こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。
【Hardonize #37.5お疲れさまでした】
先々週になりますが、Hardonize #37.5無事修了致しました。
お聴き頂いた皆様、ありがとうございました。
加えて当日は茶箱へのドネーションも多く寄せられたようで、重ねて御礼申し上げます。
とりわけインダストリアル、ハードミニマルなど冷徹で鋼鉄なサウンドに焦点が当たった回だったように思います。
ハードテクノにも様々なサブジャンルがあるということは当連載でもお伝えしている通りではございますが、やはり花形といえばこういう音になると思うワケで。
その中でもリズムの圧で攻めるのか、グルーヴキープで魅せるのか、はたまた展開の妙に軸足を置くのかなど、各々解釈が微妙に異なっていたというのが改めて浮き彫りになった回でもありました。
マニアックな視点で申し訳ない。
そして今回ゲストでご出演頂いたBishamonさん、ASINさん両名も期待通りで予想以上という骨太なプレイを披露して頂けました。
Bishamonさんは初手からディープドラムンベース、グレイエリアに踏み込みつつ、テクノ~インダストリアルテクノまで幅を広げた玄人感の滲み出る内容。
風変わりに聴こえるサウンドもストイックに向き合うと、ちゃんとストイックに聴かせることができるというのを分からされた感じでした。
一方ASINさんは徹頭徹尾暴力的なリズムを従えたシュランツの殴打。
密度の高い音の奔流の中で不穏な音やインパクトの高い音が差し込まれる様相は、怪しさと危うさが同居する昔のクラブの雰囲気をパッケージしたかのような音で大変眼福でした。
次回Hardonize #38もこの2名でプレイして頂く運びになっておりますので、その際は是非茶箱のスピーカーから彼らの音を体感してください。
詳細は追ってこちらでご報告致します。
【Hardonize #37.5 トラックリスト】
さて、自分はそんなゲスト2名に挟まれる順番でした。
全容はこちら。
インダストリアルテクノ~テックトランス~ハードアシッド~レイヴ~ベースミュージック~アーリーハードコア
No | Artist | Trackname | Link |
---|---|---|---|
01 | AMIT | Acid Trip (J:Kenzo Remix) | Beatport |
02 | Ansome | Snake Eyes | Beatport |
03 | Dahryl | Skull Crawler | Beatport |
04 | JASSASS | Chemical Attack | Beatport |
05 | Paolo Ferrara, Lorenzo Raganzini | I’m The Fire | Beatport |
06 | Not A Headliner | God’s Technological Ego | Beatport |
07 | Side E-Fect | Dropkick | Beatport |
08 | Tomaz vs. Filterheadz | Sunshine (Lucas Deyong Rework) | SoundCloud |
09 | Dyen | Ghetto | bandcamp |
10 | GANEZ THE TERRIBLE | Sugar | bandcamp |
11 | Benji303 | Babylon Shall Fall | Beatport |
12 | Sterling Moss and Miro HardParty | Hard Party Anthem | bandcamp |
13 | Champion Breaks | Sex On The Decks | Beatport |
14 | The Prodigy | No Good (Start the Dance) | Beatport |
15 | Rusko | Hardcore Raven | Beatport |
16 | Fracture | Percussion Sweet | Beatport |
17 | Obi1 | Avvolavvol | 試聴なし |
18 | DieMantle | Wait For The Drop | bandcamp |
19 | Coleco | Raveworx | Beatport |
20 | 電気グルーヴ | 電気ビリビリ | Apple Music |
21 | King Dale | Utter (Turbulentie Mix) | Beatport |
22 | Sutura & Dominik Stuppy | Hardcore Ente | SoundCloud |
例によって数曲かいつまんでご紹介します。
【曲紹介】
Acid Trip (J:Kenzo Remix) by Amit on Beatport
イギリスのプロデューサーJ:Kenzoによるディープダブステップ。
ヒリヒリする重くて暗いビートにタイトル通りのアシッドシンセのリフが乗ったテッキーなトラック。
中盤以降のハイハットの打ち方はかなりテクノに近い印象を受けます。
前のBishamonさんからブレイクビートで渡されたので、最初に持ってきました。
ちなみに原曲もテクノとの親和性がかなり高いトラックなので、合わせてどうぞ。
Im The Fire (Original Mix) by Lorenzo Raganzini, Paolo Ferrara on Beatport
スペインのプロデューサー同士、Paolo FerraraとLorenzo Raganziniによるインダストリアルテクノ。
非4つ打ちで組まれた硬いビートが最大の特徴。
ウワモノもスモーキーなシンセとスクリームボイスのユニゾンとなっており、まぁ雰囲気の不穏さが凄い。
フードを目深に被って聴くのが似合いそうな不良の音楽。
ポーランドのプロデューサーLucas Deyongによるテックトランス。
先月に寄稿したフリーダウンロード特集でも取り上げたSunshineネタのブートレグです。
ネタ元の華やかさとは真逆の強烈なリズムを従えたアレンジ。
リズム主体だった序盤の流れからリフへと軸足を移していく目的で使用しました。
Babylon Shall Fall (Original Mix) by Benji303 on Beatport
イギリスのプロデューサーBenji303によるハードアシッド。
局所的に支持されているレゲエサンプリングのアシッドテクノ。
延々と続く2拍4拍のギターに前のめりなアシッドシンセがめちゃめちゃ合ってます。
こういう一見無関係な要素同士が共存しているスタイルは兎に角ツボなので。
No Good (Start the Dance) (Original Mix) by The Prodigy on Beatport
イギリスのレジェンドグループThe Prodigyによるレイヴ。
ラフで太いリズムにファンキーなベースラインと高揚感煽るシンセリフ、極めつけにKelly Charles / You’re No Good For Meからサンプリングされたボーカルが存在感満点の言わずと知れたThe Prodigyの代表曲。
1時間の持ち時間の中でシュランツを使わず、如何にしてテンポを上げるかというのが命題にあったので今回はそのキーをレイヴにしようと思い、ブレイクスにも4つ打ちにも相性の良いこれを採用。
2021年もProdigyは使っていきます。好きなので。
Percussion Sweet (Original Mix) by Fracture on Beatport
イギリスのプロデューサーFractureによるベースミュージック。
ここからBPM160という速いテンポ帯に突入しました。
ドラムンベースのサウンド且つ4つ打ち、ウワモノはアーリーレイヴというジャンルの坩堝。
4分打ちのハイハットにテクノっぽさも感じ取れたりと、まぁ上でも書いた通り僕の性感帯はまさしくこういう曲です。
このFractureというアーティストは他にもBPM160帯の曲を多く手掛けており、ジューク、ドラムンベース、テクノ辺りがゴッチャになった風変わりなスタイルを確立しているので是非。
Raveworx (Original Mix) by Coleco on Beatport
イギリスのプロデューサーColecoによるベースミュージック。
押しも押されもせぬドラムンベースレーベルの代表格Shogun Audioからリリースされた異形作。
変則で手数の多いパターンのリズムとオルガンライクなリフからなる構成が凄まじいレイヴの臭気を放っています。
兎に角ジャンルを跨ぐのにうってつけなので何度も使っているお気に入り。
Utter (Turbulentie mix) by King Dale on Beatport
オランダのプロデューサーユニットKing Daleによるアーリーハードコア。
ガバ、ハードコアシーンの大本営Rotterdam Recordsから1992年にリリースされたもの。
ひたすら繰り返される『Utter, Utter, Utter, Utter…』のボイスサンプルに形容し難いシンセの音、今では到底生まれ得ない突き抜けてバカっぽい構成はインパクト絶大。
黎明期のハードコアとして燦然と輝く名曲ですが、これが平日の朝から地上波テレビ番組で流れていた昔はどうかしている。
まとめ
以上、Hardonize #37.5のトラックリストをお送りしました。
今回のコンセプト的に当初は鋼鉄テクノセットを行う予定でしたが、ゲスト2名の合間を縫う順番になったことと配信としてお送りすることになったことで
所々にネタモノやインパクトの強い音のトラックを差し込みつつ、速いテンポへ移行することを意識した内容となりました。
結果ハードテクノ以外の要素も取り入れつつプレイできたので、楽しんで頂けたなら嬉しいです。
あと後半のBPM160帯はもっと色々できたので、機会があれば引き続き焦点を当てていきたいですね。
そんなワケで今回はここまで。
次週03月09日は774Muzikさんが担当します。
では。