今週のオススメハードテクノ - Resident’s Recommend 2024/09/19

はいこんにちは、こんばんは。さんごです。

特集/TRAKTOR PRO4のSTEMで遊ぶ

前回(2週間前)の記事でTRAKTOR PRO4に標準搭載されたOzone Maximizerの機能について紹介しました。今回はSTEMを使ってみたいと思います。

STEMって何だ??という所からなんですが、ざっくり言うと「既存の曲をめちゃ細かく解析して最大4つのトラックに分解して、好きな所だけ鳴らせる」機能です。

例えば歌モノ曲のSTEMを作ったら、ボーカル・リズム・シンセ・残りの何か、みたいな感じに4つに分解したデータが出来上がります。ボーカルだけミュートしたらカラオケになるし、ボーカル以外をミュートしたらアカペラになる、そんな風に使えます。

それを「今ライブラリに入っている曲全てに適用できる」ということで、そんなん面白いに決まっているじゃん…で、使ってみました。

STEMデータを作る

既にTRAKTORのライブラリには今まで自分が入れてきた、使ってきた楽曲たちがあるわけですが、PRO4ではブラウザ上の曲を右クリックすると「Generate Stems」という項目が出てきます。わかりやすい。早速ポチっとやると自動的にSTEMデータが作成されます。

クリックしたら待つだけ

STEMデータは楽曲データが保管されているフォルダとは別のフォルダに記録されるようです。で、解析時間なんですが、かなり念入りにやるせいか1曲で3分くらいかかります。「オデの数万曲のライブラリ、全部STEMデータ作ってやる!!!」ってやると来年になってしまうので、まずは欲しい所だけやりましょう。

 お?
 できましたね

STEMデータが存在する楽曲はブラウザ上で「三」みたいな感じの記号が出て、区別がつくようになっています。ローディングの際にそのまま普通の楽曲として読み込むか、STEMデータとして読み込むかを選択するという形です。

STEMとして読み込んだ状況では、1つのデッキの中で更に4つの「スロット」が出ていることがわかります。右クリックして、STEMデータを作る。準備はこれだけです。

キーアサインをする

TRAKTORはキーアサイン面倒なんですよね!しかしながらサッとSTEMで遊ぶためにはマウスやトラックパッドをコチコチやったりするよりはMIDIコンにちゃんとキーアサインしておく方がいいです。勿論カーソル合わせてクリックだけでも出来なくはないですが。

最低限やるべき追加キーアサインは

(1) 選んだ楽曲のSTEMデータを各デッキにLOADさせる(計4個)
(2) デッキに入った4つのスロットのミュートON/OFFをする(計16個)

4デッキ使う場合はこれだけになりますね。それでもめんどくさ!

キーアサインは従来の方法と変わりありません。PreferencesからController Managerを開いて、アサインする機能を決めて、ボタンに割り当てる、です。

 ここ。

まず(1)のSTEMデータを指定のデッキにLOADする機能は「Deck Common」→「Load Selected」→「Load Selected (load as stems)」です。load as trackが通常のデータ読み込みですね。

これを4デッキ分やるのですが、私はXone K2を使っていて楽曲をロードするボタンを元々割り当てているので「SHIFTを押しながら曲ロードのボタンを押すとSTEMロードになる」という風にしました。

 普通のロードはこう
 STEMだとこうなる

SHIFTキーを押したときに~という判定はModifierというパラメータを使っています。そのValueが「1」の時がSHIFTが押されている時、ということになり、上記画像の例では「SHIFTを押しながらCh15.Note.D#2のボタンを押すとDデッキにSTEMデータがロードされる」ということになります。これを4デッキ分やります。

次に(2)のアサインです。デッキ内のスロットON/OFFを制御できるようにします。

 こんな感じ

「Slot Mute On」という機能がありますので、それをデッキABCDのSlot1~4まで、合計16個分のキーアサインを行います。Interraction Modeが「Toggle」になっているので、ミュートONという名前の機能ですが押すたびにON/OFFが切り替わります。

1つ作ったらDuplicateボタンを押すとコピーが作れるので少しだけ楽になります。アサインしているボタンもコピーされるのでLearnを押してちゃんと変えておきましょう。その後にAssignmentでデッキとスロットを指定します。

 ここを制御するのです

STEMデータを読み込ませるとスロットの左側の方に白いヘッドホンマークの部分があります。読み込み直後は全部オンなのですが、アサインしたボタンを押すと対応したスロットの〇が消えてミュート状態になります。

これで4つのスロットのオン・オフを制御できるわけですね。ボーカル抜きとか、リズム隊抜きとか、シンセ抜きとかが自由自在に出来るようになります。

既存のアサインと、今回追加したアサインを反映した結果がこんな感じです。ドドン!

メインのコントロールにXone K2を使い、エフェクト制御などサブ的な操作はnanoKONTROL2で行うという分業制なのです。今回追加した部分、STEMのロード操作などはK2で、各Slotのオンオフはナノコンで、という感じですね。

ここまで長すぎだよ!!!

遊んでみる

STEMデータを作って各デッキに読み込ませ、それぞれのスロットが制御できるようになったところで実際に遊んでみました。こんな感じです。

どんな感じかが分かりやすいよう、テクノっ子にはお馴染みの楽曲でやってみました。何となくSTEMがどんなものか、どういう風に使えるのかが分かったと思います。既存の楽曲が全部対象になるのがいいですね!

以上、特集、TRAKTOR PRO4のSTEMで遊んでみた!でした。

8月分のSpotifyリスト公開中

8月分の記事で紹介されました楽曲がこれでもかと詰まったプレイリストが公開中です。9月分もモリモリ作成中。

次回開催について

日程出てますよ!!!

12月開催なので今からカレンダーを赤丸チェックでお願いしますね。

では新譜紹介、いってみましょうか。

今週の新譜紹介

Longeez – Too Much Booty (Original Mix) [ec2a]

楽し気なホイッスルが鳴り、ブレイクからブンシャカラカ、ブンシャカブーみたいなボイスが延々と繰り返される、疾走感マシマシのスルメトラック。8小節ループかけて延々と使っていたい。

Ned Bennett – Ignition (Original Mix) [Dancefloor Impact Research]

疾走感に全振りのハードグルーヴ。それもそのはずBPM147!多少下げた所でその疾走感は無くなりません。ツール的にもかなり使える中盤戦曲。

Source Code – Sunrays In The Jungle (Original Mix) [Stutzpunkt]

このスクラッチ音キュコキュコから始まってピアノのバッキングが入るブレイクだけですっかりやられてしまいました。終盤戦を彩るおキレイテクノ!

Almir Ljusa – Octa Core (Original Mix) [Vertex Records]

超ド真ん中、アルミーゥ・ユーサのラテンハードグルーヴ。なんでオクタコアなのかは全然わかりませんが、もう恐るべき安定感です。ピークタイムチューン!

JAXM – Heat Stroke (Extended Mix) [TUFF TiMES]

大き目のブレイクでBPMがゆるやかに下がってまた上がる。実はそういう曲、ハードグルーヴ界隈ではあんまり多くはないんですよね。エモ展開も相まって良さがある。

というわけで本日はここまで。
次回更新は9月24日です!!