こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。
【前置き】
心よ原始に戻れ pic.twitter.com/ySIvZj6G2J
— TAK666 (@012345666_) March 13, 2021
一昨日のyudukiボスのエントリーで触れられていたHardonizeレジデントご用達の東京麺珍亭本舗の新店舗は開店翌日に足を運びました。
元店舗とは比べ物にならないくらい綺麗になってました。
鶴巻町本店には人生の半分以上通っておりましたので、思い入れも一入。
当然ですが、味は元のままなので引き続き信頼が置けます。
近くにお立ち寄りの際は是非。
【今回のお題】
さて、昨年から自分の回はハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていく形式となっておりました。
ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か?をご参照ください。
ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。
今回取り上げるサブジャンルは
です。
特別連載に於いては9回目に取り上げた、テクノの質感を含んだトランス、ハードダンスのスタイルです。
前回は約1年前にお届けしており、インパクトの強いサウンドが用いられている一方で現行のハードテクノにも通用するリリースが多いことを示しました。
この手のトラックもHardonizeで流れることが多いため、改めて直近のリリースについて触れていきたいと思った次第です。
今回は新作というカテゴリーでスポットを当てていきますので、ここ2ヵ月程の間にリリースされたトラックを主に取り上げていきます。
加えて前回同様になりますが、どうしても配信サイトの試聴ではブレイクの部分しか含まれていないケースも多々あったため、長い尺で音源が公開されているYouTubeリンクを埋め込み音源として貼り付けます。
その下にbeatportへのリンクを記載しておきますので、購入はそちらからどうぞ。
では、新作テックダンス / テックトランス紹介いってみましょう。
【曲紹介】
Key4050 – Just A Dream (Original Mix) – YouTube
Just A Dream (Original Mix) by Key4050 on Beatport
お互いソロでも活動しているアイルランドのプロデューサー同士、Bryan KearneyとJohn O’CallaghanのユニットKey4050によるテックトランス。
かなりレトロなトランスのサウンドが散りばめられており、かと思えば急にウワモノが消えてキックとベースだけになったり、押し引きの塩梅が絶妙なトラック。
ブレイクの高揚感煽る感じはトランスならではの気持ち良さですし、何より出音がメチャクチャ綺麗なので早く大きい音で聴きたいという気持ちです。
Felix R – Sin City (Original Mix) – YouTube
Sin City (Original Mix) by Felix R on Beatport
オーストラリアのプロデューサーFelix Rによるテックトランス。
yudukiさん、774Muzikさん、僕の3人で最近かなり推し気味のアーティスト。
ハードダンス界隈の出身でありながらここ最近のリリースがかなりハードテクノ寄り、それもかなり硬質なリズムを擁したトラックが目立っており、それでいてハードダンスの重厚なシンセ層と細かい音の差し込みがまぁ美味い美味い。
この曲もそんな得意分野が遺憾なく発揮されたもの。
ハード系4つ打ちなら何でも幅広く応用できそうな懐の広さを見せてくれます。
推しということでもう1つ直近のリリースを。
Felix R – Need You [Tranceformer Darkside] – YouTube
Need You (Original Mix) by Felix R on Beatport
こちらはもっとピュアなテックダンスという印象を受けます。
リズムの厚さに反比例するようにシンプルなアラーム系リフが逆にインパクト強め。
Blashear – Brisk Tempo – YouTube
Brisk Tempo (Extended Mix) by Blashear on Beatport
アルゼンチンのプロデューサーBlashearによるテックトランス。
ハードグルーヴに近い前のめりなリズムが鳴っている曲。
これも実はかなり多いシンセを使い分けている器用さが見て取れます。
フィルの種類も豊富な上、逐一細かくて思わずニヤリとしてしまう。
ちなみに声ネタはFatboy Slim / Ya Mamaでお馴染み、Doug Lazy / Let The Rhythm Pump。
この辺りのチョイスもファンキーで良いですね。
Indecent Noise – R.A.V.E – YouTube
R.A.V.E (Extended Mix) by Indecent Noise on Beatport
ポーランドのプロデューサーIndecent Noiseによるテックトランス。
今回紹介する中ではド派手1番星。
アシッドシンセあり、レイヴオルガンあり、スタブありというタイトルに偽り無しのレイヴサウンドてんこ盛り。
反面リズムはシンプルなのがまた使いやすそうでもう猫まっしぐら。カルカン。
Detonization (Original Mix) by Stuarty Baillie on Beatport
イギリスのプロデューサーStuarty Baillieによるテックトランス。
前回のテックトランス特集時にもあった『何このリフ』枠。
アタック強めのソリッドなキックで構成されたリズム、厳かなブレイク、気分の高まるスネアロールを経て飛び出すのが聴いたことのない音とパターンで、初めて聴いたとき普通に『は?』って言ってしまいました。
ちょっとこの音は説明が出来ないので是非聴いてほしいです。
変ミュージック好きには何か胸打つものがある筈と信じて。
ちなみにこれがリリースされたレーベルは前出のFelix R / Need Youと同じくTranceformer Darksideというところで、Tranceformerのサブレーベルという立ち位置で今年設立されたばかりの新興レーベル。
そのためリリース数もまだ少ないにもかかわらず、これだけインパクトの強いトラックを輩出しているということで個人的に関心を寄せています。
Into The Unknown (Original Mix) – YouTube
Into The Unknown (Original Mix) by Alignment on Beatport
イタリアのプロデューサーAlignmentによるテックトランス。
AlignmentはSuaraからのリリース経験もあるテクノをメインに手掛けている人ですが、直近の作風がBPM140前後のテンポで硬質なテクノのリズムとトランスのサウンドを組み合わせたスタイルでほぼ統一しており、この曲もそういった中の1つ。
ユーフォリックなメロディに聴き惚れているとキックが入った瞬間にブッ飛ばされます。
このスタイル、実は最近のテクノのフィールドでかなり数が出ており、それに応えるかのようにトランスのDJもこれらの楽曲をプレイするという良い相互作用が生まれています。
作り手もニューカマーから大ベテランまで幅広く、サウンド同様かなりカオスなことになってて面白いのでいずれここにもスポットを当てて紹介したいところ。
以下類似楽曲を2曲程載せておきます。
Ahl Iver – Danger Close (Lenske015) – YouTube
Danger Close (Original Mix) by Ahl Iver on Beatport
Set Up (Original Mix) – YouTube
Set Up (Original Mix) by SveTec on Beatport
Rick Guyez – Find A Way – YouTube
Find A Way (Extended Mix) by Rick Guyez on Beatport
オーストラリアのプロデューサーRick Guyezによるテックダンス。
ロングブレイクを挟む展開と、それに沿って鳴らされる煌びやかなシンセが直球で派手。
リズムも黄金期のテックダンスに忠実な打ち方となっているので、現行のテックダンスとして取り上げるのにピッタリのような気がします。
やや哀愁漂うところからするとセットの終盤向けが合うかなという印象。
Cunning Linguists – Thunderpants – YouTube
Thunderpants (Extended Mix) by Cunning Linguists on Beatport
イギリスのプロデューサーSykesyと、同じくイギリスの大御所ハードダンスプロデューサーDark By DesignによるユニットCunning Linguistsによるハードダンス。
これだけ去年の作品になるのですが、あまりにも変な音が鳴っているので紹介させてください。
全体的な特徴として、持続の短い音が多く用いられており、4つ打ちなのにつんのめってしまいそうなリズム構成となっています。
その上でウワモノもシンプルなリフやボイスサンプルが入れ替わり立ち替わりで差し込まれ、とにかく落ち着かなさが顕著。
間違いなく変ミュージック好き向け。
っていうか何でジャケットそんなにキモいの。
Otira – Take Kontrol – YouTube
Take Kontrol (Extended Mix) by Otira on Beatport
フランスのプロデューサーOtiraによるハードダンス。
たまげるくらいラフなリズム、たまげるくらいレトロなSuper Sawシンセ、絶対リリース年度間違ってるだろと思ってしまう程に1990年代丸出しな曲。
格好良さや完成度といった尺度ではなく、インパクトというポイントを全力で稼ぎにいった感じが見受けられます。
そして多分それは成功している。
これがSteve Aoki率いるトップEDMレーベルDim Makからリリースされる2021年、実に愉快です。
ちなみにこの後Take Kontrol EPという本作品を含む6曲入りの作品もリリースされました。
他の曲もなかなかに異形のハードダンスが揃っているので、こちらも変ミュージック好きに是非。
っていうか何でジャケットそんなにアニメでイヤらしいの。
まとめ
以上、テックダンス / テックトランスにスポットを当ててお送りしました。
何故か毎回多めに取り上げてしまう。
前回紹介しきれなかったハードダンスまで踏み込んで取り上げましたが、煌びやかさとは別のところに重点を置いたトラックの面白さが伝われば嬉しいです。
あと上で紹介したAlignmentやSveTecのように、硬めテクノ界隈でトランスのサウンドが用いられた曲がちらほら目立つようになったというのも1つのトピックのように感じます。
(紹介し損ねましたが、SveTecはシュランツシーンの古豪ということもあって特に驚きました。)
前回で取り上げたT78は新曲New Worldでも現行テクノにトランスのサウンドを落とし込んでいますし、
昨年末にリリースされたCalling Earth (Umek Remix)は1998年のジャーマンテクノのフレーズを突如現代に蘇らせた話題作として記憶に新しいですね。
これに関しては余りに衝撃的過ぎてヴァイナルで買ってしまいました。
このようにじわじわとテクノシーンを侵食している感のあるトランスサウンドがハード、インダストリアル路線に対する次の一手となりえるのか、引き続き注目していきたいところです。
そんなワケで今回はここまで。
次週03月23日は774Muzikさんが担当します。
では。