こんばんは。TAK666です。
レジデントが代わる代わるオススメハードテクノを紹介するこのコーナー、
2週間ぶりに担当致します。
【Spotifyプレイリスト】
毎月恒例、Spotifyプレイリストの06月分が公開されました。
はい、サイケデリックトランスをリストインした犯人は私です。 (連載回 )
でもHardonizeはこういうハードテクノの周辺音楽にもスポットを当てているパーティーなので、ハードテクノ好きもそうじゃない人も是非引き続きチェックの程、よろしくお願い致します。
【告知】
次回Hardonizeの情報が公開されております。
2024/8/3(sat) Hardonize #47 at waseda sabaco | Hardonize web
Cherryboy Function さん とGuchon さん の両名をゲストにハードテクノとその周辺音楽をお届けします。
両者ともハードテクノをメインフィールドに活動している方々ではないものの、ハードテクノを含む様々な音楽に造詣が深いプレイヤーなので、どのようなサウンドが繰り出されるのか、とても楽しみです。
彼らの直近のリリースを取り上げるとこのような感じです。
DE DE MOUSE × CHERRYBOY FUNCTION / Sunset lover
VIDEO
DE DE MOUSE × CHERRYBOY FUNCTION – Sunset lover Music Video – YouTube
Guchon, andrew, Carpainter, Seimei – Dream Team EP
Stream Guchon, andrew, Carpainter, Seimei – Dream Team EP [Official Teaser] by TREKKIE TRAX | Listen online for free on SoundCloud
日にちは08月03日(土曜日)、15時からとなります。
場所はいつもの早稲田茶箱 にて皆様のご来場をお待ちしております。
【今回のお題】
さて、当連載に於ける自分の回ではハードテクノのサブジャンルにテーマを絞り、その中のオススメ楽曲について取り上げていく形式となっております。
ちなみに、年始は3回に渡ってフリーダウンロード特集を行っておりましたので、ご興味のある方は是非ご参照ください。(1) / (2) / (3)
ハードテクノとはどういった音楽を指すのか知りたいと云う方がいらっしゃいましたら約半年に渡ってお送りしておりました特別連載ハードテクノとは何か? をご参照ください。
ハードテクノをサブジャンルごとに分類し、それぞれの生い立ちや代表曲などをまとめております。
ですが、今回のテーマを述べる前に1曲だけ新譜を紹介させてください。
KETTAMA / Pretty Green Eyes (Sunset Ibiza Mix)
Stream KETTAMA – Pretty Green Eyes (Sunset Ibiza Mix) by KETTAMA / G-TOWN RECS | Listen online for free on SoundCloud
購入リンク(beatport):https://www.beatport.com/track/pretty-green-eyes-sunset-ibiza-mix/19164862
アイルランドのプロデューサーKettama によるテクノ 。
昨年から今年にかけて、イギリスの大ベテランユニットUnderworld とのコラボレーショントラック、g-town euphoria (luna) そしてFen Violet と立て続けにリリースし、
強烈な存在感をシーンに示しているKettama ですが、またしても特大インパクトを誇るビッグボムが投下されました。
この曲には元ネタがあります。
Ultrabeat / Pretty Green Eyes
VIDEO
Ultrabeat – Pretty Green Eyes (Official Video) – YouTube
2003年にリリースされたトランス 。
尺八のようなオリエンタルな笛の音や透明感のある男性ボーカルはかなり特徴的で当時大ヒット、今ではクラシックとして取り上げられることが多い曲です。
トランス ~ハードコア に於いては正規版、ブートレグ問わず数々のリミックスが存在し、今でもたまにハウス でサンプリングされているのを耳にする、世代を超えて愛されている1曲と言って良いでしょう。
(Soundcloudでトラック検索してこの量 です。)
ただ、テクノ 的な解釈の元作られたアレンジというのはこれまで聴いたことが無く、今回のこのリリースには結構たまげました。
それも現行のメインストリームテクノ のようなリズム主体の重たいものではなく、原曲のボーカルを活かしながら感傷的なシンセリフを添え、前のめりなハイハットが特徴的なリズムに乗せたメロディックなスタイルで、2024年現在こういったトラックを作るならKettama を置いて他にいないだろうと思わせる仕上がりです。
丁度自分がヴァイナルを買っていた時期に原曲がリリースされ、実際耳にしていた思い出補正も相まって即行でカートインしてしまいました。
2023年のハードテクノ10選 に於いてKettama / 1997 を挙げましたが、今年もKettama から目が離せそうにありません。
で、ここからが本題で、先の楽曲のリミックスタイトルに『Ibiza』という単語が入っております。
Wikipediaにページがありますが、 スペインに属するこの島は1970年代から今に至るまでクラブのメッカとして象徴的な存在です。
日本で言ったら淡路島ほどの小さな面積の中に、50年位以上続くPACHA を筆頭に多数の名門クラブが存在していると言えばその特異性が伝わるでしょうか。
イビサ島の老舗クラブ「PACHA」が誕生から50周年 | BARKS
伝説のナイトクラブ SPACE IBIZAがイビザ島に帰ってくる | EDM MAXX – EDM情報マガジン
イビザ島のパーティーはヒッピーの文化も相まってか、あらゆるジャンル、サウンドが混ざり合うことが多く、特にテクノ 、ハウス 、トランス に跨った楽曲やDJスタイルはイビザサウンドの特徴とされていました。
リゾート地らしいアーバンでゴージャスなサウンドを用いつつ、夕焼けを思わせる感傷的なメロディーがあったり、その一方でフィジカルに機能するビートやグルーヴといった要素も兼ね備えたハイブリッドなもので、実際、イビザの名前を冠したこれらの楽曲コンピレーションやMIX CDを2000年代によく目にした記憶があります。
ibizaおよびElectronicの音楽(2000年のものから)| Discogs
翻って先程のKETTAMA / Pretty Green Eyes (Sunset Ibiza Mix) を聴くとこれらの特徴をバッチリ押さえており、イビザの名前を冠するに相応しい内容です。
更に最近リリースされた他の楽曲も、こうした特色を持つものが結構見受けられたので、それらをまとめて紹介しようというのが今回の趣旨になります。
(ここまで長かった・・・。)
というワケで、今回取り上げるテーマは
2024年のイビザサウンド
とします。
アーバンで感傷的なメロディーを持ち、様々なジャンル背景が見える、というのをキーポイントとして、ここ1~2ヵ月の間にリリースされたトラックをメインに取り上げていきます。
早速ですが2024年のイビザサウンド紹介 いってみましょう。
尚、試聴がYouTubeもしくはSoundcloudの場合は購入先として別途beatportのリンクを貼付しております。
【曲紹介】
Riordan / Bring Me Down
Stream Bring Me Down by Riordan | Listen online for free on SoundCloud
購入リンク(beatport):https://www.beatport.com/track/bring-me-down/19120195
イギリスのプロデューサーRiordan によるUKガラージ 。
元ネタは2000年にリリースされたUKガラージ 、Stanton Warriors, Zack Toms / Bring Me Down 。
原曲のボーカルをブレイクに残しているものの、リズムパートは全く別物。
極太のベースフレーズと小気味良いハイハットリズムでグイグイ引っ張っていくタイプのトラックです。
Keno, Mailman / Pampkekno
Pampkekno | Keno, Mailman | Keno
フランスのプロデューサー同士、Keno とMailman によるテクノ 。
フィルター混じりの断続的なリフとシンプルなリズム、ウッドベースみたいな低音で構成された跳ね感の強いトラック。
ブレイク以降は煌びやかなシンセとアシッドリフも加わり、よりファンクネス指数の高い雰囲気を演出します。
ディスコ 好きには結構刺さる気がします。
Jonas Gottlieb / Sorry For The Looks
Sorry For The Looks | Jonas Gottlieb | Dance Petrol Records
ドイツのプロデューサーJonas Gottlieb によるテクノ 。
うねりのあるベースフレーズ、軽快なピアノサウンド、スムースな女性ボーカルと三役揃ったトラック。
昔の生音感が強いハードハウス 辺りと合わせたくなります。
夏真っ盛り感が半端じゃないですね。
Mall Grab, Flansie & Sunny / Drift
Drift | Mall Grab, Flansie & Sunny | LOOKING FOR TROUBLE
イギリスのプロデューサーMall Grab 、そしてオランダのプロデューサーFlansie とSunnysoposted によるテクノ 。
哀愁漂うレトロなピアノフレーズを前面にフィーチャーしたトラック。
深度のあるベースからオールドスクールレイヴ の臭気が漂っているのも個人的にグッときます。
Robin Wylie / Pulse Track
Pulse Track | Robin Wylie | Ritual Poison
イギリスのプロデューサーRobin Wylie によるテクノ 。
厚みのあるベースシンセと反するようにレトロな電子音が軽快に跳ね回っている構成。
殊更メロディーを強調しているワケではないものの、ベースのフレーズとウワモノのサウンドがノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。
テンポこそ違いますが、どことなくOrbital / Chime を連想させるんですよね。
DJs Pareja / Perfecto Radar (Chrissy Rave Dub Mix)
Perfecto Radar (Chrissy Rave Dub Mix) | DJs Pareja | Djs Pareja
アメリカのプロデューサーChrissy によるブレイクス 。
1拍目に重心を置いた偏屈な非4つ打ちリズムにオールドスクールレイヴ の金字塔、Bizarre Inc / Playing with Knives のピアノフレーズがサンプリングされています。
このウワモノとビートの雰囲気が乖離しているところから土臭いレイヴ の精神性が感じられてかなり好みです。
後半になると細かくリフのパターンが変わっていく、サンプリングセンスが光る楽曲。
Clint / Native House Dance
Native House Dance | Clint | Permanent Vacation
フランスのプロデューサーClint によるハードハウス 。
裏打ちのベースによる跳ね感をキープしつつ、その上で展開されるシンセの引き出しの多さが光るトラック。
安直にイメージする1990年代のハードハウス の音がしこたま投入されており、2024年リリースなのが疑わしいレベルで全体的にサウンドがレトロ寄りです。(だがそれが良い。)
Matt Guy / Every Little Time (Back in ’97 Extended Mix)
Every Little Time (Back in ’97 Extended Mix) | Matt Guy
イギリスのプロデューサーMatt Guy によるハードハウス 。
’97とリミックスタイトルに入っていますが、先月出たばっかりの曲です。
ボーカルは1997年にリリースされたPoppers Presents Aura / Every Little Time からの引用ですが、それに加えてLock ‘N Load / Blow Ya Mind (Club Caviar Extended Remix) の独特な連打フレーズが用いられており、こっちの方が目立ってます。
レイヴオルガンのややいなたい感じとかも含め、往年のハードハウス ヘッズにオススメしたいトラック。
Baccus / Your Love
Your Love | Baccus
フランスのプロデューサーBaccus によるテクノ 。
アシッドベースにフィルターを織り交ぜた浮遊感たっぷりのシンセが乗ったトラック。
ソウルフルな女性ボーカルもアーバンな雰囲気作りに一役買ってます。
KIKO TESLA / Just Because You Can
Just Because You Can | KIKO TESLA | Green Roll Records
オーストラリアのプロデューサーKIKO TESLA によるテクノ 。
ハイハットとクラップによる推進力の高いビートと、穏やかなピアノとパッドが合わさった曲。
ダンスミュージックとしての機能を維持しつつ、綺麗に締めることができるので、踊り明かした最後の1曲として使いたくなりますね。
KLP / Come Thru
VIDEO
COME THRU (Official Video) – YouTube
購入リンク(beatport):https://www.beatport.com/track/come-thru/19130784
オーストラリアのプロデューサーKLP によるハウス 。
こちらも〆候補。
アシッドベースとピアノサウンドに加えてボーカルも入っているので、よりメロウに着地させたい場合はこちらの方が向いているかもしれません。
【次回】
そんなワケで今回はここまで。
次週07月09日は774Muzikさんが担当します。
では。
続きを読む