを。
彼のSoundcloudアカウントには他にもフリーダウンロード楽曲がいくつかあり、比較的最近アップロードされたBeyond Recognition なんかはもう少しテンポを落としたハードミニマルに近い曲となっています。
Ling Ling / Dr. Wily’s Castle (Remix)
Ling Ling – Dr. Wily’s Castle (Remix) by freetaxler | Free Listening on SoundCloud
聴いた瞬間、思わず『嘘でしょ!?』と言ってしまった曲。そのに。
ロックマン2より、Dr.ワイリーステージのBGM が元ネタ。
しかもこれまで紹介した曲のようにサンプリングした素材を加工したものではなく、アシッドシンセによるフレーズの弾き直し を行っているのがもうおかしくておかしくて。
随所で明らかに元ネタと関係ないフレーズに置き換わったりするのも明らかに遊んでいるフシがあって完敗です。私の負けです。
あまりのインパクトユエ、使える局面は限られてくると思われますが、こう云う曲が使えるパーティーからのオファー、心よりお待ちしております。
【オマケ】
Kenji Kawai / Ghost in the Shell (SIRO BOOTLEG)
[FREE DL] Kenji Kawai – Ghost in the Shell [SIRO BOOTLEG] by SiRo (Official) | Free Listening on SoundCloud
公開されたのが2015年と少し前なので補足的な扱いでご紹介。
これも曲名の通り、川井憲次の謡 ネタのブートレグです。
GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊のオープニング曲とあって国内外で数多くのアレンジが生み出されているのは認識していましたが、まだここにもいたかと云う感じ。
メインストリームテクノのお手本とも言うべき、リズムの強度で全てを引っ張っていくシンプルな構成、ユエに使いやすい。
と云うかこの歌は本当にそれだけで雰囲気出ますね。
ちなみにアレンジしたアーティスト名が『シロ』で、顔立ちが少しアジア系寄り(口元が774Muzikさんに似てない?)だったり、アーティスト写真で来ているTシャツにでっかく東京 と書いてあったりしますが、生粋のドイツ人。
更に余談ですが先日とある人から大量のDVDを渡され、全て視聴せよと云う命令が下っており、その中にGHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊があったので正月に見ていたと云う出来事がありました。
年跨ぎ感0.2くらい?逆に減点でゼロ?
RRRitalin / 15 Cans
Dick & Qwerty 001: RRRitalin – 15 Cans [FREE DOWNLOAD!!] by RRRitalin | Free Listening on SoundCloud
00年代終盤に自分がハマっていた音楽にミュータントベース、フィジェットハウスなどの4つ打ちベースミュージックがあります。
主にUKガラージから派生したこの音楽はベースのフレーズを変幻自在に操り、それまでのダンスミュージックになかったある種の気持ち悪さと面白さを擁していました。
その当時からKanji Kinetic やThe Squire Of Gothos らと共にシーンを支えていた人物がこのRRRitalinです。
ベースミュージックのみならずブレイクビーツ、アシッド、レイヴまで取り込んだ彼のサウンドは、まさしく異形と称するに相応しい新しさがあったのです。
では現在まで音楽活動を維持していたかと云うとそうではなく、2013年以降DJ活動も休止していた期間が数年ありました。
それがここ1~2年でじわじわ復活しており、実に6年ぶりにフリーダウンロードと云う形で世に放たれたのがこちらのトラックなのです。
何と云うか両手を揚げて『おかえり!』と言う他ないのですが、曲自体もあの頃から全く衰えていないクオリティで一層喜ばしい出来事です。
速いテンポに手を変え品を変え迫りくるベース、散りばめられたボイスやレイヴ感のあるリフのサンプリングは下品でいて気持ち良い。
昨年はイギリスの大規模レイヴフェス、BANGFACE WEEKENDER 2018 にも出演していたこともあり、本格的な活動再開が期待されます。
過去曲の一部はBeatport やMutant Bass Records から今でも入手が可能なので、こちらも是非お見知りおきを。
Wiley / Flip The Table
VIDEO
Wiley – Flip The Table [Dizzee Rascal & Skepta diss] – YouTube
グライムと云えばヒップホップとベースミュージックの中間に位置する音楽の1種で、近年テクノとベースミュージックが接近していることもあってシーンを超えて注目されているジャンルでもあります。
去年グライムの主要レーベルであるButterz のクルーが一斉に来日する と云うパーティーもありまして、いやはやアレは楽しい一夜でした。
この音楽がヒップホップに近いと言える理由の1つが、グライムを主戦場とするMCが何人もいると云う点だと思うのですが、そのトップクラスに君臨するのがこのWiley と云うアーティストです。
同じくトップMCに挙げられる人物としてDizzee Rascal やSkepta の存在が欠かせないのですが、昨年Wileyはこの2人を所謂DISする曲を発表。
それがこちらになります。
グライムのトップMC同士によるビーフ(抗争)と云うことで海外音楽メディアは一斉に記事を掲載(※)したのですが、日本だと言及しているところが見当たりませんでした。
個人的にはかなり大きなニュースだと思うんですけれど。
(※例:‘The war has officially started’ – Wiley takes aim at Dizzee Rascal and Skepta in new track ‘Flip The Table’ )
要約するとWileyとDizzee Rascal自体は元々仲が悪かったところへ、Dizzee RascalがSkeptaをフィーチャリングしてMoney Right と云う曲をリリースし、彼のツアーにまで同行させたのが引き金となったようです。
かつてWileyとSkeptaはBoy Better Know と云う(これも超有名な)レーベルに共に在籍し、共同作品も多くリリースしていただけに、Wileyはこの行為を『裏切り者。』と批判。
『戦争は始まった。 』と云う発言と共にこの曲が投下されたと云った経緯が書いてあります。
トラックそのものは単調であるものの、全編3分30秒に渡って休みなく歌いっぱなしと云うキレっぷり。
この先Dizzee RascalやSkeptaからのアンサーは返ってくるんでしょうか。展開が気になります。
ダウンロード先はコチラ。
最後は音楽ニュース的な感じになってしまいました。
以上フリーダウンロード楽曲の紹介でございました。
予想以上に長くなってしまいましたが、琴線に触れるトラックと出会えたら幸いです。
ハードテクノに限らず、音楽はアーティストたちの手によって日々生産されており、その数は膨大です。
勿論チャートやアワードにランクインするような広く支持される曲を注視していくことは大事ですが、上記で紹介した楽曲はそれらとはまた質の異なるものであると認識しています。
その最たる利点は完成したらそのまま流通できると云う強み だと思っており、それユエにアーティストの発想がそのまま曲に反映されているのです。
ローコストと云う点ばかりに優位性が認められがちですが、それだけが魅力ではないと云うのがワタクシの持論です。
我々はそれらも含めてハードテクノを中心とした音楽の魅力を提示していきたいと思っております。
重ね重ねになりますが、02月09日のHardonize #32 、そして本年もHardonizeをよろしくお願い申し上げます。
次週01月15日は774Muzikさんが担当します。
今回はこれにて。
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