「 Resident’s Recommend 」一覧

今週のオススメハードテクノ – Resident’s Recommend 2017/02/14

今週もやって参りました。
Hardonizeレジデントがお勧めなトラックをドゥンドゥン紹介してしまうこの企画。
本日はわたくし774muzikがお送りいたします。

世の中には沢山の楽曲がありますが、完全に好みにフィットするものを探し当てるというのはなかなか難しい・・・と思いませんか?
うん、思いますよね!ですよねー!

・・・強引な前振りではありますが、何を言いたいのかというと、「好みの曲を探すのが大変なら、自分で作ってしまえばいいじゃない」ということなんですね。
作るのは難しいと思うかもしれませんが、まずは最初の一歩から。
オリジナル楽曲は思い入れが強くなるので、是非チャレンジしていただきたいと思います。
一から全てを作ろうとすると、確かにものすごく大変です・・・が、世の中にはサウンドライブラリというトラックメイクの強い味方が存在します。
すなわち、キックだとか、リズムループだとかがセットになっているパックですね。
これを組み合わせるだけで、なかなかいい感じになってしまったりします。
ここから始めて、徐々にオリジナルな部分を増やしていけばどんどん良くなるわけです。

というわけで、今回は完成された楽曲ではなく、楽曲を作るための強い助けとなるサウンドライブラリをご紹介したいと思います。

1: David Moleon – David Moleon Sample Pack Vol.1
2: David Moleon – David Moleon Sample Pack Vol.2
あのDavid Moleonによる素材集。
即戦力でないはずがない。
キックのショット素材の他、色々とループ素材が入ってます。
Vol.3もリリースされてますが、ミニマルな感じでちょっと残念・・・。
ともあれ、ハードグルーヴトラッカーの筆頭が作る、ハードグルーヴのためのライブラリ!マスト!

3: Xenos Soundworks – Hard Techno Hellfire
シュランツ寄りのサウンドライブラリ。
3カテゴリ(Clean、Dirty、Pulverized)のキック、クラップ、スネア、ハットのショットの他、ループもそれなりの数収録されてます。
激しめな音を作るときに、エッセンスとして入れるといいかも。

4: Wave Alchemy – African Rhythms
その名のとおり、アフリカ系打楽器のサウンドライブラリ。
ショット素材はなく、全てループ素材。
ハードグルーヴで使おうとするとアンビエンスが若干邪魔なので、下処理必須。
シェイカーのループは割と重宝してます(ピッチ下げて使用)。

5: Bluezone Corporation – Afro Tribal Drum Loops
アフリカ系打楽器のサウンドライブラリ。
BPM136のループが収録されてるので、ハードグルーヴと親和性高し。
やや湿り気のある(?)音で、馴染ませるためには工夫が必要。

6: Bluezone Corporation – Minimal Charge
名前のとおりですね。
Minimal系のワンショット&ループが収録されたライブラリ。
ループはBPM126。
そのまま使うことはほぼなくて、ハードグルーヴなリズムの裏でアクセント的に使うことが多いです。

と、いうところで如何でしたでしょうか。
何か曲作れそうな気がしてきませんか?
ふむ。
「ライブラリだけあっても、それを使うソフトがない」ですか。なるほど。

そんなあなたにはこちら!

FL Studio

ピコ太郎も使っているというアレです。
特徴は、とにかく打ち込みやすいことと、生涯アップデートが無料というところですね。
Editionは4つありますが、GrossBeat(最高にクールなスタッターエフェクト)が同梱されているSignature(299USD)がとてもおすすめです。
とりあえず作りたい!という方はProducer(199USD)でもOKだと思います。
たまにセールで半額になってたりもするので要チェック!

さあ、みんな曲作ろう!
そしてRemixし合ったりして楽しもう!

ということで今回はここまで。
これをお読みの諸兄は既にご存知とは思いますが、Hardonize本戦まで2週間切っております。
こちらの記事をご参照の上、万難排してご参加お願いします!

次回はDJ Sangoがお送りします!よしなに!


今週のオススメハードテクノ – Resident’s Recommend 2017/02/09

こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりにワタクシが担当致します。

前回の記事でテクノは未だにヴァイナル文化が残っていると云う話を出した後の774Muzikさんの投稿がヴァイナルリリース音源紹介で非常に懐かしい気持ちになりました。
我々HardonizeクルーはDJ始めた時期がそこそこ似通っていて、当時行ってたレコード屋も然程変わらず、しばしば同じ作品の取り合いをしたものです。
先のエントリーで紹介されてたブートレグものなんかは正に争奪戦そのもので、存在自体がイリーガルだもんで買い逃したら再入荷されるかどうかも怪しかったことから
持っているだけで羨望の眼差しを味わえたり、まぁ逆にウキウキで買って帰って聴いてみたらそんなに良くもなかったものを、しかも片面1曲しか入っていなかったりするものを高い値段で買っちゃった事実に気が付いてヘコんだり。
それが今やブートレグはBandcamp、Soundcloudなどで気軽に手に入れられるようになり、改めて振り返るとこの便利さには感激してしまいます。
その辺の紹介は去年のフリーダウンロード回で挙げましたけれども、また曲数溜まってきたら紹介しようと思います。

さて、冒頭の話題に戻ってヴァイナル文化のお話。
前回『テクノはメインストリーム系、ハード系問わずまだまだヴァイナル文化が根強く残っていたりします。』と書いた中のハード系に目を向けると云うのが今回の主旨です。
5年くらい前まではハードグルーヴも頻繁にヴァイナルリリースがあったんですが、今はPrimevilとかMoop Up、KickMaSomaAssなど一部を除いてほぼリリース媒体はデータメインになりました。
しかし未だにヴァイナルリリースに重きを置いたハードテクノがあります。
やや速いハードダンスのテンポで地を這うベース、そしてコアとなるTB303特有のうねりまくるシンセ音。
ご推察、アシッドテクノです。
909londonを筆頭にジャンル単体にスポットを当てたレコード店が今尚存在し、1音1音はテクノ的でありながらロングブレイクやレイヴカルチャーを匂わせるボイスサンプリングの多用などテクノらしからぬシーケンスとフレージングを奏でるこの音楽は現在独特のシーンを形成しております。
今回スポットを当てるのはそんなアシッドテクノの作り手であるこの人です。

【Jamie Taylor aka Tik Tok】

tik tok

https://www.facebook.com/tiktok303
https://soundcloud.com/jamietaylor

イギリス在住のプロデューサー/DJ。
このアーティスト写真のモヒカンからして相当なアナーキーっぷりが見て取れますが、主宰レーベル名もCDJ303、MP303とまた面白い。
2004年から作曲活動を開始しており、当時作っていた音はちょっとテクノっぽいハードダンス・・・と云うか今聴くと完全にハードグルーヴですねコレ。

DJ GRH & TikTok / Heatwave

2005年、デビューから2~3枚目にリリースされた曲です。
ややファンキーなリフとフィルター、シャカシャカ系の金物リズムが今と遜色ない。
とは言え当時はハードグルーヴと云う単語はなく、このNeonateと云うレーベルががUKハードダンス、ハードエナジーの大手Vicious Circleからの派生だったこともあり、ハードダンス、トランスのDJに向けたリリース扱いになってました。
尚、これらと並行してアシッドテクノも作っており、Dave the DrummerやAaron Liberatorなど大手プロデューサーにもプレイされていたんですが、2009年に一旦活動を休止しています。
その後2012年から自身のレーベルを立ち上げて再始動しており、Tik Tok名義を完全にアシッドテクノのクリエイターとして統一、現在配信サイトで買えるのはこれ以降の作品です。

Tik Tok / Blaze Up

Tik Tok / Run!

ヴァイナルリリースとしての活動母体レーベルはアシッドテクノ総本山であるStay Up Foreverや909london、新興のレーベルだとThe Geezerが始めたPlanet TechnoやロシアのInterstate Oneなど、ほぼ自身のレーベルオンリーで流通しているデジタルリリースとは違った側面を見ることができます。
こちらもまた相当突っ走っている音源多数。

Tik Tok / Dodges Dirty Bass

Tik Tok / Barnyard Beats

加えて本名、Jamie Taylor名義での活動も並行して行っており、こちらはアシッドシンセを控えたハードテクノをリリースしてます。

Jamie Taylor / Jalapeno

Jamie Taylor / Awkward

渋かったり派手だったり色々あるものの、一貫してハードテクノからはブレていない。
最初に紹介した2005年の曲からもそれは読み取れると思います。
アナログ、デジタル、双方の良さを活かしながらレイヴ、テクノ、トランスの境界線をアシッドテクノの疾走感を武器に強引に捻じ曲げていく(あの髪型も含め、)反骨精神のカタマリのようなアーティスト、それがTik Tokです。

次週02月14日は774Muzikさんが担当します。今回はこれにて。


余談ですがPrimevilと云うレーベルは90年代後半からスタートしている由緒正しいテクノレーベルなのでして、2007年の活動休止後2015年に密かに復活してました。
今のところ年1枚のリリースに留まってますが、全盛期のパーカッシヴテクノの再来なるか、今後の動向に注目です。
本来であればこれ1本で記事が書けるくらいの出来事でした。